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6章 小鳥は籠の中へ

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 香は放心状態のまま横たわっていた。腕の戒めのため、自分で起き上がることができない。すると古城が戒めを解いてくれる。漸く自由になった腕を自分で撫でさする。
「大丈夫ですか? 部屋へ戻り、お風呂で洗い清めましょう」
 手は自由になっても、体に力が入らない。腰も抜けたようだ。古城に抱きかかえられて、部屋へ戻り風呂に入った。
 古城は、香の蕾に指を入れ、二人の精を掻き出していく。香は、羞恥を感じる気力も残っていなかった。半ば呆然としながら、古城に体を預ける。
 稚児勤めの覚悟はしていたつもりであった。しかし、己の甘さを認識するばかりであった。祖父と父から、くどいほど言い含められていた。二人も未だ幼い香に授けていたが、それでも辛かった。
「今日は初めてで辛かったでしょう。香さんのここは開かれていないので。今晩から早速これで開いていきます」
 風呂から上がると、古城が張型を見せる。親指ほどのものから、一番大きいものは、子供の腕ほどもある。こんな大きいものを⁈ 古城は、香の慄きを察した。
「ふふっ、大丈夫ですよ。最初からこんな大きいものは入れません。一番小さいものから徐々に慣らしていきます。そうすればこの一番大きいものも、楽に入るようになります。先程ご覧になったでしょう? 宗家も若宗家のものもここまで大きくないから、これが入れば誰のものでも大丈夫です」
 香には、慰めにもならない事を言って、一番小さいものを香の秘部に入れる。香は、その異物の違和感と共に、自分の生活が昨日までのものとは、全く違ってしまったことを思い知る。
 しかし、古城の『誰のものでも』と言った意味を知るのは、まだ先のことであった。

 昨夜の就寝は遅かったが、翌朝香が目覚めたのは、早朝であった。目が覚めると、かえって寝ているのは辛い。香は起き上がった。しかし、体を動かすのは辛い。特に腰は鉛を抱えたようだ。なおさら、早めに起きて体を慣らさねばと思う。
 怠い体を鞭打つように身支度を整え、顔を洗う。その後、ストレッチ運動をすると、段々に体が軽くなるのを感じる。やはり、無理にでも体を動かした方がいいと感じる。
「香さん、起きられましたか?」
 古城が、声掛けと共に部屋に入ってくる。部屋に鍵は無い。つまり、ここでの香のプライバシーは無いと言うことだ。今でも、古城は香の返事は待たずに入ってきた。
「昨夜言い忘れましたが、ここでは常に着物を着ていただきます。学校へ行かれる日は朝から制服で構いませんが、帰宅後と、今日のような休日は朝から着物でお過ごしください。香さんの着物はこうして季節のもの色々と揃えてあります。これからも増えていくでしょう。全て、宗家が命じられたことです」
 それならば従うしかない。秋好では、着物は稽古の時と、対外的な外出の時だけだった。故に、持っている着物は多くない。しかし、古城に見せられた和箪笥の中には、確かにかなりの着物が収めてあった。
 古城に促され、香は着物に着替えた。自分で着ようとするのを、止められ着せられた。その時下着も脱がされた。着物に洋装の下着は合わないからと。それは理解できた。秋好でも、外出時や、舞台に立つときはそうだったから。
 しかし、稽古の時は付けていた。そして、ここでは常に着物なのに、下着を付けられないのか……。逆らうことはできないけれど。
「食堂に案内しますよ。東月とうげつさんと、涼子りょうこさんを紹介します。若宗家のお子様方です。東月さんのことは若とお呼びください。高校三年生です。涼子さんは中学の三年生です」


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