上 下
27 / 30

27 真実の告白4

しおりを挟む
「は、い……?」

 物理的にはもの凄く近い距離に千尋さんの綺麗な小顔があるけど、僕も彼女もそれぞれがそれぞれの必死な思考に夢中で、普通だったら照れる距離なんてのも頭から抜け落ちていた。
 懸命とも言える剣幕に気圧された僕は、半笑いで間の抜けた反応しかできない。

「ハ、ハハ、ちーちゃんが千尋さん?」
「そうっですっ!」

 そりゃ同じ狐の妖怪だし、狐守旅館と関わりもあるし、年頃も似たようだし、容姿だってそうだ。
 水中で薄ら感じた既視感はあながち外れてもいなかったわけで…………マジか。
 驚愕は当然だったけど、ストンと感覚的に腑に落ちるものがあった。

 ちーちゃん=千尋さん

 現状証拠という証拠は彼女の言葉だけで、唯一彼女の証言を裏付けできる陽向は生憎ここにはいないけど、そこにはもう疑いの余地はなかった。

 彼女がちーちゃんなんだって認識すれば、何故だか妙にそわそわして懐かしさが込み上げて口元がにやけそうになる。

 ああそうか、僕は嬉しいのか。

 初めて自分から友達になりたいと思った妖怪の女の子が目の前にいるんだから、当たり前だ。
 随分と近距離にいる互いに今更ながらハッとしてそそくさと適度な距離を取った。

「本当にちーちゃん、なんだ」
「はい、わたくしです」
「そっか」
「はい」

 謎は解けた。
 千尋さんが僕を「陽向」と呼んでいた理由もこれで合点がいく。
 幾つか重要な事実を失念したまま、僕はすっかり気の抜けた顔で、ちょっとだけの苦笑と、あと残りは全部照れ隠しのはにかみを浮かべていた。

「久しぶり、ちーちゃん」
「気付くのが遅いですよ、もうっ」

 あの頃よりずっとずっと素敵になったちーちゃんは、言葉とは裏腹にちょっとの怒り顔と、あと残りは全部で嬉しそうな笑顔を浮かべた。




 視線を交わし微笑み合う僕と千尋さんは、ある側面から見れば相当呑気に見えたのかもしれない。
 コホンッと一つ、やや強めの咳払いが入った。
 僕はハッと我に返ったような心地で八巻さんへと視線を送る。
 そうだよ、何をへらへらしてるんだ。ここに来た一番の理由は謝罪だってのに。
 旧知だって事実と嘘をついたことは別次元の話だし、千尋さんがもういいと言ってくれても甘んじるのは良くないよな。
 結局彼女は昔会った僕をずっと想ってくれていて…………って、え、あ、そうか、僕か僕。

「――って、はあああ!? 僕かよ!? 僕だよ!!」

 一人ボケツッコミを担当した僕は、思わずまじまじと千尋さんを注視してしまった。
 この美少女が本当に僕を好きなのか?

「あ、あの、太陽様……?」

 恥じらう姿が可愛いな……って、おい!
 あの頃の泣いていた女の子が今ではこんな凛とした顔さえ見せる女の子に成長して、僕と再会した。
 それじゃつまりは僕が彼女にお断りを入れないといけないわけで、ええとでも別にちーちゃんのことは嫌いじゃないからぶっちゃけ交流は断ちたくない。
 でもカレカノって言うとまたちょっと話が違ってくるし、だからこそ僕は交際を断るべきで、しかも本来の目的だってそれだし、八巻さんもいい顔しないだろうし。
 だけど僕は…………って、ああくそ何がしたいんだっ。

 本気で悩み出した僕を余所に、改めて主人たる千尋さんを見据えた八巻さんは、相変わらず冷静そのものの面差しで形の良い紅唇を開いた。

「真実感動の再会が果たせたところで、千尋様にお確かめしたいことがございます」

 心得ているのか千尋さんが一つ頷いた。
 僕の彷徨う思考もひとまずお預けにする。

「わたくしの狐火のことですね」
「左様です。推測というよりも最早確信に近いものを感じておりますが……千尋様の八尾分の妖力は現在こちらの園田太陽殿の中にあるのですね」

 はい……?

