127 / 465
大凍亜連合編・起
ep127 詳しそうな人に聞いてみよう!
しおりを挟む
朝からの思わぬケースコーピオンの襲撃。結果として何もなく無事に済んだが、あいつは居合君のことを狙っていた。
どう考えても、大凍亜連合が裏で糸を引いているとしか思えない。
これまではアタシも日々のパトロールでその尻尾を掴もうとしていたが、居合君のことを守る必要が出てきた以上、悠長なことも言ってられない。
ここは一つ、大凍亜連合に詳しそうな人から話を聞くのが一番か。
「――というわけで、玉杉さんは何か知らない?」
「何が『というわけで』だ~!? 俺が知ってる知ってない以前に、お前達の話の突拍子のなさについていけねえんだが~!?」
そう思ってやって来たのは、アタシとタケゾーの馴染みである玉杉さんのバー。
まだお昼で店自体はやってなかったけど、店長の玉杉さんはいてくれた。お客さんもいないし、込み入った事情を話すのにも丁度いい。
居合君も一緒に連れて、まずはこちらの事情について話してみる。
――ただ、玉杉さんにはアタシとタケゾーが結婚したところから話してなかったのよね。
おかげで、その辺りの事情から説明する羽目に。そこからケースコーピオンや居合君のことと来て、大凍亜連合の話題。
まあ、そうなってくると当然のごとく情報量も多くなるよね。そのせいで玉杉さんは頭を抱え、アタシとタケゾーに驚愕の叫びをあげる。
「おい、武蔵! なんで隼ちゃんとの同棲の話が、いつの間にか結婚の話まで繋がってるんだ~!?」
「その……色々と勘違いやその場の勢いもあって……」
「もうそこからわけ分かんねえんだよな~!? しかも、子供までこしらえてるしよ~!?」
「いや……この子は俺と隼の子供ではないです……」
あまりに情報過多だったこともあり、玉杉さんは軽くパニック状態だ。脳内で整理しきれない情報が絶賛入り乱れ中である。
挙句の果てには居合君がアタシとタケゾーの子供だとまで勘違いする始末。
そこは普通に考えれば分かるでしょ。ニ十歳同士の夫婦に、こんな小学生の子供がいるはずないじゃん。
「ハァ、ハァ……。ま、まあ、おおまかな事情は理解した。その子が大凍亜連合の作った人造人間だって話は、にわかには信じがたいがな……」
「その辺りの事情をさらに詳しく説明することもできるけど……聞く?」
「いや、遠慮しておく。俺が聞いたところで、これ以上は脳に情報が入る気がしねえ」
居合君のことも軽くは説明したが、パンドラの箱にまつわる話については結局玉杉さんにはしなかった。
口外されては困るってのもあったけど、これ以上の話は玉杉さんの脳内回路が焼き切れる恐れがある。
知恵熱で倒れられてもいけないので、要点だけ抑えてもらえたらいいや。玉杉さん自身もそれで良さそうだし。
「それで、お前達が聞きたいのは大凍亜連合の話だよな? 俺もそんな素っ頓狂でSFな話までは知らねえよ」
「大凍亜連合ともやり取りする機会があるのに?」
「あくまで金貸しとしてだけだ。バケモノだヴィランだなんて裏の裏な話、完全に俺の管轄外だっての」
そして肝心の大凍亜連合に関する話なのだが、これについても玉杉さんではノータッチだった。
まあ、そりゃそうだよね。むしろヴィランの話となって来れば、アタシの方が詳しいか。
「おじさん、何か飲み物欲しい」
「話の渦中にいるのにおとなしい坊主だと思ってたら、急にねだり始めやがった。ほれ、ウチの店だとミルクぐらいしか出せねえが、これでも飲んでろ」
「ミルク好き。ありがとう。怖い顔のおじさん」
「遠慮のねえ坊主だな……。こいつが人造人間だってのにも驚きだ」
アタシ達が玉杉さんと問答を重ねていても、話題の当人である居合君は遠慮なく自分の願いを述べてくる。
その姿、まさに遠慮のない小学生。でも、それがかえって人造人間とは思えないのは玉杉さんも同じらしい。
この子のことを守る意味も含めて、アタシも今までとは違って大凍亜連合の調査を急ぎたい。
