259 / 476
第19章 光と闇の交差点
第259話 対決・魔幻塔大神官②
しおりを挟む
向かってくる俺とシシバに対して、リョウは再び黒く染まった魔力の塊を一つずつぶつけようとしてくる。
「フゥウン!!」
「キエェイ!!」
パリン―― パリン――
俺の拳とシシバのトンファーで、リョウの魔力の塊をまずは二つ破壊できた。
「よっしゃ! これなら問題なく行けそうや!」
マカロンの光の波動の効果は俺達二人に確かに表れている。
俺もシシバも凝縮された<ナイトメアハザード>の力に汚染されることなく、魔力の塊に攻撃を加えられる!
「クハハハハ!! まさかこのボクの魔力の塊を破壊できるとはネ! うざったいヨ……二人とモ!!」
リョウは残りの五つの魔力の塊を同時に俺達へと放つ!
魔力の塊は俺とシシバの周りを回りながら、行動範囲を狭めてくる!
「これだけじゃ終わらないヨ! ボク自身だって攻撃できることを忘れないで欲しいネ!」
さらにリョウ自らも俺達の周りを舞いつつ、指先から黒い魔法の閃光を撃ち込んでくる!
「チィ! リョウの奴、ホンマ魔法に関しては天才やな! こないに同時に魔法を使いこなせるやなんて――我が妹ながら、末恐ろしいわ……!」
シシバも言う通り、魔法の使えない俺にでも分かる。
同時に五つの魔力の塊を操りつつ――
自らも高速で宙を舞い――
自らも魔法で攻撃へと参加してくる。
そしてその全てが高レベル――
<ナイトメアハザード>の影響か闇魔法が中心になっているが、リョウ自身はこれらの能力を完全に使いこなしている。
これまで俺も魔法の使い手とは何度も戦ってきたが、リョウほど魔法の扱いに長けた相手はいなかった。
改めて実感する。【七色魔力の響音】の二つ名を持つ、リョウと言う名の天才の力を……!
「くそ……! こうも素早く囲まれながら攻撃されちゃ、まともに相手もできねえ……!」
マカロンの光魔法のおかげでリョウの攻撃を防御することはできるが、魔力の塊による包囲はどんどんと狭まっていく!
これが一気に襲い掛かってきたら、いくらマカロンの光魔法で守られているといっても――
「お願い! リョウさん! 目を覚ましてぇええ!!」
――その時マカロンが必死の思いを込めながら叫んだ。
マカロンは崩れ落ちたまま両手をこちらに向け、それぞれの手から光魔法の弾丸を放つ!
パリン―― パリン――
その弾丸が、リョウの魔力の塊を二つ破壊した!
「ぐうぅ!? マ、マカロンまでボクに手を出してくるとはネ! 仕方なイ! こうなったらマカロンから先に――」
マズい! リョウの狙いが変わった!
自身の魔力の塊が残り三つになったのを確認したリョウは、攻撃の矛先をマカロンへと変えようと――
「――攻撃するわけ……ないじゃないか! ボ、ボクの体なんだ! ちゃんと――ちゃんとボクの言う通りに動いてくれぇええ!!」
――矛先を変えようとした矢先、リョウは自らの頭を抱え込んで涙を流しなら自らを操る力へ抵抗する!
七つある魔力の塊の内、四つを破壊された影響もあるのだろう。
リョウは本来の人格が戻りつつある。
そして空中でもがき苦しみながら、自らの暴走を食い止める!
「た……頼む! 三人とも! は、早くボクの残り三つの魔力の塊を破壊し――させる訳ガ……! ――い、急いでくれ! 頼む!!」
リョウはかなり無理をして踏ん張っている!
この状況で俺達にできることは一つしかない!
「急げ! リョウが稼いだ時間を無駄にするな! 残り三つも破壊するぞ!!」
「リョウ! あとちょっとだけ待っとれや!!」
「リョウさん……! 必ず助けます!!」
俺もシシバもマカロンも。それぞれが残り三つの魔力の塊に対して各々の攻撃を繰り出す!
パリン―― パリン―― パリン――
リョウの魔力の核となっている全ての塊を破壊できた。
これにより一時的に魔法を使えなくなったのか、宙に浮かんでいたリョウは地面へと倒れ込む。
ひとまずは落ち着いてくれたか――
「ア……アガァ……!? な、なんだいこれは……!? こ、これはもう……ボク自身の意識なんて関係ない……! "ボクではない誰か"が……ボ、ボクの中に―― ウガァアアア!!!???」
「フゥウン!!」
「キエェイ!!」
パリン―― パリン――
俺の拳とシシバのトンファーで、リョウの魔力の塊をまずは二つ破壊できた。
「よっしゃ! これなら問題なく行けそうや!」
マカロンの光の波動の効果は俺達二人に確かに表れている。
俺もシシバも凝縮された<ナイトメアハザード>の力に汚染されることなく、魔力の塊に攻撃を加えられる!
「クハハハハ!! まさかこのボクの魔力の塊を破壊できるとはネ! うざったいヨ……二人とモ!!」
リョウは残りの五つの魔力の塊を同時に俺達へと放つ!
魔力の塊は俺とシシバの周りを回りながら、行動範囲を狭めてくる!
「これだけじゃ終わらないヨ! ボク自身だって攻撃できることを忘れないで欲しいネ!」
さらにリョウ自らも俺達の周りを舞いつつ、指先から黒い魔法の閃光を撃ち込んでくる!