 狐火一つが尻尾一尾分のあやかしの力の源――つまりは妖力を有するとは、昔何故か急に九尾を操れるようになったと大喜びしたちーちゃんから教えてもらったけど、そんな大事なものが僕の中にあるって?
 ハハハどうしてそう思うんだよ八巻さんは?
 思い違いも甚だしいなー……なーんて思っていると、

「ええ。ただ、正確にはもう七尾分ですけれど」

 千尋さん本人からあっさり肯定された。

「ああ、そう言えば先程は狐火を二つ操っておられましたね」
「そういうことです」
「え? は? どういうこと? 二人だけで納得しないでくれよ。ホントに千尋さんの尻尾が僕に? いやでも物心付いてからこっち尻尾なんて生えた経験はないけど!」

 動揺が激し過ぎたせいか、八巻さんがすこぶる残念そうな目を向けてくる。

「狐の尻尾のまま他者に生えてくるわけではありませんよ。一尾分が一つの狐火になるのはご存知ですか?」
「ああ、はい」
「千尋様のそれらがあなたの中で眠っていると思って頂ければ。まあ、何かの拍子に……命の危険に陥った際などに炎が表に出てくることもあるようですが」
「表に……」

 群青色の狐火……――ああ、あれか。

 学校で河童に襲われた時と、妖怪魚に食べられそうになった水中で、まるで僕の内から出てきたみたいに群青色の炎が燃え上がったのはまだまだ記憶に新しい。

「ですがなるほど、だから千尋様は太陽殿こそが想い人本人であると断じたのですね」
「そうです。わたくしの気配が漏れないように一応は妖力の封印を施したとは言え、自分自身の目印が付いているのですもの。間違うなど余程の愚か者しかいないでしょう」
「仰る通りです」

 ハハハ目印って言い方……。

「そもそもどうして僕の中に狐火が? そこは本当に記憶にないんだけど?」
「――その話俺にもきっちり聞かせろ!」

 刹那、閉まっていた襖がピシャリと左右の柱に打ち付けられる勢いで開かれた。

「えっもう起きて平気なのか?」
「こんな危ない場所でおちおち寝てられるかよ」

 ゼーハーと肩で息を切らし、廊下丸見え全開の襖口に佇むのは、紛れもなく弟の園田陽向だ。
 全力疾走してきたのか、浴衣は乱れ、後ろでは泡を食って追いかけてきたらしい数匹の管狐たちがキーキー騒ぎながら右往左往している。
 目が覚めて早々に介抱していた管狐たちを蹴散らして屋敷内で僕を捜し回ったようだった。
 そんな陽向は僕たちの状況を眺め幾分ホッとしたような顔をした。

「あらもう目を覚ましたのですか。もっとゆっくり寝てらしても良かったのですけれど」

 千尋さんは不機嫌そのものの声と仏頂面を隠しもせずに陽向を睨んでいる。
 遠慮すらない陽向もだけど、千尋さんも陽向にはだいぶ態度がキツイ。

「ええーと、あのさ、陽向と千尋さんはやっぱり面識があるんだよな?」
「ああ」
「ございます」
「へえ、じゃあ一緒に遊んだりもし…」
「「――まさかッ!」」

 息ピッタリに返されてちょっとびっくりした。
 陽向が忌々しそうに千尋さんを見やって荒い息を吐き出す。

「密かに俺一人で見えなくなった兄貴を捜してた山中で、こいつが意識のない兄貴を担いで来たのを見た時はどんだけぶっ殺してやろうかって思ったな。それどころじゃなかったから兄貴を受け取って追い返したけど、その後も家族の目のない時にしつこく会いにくるから、俺が実力行使で一切兄貴に近寄らせないようにもしてた」
「ふん、あの頃はこの男に太陽様のお見舞いもさせてもらえず、一目だけでも会いたいとあの手この手を試みましたけれど叶わず、そのうち太陽様も快復されてご一家は旅館から帰られてしまったのです。当時この男には何度煮え湯を飲まされたことでしょう。わたくしはわたくしで体調を崩してしまい人間界にある狐守旅館では暮らせなくなり、お父様の用意して下さったこの屋敷に越してくるほかなかったのです」
「じゃあ二人は仲が良いわけじゃ……?」
「ない!」
「ありません!」

 これもハモッた。それにこういう部分は包み隠さない二人だよな。たじたじとして苦笑しかできずにいると、ズカズカと入ってきた陽向から腕を掴んで立たされ背後に庇われる。
 陽向は高圧的な態度のまま千尋さんを見下ろした。

