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♡5話
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「待って、東雲っ、ここどこ」
聞こえないのか返事は無い、ただ離れないようにと握られた手を引かれて歩かされる。タクシーの中でも東雲はずっと手を触っていた。東雲の指先が手のひらや手首を通り、また水かき部分をなぞっていく。ただ手を触られているだけだというのに、オメガの体はぴくりと反応してしまう。
まだ指先に残る東雲の感触がより体に期待を募らせていく。周りを見てもどこかわからず、ぐんぐんと進んでいく東雲に着いていくのが精一杯で少し足が縺れそうになりながら歩いていると一棟のマンションの前で立ち止まった。
ちらりと清水を見た東雲は、本当にいいのかと言っているようで、それに答えるように繋がる手をぎゅっと握った。エレベーターで上がる時も腰に手を回して抱きしめるように支えてくれる東雲に、またきゅうんっと心臓が鳴り、それに呼応するようにどくどくと熱い血が全身を駆け巡る。
マンションの最上階、とある一室まで歩いてふと表札を見ると東雲の文字。ここ、東雲の部屋?ホテルとかじゃないのか…と考える間もなく部屋の中へ引き込まれてキスを落とされる。
「ぅんっ、ん、」
「靴、脱いで。連れてくから」
東雲に従うようにどうにか靴を脱ぐとひょいっと子供を抱くかのように簡単に抱きかかえられ、寝室に入ったと思うとすぐにベッドの上にぽふ、と置かれる。オフィスでのキスも、握られた手も、全てが焦らされているように感じて、フェロモンに当てられただけの東雲に勝手に期待してしまう。
「あぁ、清水の匂い…すごく、いいね」
ぎし、と音を立ててベッドの上にあがってくる東雲が清水の足に触れる。長く骨ばった綺麗な指は撫でるように動き、大きな手がするするとふくらはぎや太ももを伝うだけで「ん、っ」と声が漏れてしまう。__藤堂に、極力声は出すなと言われていたことを思い出して口元を抑えていると、それを退けるように東雲が清水の上に覆いかぶさった。
「あっ、ん、しののめ、っ」
「辛いよね、俺も辛い。脱がすよ」
起き上がった東雲が慣れた手つきで服を脱がしていく、腰や背中を這う手は熱く、布が敏感な肌を擦るだけで昂ったものがふるふると震えてしまう。脱がされた衣服を丁寧にサイドに置いた東雲は、自身のシャツに手をかける。ぷちぷちとボタンをほどき、露わになる素肌に目を見開く。ほどよく鍛えられた引き締まった体にだらしない自分の体が恥ずかしくなる。
「清水、見すぎだよ」
あまりにも綺麗で言葉にできないまま見蕩れていると恍惚とした表情の東雲にふっと笑われて、恥ずかしさにかぁっと顔が赤くなる。けれどもその笑みすらもまるで完成された彫刻のように美しく、やっぱり東雲は綺麗なんだなあと視線を逸らすと、美しい体とはうらはらに東雲の下半身は下着越しにもわかるほどそそり立つものがあった。
興奮、してる…もう、だめだ。
「清水、匂い……っ」
自分でもわかる、体が深く求めていることに。目の前にいる男が欲しいと、もう止まらなかった。フェロモンを垂れ流し状態で、清水自身のものも今にもはち切れそうな中、焦らされて、見たことの無い顔で求められるなんて興奮しないはずがない。美しい顔の額に皺を寄せた東雲が許可を出せと言わんばかりの顔で苦しそうに見つめてくる。はやく、はやく。
「東雲、しののめっ、はやく…触って欲しい……っ」
「我慢してたんだ?やらしい、どこがいいの?」
清水の言葉に東雲の手が動き出す。ようやく待ちわびていた場所に触れられ、大きくなったそれは布越しに触られただけで愛液を垂らして下着に染みを作っていく。恥ずかしい、恥ずかしい。けどそれ以上に、きもちいい
「ぅあっ、あっ…」
昂るものの先端をくるくると弄る東雲がもう片方の手で胸を触る、早く触って欲しいと言わんばかりに主張する胸の飾りにカリッと爪をたてられただけで頭まで痺れるほどの快感が襲ってくる。
