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第19章 光と闇の交差点
第257話 黒色魔力の不協和音
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俺とマカロンは屋上まであと一歩のところまでたどり着いた。
そしてそこには一人の人影が――
「ちょ!? どーなってんだよ、これ!? なんだかどんどん闇が溢れてきてるし、コゴーダの兄貴とははぐれちまうし……。おれ、どーしたらいいのよ!?」
「サイバラ!?」
俺達の前でサイバラが立ち往生していた。
ジフウやシシバよりも先に魔幻塔に入ったとは聞いていたが、無事だったのか……。
「ゼロラさん!? よくここまで来てくれたっす! 事情を説明しようにも……おれにもサッパリ分からなくて……」
「おおよその事情は掴めてる。シシバとコゴーダはどうしたんだ?」
「シシバのカシラはおれよりも先に猛スピードで屋上へと駆けあがりました。コゴーダの兄貴とは途中ではぐれちまって……」
とりあえずシシバは先に向かえたみたいだな……。
しかしコゴーダはどこに……?
「ゼロラ様!? よ、よかった。来ていただけて助かりました」
「コゴーダの兄貴!? どこ行ってたんすか!?」
「この闇に飲まれるのは危険ですからね……。なんとか安全なルートを探してここまで来ました」
どうやらコゴーダも無事だったようだ。
「とにかく俺達はリョウのところへ行きたい。この先でいいんだよな?」
「そ、それなんすが……実は屋上への階段が崩れちまって、先へ進めないんすよ……」
「階段が崩れてる……!?」
サイバラに言われて俺とマカロンは奥の方を見る。
サイバラが言った通り、この騒動の影響なのか階段が崩れてしまっている。
シシバ程の身体能力があれば一人でも飛び越えられそうだが、俺とマカロンでは無理そうだな……。
「……コゴーダ、サイバラ。お前らで俺とマカロンを向こう側まで飛ばすことはできるか?」
「え? お二人を向こうに飛ばすんすか? おれとコゴーダの兄貴で手を組んで踏み台にすれば飛ばせると思うんすけど――」
「成程。確かにそれならお二人を向こうまで飛ばせそうですね。……ですが、そちらのお嬢さんも一緒に?」
「説明している時間はない。やれるのなら早速やってくれ」
リョウを止めるためにはマカロンの光魔法が必要だ。
俺とマカロン、そしてこの先にいるであろうシシバの三人でなんとしてもリョウを救う!
「マカロン。俺にしっかり掴まっていろ」
「は、はい!」
俺はマカロンを抱きかかえて助走をつけるために距離をとる。
マカロンも落ちないように目を閉じて必死に俺に掴まる。
「ゼロラさん! こっちは準備できました!」
「いつでも大丈夫ですよ!」
俺の進行方向でサイバラとコゴーダが俺を階段の向こうへ飛ばすために、踏み台の準備をしている。
「よし……行くぞぉお!!」
俺はマカロンを抱えたまま、コゴーダとサイバラの手で作られた踏み台目指して全速力で駆ける!
「フゥゥウウン!!」
「シャラァア!」
「ソロォオッ!」
ダンッ――
サイバラとコゴーダの手に足をかけ、俺の体が宙を舞う――
かなりの高さが必要だったが、なんとか屋上へ続く道へと渡ることができた。
「上手くいったな……」
「あ、ありがとうございます……」
俺はマカロンを下ろして下にいるコゴーダとサイバラの方を見る。
「ゼロラさーん! シシバのカシラとリョウの姉さんのことを頼みましたよー!」
「我々は他のルートを探してみます! 先にどうかお願いします!」
サイバラとコゴーダは俺達を見送った後、他のルートを探しにその場を離れた。
「マカロン。俺達も行くぞ!」
「はい! 絶対に――絶対にリョウさんを助けましょう!」
屋上はもうすぐだ。俺達はとにかく先を急いだ――
■
「な、なんてこった……! 手出しできひん……!」
屋上へと辿り着いた俺とマカロンがまず最初に目にしたのは、トンファーを構えながらも困惑しているシシバだった。
「シシバ! 無事か!?」
「ゼロラはん!? それにそっちは確かラルフルの姉ちゃんのマカロンやったか!? あんさんらも来てくれたんか……!」
シシバは俺達に気付いて振り向く。
困惑はしているが、大きなケガは負っていないようだ。
そしてシシバがここまで困惑していた原因は――
「クフフフ……! あれれ~? シシ兄だけじゃなく、ゼロラ殿にマカロンまで来ちゃったんダ?」
「リョウ!!」
