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しおりを挟む「男のみの世界」を「男が多い世界」に変更しました。近況ボードに書いておきましたが、一応こちらでも書いておきます。
急な変更申し訳ありません。
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あれから3ヶ月がたった。足枷がついてるから外に出ることなくずっと家の中で過ごしていた。
お仕置きを受けたせいか、外に出ようとは全く思わなかった。それどころか外は怖いと思ってるくらいだ。外に出たいと思うことが、無い訳では無い。しかし出たいという気持ちよりも、前に出た時の謎の恐怖感とお仕置きの怖さが勝って、そのうちに出たい思わなくなった。
シルバさんもあれから、家から長時間いなくなるような事がなくなった。多分俺の事を見張ってるんだと思う。そんな事しなくても足枷がある限り外に出ることなんてできないのに。
庭にも出なくなったから、最初は暇になるなって思ってたけど、これまで以上にシルバさんが本を買ってきてくれた。前は俺がリクエストした魔法の本が多かったけど、いまは童話とか色々な種類の図鑑を買ってきてくれるようになった。特に図鑑が見てて楽しかった。地球じゃ見たことがない虫とか植物が載っていて、見てて飽きることはなかった。
そして図鑑を見てて本当に驚いたことがあった。この世界にはなんと異世界定番のドワーフや、エルフ、獣人がいるのだ!妖精なんてのもいる!まぁ図鑑でしか見れないし、会うことも出来ないだろうけど。今日は何の本を読もうかなぁ。
コンコン
「はーい」
ガチャ
「ルーナ。ちょっといい?」
「ん?なぁに?」
「お父さんね、今から街に行かなくちゃいけないんだ。ちょっと時間のかかる仕事になるから、丸一日は留守にする。この頃は大人しくしてるから、ルーナのこと信じて留守番任せてもいいかな?」
「え…丸一日?そんなにいないの…?大丈夫だと思うけど…。」
「よかった。ご飯とかもちゃんと用意してあるから。不便はないと思う。足のもあるし、外には出れないと思うけど、万が一を考えてね。」
「じゃあ行ってきます。」
そう言ってシルバさんは行ってしまった。少し不安だけどたった1日だし。本を読んでればあっという間だろう。今日は妖精の図鑑を読もう。
妖精はどんな所にでもいるらしい。でも水が汚れているだとか、環境的に汚いところにはいない。それに妖精は貴重な存在らしい。例えば妖精に好かれたりすると物事が上手くいったり、妖精が好む場所は草花が元気になる。
これは本当に貴重なことらしいが、妖精に愛されるということもあるらしい。妖精に愛された人間は『妖精の愛し子』と呼ばれる。特別な基準なんてなく、妖精の気まぐれなんだそう。人々は『愛し子』を大事にする。妖精の怒りをかうと大変なことになるからだ。あんまり詳しくは書かれてないけど。
あれ?もう外が暗いな。いつの間にか寝てたみたいだ。ご飯食べよーっと。シルバさんの作る料理ってすごく美味しいんだよね。神様にご飯美味しい世界ってお願いしてあるからかな。今日のご飯は何かなぁ。
チカッ
…ん?今外でなんか光った?シルバさんかな。でも明日の朝まで帰ってこないんだよね?気のせい?
鎖の範囲は窓には近づけないようになってるから確認も出来ないし。うん、気のせいだな。
チカッチカッ
いやいやいやいや気のせいじゃない!絶対光った!しかもさっきより家に近くなってる!
え、なに。魔物?魔物って光るの?光るって図鑑に載せとけよぉぉぉおおおお!!!シルバさん!シルバさん早く帰ってきてーー!
コンコン
「誰かいますか。」
……は?人?誰?シルバさんの声じゃない。この家に今まで誰かが来たことなんてない。だから相当森の奥にこの家はあると思う。しかも今は夜。これやばくない?絶対やばい人じゃん。魔物じゃなくてよかったとかちょっと思ったけど、安心してる場合じゃない。
「おい、誰もいないぞ。」
「でも明かりがついてるわ。居留守してるだけじゃない?」
居留守バレてるー。うん、そうだよね。明かりついてるもんね。いやその前に!まだ他の人いるのね!2人だけかな…?
「こんな山奥に家なんてあったんですね…」
「ホントっすよね~、俺も初めてこの森で家なんて見ました。」
「ちょっと、もう1回ノックしてみなさいよ。」
「はぁ、分かったよ。」
コンコンコン
「アルバ王国のコルニクスギルドの者です。中にいるのでしたら、返答をお願いします。」
3人目いましたね。それどころか4人目もいますね。今のところ男の人と女の人が2人ずつかな。
コル…ギルド?ギルドってあのギルド?冒険者がいるやつだよね。じゃあ悪い人じゃない?いることはバレてんだし、返事した方がいいかな。どうしよう。なんでこんな時に限ってシルバさんいないんだよ!もうどうとでもなれー!!
「はい」
「すみませんがドアを開けて貰ってもいいですか。お顔を拝見したいのですが」
顔?あ、もしかしてシルバさんの友達?シルバさんの声じゃないから?でもこの家に来たことないみたいだし、違うか。じゃあなんで顔なんか。
ってか俺、ドア開けられないし。
「なんでですか、ドアは開けられません。」
「実は俺たち、探している人物がいるんです。中にいないか調べさせて貰えませんか?」
「ここには俺以外いません。」
「すぐに帰りますので、どうしても無理ですか」
探してる人物がここにいるわけないだろ。俺しかいねぇし。ってかめっちゃしつこい。もうドアを開けられない理由言えば帰ってくれるかな。
…あっちから開いて貰えばよくね。この家のドアは鍵ないし。俺、天才。枷は…柱の近くに行って鎖ごと毛布で全部隠せば見えないだろ。柱にも毛布巻いてるヤバい奴っぽいけどいっか。
「ドアを開けることが出来ないんです。そちらから開いていいのでどうぞ。」
「(ドアを開けることが出来ないってどういうことだ?)わかりました。じゃあ失礼します。」
ガチャ
「え…」
「…嘘でしょ…」
「本当にいた…」
「本物っすよね…ってか人間なんすか。」
おいこら。人間だわ。俺は人間にも見えないほどブサイクってか?本当にいたって誰がだよ。俺以外には誰もいねぇよ。
ザッ
「御使い様!俺たちはずっとあなた様を探しておりました!誘拐された7年前から!我々とともに帰りましょう!公爵様もずっとあなた様を待っておられます!」
は?
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