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第一部
1、選ばれた花嫁
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この国の若き皇帝――楊一翔には最愛の美しい皇后がいる。
皇帝たる楊一翔が即位したと同時の十八歳で娶った皇后との結婚生活は四年に及ぶが、未だ二人に世継ぎはいなかった。
そのうちに、実は皇后は病のために世継ぎを産むことができないのだという事実が露見した。
しかし皇帝は深く皇后を愛している故に、離縁は決して望まなかった。
朝廷の勢力図の関係からも皇后の一族たる蓮家一門を怒らせる離縁は望ましくなかった。
蓮家は現王朝を支える最も大事な柱の一つなのだ。
しかし国の繁栄と安泰のために世継ぎが必要なのは誰が見ても明らか。
歴代の皇帝たちにはそのために後宮と言うという場所があり、そこで沢山の女たちに子を産ませてきた歴史がある。
しかし、この若き皇帝は当世の気質からは少し外れていたもので、後宮には皇后一人と常々言い張っていた。
しかし、しかしだ。
皇帝と言う立場上、それは無理な話だった。
一時は縁戚から養子を迎えるという案も出されたが、皇后がそれを厭った。
それは後ろ盾の蓮家の圧力もあったようだ。
その子が必ずしも蓮家のために動くとは限らないが故の判断だろう。
皇后は一翔の実子ではない子を望まない。
だが予想外にも、側室は望んだ。
そして皇后たっての願いで皇帝は渋々一人の娘を側室として迎えると決めたのだった。
名だたる臣下が、我が娘を我が妹を我が姪を我が孫娘を望んだが、皇帝が選んだのは誰もが候補から外していたとある娘だった。
その娘、名を景素流と言った。
歳は花の十六で、安産型との医者の見立てもあるほどの健康優良児であり、家柄だけは確かに良かった。
何しろ先王から救国の英雄として絶大な信を置かれた将軍の娘である。
だが、武勇を誇ったその将軍も病には勝てず今はない。
景素流の母親も既に他界していると聞く。
素流は父親に似て武芸に秀で、女だてらに男装をして軍の鍛錬場によく紛れ込んでいたと言う。更には、彼女には養うべき弟妹もいるために自ら田畑を耕し、自ら働きにも出て生計を立てているという。
そういうわけで、最早周囲はその娘を貴族の位はあれど貴族令嬢とはみなしていなかった。
実際、労働に勤しむ素流は日に焼け手も荒れ、お世辞にも麗しいとは言えなかったし、普段使いの衣服もとても質素だった。
生活ぶりはまるで庶民と変わらない。
景素流という娘は、貴族は貴族でも没落貴族の娘と言われるくらいに、特権階級とは縁が遠かった。
そんな娘を側室に迎えると公式に決定がなされた当時は、主だった臣下たちは一度は反対した。
しかし、自らが推す娘も政敵が推す娘も選ばれず互いに得も損もないとわかれば、痛み分けとばかりにそのうちあっさりと掌を返した。
或いは、その娘を抱き込めれば将来的に自分たちが政治的優位に立てるかもしれないと打算したのかもしれない。
ともかく、皇后の願い通り、後宮には一人の健康な娘が迎えられる運びとなったのだ。
そしてその婚礼当日。
諸々の儀礼的なものを終え、新郎新婦が二人きりになった夜の寝室。
花嫁の景素流は婚礼の通例に従って赤い衣装を身に纏い、寝台端に腰かけて大人しく夫となる皇帝楊一翔を待っていた。
そんな彼女の元に足を運んだ皇帝は、労うでもなく、花嫁を冷ややかに見下ろして冷淡な口調でこう言った。
「初めに一つ言っておく。そなたは朕の世継ぎを産むための道具に過ぎぬ。そこを忘れるな。朕の寵愛を得られるなどと勘違いをするでないぞ」
と。