「リョウさん!!」
魔幻塔の屋上で空中に浮かび、この騒動の元凶となっている大量の闇に覆われながら辺りにその闇を振りまく――リョウだった。
その目元は暗い影に包まれ、本来の綺麗な赤色の瞳からは光が失われている。
【七色魔力の響音】の二つ名の由来となっているリョウの周りの七色の魔力の塊も、一色のみになっている。
――今のリョウの状況を表すような、黒一色に。
「ねえ! 二人も見てヨ! <ナイトメアハザード>を元にして手に入れた、ボクの新しい力ヲ! この力があれば、皆を邪魔して傷つける奴らをぜーんぶ壊せるヨ! クハハハハ! アーハハハハ!!」
リョウは狂ったように笑い声を上げながら、自らが手にした闇の力――<ナイトメアハザード>と呼ばれる力を賞賛している。
その力に共鳴するように、俺がリョウにプレゼントした胸元のブローチも黒く塗りつぶされている。
「リョウ……。俺達はそんなことを望んじゃいない。大人しくその<ナイトメアハザード>とかいう力を納めてくれ!」
「お願い! リョウさん! 正気に戻って!!」
俺とマカロンは必死にリョウへと訴えかける。
だが――
「……何故だイ? 何故、シシ兄もゼロラ殿もマカロンも……ボクが手に入れた力を喜んでくれないんだイ!? ボクは――ボクは皆のためを思ってやってるんだヨ!?」
――リョウは俺達の言葉を拒絶した。
これがリョウの本心でないことはよく分かる。リョウ自身も操られているんだ。
この<ナイトメアハザード>という力に――
「もういいヨ……。皆がボクの力を認めてくれないっていうのなら……この力で、この世界ごと滅ぼしてあげるヨ!! クーハハハハッ!!」
支離滅裂な発言と共に、リョウは自らを纏う闇を膨れ上がらせる。
今のリョウは俺達のよく知るリョウじゃない。
こうなった以上、やはり力づくで止めるしかないようだ……!
「マカロン、シシバ。リョウと戦うぞ。覚悟してくれ……!」
「き、気は進みませんけど……やるしかないみたいですね……!」
「……しゃーない。こないなったら無理矢理にでも目ぇ覚まさしたるわ!!」
俺とマカロンとシシバ。三人ともリョウと戦う準備をする――
全てはリョウを止め――救い出すために!
「ボクの邪魔をするというのなら、君達三人であっても容赦はしなイ! ボクの新しい力で……皆もボクの世界に連れて行ってあげるヨ!!」
そしてそこには一人の人影が――
「ちょ!? どーなってんだよ、これ!? なんだかどんどん闇が溢れてきてるし、コゴーダの兄貴とははぐれちまうし……。おれ、どーしたらいいのよ!?」
「サイバラ!?」
俺達の前でサイバラが立ち往生していた。
ジフウやシシバよりも先に魔幻塔に入ったとは聞いていたが、無事だったのか……。
「ゼロラさん!? よくここまで来てくれたっす! 事情を説明しようにも……おれにもサッパリ分からなくて……」
「おおよその事情は掴めてる。シシバとコゴーダはどうしたんだ?」
「シシバのカシラはおれよりも先に猛スピードで屋上へと駆けあがりました。コゴーダの兄貴とは途中ではぐれちまって……」
とりあえずシシバは先に向かえたみたいだな……。
しかしコゴーダはどこに……?
「ゼロラ様!? よ、よかった。来ていただけて助かりました」
「コゴーダの兄貴!? どこ行ってたんすか!?」
「この闇に飲まれるのは危険ですからね……。なんとか安全なルートを探してここまで来ました」
どうやらコゴーダも無事だったようだ。
「とにかく俺達はリョウのところへ行きたい。この先でいいんだよな?」
「そ、それなんすが……実は屋上への階段が崩れちまって、先へ進めないんすよ……」
「階段が崩れてる……!?」
サイバラに言われて俺とマカロンは奥の方を見る。
サイバラが言った通り、この騒動の影響なのか階段が崩れてしまっている。
シシバ程の身体能力があれば一人でも飛び越えられそうだが、俺とマカロンでは無理そうだな……。
「……コゴーダ、サイバラ。お前らで俺とマカロンを向こう側まで飛ばすことはできるか?」
「え? お二人を向こうに飛ばすんすか? おれとコゴーダの兄貴で手を組んで踏み台にすれば飛ばせると思うんすけど――」
「成程。確かにそれならお二人を向こうまで飛ばせそうですね。……ですが、そちらのお嬢さんも一緒に?」
「説明している時間はない。やれるのなら早速やってくれ」
リョウを止めるためにはマカロンの光魔法が必要だ。
俺とマカロン、そしてこの先にいるであろうシシバの三人でなんとしてもリョウを救う!
