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第24章 常なる陰が夢見た未来
第343話 過去が眠る地
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「ようやく、ここにたどり着けたんだな……魔王城」
俺達八人はガルペラが用意した<転移魔法陣>によって、魔王城の門前へとたどり着いた。
魔王城は以前の面影などなく、ボロボロに朽ち果てている。
そして内部からは大量の<ナイトメアハザード>があふれ出し、空を覆い隠している。
俺の朧げな記憶の中にある魔王城とは、似ても似つかぬ姿だった――
「そ、それにしても……ゼロラさん。本当に、お姉ちゃんの光魔法がなくても大丈夫なのですか……?」
「ああ、大丈夫だ。やはり……俺の思った通りだったな」
ラルフルが俺の心配をしている。
俺以外の七人にはマカロンとリョウの協力で、光魔法による<ナイトメアハザード>への防御が施されている。
俺だけが"生身のまま"だ。
「そういえば、ゼロラは王都でジャコウと戦った時も、<ナイトメアハザード>に飲み込まれてなかったな……」
「え!? もしかしてゼロラさんには、<ナイトメアハザード>が効かないんですか!?」
「全く効いてないわけじゃない。ただ、今俺はこの<ナイトメアハザード>というものを肌身で感じ取りたいんだ」
俺の体に<ナイトメアハザード>による、"あらゆる負の感情を乗せた悪夢"は確かにのしかかってきている。
マカロンは驚いているが、ジフウも言っている通り、俺にはこの<ナイトメアハザード>に対して耐性があるようだ。
それは俺にとって、耐えられないものではない。
ただ、耐え難いものではある。
これらの悪夢はおそらく、"俺が原因で発生した"ものだろうから――
「ふむ……。ゼロラ殿がこの<ナイトメアハザード>に耐性を持っていることが、ゼロラ殿自身の過去にも関わっているようだね。ボクも興味がある。以前ボクを操った元凶―― それが誰なのかも含めてね」
「だったら早速、皆で魔王城の中に入るのです!」
「いや、待ってくれ。少なくとも、ガルペラだけはここで待っていてほしい」
リョウが関心を持ち、ガルペラも意気揚々と進もうとするが、俺はそれを止めた。
ここから先は危険な場所だ。万一の時のため、脱出手段は用意しておきたい。
「ガルペラの<転移魔法陣>がないと、ここから脱出することはできない。そのためにも何人かはここに残って、ガルペラを守っていてほしい」
「せやったら、俺とサイバラが残るとすっか」
「そうッスね。ジフウの兄さんは道案内、マカロンとリョウの姉さんは光魔法による補助、ラルフルも戦力として加えておけばいいスね」
「あんま大人数でぞろぞろ入って行っても、はぐれてまいそうやからな」
俺の提案を聞き、シシバとサイバラが魔王城の門前でガルペラを守りながら待機してくれることになった。
「何かあったらすぐに駆け付けるッス。最悪、魔王城ごとぶっ壊して行きまスんで」
「サイバラ……お前、本性を露にしてから、遠慮も容赦ものうなったな……」
サイバラとシシバもいざという時の戦力になるが、もう一つ頼みたいこともある――
「ガルペラ。お前が使った<転移魔法陣>だが、あれは他の人間にも使えるのか?」
「ここに術式を書いたお札が一枚だけあるのです。これを使えば、一回だけなら私がいる場所に戻ってこれるのです。脱出用なのです?」
「いや……。それを使って、すでに中に入っているであろう勇者レイキース達を、ここに連れ出したい」
「なんでなのです!?」
俺の話を聞いて、ガルペラだけでなく、他の皆も驚いた。
確かに"<ナイトメアハザード>を鎮めること"が目的ならば、レイキース達と協力したほうがいいだろう。
だが、俺の目的は"<ナイトメアハザード>の元凶と話をする"ことだ。
「俺は今回の一件で、余計な邪魔を入れられたくない。そのためにも、勇者パーティーには少し大人しくしてもらう」
「詳しいことは分かりませんが……ゼロラさんがそれを望むのならば、自分達もそれに従います」
「私も……ゼロラさんを刺したレイキース様達とは、あまり会いたくありませんし……」
ラルフルとマカロンを始めとした全員が、俺の気持ちを汲んでくれた。
「なら、ボクがレイキース達の魔法と動きを封じよう。その隙をついて、ラルフル君はそのお札でレイキース達をここまで転移させてくれ。レイキース達の動きに一番詳しいのは、元パーティーメンバーであるラルフル君だろうからね」
