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第15章 メカトロニクス・ファイト
第202話 復讐の天才科学者
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ニナーナによる包囲網を突破して向かった先にあったのは、一際大きな空間だった。
周囲にはドクターフロストが自らの研究のために使っていると思われる、よく分からない道具の数々があった。
「ローギーウース~。なーんでてめーが俺の研究施設に潜り込んでるんだ~?」
そんな空間の隅にある、机で仕切られたスペースから声がした。
どうやらここの主のお出ましのようだ。
「フロスト元隊長。今日はあなたに頼みがあって来た。話を聞いてもらいたい」
「ほーう? 俺をコードネームで呼ばないってことは、"共通の目的"以外の要件みたいだな~?」
ロギウスに名を呼ばれた男は、こちらの事情の一部を理解したようだ。
仕切られたスペースにある椅子に腰かけ、肘をつきながら机越しに俺達を睨む男。
ボサボサの金髪に、ヨレヨレの白衣。
右目にはモノクルのようだがどこか違う、青色のレンズに機械仕掛けの奇怪な道具を取り付けた男――
この男が目的のドクターフロストか。
「それにもう一人――そっちは【零の修羅】、ゼロラか」
「俺のことを知ってるのか?」
「イトーのおっさんから聞いてるぜ。大層腕の立つ男だってな~」
イトーさんから俺のことも聞いてるのか……。
イトーさんにこんな奇妙な知り合いがいたとはな。
「俺達はお前に協力してほしくてここに来たんだ」
「協力~? "共通の目的"以外で~? わざわざニナーナを倒してまでして~?」
「ニナーナについては倒したというより――緊急停止ボタンを押しただけだ。そもそもなんであいつだけ、あんなものが付いてたんだ?」
後で他のロボットも確認したが、緊急停止ボタンは付いてなかったぞ。
「ニナーナは他のポンコツロボットとは違うんだよ! あれだけ完成されたヒューマノイドに外部制御装置が付いてないと、間違って暴走した時に危ねーじゃねーか!」
「危なさ云々の話なら、他のロボットにも付けてよ……」
「価値損失的な危なさの話だってーの! ただ破壊するための兵器に緊急停止ボタンを付けても、意味ねーじゃねーか!」
どうやらこのフロストという男、天才ではあるが価値観が一般的ではないらしい。
"天才には変人が多い"と聞いたことがあるが、フロストもその類なのだろう。
「それよりもこちらの話を聞いてくれ。フロスト元隊長には是非とも僕達の改革活動に協力してほしいんだ」
「改革活動に協力~? ……別にいいぞ」
意外にもロギウスの願いにあっさり承諾するフロスト。
だが――
「たーだーし~、条件がある。その条件さえ飲んでくれるのなら、協力しても構わねーな」
「……その条件とは?」
フロストが俺達に協力するために出した条件。
それを問うロギウスと共に、俺もフロストの言葉を固唾を飲んで待った。
「……"三公爵"の一人、レーコ公爵。あのクソアマを……この俺に殺させろぉおお!!!」
これまでのこちらを嘲笑するような態度とは違う。
明らかな怒りを込めてフロストはその条件を口にしてきた。
「……フロスト元隊長。その条件は飲めない。この国の王子としてだけでなく、協力を願い出る側としてもそんな条件を飲めるはずがない」
『レーコ公爵を殺させろ』。
そんなあまりにも突拍子のない条件を、ロギウスも俺も飲めるはずがなかった。
「おいおい!? こっちはこれでも最大限譲歩してやってるんだぜ~!? 俺も噂で聞いてるが、てめーら改革派にとってあのクソアマ公爵なんて、ただの敵だろーが!? てめーらの敵を倒せる! 俺の復讐も果たせる! 最高の条件じゃねーか!?」
「敵だからといって、簡単に殺しを許せるわけねえだろ。それに俺達の改革は、血で血を洗うものじゃない」
激高しながら反論するフロストに、俺も口を挟んだ。
改革のために王国騎士団と戦うための戦力は必要だが、それはあくまで手段に過ぎない。
"敵を殺すこと"を目的にした条件なんて許せるはずがない。
「なぜあなたはそこまでレーコ公爵に恨みを持っているのだ?」
「……それを教えれば条件を飲んでくれるのか?」
「いいや。それはできない」
ロギウスの質問にもフロストは耳を貸さない。
あくまでレーコ公爵を自らの手で殺すことが協力するための条件のようだ。
「……それだったら、交渉決裂だな~!」
怒りの表情から一転して顔をニヤつかせながらも、フロストはこちらに敵意を向けてきた。
「てめーらだって、俺がどういう人間か知ってここまで来たんだろ? ……殺される覚悟はできてるな? だったら見せてやるよ! 【王国最強】の力を!!」
そう言ってフロストは手元の机にあるスイッチを押した。
ガコンッ ゴゴゴゴゴ……!
