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VRワールド編
ep268 貴婦人の観光案内じゃなかったの!?
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「……へ? え? な、何のことを言ってるのかな? クジャクさん?」
「こちらも最初は様子を伺っていたが、もう下手にとぼけなくとも構わないぞ? 私もただ偶然を装って、隼殿に観光案内を頼んだのではないのだからな」
せっかく新人三人組のおかげで空色の魔女の話題から話が逸れたと思ったのに、クジャクさんはどこか不敵な暗黒微笑をしながらアタシに質問を投げかけてくる。
まさかと思うけど、またしてもアタシの正体がバレちゃってますか? これで何回目ですか?
世間の目は誤魔化せても、どこかクセのある人には見破られる傾向があるのは何故ですか?
――てかもしかして、クジャクさんも『アタシの正体を知ってる一味』の一員だったりするってオチ?
「ねえ、クジャクさん。あんたって本当に何者で――」
「質問はしばし待たれよ、隼殿。どうにも、私達をつけ狙う影を感じるぞ」
「……へ? 誰かに狙われてるって?」
思わず質問して真相を確かめようとするけど、クジャクさんはその言葉を遮りつつアイコンタクトを送ってくる。
新人三人組が去った後、いつの間にか周囲の人影が少なくなっている。チラホラとスーツ姿にサングラスの屈強な男が四人ほど見えるぐらいだ。
てか、このグラサン男達、アタシとクジャクさんを包囲するように近づいてきてない? なんだか、SPだか鬼ごっこ番組の鬼役に囲まれた気分なんだけど?
こいつらしかいないところを見ても、まさかこのショッピングモール内で人払いをしたってこと?
そこまで大規模な包囲網を敷けるなんて、何者かとも思ったけど――
「……あんた達ってまさか、ラルカさんの部下じゃないかい? 服装は変えてるけど、アタシには見覚えがあるよ」
「ラルカ右舷将のことも含めてお覚えでしたか。空鳥様こと、空色の魔女様」
――アタシはこいつらのことを知っている。かつてラルカさんとパンドラの箱の取り合いになった時、一緒に行動していた部下の四人組だ。
あの時は色々としてやられたけど、まさかこのタイミングでまた鉢合わせになるとはね。この間のフロスト博士やベレゴマといい、どうにも将軍艦隊とは縁がある。
「こーんな街のショッピングモールで人払いと包囲までして、まーたアタシを狙うってのかい?」
「いえ、今回の目的はあなたではありません。そちらにいる貴婦人の身柄を、こちらに渡していただきたく願います」
「あー、そっちのパターンね。そういや、ラルカさんの姿が見えないけど、またどこかに潜伏してるってこと?」
「ラルカ右舷将については別行動をしておられます。我々もその貴婦人の身柄を保護するため、ラルカ右舷将ともども方々走り回ってる最中でして」
そんなラルカさんの忠実な部下達の目的だが、どうやらアタシではなくクジャクさんが狙いのようだ。
こんな状況に陥ったところを見るに、クジャクさんも将軍艦隊と一枚噛んでるのは確定か。そりゃ、アタシが空色の魔女なのも知ってたわけだ。
「……クジャクさんさ。こういう厄介な事情があったりアタシの正体も知ってるんだったら、まず最初に言って欲しかったもんだね」
「ハハハッ! それは失礼した! 私もいきなり口にすれば、過度に警戒されると危惧したものでな」
「そういう気遣いは不要だったけど、一応感謝しとくよ。……そんで? クジャクさんはこいつらにおとなしく捕まりたいの?」
クジャクさんには文句も言いたくなるけど、今はこの場をどうにかするのが先決だ。
将軍艦隊とクジャクさんがどういう関係なのかは知らないけど、アタシも狙われた人を放っておくことなどできない。そんなことはヒーロー失格だ。