玉杉さんでダメならば、何か他に手掛かりはないものか。
もっとこう、大凍亜連合の内側に詳しそうな人とか――
「少し外から中が見えたのですが、このような時間から皆さんお揃いでしたか。何やら、見慣れない子もいますが……?」
「うへー。洗居さんまで来ちゃった……」
――と考えている時に、都合がいい人がやって来るのがお約束ではあるが、生憎と現実は非情である。
確かに人がやって来たのだが、それは超一流の清掃用務員である洗居さん。
この人には以前に大凍亜連合のフロント企業への潜入捜査を手伝ってもらったけど、別に大凍亜連合の内部事情に詳しいわけじゃない。
むしろそこは公私を割り切っているため、深入りはしないという流儀を持っている。
そんな人に話を持ち出すこと自体がしのびない。今回は洗居さんを巻き込まないようにしよう。
「……って、あれ? 洗居さん、いつもと格好が違うね? いつもの清掃作業着でもメイド服でもないけど、どこかお出かけ?」
「この服装ですか。実は彼女と一緒に、友人としてショッピングに出かける途中だったのです」
「彼女?」
ただ、それとは別に気になることがある。
本日の洗居さんの服装なのだが、いつも見る洗居さん的制服の類ではない。アタシも前にタケゾーへのサプライズでやった、大人コーデに近い。
確かに似合ってはいるのだが、洗居さんがこんなに着飾る姿なんて初めて見た。
それで、洗居さんがこんなに着飾っているのには、ある女性が理由にあるらしいが――
「あらあら~、以前にお会いした~、新婚夫婦さんですね~。可愛いお子さんまで連れて~、そちらもお出かけですか~?」
「やっぱりフェリアさんだったか……」
――その正体についても予想通り。洗居さんの友人でもあるシスター、フェリアさんだった。
こちらも以前に見た修道服ではなく、洗居さんと同じような大人コーデで着飾っている。こちらもこちらでよく似合っている。
――てか、見た感じだとフェリアさんが洗居さんのコーデを担当した気がする。
洗居さんって、以前のアタシと同じように私服には無関心っぽかったからね。
アタシはお義母さんに色々とコーデしてもらったけど、洗居さんの方はフェリアさんにしてもらった感じか。
洗居さんもいずれはもっとお洒落に目覚めるかもね。なんだか、アタシも変に先輩気分になっちゃう。
「この子~、可愛いですね~。でも~、お二方のお子さんでは~、ないですよね~? ご親戚か何かですか~?」
「ほっぺ、突かないで。ほっぺ、プニプニしないで」
「あ~、ごめんなさいね~。可愛らしかったので~、ついついやってしまいました~」
そうしてやって来たフェリアさんなのだが、カウンターでミルクを口にする居合君に興味津々だ。
その柔らかそうな頬っぺたを指でツンツンし、どこか居合君の反応を楽しんでいる。
それだけ見れば微笑ましくもある光景なのだが、ここである問題が生じてしまう。
――フェリアさんには居合君のこと、どうやって説明しよう?
「おい、武蔵。俺はこの銀髪姉ちゃんとは初めて会うんだが、こいつはどこまで知ってんだ?」
「……隼が空色の魔女だってことから知りません」
「要するに、完全に無関係ってことか。こいつは少し、面倒な話になってきたな……」
玉杉さんとタケゾーもコソコソと話しているが、フェリアさんは大凍亜連合やパンドラの箱どころか、空色の魔女とも接点がない。
よって、迂闊なことも口にできない。フェリアさんが無関係なままならば、下手に何かを教えて巻き込むような真似をしたくはない。
「……でもこの子~、私もちょっと~、気になるんですよね~。この子みたいな子を探している人が~、少し前に教会に来たんですよね~」
そう思っていたのだが、フェリアさんの方から今度はこっちが気になることを口にしてきた。
居合君のことを探している人がいるだって? その人がフェリアさんの元を尋ねたって?
