異世界転生した俺ですが、なんだか周りの奴らがおかしい気がする

OZ

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( ルーナ )

( 戻っておいで )

( どうして行ってしまったんだい )

( いつか絶対に迎えに行くよ )

   ( 一緒に帰ろうね )

( それまでいい子で待ってるんだよ )

( 愛してる、ルーナ )




ハッ!ガバッ!!


   …夢、か?なんだとてもリアルな夢だったな。シルバさんが話しかけてくる夢。…今のは本当に夢だったのかな。

   ん…なんか顔が濡れてる?あれ、俺泣いてる?なんで?…あ、意識したらすごく悲しくなってきた。やばい。涙が止まらない。…シルバさんに会いたい。どうして、なんでこんなにシルバさんに会いたくてたまらないんだろう。自分から出てきたのに。なんか前にもあったなこんなこと。前は…家から出た時だ。あの時は怖くてしょうが無かった。怖くて蹲ってたら、シルバさんが迎えに来てくれたんだ。

   じゃあ今も迎えに来てくれる?いや、ここにいたらいくらシルバさんでも分からないかもしれない。外にいたら、分かるかも…外に行かないと…


   廊下を適当に歩いているけど、広すぎてどこが出口か分からない。昨日通された部屋とかあれば出口までの道は分かるけど、さっきまでいた部屋がどこか分からなかった。あの後、いきなり頭が痛くなってから記憶が無いから、寝かしといてくれたのかもしれない。ベッドの近くには人がいたようだ。椅子が2つあったし、何となく、そばに人がいたような気がする。本当にいたかは分からないけど。今が何時だか分からないけど、近くにいた人はどこかに行ってしまったのだろうか。外までの行き方を教えて欲しかった。シルバさんが待ってるかもしれない。早く会いたい。


   ん?後ろの方がすごく騒がしい。なんだ。何かあったのか?っていうかやっと人がいた。広すぎるだろここ。


「いました!!ルーナ様!!」


   あちらの方から、ネポスと、兄様たちが走ってきた。そんなに慌ててどうしたんだろう。まあいいや。やっと外に出れる。


「ルーナ!部屋にいないからびっくりした!どうした?何か欲しいものでもあったか?」

「レオ兄さん、どうやったら外に出れますか?広くて、どこに行ったらいいか分からなかったんです」

「外…庭に出たかったのか?でも、体調がまだ良くないだろう?倒れたばかりだから、安静にしといた方がいい。庭はまた今度にしないか…?」

「いえ、体調は大丈夫です。庭ではなくて、見つけやすいような、そんな場所がいいです」

「ルーナ…?見つけやすいって、どういうことですか?誰か来るのですか?」

「はい、お父さんが探してると思うので。家の中にいたら、分からないと思うんです」

「は?お父さんってどういうことだ。」

「レグルス様!落ち着いてください!ルーナ様の様子がおかしいです。…ルーナ様、どうしてお父様が来ると思うのですか?」

「…?分からない。早く外に出ないと…」


   ネポスが俺の前に膝を着いて、何やら聞いてくるが、なんだかうまく考えられない。

「!!!!レグルス様、ロス様、ルーナ様の瞳が、濁っています…なんだか緑がかったような…」

「緑?…そういえば誘拐犯のやつの、髪も瞳も緑だってルーナが言ってたよな。そいつの仕業か!ロー、魔力を調べろ。操られているなら、そこから辿る」

「ルーナ、少し失礼します。」



「恐らく、今は操られていないと思います。でも、本当に数分前くらいの魔力の痕跡が僅かにありますね。ここは到着した時に俺が結界を張っていますから、いくら魔法が優れていても入ったら絶対に分かります。だからルーナから外に出て貰えるように誘導したってとこでしょうね」

「…ふざけやがって。ロー、ルーナはどうしたら正気に戻るんだ。今は魔力で操られているわけじゃないんだろう」


   目の前で兄さん達が話しているようだが、どうにも内容が入ってこない。頭がぼっーとして、霧の中にいるみたいだ。









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また、長くなってしまったので切りました。



シルバさん最強みたいになってきてどうしよう。



ロスの略称をローにしました。
ちなみにレグルスはレオです。
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