だから、クジャクさんが望むのならば――
「生憎と私もまだ、かの者達の手中に収まりたくはないな。もうしばしの間、隼殿との観光を続けたい」
「そうかい! だったら、空色の魔女の出番ってこった!」
――アタシはこの場でラルカさんの部下を相手にするだけだ。すぐさまブローチで変身して、ガジェットからデバイスロッドも取り出す。
本当にラルカさんが不在なのかは気になるけど、隠れていたとしてもアタシのやることは変わらない。
この場でこいつらを倒し、クジャクさんを守る。それこそが今この場におけるアタシの役目だ。
「……やはり、交戦は避けられないか。右舷将隊! 戦闘態勢をとれ! ラルカ右舷将の到着まで、この場に留めるのだ!」
「本当にラルカさんは不在って感じかね! だったら、アタシもラルカさんが来る前に決着を着けさせてもらうよ!」
アタシが空色の魔女へ変身すると、ラルカさんの部下四人も即座に身構え、四方から一気に襲い掛かってくる。
それぞれ片手にナイフを持ち出してるけど、銃火器の類は持っていない。
クジャクさんを狙っている話といい、目的はあくまでその身柄を捕えることか。それがどういう意味かは知らないけど、近接戦でアタシにだけ狙いを定めてくれるのは助かる。
「目的はクジャクさんの捕縛みたいだけど、そのせいでお得意の連携戦術にも幅が利かせられてないね! あんた達四人がどれだけ優秀な軍人でも、制限がかかった状態でアタシに勝てると思ってんのかい!?」
「くそ!? 分かってはいたが、一般的な対人戦術では足りないか!?」
「落ち着け! ラルカ右舷将が到着すれば、状況も一転させられる! 今は逃がさないことだけを考えろ!」
ナイフ自体も絶縁カーボン素材でトラクタービームへの対策をとってるみたいだけど、それでもアタシの方が状況的には有利だ。
デバイスロッドで素早く飛行しながら、すれ違いざまに蹴りを入れて怯ませていく。
向こうも戦えるように人払いをしたみたいだけど、これはアタシにとっても好都合だ。人の目を気にしないで戦える。
「ラルカ右舷将の到着はまだか!?」
「もう二、三分かかるそうだ! 牙島左舷将も一緒と連絡が入った!」
「げぇ!? 牙島までいんの!? そうなってくると、アタシは余計に悠長なことはしてらんないね!」
ただ、流石は戦い慣れた軍人というだけのことはある。大凍亜連合の残党と違い、不利な状況でもガードや連携でこちらに食らいつき、どうにか戦闘を長引かせようとしてくる。
その目的は一つ。上官であるラルカさんが到着することで、この戦況を一転させるということ。
それだけでも厄介なのに、耳に入った話を聞く限り、あの怪物トカゲ男の牙島までこっちに向かっているらしい。
流石にアタシもあの二人を同時に相手にするのは勘弁だ。これはこの場の四人を叩きのめして、安全にアディオスとはいかないか。
――だったら、一番の目的を優先しよう。
「ほら、クジャクさん! アタシに掴まって!」
「おお! 私もその空飛ぶ杖に乗せてもらえるのか!? ハハハッ! これは実に功名な体験だ!」
「し、しまった!? 逃げられた!?」
アタシはクジャクさんの手を掴んでデバイスロッドに乗せ、四人の襲撃者から逃げる戦法に切り替える。
都合よくここはショッピングモール内でも天井がない場所だし、敵さんに空を飛んで追走する手段はない。
高度を上げてしまえば、難なく逃げ切ることは可能だ。
「ふい~……とりあえずは一安心か。アタシもラルカさんと牙島を同時に相手したくないからね。クジャクさんも大丈夫?」
強敵二人との交戦を避けるために空を飛んで逃げる手段をとったけど、よく考えたらクジャクさんはこうやって空を飛ぶ経験なんて初めてのはずだ。
いきなりのことだったけど、怖がってないかな?