「ちゃんと解さないと、ね、清水」
「やっ、あっ、あっ、まって、」
清水の脚と脚の間に頭を下ろした東雲がそう言って布越しにぱくっと咥え、清水は生温かい感触に意識が飛びそうになった。先程まで口内を蹂躙していた唇が、清水のそれを咥えているなんて、暴力的なまでの視界に思わず脚を閉じようにも太ももを掴まれて叶わない。
下着をずらされ、ぷちゅ、と音を立てながら秘部に指があてがわられ、思わず「っあぁ、っ」と声が漏れ出てしまう。
ちゅ、ぢゅるる、と卑猥な音を立てながら吸いつかれ、まだ窮屈な秘部には少しずつ指が入り込んでくる。すらっとした東雲の指は長く、探るように肉壁をかき分けてくる。ゆっくりと指を出し入れされていると、顔を掴まれて深くキスをされる。
「んっん、息できな、しののめっ、っはぁ…っ」
「可愛いよ、清水」
「かわいくないぃ……っ」
上顎をなぞる舌に捕まえられ、吐息を漏らしながら必死に清水も舌を絡ませた。ゆっくりと押し入ってきた指は瞬く間に二本に増えて清水の良いところを探そうと出し入れを繰り返す。東雲の唇は首筋を辿ってカラーに当たると、ちゅ、と軽いキスを落としてまた下へと下がっていく。たどり着いた先は先程軽く焦らされた胸で、ちろちろと尖った舌に弄られるだけできゅんと東雲の指を締め付けてしまう。
たった二本の指でぐじゅぐじゅになった秘部がもっと、と言うように緩んでは締め付けてを繰り返すなか、こりっと東雲の指先が清水の中のしこりに触れた「ふぁっ!?や、いや…っ」と急な刺激に首をふっても東雲はやめてくれない。そもそも今までセックスは清水が気持ちよくなるものではなく、藤堂のためにあったものだったからこそ、東雲よりも清水を気持ちよくさせる動きに戸惑いと羞恥心が湧き上がる。
なんで、なんでぼくと初めてのくせにぼくの良いとこ触れるんだ…っ
無意識に良いところへ触れてもらおうと腰を動かしていることに清水は気付いていない。東雲だけが愛液が滴る清水のそれと、指を受け入れる秘部、そして快楽を求める腰の動きに気付き、高揚している。
聞こえないのか返事は無い、ただ離れないようにと握られた手を引かれて歩かされる。タクシーの中でも東雲はずっと手を触っていた。東雲の指先が手のひらや手首を通り、また水かき部分をなぞっていく。ただ手を触られているだけだというのに、オメガの体はぴくりと反応してしまう。
まだ指先に残る東雲の感触がより体に期待を募らせていく。周りを見てもどこかわからず、ぐんぐんと進んでいく東雲に着いていくのが精一杯で少し足が縺れそうになりながら歩いていると一棟のマンションの前で立ち止まった。
ちらりと清水を見た東雲は、本当にいいのかと言っているようで、それに答えるように繋がる手をぎゅっと握った。エレベーターで上がる時も腰に手を回して抱きしめるように支えてくれる東雲に、またきゅうんっと心臓が鳴り、それに呼応するようにどくどくと熱い血が全身を駆け巡る。
マンションの最上階、とある一室まで歩いてふと表札を見ると東雲の文字。ここ、東雲の部屋?ホテルとかじゃないのか…と考える間もなく部屋の中へ引き込まれてキスを落とされる。
「ぅんっ、ん、」
「靴、脱いで。連れてくから」
東雲に従うようにどうにか靴を脱ぐとひょいっと子供を抱くかのように簡単に抱きかかえられ、寝室に入ったと思うとすぐにベッドの上にぽふ、と置かれる。オフィスでのキスも、握られた手も、全てが焦らされているように感じて、フェロモンに当てられただけの東雲に勝手に期待してしまう。
「あぁ、清水の匂い…すごく、いいね」
ぎし、と音を立ててベッドの上にあがってくる東雲が清水の足に触れる。長く骨ばった綺麗な指は撫でるように動き、大きな手がするするとふくらはぎや太ももを伝うだけで「ん、っ」と声が漏れてしまう。__藤堂に、極力声は出すなと言われていたことを思い出して口元を抑えていると、それを退けるように東雲が清水の上に覆いかぶさった。
「あっ、ん、しののめ、っ」
「辛いよね、俺も辛い。脱がすよ」
