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最終章 光の先に見つけた幸せ
①
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「お帰りなさいませ」
「ただいま……うん、何か作ったのか?」
「やっぱり……分かる……」
「ああ、匂いでな。何を作ったんだ? と言うか、一人で大丈夫だったのか?」
「作ったと言うか……ごめんなさい」
星夜は、項垂れる。かなり落ち込んでいる。一体何がどうなったのか、彰吾は星夜の肩を抱き寄せキッチンへ向かうと、皿の上に何か乗っている。
「これは、ハンバーグか?」
「焦げちゃったし、形も崩れて……」
確かに、一応ハンバーグに見えないこともないが、形は崩れていて、焦げてもいる。これが落ち込んでいる原因か、ふふっ、なんだかそんな様子も可愛らしい。確かに失敗作だが、火は通っているようだし、丸焦げではないから、食べられるだろう。
「大丈夫だよ、ちゃんとハンバーグだぞ。美味ければ形は関係ない」
いやいや、その肝心の味も心配なのだと星夜は思う。
夕食を作って待っていれば、彰吾は驚き、そして喜んでくれると思った。それで今日は、昼過ぎから取り掛かって作ったのだ。ネットでレシピを調べて、慎重に作ったのに、結果はこれだ。もう、どこかに消えたくなる思いだ。穴があったら入りたいとはこのことか。
物凄く落ち込む。これではかえって作らなければ良かった。完全に裏目にでてしまった。
「味も心配だから、これは捨てて、何か作り直した方が……」
「何を言うんだ。お前が初めて一人で作ったんだ。俺はありがたく食うぞ。そうだな、何かサラダでも作り足すか?」
「サラダは作っている。あとスープも」
サラダとスープは何とか出来た。特にサラダは、いつも手伝っているので、ちゃんと出来た。
「そうか、だったら上等じゃないか。早速食おう。着替えてくるよ」
彰吾が着替えている間に、星夜は、作った料理を並べていく。成功したサラダよりも、失敗作のハンバーグに目がいく。
「はーっ」特大のため息が出る。
着替えた彰吾が、足取り軽く、にこやかに席に着く。
「おーっ! 美味そうじゃないか。早速食うぞ、いただきます!」
彰吾は最初にサラダを口に入れる。星夜は、固唾を呑んで見守る。サラダは大丈夫のはずだ、けれどハンバーグは……。
次に、彰吾はハンバーグを口に入れる。星夜の緊張が高まる。
「おっ、美味いぞ! どうした? お前も食べろ」
満足そうに言って、またハンバーグを口に入れる。パクパクと美味しそうに食べていく。そんな彰吾を見ていると、なんとなく大丈夫そうに思えてくる。
星夜は、恐る恐るハンバーグを口に入れる。……やっぱりあまり美味しくはない。食べられないことはないけれど、彰吾の作る料理とは比べ物にはならない。
そんなハンバーグを美味しいと言って食べる彰吾。それは、自分への思いやりだろう。彰吾の優しさに、星夜の心は温かくなる。この人はほんとうに優しい。こんな、ハンバーグも満足に作れない自分を大切にしてくれる。
申し訳ない。余りに自分が不甲斐ない。何もできない自分。せめて料理くらいはまともに作れるようになりたい。今度は絶対に美味しい料理を作るぞ! 星夜は、無言のまま闘志を抱くのだった。
「ただいま……うん、何か作ったのか?」
「やっぱり……分かる……」
「ああ、匂いでな。何を作ったんだ? と言うか、一人で大丈夫だったのか?」
「作ったと言うか……ごめんなさい」
星夜は、項垂れる。かなり落ち込んでいる。一体何がどうなったのか、彰吾は星夜の肩を抱き寄せキッチンへ向かうと、皿の上に何か乗っている。
「これは、ハンバーグか?」
「焦げちゃったし、形も崩れて……」
確かに、一応ハンバーグに見えないこともないが、形は崩れていて、焦げてもいる。これが落ち込んでいる原因か、ふふっ、なんだかそんな様子も可愛らしい。確かに失敗作だが、火は通っているようだし、丸焦げではないから、食べられるだろう。
「大丈夫だよ、ちゃんとハンバーグだぞ。美味ければ形は関係ない」
いやいや、その肝心の味も心配なのだと星夜は思う。
夕食を作って待っていれば、彰吾は驚き、そして喜んでくれると思った。それで今日は、昼過ぎから取り掛かって作ったのだ。ネットでレシピを調べて、慎重に作ったのに、結果はこれだ。もう、どこかに消えたくなる思いだ。穴があったら入りたいとはこのことか。
物凄く落ち込む。これではかえって作らなければ良かった。完全に裏目にでてしまった。
「味も心配だから、これは捨てて、何か作り直した方が……」
「何を言うんだ。お前が初めて一人で作ったんだ。俺はありがたく食うぞ。そうだな、何かサラダでも作り足すか?」
「サラダは作っている。あとスープも」
サラダとスープは何とか出来た。特にサラダは、いつも手伝っているので、ちゃんと出来た。
「そうか、だったら上等じゃないか。早速食おう。着替えてくるよ」
彰吾が着替えている間に、星夜は、作った料理を並べていく。成功したサラダよりも、失敗作のハンバーグに目がいく。
「はーっ」特大のため息が出る。
着替えた彰吾が、足取り軽く、にこやかに席に着く。
「おーっ! 美味そうじゃないか。早速食うぞ、いただきます!」
彰吾は最初にサラダを口に入れる。星夜は、固唾を呑んで見守る。サラダは大丈夫のはずだ、けれどハンバーグは……。
次に、彰吾はハンバーグを口に入れる。星夜の緊張が高まる。
「おっ、美味いぞ! どうした? お前も食べろ」
満足そうに言って、またハンバーグを口に入れる。パクパクと美味しそうに食べていく。そんな彰吾を見ていると、なんとなく大丈夫そうに思えてくる。
星夜は、恐る恐るハンバーグを口に入れる。……やっぱりあまり美味しくはない。食べられないことはないけれど、彰吾の作る料理とは比べ物にはならない。
そんなハンバーグを美味しいと言って食べる彰吾。それは、自分への思いやりだろう。彰吾の優しさに、星夜の心は温かくなる。この人はほんとうに優しい。こんな、ハンバーグも満足に作れない自分を大切にしてくれる。
申し訳ない。余りに自分が不甲斐ない。何もできない自分。せめて料理くらいはまともに作れるようになりたい。今度は絶対に美味しい料理を作るぞ! 星夜は、無言のまま闘志を抱くのだった。
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