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第8話
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「昨日とは違う顔つきをしていますね」
アネモネは俺に言った。
「眠そうな顔にも見えるだろ?」
俺の冗談にアネモネは少し笑った。
「そうですね、貴方との斬り合いが少し楽しみです」
アネモネといい、ノイッシュといい、本当に戦闘民族は剣を握るんだろうなって俺は思った。
「では....始めましょうか」
アネモネはそう言いながら剣を抜いた。
それに合わせ、俺もアネモネの方を向きながら剣を抜いた。
そして剣を抜いた瞬間に、俺はアネモネとの距離を一気に縮め、アネモネを斬ろうとした。
「昨日のお返しだ」
「本当に面白い人ですね」
アネモネは少し笑いながらそう言い、俺の攻撃を全て剣でさばいていった。
一旦俺の奇襲をアネモネが抑えると、アネモネは少しずつ俺に攻撃をし始めた。
アネモネの攻撃は鋭く、攻撃後の俺のスキを正確に突いてきた。
最初はアネモネの突きに苦戦をしたが、集中して来たのか、俺はアネモネの攻撃を数回で理解した。
もっと速く、もっと速く....
アネモネに突きをさせる隙を与えない。
「やりますね」
アネモネはそう言うと、自身の剣さばきのスピードを上げた。
俺のスピードを上回るスピードで俺の剣をさばき、最後の剣さばきで俺の剣を遠くに弾いた。
「はー、やっぱり勝てなかったか」
「いえ、自分で言うのも何ですが....私に、本気を出させただけで十分凄いですよ」
「それでも勝ちたかったなー」
俺が愚痴をこぼすと、アネモネから意外な言葉が出た。
「そうですね、でも貴方なら私をすぐに超えられると思いますよ」
「え?」
「貴方には私が持っていない物を持っている、そんな気がします」
俺に持っていて、アネモネが持っていない物か....
昨日俺はアネモネに剣に殺意を込めろと言われた。けど一晩中考えても、俺にはそれができなさそうだった。
だけど、仲間を守る為になら、自分を守る為になら剣を振るえる、そんな気がした。
「アネモネが言っている物が何かはわからないけど....」
「俺はさ、殺意じゃなくて、自分を含めた何かを守る為に剣を振るうことにしたんだ」
「守る為に振るう剣と殺意を込めて振るう剣は、最終的に迷いのない剣になると思うけど....」
「守る為に振るった方が気持ちが断然いいじゃん」
俺は笑ってアネモネに言った。
「そうですね、守る為に剣を振るうですか....」
「確かにそちらの理由の方が断然いいですね」
「私はそう思えなかった。なので、私もまだまだ未熟ですね」
アネモネも笑って俺に答えた。
「えーと、それでさ....」
「俺の戦い方だけど、どこが変だった?」
「変と言うよりは無駄が多いと言う表現が正しいですね」
「私の剣には無駄がないとは言えませんが....貴方の剣には無駄が沢山感じられます」
「剣さばきは筋がかなりいいので、その無駄さえなくせば、貴方の言う戦い方を思い出すことができると思います」
「おう!」
俺は元気にアネモネに返事をした。
アネモネは俺に言った。
「眠そうな顔にも見えるだろ?」
俺の冗談にアネモネは少し笑った。
「そうですね、貴方との斬り合いが少し楽しみです」
アネモネといい、ノイッシュといい、本当に戦闘民族は剣を握るんだろうなって俺は思った。
「では....始めましょうか」
アネモネはそう言いながら剣を抜いた。
それに合わせ、俺もアネモネの方を向きながら剣を抜いた。
そして剣を抜いた瞬間に、俺はアネモネとの距離を一気に縮め、アネモネを斬ろうとした。
「昨日のお返しだ」
「本当に面白い人ですね」
アネモネは少し笑いながらそう言い、俺の攻撃を全て剣でさばいていった。
一旦俺の奇襲をアネモネが抑えると、アネモネは少しずつ俺に攻撃をし始めた。
アネモネの攻撃は鋭く、攻撃後の俺のスキを正確に突いてきた。
最初はアネモネの突きに苦戦をしたが、集中して来たのか、俺はアネモネの攻撃を数回で理解した。
もっと速く、もっと速く....
アネモネに突きをさせる隙を与えない。
「やりますね」
アネモネはそう言うと、自身の剣さばきのスピードを上げた。
俺のスピードを上回るスピードで俺の剣をさばき、最後の剣さばきで俺の剣を遠くに弾いた。
「はー、やっぱり勝てなかったか」
「いえ、自分で言うのも何ですが....私に、本気を出させただけで十分凄いですよ」
「それでも勝ちたかったなー」
俺が愚痴をこぼすと、アネモネから意外な言葉が出た。
「そうですね、でも貴方なら私をすぐに超えられると思いますよ」
「え?」
「貴方には私が持っていない物を持っている、そんな気がします」
俺に持っていて、アネモネが持っていない物か....
昨日俺はアネモネに剣に殺意を込めろと言われた。けど一晩中考えても、俺にはそれができなさそうだった。
だけど、仲間を守る為になら、自分を守る為になら剣を振るえる、そんな気がした。
「アネモネが言っている物が何かはわからないけど....」
「俺はさ、殺意じゃなくて、自分を含めた何かを守る為に剣を振るうことにしたんだ」
「守る為に振るう剣と殺意を込めて振るう剣は、最終的に迷いのない剣になると思うけど....」
「守る為に振るった方が気持ちが断然いいじゃん」
俺は笑ってアネモネに言った。
「そうですね、守る為に剣を振るうですか....」
「確かにそちらの理由の方が断然いいですね」
「私はそう思えなかった。なので、私もまだまだ未熟ですね」
アネモネも笑って俺に答えた。
「えーと、それでさ....」
「俺の戦い方だけど、どこが変だった?」
「変と言うよりは無駄が多いと言う表現が正しいですね」
「私の剣には無駄がないとは言えませんが....貴方の剣には無駄が沢山感じられます」
「剣さばきは筋がかなりいいので、その無駄さえなくせば、貴方の言う戦い方を思い出すことができると思います」
「おう!」
俺は元気にアネモネに返事をした。
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