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第22章 改革の歌
第310話 改革の交声曲
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王都の中に入った俺が見たものは酷い有様だった。
どこら中で火の手が上がり、住人達が逃げまどっている。
「くそ! 一体なんでこんなことに……!?」
王都の住人は助け合いながら救助や消火活動に当たっている。
今俺が突き止めるべきはこの大火事の元凶だ。
俺は急いで王都の奥へと進んで行った――
「ヒーヒヒヒ! これだけ燃やせば十分じゃろ! 後は改革派の連中がここに来れば――」
「おい! ジャコウ!!」
王都の中央広場まで来ると、ジャコウが王国騎士団を従えながら高笑いをしていた。
王国騎士団の中には火のついた松明を握っている者もいる。
この火事……まさか――
「ゼロラ、一人で来てくれたのか。お前もおおよそ見当はついてるだろうが、この火事は王国騎士団の仕業だ」
「ジフウ……」
俺より先にジャコウの元へと辿り着いていたジフウが状況を教えてくれた。
やはりこの火事は王国騎士団の仕業だったか……。
そしてそれを指示したのは王国騎士団の軍師であり、現在総大将を務めているジャコウ――
「ジャコウ……一体何のためにこんな真似をした!?」
「ヒヒヒ! 貴様ら改革派はこの大火事を見れば、『国のため』などとのたまって、すぐに駆け付けるじゃろう? そうなればこの大火事の責任を、全て改革派に擦り付けれるのじゃ! さあ! さっさと残りの改革派も顔を出すのじゃ!」
……成程。ジャコウの狙いは火事の責任を改革派のせいにし、改革派を"野蛮な賊軍"に仕立て上げることか。
考えたつもりらしいが、相変わらず胸糞の悪くなる軍師だ……!
――だが、思い通りにはさせない。
「生憎、この王都に来た改革派の人間は俺一人だ。てめぇの目論見は見当違いだぜ」
「な、なんじゃと!? 嘘をぬかすな! 貴様一人でここまでたどり着けるはずが――」
「嘘じゃねえよ。お前の"元部下"――いや、そう言うのも失礼か。"俺達の仲間"のサイバラ達が俺をここまで導いてくれたんだよ」
「な……!? サイバラめ……このわしをこうもコケにしおってぇえ!!」
怒り心頭のジャコウ。
それでもジャコウはこの火事の責任を改革派に擦り付けたいらしく――
「まあよいわ! こうなったら貴様をこの火事の首謀者に仕立て上げてくれる!」
――俺一人を犯人にするため、配下の王国騎士団に俺を囲わせた。
「……どこまでも馬鹿で愚かな男だ」
「な、何がじゃ!?」
「これだけの大火事だ。俺一人で起こせるもんじゃない」
「な……ならば魔法を使ったことにして――」
「聞いてないのか? 俺は"魔力ゼロ"の身だ。どうやってもこの俺に――改革派に、この火事を起こさせた証拠にはならない」
まだ周囲で炎が燃え盛る中、俺はジャコウの愚かさを指摘した。
手も足りない。手段もない。
そんな状況で改革派が火事を起こせるような根拠はどこにもない。
だからこの俺にできる事は一つだけだ――
「俺以外の改革派はここには来ない。ここで俺が一人でてめぇら王国騎士団を全員ぶちのめして……この惨状の原因を事実のまま残してやるよぉ!!」
ここまでの大火事を起こすためには組織的な動きがいる。
今この王都の中でそんな動きができるのは王国騎士団だけだ。
ここで俺がこいつらを全員ぶちのめせば、もうこいつらに言い訳はできない!
「わしら王国騎士団を一人で相手するじゃと~? ヒヒャヒャヒャ! そんなことができるものか! いくら貴様が強かろうが、そんなことできるはず―― ジャブゥ!?」
俺の宣戦布告を嘲笑うジャコウに、黒い風魔法の一撃が直撃した。
それが誰によるものかはすぐに分かった――
「ジャコウ……。人が決めた覚悟を笑うんじゃねえよ……!」
――俺の隣で一緒に話を聞いていたジフウだった。
<蛇の予告>による溜めを行いながら機会を伺い、ジャコウめがけて<黒蛇の右>による遠当てを放ったのだ。
「……ゼロラ。お前は本当に一人でここの王国騎士団を――精鋭揃いの一番隊の相手をするつもりか?」
「ああ、もちろんだ」
ジフウは痛がるジャコウに見向きもせず、俺の意志が本物かを確認してきた。
もちろん俺は本気だ。
本気で一人で王国騎士団一番隊を全滅させる気だ……!