起き上がった東雲が慣れた手つきで服を脱がしていく、腰や背中を這う手は熱く、布が敏感な肌を擦るだけで昂ったものがふるふると震えてしまう。脱がされた衣服を丁寧にサイドに置いた東雲は、自身のシャツに手をかける。ぷちぷちとボタンをほどき、露わになる素肌に目を見開く。ほどよく鍛えられた引き締まった体にだらしない自分の体が恥ずかしくなる。
「清水、見すぎだよ」
あまりにも綺麗で言葉にできないまま見蕩れていると恍惚とした表情の東雲にふっと笑われて、恥ずかしさにかぁっと顔が赤くなる。けれどもその笑みすらもまるで完成された彫刻のように美しく、やっぱり東雲は綺麗なんだなあと視線を逸らすと、美しい体とはうらはらに東雲の下半身は下着越しにもわかるほどそそり立つものがあった。
興奮、してる…もう、だめだ。
「清水、匂い……っ」
自分でもわかる、体が深く求めていることに。目の前にいる男が欲しいと、もう止まらなかった。フェロモンを垂れ流し状態で、清水自身のものも今にもはち切れそうな中、焦らされて、見たことの無い顔で求められるなんて興奮しないはずがない。美しい顔の額に皺を寄せた東雲が許可を出せと言わんばかりの顔で苦しそうに見つめてくる。はやく、はやく。
「東雲、しののめっ、はやく…触って欲しい……っ」
「我慢してたんだ?やらしい、どこがいいの?」
清水の言葉に東雲の手が動き出す。ようやく待ちわびていた場所に触れられ、大きくなったそれは布越しに触られただけで愛液を垂らして下着に染みを作っていく。恥ずかしい、恥ずかしい。けどそれ以上に、きもちいい
「ぅあっ、あっ…」
昂るものの先端をくるくると弄る東雲がもう片方の手で胸を触る、早く触って欲しいと言わんばかりに主張する胸の飾りにカリッと爪をたてられただけで頭まで痺れるほどの快感が襲ってくる。
「ちゃんと解さないと、ね、清水」
「やっ、あっ、あっ、まって、」
清水の脚と脚の間に頭を下ろした東雲がそう言って布越しにぱくっと咥え、清水は生温かい感触に意識が飛びそうになった。先程まで口内を蹂躙していた唇が、清水のそれを咥えているなんて、暴力的なまでの視界に思わず脚を閉じようにも太ももを掴まれて叶わない。
下着をずらされ、ぷちゅ、と音を立てながら秘部に指があてがわられ、思わず「っあぁ、っ」と声が漏れ出てしまう。
ちゅ、ぢゅるる、と卑猥な音を立てながら吸いつかれ、まだ窮屈な秘部には少しずつ指が入り込んでくる。すらっとした東雲の指は長く、探るように肉壁をかき分けてくる。ゆっくりと指を出し入れされていると、顔を掴まれて深くキスをされる。
「んっん、息できな、しののめっ、っはぁ…っ」
「可愛いよ、清水」
「かわいくないぃ……っ」
上顎をなぞる舌に捕まえられ、吐息を漏らしながら必死に清水も舌を絡ませた。ゆっくりと押し入ってきた指は瞬く間に二本に増えて清水の良いところを探そうと出し入れを繰り返す。東雲の唇は首筋を辿ってカラーに当たると、ちゅ、と軽いキスを落としてまた下へと下がっていく。たどり着いた先は先程軽く焦らされた胸で、ちろちろと尖った舌に弄られるだけできゅんと東雲の指を締め付けてしまう。
たった二本の指でぐじゅぐじゅになった秘部がもっと、と言うように緩んでは締め付けてを繰り返すなか、こりっと東雲の指先が清水の中のしこりに触れた「ふぁっ!?や、いや…っ」と急な刺激に首をふっても東雲はやめてくれない。そもそも今までセックスは清水が気持ちよくなるものではなく、藤堂のためにあったものだったからこそ、東雲よりも清水を気持ちよくさせる動きに戸惑いと羞恥心が湧き上がる。
なんで、なんでぼくと初めてのくせにぼくの良いとこ触れるんだ…っ
無意識に良いところへ触れてもらおうと腰を動かしていることに清水は気付いていない。東雲だけが愛液が滴る清水のそれと、指を受け入れる秘部、そして快楽を求める腰の動きに気付き、高揚している。
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