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第15章 メカトロニクス・ファイト
第204話 対決・元ルクガイア王国騎士団二番隊隊士①
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「フオオオォ!!」
ギュィイイン…… ズガガガガガッ!!
戦闘開始早々にフレイムが仕掛けてきた攻撃は、左腕にある束ねられたいくつもの銃を回転させながらの乱射攻撃。
「くぅうう!? なんて弾丸の嵐だ!?」
「あれは"ガトリングガン"! いくつもの銃を束ねて回転させることで、絶え間ない強力な連射を可能にした銃だ!」
ロギウスがフレイムの武装について説明してくれる。
さっきのロボットが使っていた銃とは違い、一発一発の威力も高い!
俺達はなんとかお互いの防御手段で耐えてはいるが、耐えるばかりで身動きすら取れない!
「ほーう? それぞれ何かしら防御手段は持ってるよーだが、それでフレイムのガトリングガンによる掃討に耐えられるとはな~。だったら……フレイム! "八ミンチ砲"を斉射しろ!」
「フオオ!」
フロストの指示に応じて、フレイムが両肩の砲門をこちらに向けてくる。
人間相手に大砲はヤバすぎるだろ!?
ドガァアアアンッ!!
そして放たれた二門の大砲。
俺もロギウスもこれは防げないと判断し、左右に分かれて避ける。
「おいおい……。こんなもん、まともに食らったら――」
「体のどこかが吹き飛ぶね……」
俺達は大砲の着弾点を見た感想を述べる。
モクモクと立ち込める煙。離れていても伝わる熱気。
これ……絶対に対人を想定した武装じゃないだろ……。
「とにかくこのままじゃやられっぱなしだ! 無茶は承知だが、打って出るぞ!」
「無茶するしかないって辛いね!」
俺とロギウスはフレイム目がげて突撃するが――
バチィイイ!
「くそ!? やっぱりダメか!?」
「<バリアフィールド>……これをどうにかしないと攻撃を当てることさえできないね……」
予想通りというか弾かれてしまう俺達の攻撃。
<バリアフィールド>のせいでフレイムの体に触れることさえできない。
触れようとしてもこちらの体が<バリアフィールド>で痺れてしまう。
おまけにニナーナとは違い、前面だけでなく全方位を守るように展開されている。
「クーカカカカ! 拳で突撃? 刀で斬撃? そんなものがフレイムに通用するものか! 物理も魔法も通用しない! そして、どんな相手でも消し飛ばせる圧倒的火力! これこそが時代の先を行く超戦力! 科学の力ってやつだ!」
そんな俺達を見て自らの科学力を自慢するフロスト。
「フオン!」
「どうだ、参ったか!」とでも言いたげに胸を張るフレイム。……今のはなんとなく分かった。
「おい……こんなのどうすることもできねえぞ?」
「熱エネルギーによる火力に、電気エネルギーによる防御。僕もフレイムがここまで強化されているとは――あれ?」
この状況に苦戦する俺達だったが、ロギウスが何かに気付いたようだ。
「何か気付いたのか? ロギウス」
「いや……少し気になったんだ。銃撃や大砲はおそらくフレイム自身の体内の熱で作られたエネルギーで稼働してるけど、<バリアフィールド>に関してはそもそも電気エネルギーで作られてるんだよね……」
ああ。あの<バリアフィールド>は少なくとも電気でできてるようだ。触ったら痺れたし。
「フレイムが持つ熱エネルギーを電気エネルギーに変換してるとも考えられるけど……なんだか非効率な気がする」
ロギウス曰く、<バリアフィールド>はフレイム自身のエネルギーで展開されていない可能性があるらしい。
それを聞いて俺もフレイムの方を見てみると――
「……なあ。まさかとは思うが……フレイムの体から伸びてるあの太い紐みたいなのって、関係あったりするのか?」
フレイムの背中から伸びている太い紐。その紐のもう片方は何かの装置に取り付けられている。
前にも見たことのある装置だ。
あれは確かサイバラと戦った時、あいつが外から電力を供給するために使っていた――
「それだぁああ!!」
「やっぱりこれかぁあ!!」
ロギウスの叫び声を聞いて、俺は即座にフレイムと装置を繋いでいる紐を引きちぎった。
ブゥウウン……
「フ、フオオ!?」
紐が引きちぎられると、フレイムを守っていた<バリアフィールド>は消えてしまった。
やっぱりこれで外から電気エネルギーを取り込んでいたのか!
「あ~!? よくもやりやがったな~! フレイムへの<バリアフィールド>搭載はまだ試運転の段階で、外部の発電機から電力をチャージしないと稼働できなかったのによ~!」
<バリアフィールド>を破られたフロストは怒り心頭のようだ。
試運転だからってのも分かるが、弱点が露骨すぎるぞ。
「チ~、仕方ねーな! フレイム! 背中の"バーニア"を展開しろ! 機動力で相手してやれ!」
「フオオン!」
フロストの指示を受けて、フレイムが次の戦闘形態に移行するようだ。
だが正直……<バリアフィールド>を破っただけでは、まだ勝算が見えない……。
ギュィイイン…… ズガガガガガッ!!