アタシとしても、どこか安全な場所に早く着地したいんだけど――
「ハハハッ! これは行幸だ! 空を飛ぶというのは、実に愉快な体験だな!」
「ぜ、全然大丈夫っぽい……」
「こちらも最初は様子を伺っていたが、もう下手にとぼけなくとも構わないぞ? 私もただ偶然を装って、隼殿に観光案内を頼んだのではないのだからな」
せっかく新人三人組のおかげで空色の魔女の話題から話が逸れたと思ったのに、クジャクさんはどこか不敵な暗黒微笑をしながらアタシに質問を投げかけてくる。
まさかと思うけど、またしてもアタシの正体がバレちゃってますか? これで何回目ですか?
世間の目は誤魔化せても、どこかクセのある人には見破られる傾向があるのは何故ですか?
――てかもしかして、クジャクさんも『アタシの正体を知ってる一味』の一員だったりするってオチ?
「ねえ、クジャクさん。あんたって本当に何者で――」
「質問はしばし待たれよ、隼殿。どうにも、私達をつけ狙う影を感じるぞ」
「……へ? 誰かに狙われてるって?」
思わず質問して真相を確かめようとするけど、クジャクさんはその言葉を遮りつつアイコンタクトを送ってくる。
新人三人組が去った後、いつの間にか周囲の人影が少なくなっている。チラホラとスーツ姿にサングラスの屈強な男が四人ほど見えるぐらいだ。
てか、このグラサン男達、アタシとクジャクさんを包囲するように近づいてきてない? なんだか、SPだか鬼ごっこ番組の鬼役に囲まれた気分なんだけど?
こいつらしかいないところを見ても、まさかこのショッピングモール内で人払いをしたってこと?
そこまで大規模な包囲網を敷けるなんて、何者かとも思ったけど――
「……あんた達ってまさか、ラルカさんの部下じゃないかい? 服装は変えてるけど、アタシには見覚えがあるよ」
「ラルカ右舷将のことも含めてお覚えでしたか。空鳥様こと、空色の魔女様」
――アタシはこいつらのことを知っている。かつてラルカさんとパンドラの箱の取り合いになった時、一緒に行動していた部下の四人組だ。
あの時は色々としてやられたけど、まさかこのタイミングでまた鉢合わせになるとはね。この間のフロスト博士やベレゴマといい、どうにも将軍艦隊とは縁がある。
「こーんな街のショッピングモールで人払いと包囲までして、まーたアタシを狙うってのかい?」
「いえ、今回の目的はあなたではありません。そちらにいる貴婦人の身柄を、こちらに渡していただきたく願います」
「あー、そっちのパターンね。そういや、ラルカさんの姿が見えないけど、またどこかに潜伏してるってこと?」
「ラルカ右舷将については別行動をしておられます。我々もその貴婦人の身柄を保護するため、ラルカ右舷将ともども方々走り回ってる最中でして」
そんなラルカさんの忠実な部下達の目的だが、どうやらアタシではなくクジャクさんが狙いのようだ。
こんな状況に陥ったところを見るに、クジャクさんも将軍艦隊と一枚噛んでるのは確定か。そりゃ、アタシが空色の魔女なのも知ってたわけだ。
「……クジャクさんさ。こういう厄介な事情があったりアタシの正体も知ってるんだったら、まず最初に言って欲しかったもんだね」
「ハハハッ! それは失礼した! 私もいきなり口にすれば、過度に警戒されると危惧したものでな」
「そういう気遣いは不要だったけど、一応感謝しとくよ。……そんで? クジャクさんはこいつらにおとなしく捕まりたいの?」
クジャクさんには文句も言いたくなるけど、今はこの場をどうにかするのが先決だ。
将軍艦隊とクジャクさんがどういう関係なのかは知らないけど、アタシも狙われた人を放っておくことなどできない。そんなことはヒーロー失格だ。
だから、クジャクさんが望むのならば――
「生憎と私もまだ、かの者達の手中に収まりたくはないな。もうしばしの間、隼殿との観光を続けたい」