「……分かった。ちょっと待ってろ」
俺の意志を確認したジフウは、懐から一枚の書状を取り出した。
あの書状は一度見たことがある。
あれは確か、"円卓会議"の場でロギウスが使っていた――
「ぜ、<絶対王権>の書状!? なぜ貴様が持っているのじゃ!?」
「陛下から託されたんだよ。この国の未来のためにな……!」
「へ、陛下からじゃと!? ならばそれは正真正銘、本物の――」
――<絶対王権>。それも国王自らの署名が入った完全なものだ。
国王はジフウに託していたのか。この国の未来を――
そしてジフウは<絶対王権>の書状を掲げながら高らかに宣言を始めた。
「一つ! 『改革派と敵対する勢力をルクガイア王国における賊軍と認定する』!!」
まずジフウはジャコウ達王国騎士団を明確にこの国の敵とした――
「二つ! 『王都内にいる賊軍の逃亡を禁ずる』!!」
次にジフウは王国騎士団を王都から逃がさないようにした――
「三つ! 『王国側の総大将を王国騎士団軍師ジャコウから、黒蛇部隊隊長ジフウへと委任する』!!」
最後にジフウは自らを王国の総大将とし、国王の代弁者となった。
「以上三つの項目の元……<絶対王権>を発動する!!」
ジフウが<絶対王権>を用いて放った宣言は、この場にいる王国騎士団を逃がさないためのものであった。
<絶対王権>の効力なのか、王国騎士団は動揺を見せ始める。
自分達が賊軍となり、総大将もジフウへと変わったのだからな……。
「こんなもんだろ。下手に<絶対王権>でガチガチに固めちまっても、強すぎる効果で後が怖いしな」
ジフウは持っている書状が燃えるように消えていくのを手放しながら、俺へと語り掛けてきた。
「十分だ。それより、お前はどうするんだ? ジフウ」
「まあ、俺は王国側の総大将になったわけだし? 賊軍となったこいつらにとっては、俺の存在なんて目ざわり以外の何者でもないだろ。だから――」
ジフウは俺と並んで戦いの構えをとる――
「俺も一緒にやらせてもらうぜ、ゼロラァ! まずは二人でこの王国騎士団とジャコウのフナ虫野郎をぶちのめそうぜぇえ!!」
ジフウの目がいつか見たギラつきを見せる。
弟のシシバと同じ、"戦闘狂"としての本能の瞳――
「フッ。結局戦いたいだけじゃねえのか?」
「まあ、気にするな! ジャコウや王国騎士団を公の元にぶちのめせる、またとない機会だ! 俺も楽しませてもらわねえとなあ!! ウハハハハ!!」
まったく……こいつといい、シシバといい、本当に喧嘩っ早い本性の持ち主だな。
――だが、今はとにかく心強い。
「お、おのれ……よくも……よくもぉおお!! 一番隊! あの二人を倒すのじゃ!」
「で、ですがジャコウ様! 我らは王国の賊軍に――」
「構うものか! どの道あの二人を倒さねば、わしらに先などないのじゃ! つべこべ言わずに戦わぬかぁあ!!」
自らを賊軍とされ、総大将としての権限まで奪われたジャコウだったが、それでも俺とジフウを倒すことに固執する。
この様子を見る限り、ジャコウはそもそも王国にとっては"賊軍のようなもの"だったから、<絶対王権>の効果も薄かったのだろう。
こんな救いようの馬鹿を叩きのめせるのなら、俺も全力で挑めるってもんだ。
「行くぞ! ジフウ! ジャコウと王国騎士団の相手をしてやるぜ!!」
「おうよ! ゼロラ! もうこいつらは完全に陛下の――ルクガイア王国の敵だからなぁあ!!」
ジャコウが差し向けた王国騎士団に対し、俺とジフウの二人だけでの戦いが始まった……!