「ねえ、フェリアさん。よかったら、その子供を探してたのがどんな人か、教えてはもらえないかな?」
「うーん~……。これは教会としての依頼なので~、下手に口外はできないのですが~……」
思わずその依頼主の正体を尋ねてみるが、そこは流石にフェリアさんも教えてはくれない。
フェリアさんが依頼を受けたのは、あくまで教会として『迷子を保護する役割』という側面のためでしかない。
そんな仕事のことを、軽々しく口外できるはずなど――
「そこは何とかお願いできませんか? 空鳥さんは決して、悪意のあるお人ではありません。それはこの超一流の清掃用務員である私が補償いたします」
「栗阿さんが言うならば~、仕方ありませんね~!」
――と思っていたが、洗居さんがお願いするとあっさり了承してくれた。
その時のフェリアさんの表情なのだが、まさに洗居さんにベタ惚れといった様子。
洗居さんがどう思ってるかまでは分からないけど、フェリアさんは本気で洗居さんのことを好いているようだ。百合的な恋愛な意味で。
ちょっと気が引けたりもするけど、アタシはフェリアさんに依頼した人物について耳を傾けてみる。
「私に依頼してきたのは~、名前は聞いてないですけど~、全身を迷彩コートとサングラスとマスクで隠した~、奇妙な男の人でした~」
どう考えても、大凍亜連合が裏で糸を引いているとしか思えない。
これまではアタシも日々のパトロールでその尻尾を掴もうとしていたが、居合君のことを守る必要が出てきた以上、悠長なことも言ってられない。
ここは一つ、大凍亜連合に詳しそうな人から話を聞くのが一番か。
「――というわけで、玉杉さんは何か知らない?」
「何が『というわけで』だ~!? 俺が知ってる知ってない以前に、お前達の話の突拍子のなさについていけねえんだが~!?」
そう思ってやって来たのは、アタシとタケゾーの馴染みである玉杉さんのバー。
まだお昼で店自体はやってなかったけど、店長の玉杉さんはいてくれた。お客さんもいないし、込み入った事情を話すのにも丁度いい。
居合君も一緒に連れて、まずはこちらの事情について話してみる。
――ただ、玉杉さんにはアタシとタケゾーが結婚したところから話してなかったのよね。
おかげで、その辺りの事情から説明する羽目に。そこからケースコーピオンや居合君のことと来て、大凍亜連合の話題。
まあ、そうなってくると当然のごとく情報量も多くなるよね。そのせいで玉杉さんは頭を抱え、アタシとタケゾーに驚愕の叫びをあげる。
「おい、武蔵! なんで隼ちゃんとの同棲の話が、いつの間にか結婚の話まで繋がってるんだ~!?」
「その……色々と勘違いやその場の勢いもあって……」
「もうそこからわけ分かんねえんだよな~!? しかも、子供までこしらえてるしよ~!?」
「いや……この子は俺と隼の子供ではないです……」
あまりに情報過多だったこともあり、玉杉さんは軽くパニック状態だ。脳内で整理しきれない情報が絶賛入り乱れ中である。
挙句の果てには居合君がアタシとタケゾーの子供だとまで勘違いする始末。
そこは普通に考えれば分かるでしょ。ニ十歳同士の夫婦に、こんな小学生の子供がいるはずないじゃん。
「ハァ、ハァ……。ま、まあ、おおまかな事情は理解した。その子が大凍亜連合の作った人造人間だって話は、にわかには信じがたいがな……」
「その辺りの事情をさらに詳しく説明することもできるけど……聞く?」
「いや、遠慮しておく。俺が聞いたところで、これ以上は脳に情報が入る気がしねえ」
居合君のことも軽くは説明したが、パンドラの箱にまつわる話については結局玉杉さんにはしなかった。
口外されては困るってのもあったけど、これ以上の話は玉杉さんの脳内回路が焼き切れる恐れがある。
知恵熱で倒れられてもいけないので、要点だけ抑えてもらえたらいいや。玉杉さん自身もそれで良さそうだし。
「それで、お前達が聞きたいのは大凍亜連合の話だよな? 俺もそんな素っ頓狂でSFな話までは知らねえよ」