「チィ! リョウの奴、ホンマ魔法に関しては天才やな! こないに同時に魔法を使いこなせるやなんて――我が妹ながら、末恐ろしいわ……!」
シシバも言う通り、魔法の使えない俺にでも分かる。
同時に五つの魔力の塊を操りつつ――
自らも高速で宙を舞い――
自らも魔法で攻撃へと参加してくる。
そしてその全てが高レベル――
<ナイトメアハザード>の影響か闇魔法が中心になっているが、リョウ自身はこれらの能力を完全に使いこなしている。
これまで俺も魔法の使い手とは何度も戦ってきたが、リョウほど魔法の扱いに長けた相手はいなかった。
改めて実感する。【七色魔力の響音】の二つ名を持つ、リョウと言う名の天才の力を……!
「くそ……! こうも素早く囲まれながら攻撃されちゃ、まともに相手もできねえ……!」
マカロンの光魔法のおかげでリョウの攻撃を防御することはできるが、魔力の塊による包囲はどんどんと狭まっていく!
これが一気に襲い掛かってきたら、いくらマカロンの光魔法で守られているといっても――
「お願い! リョウさん! 目を覚ましてぇええ!!」
――その時マカロンが必死の思いを込めながら叫んだ。
マカロンは崩れ落ちたまま両手をこちらに向け、それぞれの手から光魔法の弾丸を放つ!
パリン―― パリン――
その弾丸が、リョウの魔力の塊を二つ破壊した!
「ぐうぅ!? マ、マカロンまでボクに手を出してくるとはネ! 仕方なイ! こうなったらマカロンから先に――」
マズい! リョウの狙いが変わった!
自身の魔力の塊が残り三つになったのを確認したリョウは、攻撃の矛先をマカロンへと変えようと――
「――攻撃するわけ……ないじゃないか! ボ、ボクの体なんだ! ちゃんと――ちゃんとボクの言う通りに動いてくれぇええ!!」
――矛先を変えようとした矢先、リョウは自らの頭を抱え込んで涙を流しなら自らを操る力へ抵抗する!
七つある魔力の塊の内、四つを破壊された影響もあるのだろう。
リョウは本来の人格が戻りつつある。
そして空中でもがき苦しみながら、自らの暴走を食い止める!
「た……頼む! 三人とも! は、早くボクの残り三つの魔力の塊を破壊し――させる訳ガ……! ――い、急いでくれ! 頼む!!」
リョウはかなり無理をして踏ん張っている!
この状況で俺達にできることは一つしかない!
「急げ! リョウが稼いだ時間を無駄にするな! 残り三つも破壊するぞ!!」
「リョウ! あとちょっとだけ待っとれや!!」
「リョウさん……! 必ず助けます!!」
俺もシシバもマカロンも。それぞれが残り三つの魔力の塊に対して各々の攻撃を繰り出す!
パリン―― パリン―― パリン――
リョウの魔力の核となっている全ての塊を破壊できた。
これにより一時的に魔法を使えなくなったのか、宙に浮かんでいたリョウは地面へと倒れ込む。
ひとまずは落ち着いてくれたか――
「ア……アガァ……!? な、なんだいこれは……!? こ、これはもう……ボク自身の意識なんて関係ない……! "ボクではない誰か"が……ボ、ボクの中に―― ウガァアアア!!!???」
0
お気に入りに追加
136
あなたにおすすめの小説

『帰還勇者のRe:スクール(学園無双)』~リエナIf~異世界を救って帰還したら聖女がついてきたのでイチャコラ同棲して面倒をみようと思います。
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
ファンタジー
◆1行あらすじ
異世界を救った勇者(元陰キャ)が、ともに戦った可愛い聖女と地球に帰還して甘々ラブコメしつつ学校などで無双します。
◆あらすじ
織田修平は学校カースト底辺の陰キャ男子高校生。
修平はある日突然、異世界『オーフェルマウス』に召喚され、召喚した神官リエナとともに5年をかけて魔王を倒し、世界を救った。
そして地球に帰還する瞬間、なんとリエナが一緒に着いてきてしまったのだ――!
修平は鍛え上げた身体能力や勇者スキルによって学校で大活躍。
家でも学校でも好意を寄せてくるリエナと甘々ライフを送ります。
(一緒に寝たり、遊園地で甘々デートをしたり)
ついでにこの世界までやってきた魔王も、勇者の力で余裕で粉砕!
――――
本来は異世界に残り負けヒロインルートをたどるはずのリエナが、最初の段階で着いてきてしまった「もしも」のストーリー。
つまりリエナがヒロインバージョンのリスクールです。
これ単体で完全に完結した1つの物語になっています。
でも本編とリンクしたシーンも所々ありますので、本編を読んでからの方が「ああこれはあのシーンね!」と少しだけニヤリとできるかと思います(*'ω'*)b
本編である
『帰還勇者のRe:スクール(学園無双)』はカクヨムなどで連載しています。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!


勇者様、旅のお供に平兵士などはいかがでしょうか?
黒井 へいほ
ファンタジー
ミューステルム王国に仕える兵であるラックス=スタンダードは、世界を救うために召喚された勇者ミサキ=ニノミヤの仲間として共に旅立つ。
しかし、彼女は勇者ではあるが、その前に普通の少女である。何度も帰りたいと泣き言を言いながらも、彼女は成長していった。
そして、決断をする。
勇者になりたい、世界を救いたい、と。
己が身に魔王の魂を宿していたことを知ったラックスだが、彼もまた決断をした。
世界を救おうという勇者のために。
ずっと自分を救ってくれていた魔王のために。
二人を守るために、自分は生きようと。
そして、彼らは真の意味で旅立つ。
――世界を救うために。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる