放課後のヒメゴト

最悪な日

3

私はゆっくりと2人のカップルに近づいた

どうしよう、
わざと音を立てて私の存在感を出すか
何食わぬ顔で横を通るか…


色々考えながら近づく


ふと、女の顔を見ると




雪乃？？


見間違い…よね？だって雪乃は
急いでアルバイトに行ったはず


雪乃は私に気づいていないみたい
声をかけようとした時、

雪乃が男の袖をグイッと引っ張って
抱きついたので
男の顔も見えた



「え…」





圭介じゃん




なんで？？




その時、雪乃が周りを確認する素振りをしたので
私は反射的に近くの柱に隠れた


どうして2人がここで会ってるの？




「誰もいないよ、安心して」
「理香子は？デートの約束してる」

そうだよ、私たちは
これからデートなんだよ

圭介はサッカー部で毎日忙しくて
たまにしか休みがないから
その貴重な時間だけでも2人でいようって約束してる
それが今日だった

私はバレないように
そっと柱から覗いてみる


「理香子には日直の仕事頼んだから、来るのに時間かかるよ」

少しの沈黙の後

「へぇ……



よくできました」


そう言って
雪乃の顎を掴み、



キスをした



「んっ…ふ…」


お互いの唾液が絡み合う音が
ここまで届く



私は言葉が出なかった



「あっ…はぁ、ねぇここじゃダメ」
「なに？とまんねーの？」

そう言って雪乃のスカートの中を弄る圭介


何してるの

ねぇ、
彼女だよね私

じゃあ私は今
何を見せられてるっていうの



「もう…ダメだってばぁ…」
「日曜日まで我慢できる？」


日曜日？？サッカーじゃないの？


「やぁ…我慢する、頑張っ…る」
「ちゃんと約束は守れよ
そうしたら日曜日は朝から雪乃のこと相手してやるから」

そう言ってまたキスをする2人



日曜日は自主トレしてるんじゃなかったの？
土曜日も部活で会えないって



でも雪乃とは会ってたんだね
私に嘘ついて…



今


私の目の前で繰り広げられた光景は
私の心をズタズタに引き裂くのには
効果抜群だった


彼氏と親友に裏切られてた


私が鈍感すぎた？
いつから騙されてたの？

まさか最初から？



いろんな疑問が頭の中で溢れて
私はパンク寸前だった




「やば、もう行かないと
理香子が不審がる」


え…やばい
こっち来る！？