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24 【ロスside2】
しおりを挟む更新遅くなってすいません…!!
手紙の書き方とか何も分からないので、冒険者達は平民で貴族への手紙の書き方は知らないってことにしてください。細かいところは目をつぶってね。
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ルーナが見つかってからの父上は今までにない以上にそわそわしていた。公爵ともあろう父上がここまで動揺しているのはあまり見たことがない。
公爵家専属となった冒険者から発見の知らせが来たのは1ヶ月前。届いた手紙には王族が施すような厳重な魔法がかけられていて父上以外は開けないようになっていた。手紙の内容はこうだ。
『御使い様を無事に保護しました。
詳しいことは直接お話致しますので、状況だけ完結に記させていただきます。
御使い様は3ヶ月ほど前にアートルム帝国の巨大樹の森深くにて発見しました。王国に近づくまで安全を確保出来なかったため、時間がかかり報告が遅れて申し訳ありせん。
御使い様は今まで誘拐犯である男と暮らしていたと思われます。自分は父親だと聞かせ、森に捨てられていたのを拾ったと教えられていたようです。
発見した時に足枷が着いていました。御使い様自身は何も不自然に感じていなかった様子からある程度の洗脳が完了していると判断します。一切の外出も禁じられているようでした。私たちが発見した時には誘拐犯の姿は確認出来ませんでした。
こちらの状況を説明したうえで、御使い様は同行に納得していただけました。
現在は王国のキデン領のオンスの街を目指しています。到着まで約1ヶ月程です。ご連絡お待ちしております。』
ご丁寧にこの手紙には返信機能をつけた魔法まで施されていた。付属された手紙に返事を書けば、元の持ち主の所に転送されるものだ。まさか一介の冒険者がこのような高度な魔法を使えることには驚いたが、A級冒険者となればこのような魔法も使えるのだろう。父上はキデン領に向かうことと見つけてくれた感謝の気持ちを涙ぐみながら書いていた。
父上と母上はすぐにでもキデン領に向かうことにしたようだ。現在王都にいる私たちはキデン領まで馬車でとばしても約2週間程はかかる。なんと言っても国の最西端だ。私と兄上も父上に同行を命じられたため、一緒に行くことになった。陛下と宰相閣下には事情を説明したようで、いつ間にか仕事はしばらく休職扱いになっていた。父上の手を回す速さにまだまだかないそうにない。
2週間かけてキデン領についた。ここオンスという街は人の出入りが激しいのに治安がよく、栄えていることで有名だ。私たちは領主であるフィーニス伯爵の邸宅にしばらく滞在することになった。フィーニス伯爵は父とは学院で友達だったことや他にも色々と信頼できるということから、事情を説明した。ルーナがここにつくまであと約1週間。なんだか心がざわざわと騒がしいのは気の所為だろうか。
「御使い様が街に入ったようです」
門に配置していた父上の側近から連絡が入った。あと少しでここに着くだろう。父上も母上も、兄上までもそわそわしている。みんなルーナに会えることが待ち遠しいのだろう。かくいう私もなんだか落ち着かない。こんなことは今までなかった。何かずっと待ち望んでいたものが手に入るような…そんな予感がする。
「御使い様、お入りください」
ガチャッ
時が止まったかと思った。ルーナの容姿については知っていたけど、実際に見るまで半信半疑だった。今まで見てきたあらゆる美しいものに勝る。白銀の髪。世にも珍しいオッドアイ。その全てに感動する。私たち全員に同じ衝撃が走ったのだろう。誰一人として声を出さない。
初めて見る家族の私たちにルーナも感動してくれているだろうか。瞬き一つ一つにすら目を奪われる。
と同時に、私の心の中には再会の感動以外のものがあると確信できる。薄暗い色をした何かが。
ルーナだったのだ。私に足りなかったものは。私が探し求めていたものは。再会してから分かるなんて自分が恥ずかしい。嬉しさで涙が出る。ルーナがこちらを見ている。その瞳を独り占めしたい。私以外を映さないでおくれ。
「えっと…ルーナです…」
「「「「ルーナ!!!!」」」」
全員同時にルーナに抱きついた。声も透き通っていて綺麗な声だ。どんな歌姫だろうとルーナに比べたら劣るだろう。
「やった会えた…」
もう絶対に離さないと神に誓おう。そのためならなんだってする。今まで考えもつかないような願望が次から次へと生まれる。自分がこんな人間だったとは驚きだ。それと…ルーナに私を好きになってもらわないとだな。一方的な愛では悲しいだろう。甘い言葉を囁いて私だけを見つめさせよう。あぁこれからが楽しみだ。
兄が私と同じ目をしているのが気になるが…後で詳しく話を聞く必要がありそうだ。
それと誘拐犯。お前は絶対に許さない。私とルーナの邪魔をした罪は重いからな。いつか必ず探し出して、考えられる限りの苦痛を与えてやろう。
________________________________________________________________________________________________________________
アニメ、小説あるある。短時間でものすごい思考が巡るやつ。それです。時間の辻褄を合わせようとしてはいけません。
思ったよりやばいやつに足突っ込んでて自分でもびっくりです。ヤンデレにするつもりは無いけど、なってたらごめん、うん、ごめん。
実は私の推しは誘拐犯であるシルバなんですけど、シルバルートに進むとなんかバットエンドしかならない気がしたので、やめたっていう裏話があります。
皆さんの推しは誰ですかね。誰っていうほど、いや…本当に誰っていうほど人が出てないんですけど。
こんなキャラクターが欲しいってあったら是非コメントください。作者は人物像を作るのがとてつもなく苦手です。作ったらいくらでも広げられるんですけど、0から1が出来ません
ということで読者様の力が欲しいのです。もしキャラクター関連のコメントでよさげなのあったら一言言ってそれから勝手に使いますけどお許しください。それも当分先になるかもしれませんが。
最後にいつもこんな文章力もない陳腐な作品を読んでくださり、本当にありがとうございます。
これからも少しずつではありますが投稿していくので、よかったら覗いてってください。
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