「それよりさっきの話だよ。あんたはどうして兄貴に妖怪の力なんて注いだんだ?」

 陽向の声がとても険しい。返答如何によっちゃ容赦しないってピリピリした空気を肌で感じる。

「そんな異物が俺たち人間の体に合うわけねえだろ。しかも尻尾が複数本だって? まさに毒注射を何本も打たれたようなもんじゃねえか! 全く、だからあの時兄貴は高熱を出したのか。道理で不自然に熱も下がらなかったわけだ。体への負担が過ぎたんだよ」
「お、落ち着けって陽向。体に良くないのかもしれないけど、毒注射だなんて例え大袈裟だって。熱だって最後には下がったし僕はこうしてピンピンしてるだろ」
「大袈裟じゃねえよ」

 横から覗くようにして宥めれば、予想通り陽向は千尋さんへと仇敵に向けるような憎々しげな視線を突き刺している。

「一つ訊く。わかっててやったのか? 一歩間違えば死んでたかもしれないんだぞ?」
「えっ……――死!?」

 まさかそんな、妖怪の力ってそこまで人間には良くないものなのか?

「仕方がなかったのです」

 そこに正座したまま陽向の糾弾にやや目を伏せて、千尋さんは静かな声を落とした。

「じゃあ危険だってわかってたんだな?」

 対照的に初めて見るくらいに激怒する陽向。
 今にも掴みかかりそうに見えて、慌てて手を添えいつでも止められるように構えた。

「――賭けだったのです!」

 一方、顔を上げた彼女は真っ向から反論する眼差しで声を張った。

「賭けだと? 何を言ってる?」

 訝しむように反問する陽向の疑問は僕も思った。

「ハッ妖怪共は実は賭博が好きなのか? 兄貴の命を賭け事の対象にして無聊ぶりょうの慰めにでもしてたのかよ? あ?」
「違いますわ! 馬鹿者は発想までも大馬鹿ですね! あの時はそうすることでしか太陽様の大事なお命をお救いできなかったからです!」
「何……?」
「僕の命を救う? あっまさか溺れた時の……?」

 はい、と千尋さんが首肯する。

「五年前の折、太陽様はあの無知な河童に川底に引き摺り込まれて、ほぼ死んでいたのです!」
「――ほぼ、死!? 僕が!?」

 頓狂な声を上げてしまった僕とは違い、陽向は目を瞠って息を呑んだ。

「河童を撃退し引き上げましたけれど、九尾の力の内の八尾を注がなければお命を繋げないほど、太陽様はほぼ死んでいたのです。危うく太陽様の美しい魂が瓦解してしまうところでした」

 え、魂って瓦解するの?

 何か取扱注意の割れ物みたいだな。ふわ~っと薄れて消えるとか弾けて燐光になるとかじゃないんだ。まあそれ以前に肉体には実際に魂ってものがあるのかって知って驚きだけど……。
 あの時はちーちゃんが溺れる前に助けてくれて事なきを得たんじゃなかったのか。
 ああいや彼女のおかげで事なきを得たのは間違いないけど、まさかそこまで深刻な事態からの生還だったなんて思わなかった。
 ゆっくりと両手を見下ろす。
 血が通い、自分が確かに生きているのを感じれば、無意識に安堵の溜息が零れ落ちた。

「太陽様」

 いつの間にか近くに立った千尋さんが、僕の手を取って包み込むようにして微笑んだ。
 その手はとても温かく、崩した相好は優しい。

「ですがわたくしは、賭けに勝ったのです」
「千尋さん……」

 その慈母のような笑みは彼女の情の深さや純粋さを物語っていて、体の中心で血液を送り出す心臓がトクリトクリと高鳴って、何か血とは別の大切な感情をも全身に巡らせてくれるようだった。

「僕を二度も助けてくれて、本当にどうもありがとう」

 改めて彼女への大きな感謝が湧き上がるのを感じた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

【1/23取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?

水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。 日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。 そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。 一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。 ◇小説家になろうにも掲載中です! ◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

少し残念なお嬢様の異世界英雄譚

雛山
ファンタジー
性格以外はほぼ完璧な少し残念なお嬢様が、事故で亡くなったけど。 美少女魔王様に召喚されてしまいましたとさ。 お嬢様を呼んだ魔王様は、お嬢様に自分の国を助けてとお願いします。 美少女大好きサブカル大好きの残念お嬢様は根拠も無しに安請け合い。 そんなお嬢様が異世界でモンスター相手にステゴロ無双しつつ、変な仲間たちと魔王様のお国を再建するために冒険者になってみたり特産物を作ったりと頑張るお話です。 ©雛山 2019/3/4

処理中です...