眉目秀麗、朝議などでの差配にも一目置かれる若き有能な皇帝陛下の妃になるのだと、さぞかし期待に胸を膨らませていただろう花嫁からすれば、何という冷酷な言葉だろうか。
花嫁景素流は、傷付いたのか萎縮したのかしずしずと頭を下げた。
「わかっています。そのために体だけが取り柄の私に白羽の矢が立ったのだと」
「なれば良い」
意外にも気丈な声音には、婚礼そのものに乗り気ではなかったさしもの皇帝楊一翔も意外に思い僅かに眉を上げたが、すぐに表情を薄くする。
彼はそうすることで早々に破格にも淑妃の位に就けた女に、愚かな野心を抱かせないようにしていたのだ。
この国の後宮制度では、皇后の下の位である四妃のうちの一つ「淑妃」は、余程家柄が高くなければ後宮入りして子も成さないうちからおいそれと与えられるようなものではないのだ。
それを与えたのだからのぼせて勘違いしてもおかしくはない。
一翔はほぼ無表情にも釘を刺した形だったが、まあ日頃から朝議の場でも、引き締まった面持ちでにこりとすることなどほとんどないので、彼のこの態度はここでだけ特別というわけでもなかった。
皇帝の新たな花嫁は落ち込んだ風情もなく下げていた頭を上げ、真っ直ぐ正面を見据えた。つまりは一翔の方を。
背筋の伸びた凛とした居住まい。
依然赤い布に顔を覆われたままの娘へと、皇帝は肝が据わっていると内心感心した。
「そういうことですので」
花嫁はおもむろにそう言うと、傍に立つ一翔を見上げた。赤布の奥から。
「皇帝陛下におかれましては、早速とお召し物をお脱ぎ下さい」
「……は?」
「お召し物をお脱ぎ下さい」
「……」
「脱衣をお願い致します」
「三度も言わずともわかっておる!」
花嫁からの全くの想定外の言葉に無様にもポカンとし、追って内容を理解するも応じるか否か一翔が悩みかけていると、花嫁の娘は依然として落ち着いた声音で続けた。
「私、覚悟はして参りました。今夜は初夜ですもの、張り切ってお世継ぎができるよう努めて参ります。さあ、陛下お脱ぎを」
「そ、そなた……っ」
「夜は長いようで短いのです、さあ陛下、躊躇なさらずにどうぞ」
「なッ……!?」
強引な催促に呆気に取られていたら今度は娘に腕を引っ張られ、寝台へと押し倒されてしまった。
そんな男の矜持にも関わる一大事の上にあった若き皇帝は、信じられない思いで自分を組み敷く娘を見上げた。
下から見上げていると言うのに、角度的にまだ赤布の下の娘の人相はわからないものの、見える口元の肌は健康的な色をしているし、顎先もすっきりとしていて無駄な肉はない。名家の令嬢ならばもう少し肉が付いていそうなものだがと内心意外に思った。
(ああそういえば、この娘は家柄だけは良かったが、没落し経済的には困窮していた貴族の娘だったか)
思い出し、なるほど食にも困っていたとも聞いているから細いのだと彼は納得した。
因みに、娘に武芸の心得があることを彼はまだ知らない。別段興味もなかったので彼女の身上に関する書類にほとんど目を通していなかったのだ。
「私これでも今まで鍛錬の場で男たちの裸など見慣れていますので、恥じらいなどは全くありませんけど、きちんと生娘です。ですが、陛下を満足させられるよう事前の研究研鑽に努めて参りましたので、自信はあります!」
「た、鍛錬……? け、研鑽……?」
「あ、少々お待ちを。最終確認して参ります」
この国の至高たる皇帝陛下に馬乗りになっていた娘は、怪訝に眉をひそめるその男の上からいそいそと退けると、何を思ったか寝台を出て部屋の卓子の上に堆く積まれた書物から、一冊を手に戻ってきた。
一翔が部屋に入った時に目にしていたその書物の山は、花嫁の教養もしくは暇潰しとしての読み物だろうと思っていたから、特に気にもしていなかった。
