異世界転生した俺ですが、なんだか周りの奴らがおかしい気がする

OZ

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 なんか眩しい…。え、眩しい?

ガバッ

 
「あ、起きたかい。ルーナ。おはよう。」

「え…あ…」

 っ明るい。目がチカチカする。外?出してもらえたの?シルバさんは俺を忘れていなかった。よかった。きっと許してもらえたんだ。


バシンっ


「いっ」

「ルーナ。おはようって言ってんだけど、挨拶もできないの?またあの部屋戻る?」


 シルバさんに叩かれたっていうことと、その言葉に俺は固まってしまった。あの優しいシルバさんに叩かれたという事実が上手くのみこめない。
 それにあの部屋というのはお仕置き部屋のことだろう。もう十分トラウマになっているのにまた入るなんて無理だ。早くおはようって言わないと…


「おはっ、ゲホッゲホッ」


 水を全く飲んでいない俺の喉は渇き切っていて、声を上手く出すことが出来ずに咳き込んでしまった。どうしよう、また怒られてしまう。


「あぁ、声が出せないのか。じゃあまず、お水飲もうね。」


 そう言ったシルバさんは水が注がれたコップを俺に渡してくれた。俺は、久しぶりの水で受け取っとらガブガブと飲んでしまった。喉が潤う感覚が気待ち良くて一気に全部飲んでしまった。


「…えっと、おはよう。あとお水ありがとう。」

「どういたしまして。ルーナなんで出してもらえたのか分かる?ちゃんと反省した?」


 反省って言葉を聞いて思い出した。そうだ。俺は勝手に外に出てシルバさんに怒られたんだ、なんで部屋に入れられた原因を忘れてたんだろ。
 …またあの部屋に入るくらいなら外になんか行きたくない。


「反省した!本当にごめんなさい。お父さんの言うこと聞かなくごめんさない。もう外になんて出ない。ずっと家にいる。」

「うん、分かってくれてよかった。外に出て危ないってわかったでしょ。これからはずっと家で過ごそうね。庭も出る必要ないよね。」


ガチャン


「え…な…に…これ」


 大きな音がしたと思ったら、俺の足には黒いベルトのような物がついていた。これは足枷?だろうか。よく見たら鎖が伸びていて、それをシルバさんが家の柱に取り付けてる。南京錠で鍵を閉めてしまったから俺では取り外せないだろう。
 どういこと、なんでこんな物を、まだシルバさんは怒ってるのだろうか。


「鎖の範囲はドアには届かないようになってるから。家にいる分には不便はないよ。足枷の中は痛くないようにしといた。あざはついちゃうかもしれないけどしょうがないよね。ちょっと動きずらいかもしれないけどすぐに慣れるよ。外に出ないって言ったんだからこれがついてても別に平気でしょ?」

「…あ…うん…。大丈夫…。」

「よし!じゃあご飯にしよっか!ルーナ腹ぺこでしょ?スープとかからなら飲めるかな。」


 そう言ってシルバさんはキッチンに行ってしまった。確かに外に出ないとは言ったけど、ここまでするだろうか。これではまるで監禁されてるみたいだ。
 …いやでもまた外に出たくなる時が来るかもしれない。今のところそれはないと思うけど、衝動的にとかならありえる。だったら枷がついてた方がいい。


















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神side   (会話のみ)   




クラルス神(ウタ)「あーあー。ついには足枷もつけられちまったよ。」

地球神 「あやつも随分なやつに捕まったのう」

ク「いいのか?あれ?放置で」

地「うーん。あんまり手は出さないようにしておったが、さすがにこれでは見てておもしろくない…じゃなくて可哀想になってきたな」

ク「シルバってやつも琥珀を…今はルーナか。ルーナを手放す気はなさそうだし、ルーナもあの様子じゃ、完全に外に出るのを諦めたな。」

地「子供に戻っているから精神もそちらに引っ張られてるのじゃろうな。しょうがない、あと3ヶ月じゃ。3ヶ月たって、現状に変化がなければ手助けしようかの。」

ク「3ヶ月…?変わんねぇだろ。こりゃ手助けすることは確実だな。」

地「なるべくルーナ自身で動いて欲しいがな。いつまでも待ってたら、あやつはシルバに洗脳され続けて、自分が転生者ってことも忘れそうじゃからな。3ヶ月だってあってないようなものじゃけど、様子を見るのには丁度いい期間じゃろ。」

ク「そうだな。まぁやんのはじいさんじゃなくて俺だけどな。どうやっかなぁ…」

地「頼んだぞ。あの事だって手助けするべきだったのに、わしらの好奇心で放置してこうしてルーナを怖い目に合わせたのじゃから。ルーナを傷つけないようにするのじゃぞ。」

ク「あれを放置するって言ってのはじいさんだろ!俺は止めた!…はぁ、じゃあいっその事それも同時に解決するか。」

地「うむ、いいかもしれぬな。」



 こうしてルーナ救出作戦?が立てられたのであった。

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