どこら中で火の手が上がり、住人達が逃げまどっている。
「くそ! 一体なんでこんなことに……!?」
王都の住人は助け合いながら救助や消火活動に当たっている。
今俺が突き止めるべきはこの大火事の元凶だ。
俺は急いで王都の奥へと進んで行った――
「ヒーヒヒヒ! これだけ燃やせば十分じゃろ! 後は改革派の連中がここに来れば――」
「おい! ジャコウ!!」
王都の中央広場まで来ると、ジャコウが王国騎士団を従えながら高笑いをしていた。
王国騎士団の中には火のついた松明を握っている者もいる。
この火事……まさか――
「ゼロラ、一人で来てくれたのか。お前もおおよそ見当はついてるだろうが、この火事は王国騎士団の仕業だ」
「ジフウ……」
俺より先にジャコウの元へと辿り着いていたジフウが状況を教えてくれた。
やはりこの火事は王国騎士団の仕業だったか……。
そしてそれを指示したのは王国騎士団の軍師であり、現在総大将を務めているジャコウ――
「ジャコウ……一体何のためにこんな真似をした!?」
「ヒヒヒ! 貴様ら改革派はこの大火事を見れば、『国のため』などとのたまって、すぐに駆け付けるじゃろう? そうなればこの大火事の責任を、全て改革派に擦り付けれるのじゃ! さあ! さっさと残りの改革派も顔を出すのじゃ!」
……成程。ジャコウの狙いは火事の責任を改革派のせいにし、改革派を"野蛮な賊軍"に仕立て上げることか。
考えたつもりらしいが、相変わらず胸糞の悪くなる軍師だ……!
――だが、思い通りにはさせない。
「生憎、この王都に来た改革派の人間は俺一人だ。てめぇの目論見は見当違いだぜ」
「な、なんじゃと!? 嘘をぬかすな! 貴様一人でここまでたどり着けるはずが――」
「嘘じゃねえよ。お前の"元部下"――いや、そう言うのも失礼か。"俺達の仲間"のサイバラ達が俺をここまで導いてくれたんだよ」
「な……!? サイバラめ……このわしをこうもコケにしおってぇえ!!」
怒り心頭のジャコウ。
それでもジャコウはこの火事の責任を改革派に擦り付けたいらしく――
「まあよいわ! こうなったら貴様をこの火事の首謀者に仕立て上げてくれる!」
――俺一人を犯人にするため、配下の王国騎士団に俺を囲わせた。
「……どこまでも馬鹿で愚かな男だ」
「な、何がじゃ!?」
「これだけの大火事だ。俺一人で起こせるもんじゃない」
「な……ならば魔法を使ったことにして――」
「聞いてないのか? 俺は"魔力ゼロ"の身だ。どうやってもこの俺に――改革派に、この火事を起こさせた証拠にはならない」
まだ周囲で炎が燃え盛る中、俺はジャコウの愚かさを指摘した。
手も足りない。手段もない。
そんな状況で改革派が火事を起こせるような根拠はどこにもない。
だからこの俺にできる事は一つだけだ――
「俺以外の改革派はここには来ない。ここで俺が一人でてめぇら王国騎士団を全員ぶちのめして……この惨状の原因を事実のまま残してやるよぉ!!」
ここまでの大火事を起こすためには組織的な動きがいる。
今この王都の中でそんな動きができるのは王国騎士団だけだ。
ここで俺がこいつらを全員ぶちのめせば、もうこいつらに言い訳はできない!
「わしら王国騎士団を一人で相手するじゃと~? ヒヒャヒャヒャ! そんなことができるものか! いくら貴様が強かろうが、そんなことできるはず―― ジャブゥ!?」
俺の宣戦布告を嘲笑うジャコウに、黒い風魔法の一撃が直撃した。
それが誰によるものかはすぐに分かった――
「ジャコウ……。人が決めた覚悟を笑うんじゃねえよ……!」
――俺の隣で一緒に話を聞いていたジフウだった。
<蛇の予告>による溜めを行いながら機会を伺い、ジャコウめがけて<黒蛇の右>による遠当てを放ったのだ。
「……ゼロラ。お前は本当に一人でここの王国騎士団を――精鋭揃いの一番隊の相手をするつもりか?」
「ああ、もちろんだ」
ジフウは痛がるジャコウに見向きもせず、俺の意志が本物かを確認してきた。
もちろん俺は本気だ。
本気で一人で王国騎士団一番隊を全滅させる気だ……!