「マカロン。俺にしっかり掴まっていろ」
「は、はい!」
俺はマカロンを抱きかかえて助走をつけるために距離をとる。
マカロンも落ちないように目を閉じて必死に俺に掴まる。
「ゼロラさん! こっちは準備できました!」
「いつでも大丈夫ですよ!」
俺の進行方向でサイバラとコゴーダが俺を階段の向こうへ飛ばすために、踏み台の準備をしている。
「よし……行くぞぉお!!」
俺はマカロンを抱えたまま、コゴーダとサイバラの手で作られた踏み台目指して全速力で駆ける!
「フゥゥウウン!!」
「シャラァア!」
「ソロォオッ!」
ダンッ――
サイバラとコゴーダの手に足をかけ、俺の体が宙を舞う――
かなりの高さが必要だったが、なんとか屋上へ続く道へと渡ることができた。
「上手くいったな……」
「あ、ありがとうございます……」
俺はマカロンを下ろして下にいるコゴーダとサイバラの方を見る。
「ゼロラさーん! シシバのカシラとリョウの姉さんのことを頼みましたよー!」
「我々は他のルートを探してみます! 先にどうかお願いします!」
サイバラとコゴーダは俺達を見送った後、他のルートを探しにその場を離れた。
「マカロン。俺達も行くぞ!」
「はい! 絶対に――絶対にリョウさんを助けましょう!」
屋上はもうすぐだ。俺達はとにかく先を急いだ――
■
「な、なんてこった……! 手出しできひん……!」
屋上へと辿り着いた俺とマカロンがまず最初に目にしたのは、トンファーを構えながらも困惑しているシシバだった。
「シシバ! 無事か!?」
「ゼロラはん!? それにそっちは確かラルフルの姉ちゃんのマカロンやったか!? あんさんらも来てくれたんか……!」
シシバは俺達に気付いて振り向く。
困惑はしているが、大きなケガは負っていないようだ。
そしてシシバがここまで困惑していた原因は――
「クフフフ……! あれれ~? シシ兄だけじゃなく、ゼロラ殿にマカロンまで来ちゃったんダ?」
「リョウ!!」
「リョウさん!!」
魔幻塔の屋上で空中に浮かび、この騒動の元凶となっている大量の闇に覆われながら辺りにその闇を振りまく――リョウだった。
その目元は暗い影に包まれ、本来の綺麗な赤色の瞳からは光が失われている。
【七色魔力の響音】の二つ名の由来となっているリョウの周りの七色の魔力の塊も、一色のみになっている。
――今のリョウの状況を表すような、黒一色に。
「ねえ! 二人も見てヨ! <ナイトメアハザード>を元にして手に入れた、ボクの新しい力ヲ! この力があれば、皆を邪魔して傷つける奴らをぜーんぶ壊せるヨ! クハハハハ! アーハハハハ!!」
リョウは狂ったように笑い声を上げながら、自らが手にした闇の力――<ナイトメアハザード>と呼ばれる力を賞賛している。
その力に共鳴するように、俺がリョウにプレゼントした胸元のブローチも黒く塗りつぶされている。
「リョウ……。俺達はそんなことを望んじゃいない。大人しくその<ナイトメアハザード>とかいう力を納めてくれ!」
「お願い! リョウさん! 正気に戻って!!」
俺とマカロンは必死にリョウへと訴えかける。
だが――
「……何故だイ? 何故、シシ兄もゼロラ殿もマカロンも……ボクが手に入れた力を喜んでくれないんだイ!? ボクは――ボクは皆のためを思ってやってるんだヨ!?」
――リョウは俺達の言葉を拒絶した。
これがリョウの本心でないことはよく分かる。リョウ自身も操られているんだ。
この<ナイトメアハザード>という力に――
「もういいヨ……。皆がボクの力を認めてくれないっていうのなら……この力で、この世界ごと滅ぼしてあげるヨ!! クーハハハハッ!!」
支離滅裂な発言と共に、リョウは自らを纏う闇を膨れ上がらせる。
今のリョウは俺達のよく知るリョウじゃない。
こうなった以上、やはり力づくで止めるしかないようだ……!
「マカロン、シシバ。リョウと戦うぞ。覚悟してくれ……!」
「き、気は進みませんけど……やるしかないみたいですね……!」
「……しゃーない。こないなったら無理矢理にでも目ぇ覚まさしたるわ!!」
俺とマカロンとシシバ。三人ともリョウと戦う準備をする――
全てはリョウを止め――救い出すために!
「ボクの邪魔をするというのなら、君達三人であっても容赦はしなイ! ボクの新しい力で……皆もボクの世界に連れて行ってあげるヨ!!」
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