「分かりました。リョウ大神官、よろしくお願いします」
レイキース達をここに飛ばすため、リョウとラルフルが作戦を練ってくれた。
「しっかし、魔法はリョウの力で封じ込められてもよ、体の自由はどうするんだ? レイキースやバルカウスの剣術までは封じれないだろ?」
「そこなんだよね、ジフ兄。一応拘束魔法もかけるけど、レイキース達相手ではすぐに破られそうだよ。何かいい案はないかな?」
「いい案って言ってもなー……」
ジフウも懸念しているが、レイキース達に完全に邪魔させないためには、どうにかして動きも無力化させないとな――
「おい、サイバラ。お前、関節技は使えないのか? レイキース達の両手両足の関節を外したりなんかよ?」
「スンマセン。関節技は使えないんスよ、オレ。でも、動きを抑えるためなら、両手両足をへし折っておけばいいんじゃないスかね?」
「あー、成程な~。リョウの力で回復魔法も封じられとるさかい、やってきたレイキースどもをそないすれば、俺とサイバラだけでも無力化できるな。さすがは元ルクガイア暗部やな~」
「この人達……さりげなく怖いこと考えてます……」
ジフウの提案をもとに、サイバラとシシバで適した作戦を立案する。
マカロンは軽く引いているが、今はその作戦が最適解だろう。
「――よし。これで作戦は決まったな」
俺は改めて全員を見ながら、決意を新たにした。
「ゼロラさん! ここから先、何があるかは全く予想もつかないのですが、どうかご自身の納得のいく結果になることを祈っているのです!」
「このお嬢ちゃん侯爵のことは俺らに任せとけ。ゼロラはんは満足のいく結果になるよう、最善を尽くすことだけ考えとればええ」
「手筈通り、レイキース達はオレとカシラでどうにかするッスよ」
魔王城の外で待機する、ガルペラ、シシバ、サイバラ――
「行きましょう、ゼロラさん! どんな結果になっても、自分達はゼロラさんの味方です!」
「私の光魔法が必要になったら、いつでも言ってくださいね!」
「さて、鬼が出るか、蛇が出るか……」
「鬼も蛇もここにいるんだけどね。シシ兄、ジフ兄」
ラルフル、マカロン、ジフウ、リョウ――
この四人が俺と一緒に魔王城の中まで付き添ってくれる。
俺の個人的な都合のために、ここまで協力してくれる仲間達に感謝しよう。
そして……始めよう。
この俺、【零の修羅】ゼロラが"何者なのか"という答えを見つけ出す、その戦いを――
俺達八人はガルペラが用意した<転移魔法陣>によって、魔王城の門前へとたどり着いた。
魔王城は以前の面影などなく、ボロボロに朽ち果てている。
そして内部からは大量の<ナイトメアハザード>があふれ出し、空を覆い隠している。
俺の朧げな記憶の中にある魔王城とは、似ても似つかぬ姿だった――
「そ、それにしても……ゼロラさん。本当に、お姉ちゃんの光魔法がなくても大丈夫なのですか……?」
「ああ、大丈夫だ。やはり……俺の思った通りだったな」
ラルフルが俺の心配をしている。
俺以外の七人にはマカロンとリョウの協力で、光魔法による<ナイトメアハザード>への防御が施されている。
俺だけが"生身のまま"だ。
「そういえば、ゼロラは王都でジャコウと戦った時も、<ナイトメアハザード>に飲み込まれてなかったな……」
「え!? もしかしてゼロラさんには、<ナイトメアハザード>が効かないんですか!?」
「全く効いてないわけじゃない。ただ、今俺はこの<ナイトメアハザード>というものを肌身で感じ取りたいんだ」
俺の体に<ナイトメアハザード>による、"あらゆる負の感情を乗せた悪夢"は確かにのしかかってきている。
マカロンは驚いているが、ジフウも言っている通り、俺にはこの<ナイトメアハザード>に対して耐性があるようだ。
それは俺にとって、耐えられないものではない。
ただ、耐え難いものではある。
これらの悪夢はおそらく、"俺が原因で発生した"ものだろうから――
「ふむ……。ゼロラ殿がこの<ナイトメアハザード>に耐性を持っていることが、ゼロラ殿自身の過去にも関わっているようだね。ボクも興味がある。以前ボクを操った元凶―― それが誰なのかも含めてね」
「だったら早速、皆で魔王城の中に入るのです!」
「いや、待ってくれ。少なくとも、ガルペラだけはここで待っていてほしい」
リョウが関心を持ち、ガルペラも意気揚々と進もうとするが、俺はそれを止めた。
ここから先は危険な場所だ。万一の時のため、脱出手段は用意しておきたい。