「……分かった。ちょっと待ってろ」
俺の意志を確認したジフウは、懐から一枚の書状を取り出した。
あの書状は一度見たことがある。
あれは確か、"円卓会議"の場でロギウスが使っていた――
「ぜ、<絶対王権>の書状!? なぜ貴様が持っているのじゃ!?」
「陛下から託されたんだよ。この国の未来のためにな……!」
「へ、陛下からじゃと!? ならばそれは正真正銘、本物の――」
――<絶対王権>。それも国王自らの署名が入った完全なものだ。
国王はジフウに託していたのか。この国の未来を――
そしてジフウは<絶対王権>の書状を掲げながら高らかに宣言を始めた。
「一つ! 『改革派と敵対する勢力をルクガイア王国における賊軍と認定する』!!」
まずジフウはジャコウ達王国騎士団を明確にこの国の敵とした――
「二つ! 『王都内にいる賊軍の逃亡を禁ずる』!!」
次にジフウは王国騎士団を王都から逃がさないようにした――
「三つ! 『王国側の総大将を王国騎士団軍師ジャコウから、黒蛇部隊隊長ジフウへと委任する』!!」
最後にジフウは自らを王国の総大将とし、国王の代弁者となった。
「以上三つの項目の元……<絶対王権>を発動する!!」
ジフウが<絶対王権>を用いて放った宣言は、この場にいる王国騎士団を逃がさないためのものであった。
<絶対王権>の効力なのか、王国騎士団は動揺を見せ始める。
自分達が賊軍となり、総大将もジフウへと変わったのだからな……。
「こんなもんだろ。下手に<絶対王権>でガチガチに固めちまっても、強すぎる効果で後が怖いしな」
ジフウは持っている書状が燃えるように消えていくのを手放しながら、俺へと語り掛けてきた。
「十分だ。それより、お前はどうするんだ? ジフウ」
「まあ、俺は王国側の総大将になったわけだし? 賊軍となったこいつらにとっては、俺の存在なんて目ざわり以外の何者でもないだろ。だから――」
ジフウは俺と並んで戦いの構えをとる――
「俺も一緒にやらせてもらうぜ、ゼロラァ! まずは二人でこの王国騎士団とジャコウのフナ虫野郎をぶちのめそうぜぇえ!!」
ジフウの目がいつか見たギラつきを見せる。
弟のシシバと同じ、"戦闘狂"としての本能の瞳――
「フッ。結局戦いたいだけじゃねえのか?」
「まあ、気にするな! ジャコウや王国騎士団を公の元にぶちのめせる、またとない機会だ! 俺も楽しませてもらわねえとなあ!! ウハハハハ!!」
まったく……こいつといい、シシバといい、本当に喧嘩っ早い本性の持ち主だな。
――だが、今はとにかく心強い。
「お、おのれ……よくも……よくもぉおお!! 一番隊! あの二人を倒すのじゃ!」
「で、ですがジャコウ様! 我らは王国の賊軍に――」
「構うものか! どの道あの二人を倒さねば、わしらに先などないのじゃ! つべこべ言わずに戦わぬかぁあ!!」
自らを賊軍とされ、総大将としての権限まで奪われたジャコウだったが、それでも俺とジフウを倒すことに固執する。
この様子を見る限り、ジャコウはそもそも王国にとっては"賊軍のようなもの"だったから、<絶対王権>の効果も薄かったのだろう。
こんな救いようの馬鹿を叩きのめせるのなら、俺も全力で挑めるってもんだ。
「行くぞ! ジフウ! ジャコウと王国騎士団の相手をしてやるぜ!!」
「おうよ! ゼロラ! もうこいつらは完全に陛下の――ルクガイア王国の敵だからなぁあ!!」
ジャコウが差し向けた王国騎士団に対し、俺とジフウの二人だけでの戦いが始まった……!
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