戦闘開始早々にフレイムが仕掛けてきた攻撃は、左腕にある束ねられたいくつもの銃を回転させながらの乱射攻撃。
「くぅうう!? なんて弾丸の嵐だ!?」
「あれは"ガトリングガン"! いくつもの銃を束ねて回転させることで、絶え間ない強力な連射を可能にした銃だ!」
ロギウスがフレイムの武装について説明してくれる。
さっきのロボットが使っていた銃とは違い、一発一発の威力も高い!
俺達はなんとかお互いの防御手段で耐えてはいるが、耐えるばかりで身動きすら取れない!
「ほーう? それぞれ何かしら防御手段は持ってるよーだが、それでフレイムのガトリングガンによる掃討に耐えられるとはな~。だったら……フレイム! "八ミンチ砲"を斉射しろ!」
「フオオ!」
フロストの指示に応じて、フレイムが両肩の砲門をこちらに向けてくる。
人間相手に大砲はヤバすぎるだろ!?
ドガァアアアンッ!!
そして放たれた二門の大砲。
俺もロギウスもこれは防げないと判断し、左右に分かれて避ける。
「おいおい……。こんなもん、まともに食らったら――」
「体のどこかが吹き飛ぶね……」
俺達は大砲の着弾点を見た感想を述べる。
モクモクと立ち込める煙。離れていても伝わる熱気。
これ……絶対に対人を想定した武装じゃないだろ……。
「とにかくこのままじゃやられっぱなしだ! 無茶は承知だが、打って出るぞ!」
「無茶するしかないって辛いね!」
俺とロギウスはフレイム目がげて突撃するが――
バチィイイ!
「くそ!? やっぱりダメか!?」
「<バリアフィールド>……これをどうにかしないと攻撃を当てることさえできないね……」
予想通りというか弾かれてしまう俺達の攻撃。
<バリアフィールド>のせいでフレイムの体に触れることさえできない。
触れようとしてもこちらの体が<バリアフィールド>で痺れてしまう。
おまけにニナーナとは違い、前面だけでなく全方位を守るように展開されている。
「クーカカカカ! 拳で突撃? 刀で斬撃? そんなものがフレイムに通用するものか! 物理も魔法も通用しない! そして、どんな相手でも消し飛ばせる圧倒的火力! これこそが時代の先を行く超戦力! 科学の力ってやつだ!」
そんな俺達を見て自らの科学力を自慢するフロスト。
「フオン!」
「どうだ、参ったか!」とでも言いたげに胸を張るフレイム。……今のはなんとなく分かった。
「おい……こんなのどうすることもできねえぞ?」
「熱エネルギーによる火力に、電気エネルギーによる防御。僕もフレイムがここまで強化されているとは――あれ?」
この状況に苦戦する俺達だったが、ロギウスが何かに気付いたようだ。
「何か気付いたのか? ロギウス」
「いや……少し気になったんだ。銃撃や大砲はおそらくフレイム自身の体内の熱で作られたエネルギーで稼働してるけど、<バリアフィールド>に関してはそもそも電気エネルギーで作られてるんだよね……」
ああ。あの<バリアフィールド>は少なくとも電気でできてるようだ。触ったら痺れたし。
「フレイムが持つ熱エネルギーを電気エネルギーに変換してるとも考えられるけど……なんだか非効率な気がする」
ロギウス曰く、<バリアフィールド>はフレイム自身のエネルギーで展開されていない可能性があるらしい。
それを聞いて俺もフレイムの方を見てみると――
「……なあ。まさかとは思うが……フレイムの体から伸びてるあの太い紐みたいなのって、関係あったりするのか?」
フレイムの背中から伸びている太い紐。その紐のもう片方は何かの装置に取り付けられている。
前にも見たことのある装置だ。
あれは確かサイバラと戦った時、あいつが外から電力を供給するために使っていた――
「それだぁああ!!」
「やっぱりこれかぁあ!!」
ロギウスの叫び声を聞いて、俺は即座にフレイムと装置を繋いでいる紐を引きちぎった。
ブゥウウン……
「フ、フオオ!?」
紐が引きちぎられると、フレイムを守っていた<バリアフィールド>は消えてしまった。
やっぱりこれで外から電気エネルギーを取り込んでいたのか!
「あ~!? よくもやりやがったな~! フレイムへの<バリアフィールド>搭載はまだ試運転の段階で、外部の発電機から電力をチャージしないと稼働できなかったのによ~!」
<バリアフィールド>を破られたフロストは怒り心頭のようだ。
試運転だからってのも分かるが、弱点が露骨すぎるぞ。
「チ~、仕方ねーな! フレイム! 背中の"バーニア"を展開しろ! 機動力で相手してやれ!」
「フオオン!」
フロストの指示を受けて、フレイムが次の戦闘形態に移行するようだ。
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