「ガルペラの<転移魔法陣>がないと、ここから脱出することはできない。そのためにも何人かはここに残って、ガルペラを守っていてほしい」
「せやったら、俺とサイバラが残るとすっか」
「そうッスね。ジフウの兄さんは道案内、マカロンとリョウの姉さんは光魔法による補助、ラルフルも戦力として加えておけばいいスね」
「あんま大人数でぞろぞろ入って行っても、はぐれてまいそうやからな」
俺の提案を聞き、シシバとサイバラが魔王城の門前でガルペラを守りながら待機してくれることになった。
「何かあったらすぐに駆け付けるッス。最悪、魔王城ごとぶっ壊して行きまスんで」
「サイバラ……お前、本性を露にしてから、遠慮も容赦ものうなったな……」
サイバラとシシバもいざという時の戦力になるが、もう一つ頼みたいこともある――
「ガルペラ。お前が使った<転移魔法陣>だが、あれは他の人間にも使えるのか?」
「ここに術式を書いたお札が一枚だけあるのです。これを使えば、一回だけなら私がいる場所に戻ってこれるのです。脱出用なのです?」
「いや……。それを使って、すでに中に入っているであろう勇者レイキース達を、ここに連れ出したい」
「なんでなのです!?」
俺の話を聞いて、ガルペラだけでなく、他の皆も驚いた。
確かに"<ナイトメアハザード>を鎮めること"が目的ならば、レイキース達と協力したほうがいいだろう。
だが、俺の目的は"<ナイトメアハザード>の元凶と話をする"ことだ。
「俺は今回の一件で、余計な邪魔を入れられたくない。そのためにも、勇者パーティーには少し大人しくしてもらう」
「詳しいことは分かりませんが……ゼロラさんがそれを望むのならば、自分達もそれに従います」
「私も……ゼロラさんを刺したレイキース様達とは、あまり会いたくありませんし……」
ラルフルとマカロンを始めとした全員が、俺の気持ちを汲んでくれた。
「なら、ボクがレイキース達の魔法と動きを封じよう。その隙をついて、ラルフル君はそのお札でレイキース達をここまで転移させてくれ。レイキース達の動きに一番詳しいのは、元パーティーメンバーであるラルフル君だろうからね」
「分かりました。リョウ大神官、よろしくお願いします」
レイキース達をここに飛ばすため、リョウとラルフルが作戦を練ってくれた。
「しっかし、魔法はリョウの力で封じ込められてもよ、体の自由はどうするんだ? レイキースやバルカウスの剣術までは封じれないだろ?」
「そこなんだよね、ジフ兄。一応拘束魔法もかけるけど、レイキース達相手ではすぐに破られそうだよ。何かいい案はないかな?」
「いい案って言ってもなー……」
ジフウも懸念しているが、レイキース達に完全に邪魔させないためには、どうにかして動きも無力化させないとな――
「おい、サイバラ。お前、関節技は使えないのか? レイキース達の両手両足の関節を外したりなんかよ?」
「スンマセン。関節技は使えないんスよ、オレ。でも、動きを抑えるためなら、両手両足をへし折っておけばいいんじゃないスかね?」
「あー、成程な~。リョウの力で回復魔法も封じられとるさかい、やってきたレイキースどもをそないすれば、俺とサイバラだけでも無力化できるな。さすがは元ルクガイア暗部やな~」
「この人達……さりげなく怖いこと考えてます……」
ジフウの提案をもとに、サイバラとシシバで適した作戦を立案する。
マカロンは軽く引いているが、今はその作戦が最適解だろう。
「――よし。これで作戦は決まったな」
俺は改めて全員を見ながら、決意を新たにした。
「ゼロラさん! ここから先、何があるかは全く予想もつかないのですが、どうかご自身の納得のいく結果になることを祈っているのです!」
「このお嬢ちゃん侯爵のことは俺らに任せとけ。ゼロラはんは満足のいく結果になるよう、最善を尽くすことだけ考えとればええ」
「手筈通り、レイキース達はオレとカシラでどうにかするッスよ」
魔王城の外で待機する、ガルペラ、シシバ、サイバラ――
「行きましょう、ゼロラさん! どんな結果になっても、自分達はゼロラさんの味方です!」
「私の光魔法が必要になったら、いつでも言ってくださいね!」
「さて、鬼が出るか、蛇が出るか……」
「鬼も蛇もここにいるんだけどね。シシ兄、ジフ兄」
ラルフル、マカロン、ジフウ、リョウ――
この四人が俺と一緒に魔王城の中まで付き添ってくれる。
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