しかし、予想外過ぎて押し倒されたまま唖然としていた皇帝は、さらに度肝を抜かれるとは夢にも思わなかった。
皇帝たる楊一翔が即位したと同時の十八歳で娶った皇后との結婚生活は四年に及ぶが、未だ二人に世継ぎはいなかった。
そのうちに、実は皇后は病のために世継ぎを産むことができないのだという事実が露見した。
しかし皇帝は深く皇后を愛している故に、離縁は決して望まなかった。
朝廷の勢力図の関係からも皇后の一族たる蓮家一門を怒らせる離縁は望ましくなかった。
蓮家は現王朝を支える最も大事な柱の一つなのだ。
しかし国の繁栄と安泰のために世継ぎが必要なのは誰が見ても明らか。
歴代の皇帝たちにはそのために後宮と言うという場所があり、そこで沢山の女たちに子を産ませてきた歴史がある。
しかし、この若き皇帝は当世の気質からは少し外れていたもので、後宮には皇后一人と常々言い張っていた。
しかし、しかしだ。
皇帝と言う立場上、それは無理な話だった。
一時は縁戚から養子を迎えるという案も出されたが、皇后がそれを厭った。
それは後ろ盾の蓮家の圧力もあったようだ。
その子が必ずしも蓮家のために動くとは限らないが故の判断だろう。
皇后は一翔の実子ではない子を望まない。
だが予想外にも、側室は望んだ。
そして皇后たっての願いで皇帝は渋々一人の娘を側室として迎えると決めたのだった。
名だたる臣下が、我が娘を我が妹を我が姪を我が孫娘を望んだが、皇帝が選んだのは誰もが候補から外していたとある娘だった。
その娘、名を景素流と言った。
歳は花の十六で、安産型との医者の見立てもあるほどの健康優良児であり、家柄だけは確かに良かった。
何しろ先王から救国の英雄として絶大な信を置かれた将軍の娘である。
だが、武勇を誇ったその将軍も病には勝てず今はない。
景素流の母親も既に他界していると聞く。
素流は父親に似て武芸に秀で、女だてらに男装をして軍の鍛錬場によく紛れ込んでいたと言う。更には、彼女には養うべき弟妹もいるために自ら田畑を耕し、自ら働きにも出て生計を立てているという。
そういうわけで、最早周囲はその娘を貴族の位はあれど貴族令嬢とはみなしていなかった。
実際、労働に勤しむ素流は日に焼け手も荒れ、お世辞にも麗しいとは言えなかったし、普段使いの衣服もとても質素だった。
生活ぶりはまるで庶民と変わらない。
景素流という娘は、貴族は貴族でも没落貴族の娘と言われるくらいに、特権階級とは縁が遠かった。
そんな娘を側室に迎えると公式に決定がなされた当時は、主だった臣下たちは一度は反対した。
しかし、自らが推す娘も政敵が推す娘も選ばれず互いに得も損もないとわかれば、痛み分けとばかりにそのうちあっさりと掌を返した。
或いは、その娘を抱き込めれば将来的に自分たちが政治的優位に立てるかもしれないと打算したのかもしれない。
ともかく、皇后の願い通り、後宮には一人の健康な娘が迎えられる運びとなったのだ。
そしてその婚礼当日。
諸々の儀礼的なものを終え、新郎新婦が二人きりになった夜の寝室。
花嫁の景素流は婚礼の通例に従って赤い衣装を身に纏い、寝台端に腰かけて大人しく夫となる皇帝楊一翔を待っていた。
そんな彼女の元に足を運んだ皇帝は、労うでもなく、花嫁を冷ややかに見下ろして冷淡な口調でこう言った。
「初めに一つ言っておく。そなたは朕の世継ぎを産むための道具に過ぎぬ。そこを忘れるな。朕の寵愛を得られるなどと勘違いをするでないぞ」
と。
眉目秀麗、朝議などでの差配にも一目置かれる若き有能な皇帝陛下の妃になるのだと、さぞかし期待に胸を膨らませていただろう花嫁からすれば、何という冷酷な言葉だろうか。