「大凍亜連合ともやり取りする機会があるのに?」
「あくまで金貸しとしてだけだ。バケモノだヴィランだなんて裏の裏な話、完全に俺の管轄外だっての」
そして肝心の大凍亜連合に関する話なのだが、これについても玉杉さんではノータッチだった。
まあ、そりゃそうだよね。むしろヴィランの話となって来れば、アタシの方が詳しいか。
「おじさん、何か飲み物欲しい」
「話の渦中にいるのにおとなしい坊主だと思ってたら、急にねだり始めやがった。ほれ、ウチの店だとミルクぐらいしか出せねえが、これでも飲んでろ」
「ミルク好き。ありがとう。怖い顔のおじさん」
「遠慮のねえ坊主だな……。こいつが人造人間だってのにも驚きだ」
アタシ達が玉杉さんと問答を重ねていても、話題の当人である居合君は遠慮なく自分の願いを述べてくる。
その姿、まさに遠慮のない小学生。でも、それがかえって人造人間とは思えないのは玉杉さんも同じらしい。
この子のことを守る意味も含めて、アタシも今までとは違って大凍亜連合の調査を急ぎたい。
玉杉さんでダメならば、何か他に手掛かりはないものか。
もっとこう、大凍亜連合の内側に詳しそうな人とか――
「少し外から中が見えたのですが、このような時間から皆さんお揃いでしたか。何やら、見慣れない子もいますが……?」
「うへー。洗居さんまで来ちゃった……」
――と考えている時に、都合がいい人がやって来るのがお約束ではあるが、生憎と現実は非情である。
確かに人がやって来たのだが、それは超一流の清掃用務員である洗居さん。
この人には以前に大凍亜連合のフロント企業への潜入捜査を手伝ってもらったけど、別に大凍亜連合の内部事情に詳しいわけじゃない。
むしろそこは公私を割り切っているため、深入りはしないという流儀を持っている。
そんな人に話を持ち出すこと自体がしのびない。今回は洗居さんを巻き込まないようにしよう。
「……って、あれ? 洗居さん、いつもと格好が違うね? いつもの清掃作業着でもメイド服でもないけど、どこかお出かけ?」
「この服装ですか。実は彼女と一緒に、友人としてショッピングに出かける途中だったのです」
「彼女?」
ただ、それとは別に気になることがある。
本日の洗居さんの服装なのだが、いつも見る洗居さん的制服の類ではない。アタシも前にタケゾーへのサプライズでやった、大人コーデに近い。
確かに似合ってはいるのだが、洗居さんがこんなに着飾る姿なんて初めて見た。
それで、洗居さんがこんなに着飾っているのには、ある女性が理由にあるらしいが――
「あらあら~、以前にお会いした~、新婚夫婦さんですね~。可愛いお子さんまで連れて~、そちらもお出かけですか~?」
「やっぱりフェリアさんだったか……」
――その正体についても予想通り。洗居さんの友人でもあるシスター、フェリアさんだった。
こちらも以前に見た修道服ではなく、洗居さんと同じような大人コーデで着飾っている。こちらもこちらでよく似合っている。
――てか、見た感じだとフェリアさんが洗居さんのコーデを担当した気がする。
洗居さんって、以前のアタシと同じように私服には無関心っぽかったからね。
アタシはお義母さんに色々とコーデしてもらったけど、洗居さんの方はフェリアさんにしてもらった感じか。
洗居さんもいずれはもっとお洒落に目覚めるかもね。なんだか、アタシも変に先輩気分になっちゃう。
「この子~、可愛いですね~。でも~、お二方のお子さんでは~、ないですよね~? ご親戚か何かですか~?」
「ほっぺ、突かないで。ほっぺ、プニプニしないで」
「あ~、ごめんなさいね~。可愛らしかったので~、ついついやってしまいました~」
そうしてやって来たフェリアさんなのだが、カウンターでミルクを口にする居合君に興味津々だ。
その柔らかそうな頬っぺたを指でツンツンし、どこか居合君の反応を楽しんでいる。
それだけ見れば微笑ましくもある光景なのだが、ここである問題が生じてしまう。
――フェリアさんには居合君のこと、どうやって説明しよう?