「そうかい! だったら、空色の魔女の出番ってこった!」
――アタシはこの場でラルカさんの部下を相手にするだけだ。すぐさまブローチで変身して、ガジェットからデバイスロッドも取り出す。
本当にラルカさんが不在なのかは気になるけど、隠れていたとしてもアタシのやることは変わらない。
この場でこいつらを倒し、クジャクさんを守る。それこそが今この場におけるアタシの役目だ。
「……やはり、交戦は避けられないか。右舷将隊! 戦闘態勢をとれ! ラルカ右舷将の到着まで、この場に留めるのだ!」
「本当にラルカさんは不在って感じかね! だったら、アタシもラルカさんが来る前に決着を着けさせてもらうよ!」
アタシが空色の魔女へ変身すると、ラルカさんの部下四人も即座に身構え、四方から一気に襲い掛かってくる。
それぞれ片手にナイフを持ち出してるけど、銃火器の類は持っていない。
クジャクさんを狙っている話といい、目的はあくまでその身柄を捕えることか。それがどういう意味かは知らないけど、近接戦でアタシにだけ狙いを定めてくれるのは助かる。
「目的はクジャクさんの捕縛みたいだけど、そのせいでお得意の連携戦術にも幅が利かせられてないね! あんた達四人がどれだけ優秀な軍人でも、制限がかかった状態でアタシに勝てると思ってんのかい!?」
「くそ!? 分かってはいたが、一般的な対人戦術では足りないか!?」
「落ち着け! ラルカ右舷将が到着すれば、状況も一転させられる! 今は逃がさないことだけを考えろ!」
ナイフ自体も絶縁カーボン素材でトラクタービームへの対策をとってるみたいだけど、それでもアタシの方が状況的には有利だ。
デバイスロッドで素早く飛行しながら、すれ違いざまに蹴りを入れて怯ませていく。
向こうも戦えるように人払いをしたみたいだけど、これはアタシにとっても好都合だ。人の目を気にしないで戦える。
「ラルカ右舷将の到着はまだか!?」
「もう二、三分かかるそうだ! 牙島左舷将も一緒と連絡が入った!」
「げぇ!? 牙島までいんの!? そうなってくると、アタシは余計に悠長なことはしてらんないね!」
ただ、流石は戦い慣れた軍人というだけのことはある。大凍亜連合の残党と違い、不利な状況でもガードや連携でこちらに食らいつき、どうにか戦闘を長引かせようとしてくる。
その目的は一つ。上官であるラルカさんが到着することで、この戦況を一転させるということ。
それだけでも厄介なのに、耳に入った話を聞く限り、あの怪物トカゲ男の牙島までこっちに向かっているらしい。
流石にアタシもあの二人を同時に相手にするのは勘弁だ。これはこの場の四人を叩きのめして、安全にアディオスとはいかないか。
――だったら、一番の目的を優先しよう。
「ほら、クジャクさん! アタシに掴まって!」
「おお! 私もその空飛ぶ杖に乗せてもらえるのか!? ハハハッ! これは実に功名な体験だ!」
「し、しまった!? 逃げられた!?」
アタシはクジャクさんの手を掴んでデバイスロッドに乗せ、四人の襲撃者から逃げる戦法に切り替える。
都合よくここはショッピングモール内でも天井がない場所だし、敵さんに空を飛んで追走する手段はない。
高度を上げてしまえば、難なく逃げ切ることは可能だ。
「ふい~……とりあえずは一安心か。アタシもラルカさんと牙島を同時に相手したくないからね。クジャクさんも大丈夫?」
強敵二人との交戦を避けるために空を飛んで逃げる手段をとったけど、よく考えたらクジャクさんはこうやって空を飛ぶ経験なんて初めてのはずだ。
いきなりのことだったけど、怖がってないかな?
アタシとしても、どこか安全な場所に早く着地したいんだけど――
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