花嫁景素流は、傷付いたのか萎縮したのかしずしずと頭を下げた。
「わかっています。そのために体だけが取り柄の私に白羽の矢が立ったのだと」
「なれば良い」
意外にも気丈な声音には、婚礼そのものに乗り気ではなかったさしもの皇帝楊一翔も意外に思い僅かに眉を上げたが、すぐに表情を薄くする。
彼はそうすることで早々に破格にも淑妃の位に就けた女に、愚かな野心を抱かせないようにしていたのだ。
この国の後宮制度では、皇后の下の位である四妃のうちの一つ「淑妃」は、余程家柄が高くなければ後宮入りして子も成さないうちからおいそれと与えられるようなものではないのだ。
それを与えたのだからのぼせて勘違いしてもおかしくはない。
一翔はほぼ無表情にも釘を刺した形だったが、まあ日頃から朝議の場でも、引き締まった面持ちでにこりとすることなどほとんどないので、彼のこの態度はここでだけ特別というわけでもなかった。
皇帝の新たな花嫁は落ち込んだ風情もなく下げていた頭を上げ、真っ直ぐ正面を見据えた。つまりは一翔の方を。
背筋の伸びた凛とした居住まい。
依然赤い布に顔を覆われたままの娘へと、皇帝は肝が据わっていると内心感心した。
「そういうことですので」
花嫁はおもむろにそう言うと、傍に立つ一翔を見上げた。赤布の奥から。
「皇帝陛下におかれましては、早速とお召し物をお脱ぎ下さい」
「……は?」
「お召し物をお脱ぎ下さい」
「……」
「脱衣をお願い致します」
「三度も言わずともわかっておる!」
花嫁からの全くの想定外の言葉に無様にもポカンとし、追って内容を理解するも応じるか否か一翔が悩みかけていると、花嫁の娘は依然として落ち着いた声音で続けた。
「私、覚悟はして参りました。今夜は初夜ですもの、張り切ってお世継ぎができるよう努めて参ります。さあ、陛下お脱ぎを」
「そ、そなた……っ」
「夜は長いようで短いのです、さあ陛下、躊躇なさらずにどうぞ」
「なッ……!?」
強引な催促に呆気に取られていたら今度は娘に腕を引っ張られ、寝台へと押し倒されてしまった。
そんな男の矜持にも関わる一大事の上にあった若き皇帝は、信じられない思いで自分を組み敷く娘を見上げた。
下から見上げていると言うのに、角度的にまだ赤布の下の娘の人相はわからないものの、見える口元の肌は健康的な色をしているし、顎先もすっきりとしていて無駄な肉はない。名家の令嬢ならばもう少し肉が付いていそうなものだがと内心意外に思った。
(ああそういえば、この娘は家柄だけは良かったが、没落し経済的には困窮していた貴族の娘だったか)
思い出し、なるほど食にも困っていたとも聞いているから細いのだと彼は納得した。
因みに、娘に武芸の心得があることを彼はまだ知らない。別段興味もなかったので彼女の身上に関する書類にほとんど目を通していなかったのだ。
「私これでも今まで鍛錬の場で男たちの裸など見慣れていますので、恥じらいなどは全くありませんけど、きちんと生娘です。ですが、陛下を満足させられるよう事前の研究研鑽に努めて参りましたので、自信はあります!」
「た、鍛錬……? け、研鑽……?」
「あ、少々お待ちを。最終確認して参ります」
この国の至高たる皇帝陛下に馬乗りになっていた娘は、怪訝に眉をひそめるその男の上からいそいそと退けると、何を思ったか寝台を出て部屋の卓子の上に堆く積まれた書物から、一冊を手に戻ってきた。
一翔が部屋に入った時に目にしていたその書物の山は、花嫁の教養もしくは暇潰しとしての読み物だろうと思っていたから、特に気にもしていなかった。
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