「おい、武蔵。俺はこの銀髪姉ちゃんとは初めて会うんだが、こいつはどこまで知ってんだ?」
「……隼が空色の魔女だってことから知りません」
「要するに、完全に無関係ってことか。こいつは少し、面倒な話になってきたな……」
玉杉さんとタケゾーもコソコソと話しているが、フェリアさんは大凍亜連合やパンドラの箱どころか、空色の魔女とも接点がない。
よって、迂闊なことも口にできない。フェリアさんが無関係なままならば、下手に何かを教えて巻き込むような真似をしたくはない。
「……でもこの子~、私もちょっと~、気になるんですよね~。この子みたいな子を探している人が~、少し前に教会に来たんですよね~」
そう思っていたのだが、フェリアさんの方から今度はこっちが気になることを口にしてきた。
居合君のことを探している人がいるだって? その人がフェリアさんの元を尋ねたって?
「ねえ、フェリアさん。よかったら、その子供を探してたのがどんな人か、教えてはもらえないかな?」
「うーん~……。これは教会としての依頼なので~、下手に口外はできないのですが~……」
思わずその依頼主の正体を尋ねてみるが、そこは流石にフェリアさんも教えてはくれない。
フェリアさんが依頼を受けたのは、あくまで教会として『迷子を保護する役割』という側面のためでしかない。
そんな仕事のことを、軽々しく口外できるはずなど――
「そこは何とかお願いできませんか? 空鳥さんは決して、悪意のあるお人ではありません。それはこの超一流の清掃用務員である私が補償いたします」
「栗阿さんが言うならば~、仕方ありませんね~!」
――と思っていたが、洗居さんがお願いするとあっさり了承してくれた。
その時のフェリアさんの表情なのだが、まさに洗居さんにベタ惚れといった様子。
洗居さんがどう思ってるかまでは分からないけど、フェリアさんは本気で洗居さんのことを好いているようだ。百合的な恋愛な意味で。
ちょっと気が引けたりもするけど、アタシはフェリアさんに依頼した人物について耳を傾けてみる。
「私に依頼してきたのは~、名前は聞いてないですけど~、全身を迷彩コートとサングラスとマスクで隠した~、奇妙な男の人でした~」
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説

忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

海道一の弓取り~昨日なし明日またしらぬ、人はただ今日のうちこそ命なりけれ~
海野 入鹿
SF
高校2年生の相場源太は暴走した車によって突如として人生に終止符を打たれた、はずだった。
再び目覚めた時、源太はあの桶狭間の戦いで有名な今川義元に転生していた―
これは現代っ子の高校生が突き進む戦国物語。
史実に沿って進みますが、作者の創作なので架空の人物や設定が入っております。
不定期更新です。
SFとなっていますが、歴史物です。
小説家になろうでも掲載しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】
一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。
しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。
ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。
以前投稿した短編
【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて
の連載版です。
連載するにあたり、短編は削除しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる