悪魔の少年と半端な少女

月夜

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城での悪魔の出来事

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私の住んでいる塔はこの国の王のすむメシア城の領地にある森で通称『迷いの森』。
まあ、私の存在で、不気味がられてそんな名前がついただけだけど。
メシア城に行って王様に会わなければいけない。だから今蓮と一緒に向かったのだが、
「歩いて5分ぐらいでついたね。」
蓮がこちらをみながら言う。まぁ、確かに大きかった。中に入るといかにも王様!!といった感じの見かけをしたお爺さんが座っている。
「よく来たなのう。魔女よ。」
しわがれた声でいきなりそんなことを言い出す王様に向かってうっかり火の玉を投げた。
だって私が魔女だってことを蓮に話したから。
そんなの知ったら嫌われると思ってたし、ある程度時間がたったら教えようと思ってたのに!
低級魔法
「ファイアボール」
直撃すればよかったけど。
「月!ダメだよ。力で訴えちゃ。」
蓮はそういって私と同等。もしくはそれ以上の魔力で消し去った。
そんなこと、あり得ないはずなのに。
呆然とする私に蓮は言う。
「えっとね、別に月が魔女でも構わないよ?僕は一応悪魔ではあるし……、だからそんなに気にしないで?きっと一方的に言われてるだけでしょう?」
蓮の言葉に私は嬉しくなった。蓮が察してくれて、お世辞でもそんな言葉をいってくれたことが嬉しかった。
『魔女』
それは私に永遠に付きまとうものだから。魔女と最初に呼んだあの子は今でも記憶に残っている。
「ありがと、蓮。」
そういって蓮を抱き締めると、少し焦ったようなそんな感じでいたが、それも自然に収まった。
「えーっと、とりあえず、本題に入っていいかの?」
ゴホン、と咳をひとつして、戸惑うように王は言う。「前からお主には勇者を育成する学校にいかせる予定じゃったのじゃが…。」
そこで区切るということは、何か嫌な予感がする。
「やっぱ中止にしてワシの息子のとこに嫁いでくれないかのう。」
そう王様が言った瞬間、部屋に嵐が吹き荒れた。そして、
「何先輩にいってくれてるんですかお父様。」
笑顔で立っている颯太がいた。

「だいたい先輩を誰に嫁がせるつもりなんですか?」
猫なで声が逆に怖い。
「そうじゃのう。同い年の司かのう。」
王様は顎を撫でながらそんなことをいい始めた。
「ふざけるのも大概にしてください。いい加減にしないとキレますよ?」
そんなこと言いながらもう手には剣を握ってるじゃん!もうそれキレてるよね。
「じゃあ、颯太、お前がいいかのう?」
すると颯太は顔を赤らめて
「え!せ、先輩が良いって言うなら。」
と、こっちを潤んだ目で見つめてくる。
「どうかのう?」
と、王様も聞いてくる。私の答えを言う前に、
「月と僕は友達だし、多分僕のところがいいんじゃない?」
と蓮がいい始めた。その言葉に私はドキッとする。
「ところで嫁ぐって何?」
うん、やっぱり蓮ってちょっと期待させるところがあるよね。嫁ぐの意味を説明すると、
「そんな意味か。けど、よくわかんないけど僕、月ならいいよ?」
ああ、やっぱり大好きだな。私は蓮の事を。
きっと蓮にとってのそれはある意味契約の一種なのではないかと私は思う。
『私は蓮と結婚したいとか、おもってるよ。』
何て声に出せたら。拒絶されるのが怖い私は
「蓮と颯太はどちらも大切な『友達』だから選べないよ。」
何て言って誤魔化した。


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