一番奥にあった大きな扉が上へと持ち上がり始める。
同時にフロストがいるスペースにはガラスによる防御壁が設置される。
「こいつが動くとなるとこの俺も危ねーからな。俺の声はマイク越しにスピーカーから発せられるようになってる。ゼロラもロギウスから聞いてるだろ? 俺の弟の存在をよ~……!」
詳しいことは分からないが、フロストの声はガラスで密閉されたスペースからでもこの空間に聞こえるようだ。
そして開かれた扉の先から現れる巨大な人影。
本当に同じ人間なのかと思いたくなるその人影は、あたりに蒸気を噴出しながら現れた……!
「さあ! 我が弟、フレイム! 【王国最強】――起動せよ!!」
「フオオオオオ!!」
周囲にはドクターフロストが自らの研究のために使っていると思われる、よく分からない道具の数々があった。
「ローギーウース~。なーんでてめーが俺の研究施設に潜り込んでるんだ~?」
そんな空間の隅にある、机で仕切られたスペースから声がした。
どうやらここの主のお出ましのようだ。
「フロスト元隊長。今日はあなたに頼みがあって来た。話を聞いてもらいたい」
「ほーう? 俺をコードネームで呼ばないってことは、"共通の目的"以外の要件みたいだな~?」
ロギウスに名を呼ばれた男は、こちらの事情の一部を理解したようだ。
仕切られたスペースにある椅子に腰かけ、肘をつきながら机越しに俺達を睨む男。
ボサボサの金髪に、ヨレヨレの白衣。
右目にはモノクルのようだがどこか違う、青色のレンズに機械仕掛けの奇怪な道具を取り付けた男――
この男が目的のドクターフロストか。
「それにもう一人――そっちは【零の修羅】、ゼロラか」
「俺のことを知ってるのか?」
「イトーのおっさんから聞いてるぜ。大層腕の立つ男だってな~」
イトーさんから俺のことも聞いてるのか……。
イトーさんにこんな奇妙な知り合いがいたとはな。
「俺達はお前に協力してほしくてここに来たんだ」
「協力~? "共通の目的"以外で~? わざわざニナーナを倒してまでして~?」
「ニナーナについては倒したというより――緊急停止ボタンを押しただけだ。そもそもなんであいつだけ、あんなものが付いてたんだ?」
後で他のロボットも確認したが、緊急停止ボタンは付いてなかったぞ。
「ニナーナは他のポンコツロボットとは違うんだよ! あれだけ完成されたヒューマノイドに外部制御装置が付いてないと、間違って暴走した時に危ねーじゃねーか!」
「危なさ云々の話なら、他のロボットにも付けてよ……」
「価値損失的な危なさの話だってーの! ただ破壊するための兵器に緊急停止ボタンを付けても、意味ねーじゃねーか!」
どうやらこのフロストという男、天才ではあるが価値観が一般的ではないらしい。
"天才には変人が多い"と聞いたことがあるが、フロストもその類なのだろう。
「それよりもこちらの話を聞いてくれ。フロスト元隊長には是非とも僕達の改革活動に協力してほしいんだ」
「改革活動に協力~? ……別にいいぞ」
意外にもロギウスの願いにあっさり承諾するフロスト。
だが――
「たーだーし~、条件がある。その条件さえ飲んでくれるのなら、協力しても構わねーな」
「……その条件とは?」
フロストが俺達に協力するために出した条件。
それを問うロギウスと共に、俺もフロストの言葉を固唾を飲んで待った。
「……"三公爵"の一人、レーコ公爵。あのクソアマを……この俺に殺させろぉおお!!!」
これまでのこちらを嘲笑するような態度とは違う。
明らかな怒りを込めてフロストはその条件を口にしてきた。
「……フロスト元隊長。その条件は飲めない。この国の王子としてだけでなく、協力を願い出る側としてもそんな条件を飲めるはずがない」
『レーコ公爵を殺させろ』。
そんなあまりにも突拍子のない条件を、ロギウスも俺も飲めるはずがなかった。
「おいおい!? こっちはこれでも最大限譲歩してやってるんだぜ~!? 俺も噂で聞いてるが、てめーら改革派にとってあのクソアマ公爵なんて、ただの敵だろーが!? てめーらの敵を倒せる! 俺の復讐も果たせる! 最高の条件じゃねーか!?」
「敵だからといって、簡単に殺しを許せるわけねえだろ。それに俺達の改革は、血で血を洗うものじゃない」
激高しながら反論するフロストに、俺も口を挟んだ。
改革のために王国騎士団と戦うための戦力は必要だが、それはあくまで手段に過ぎない。
"敵を殺すこと"を目的にした条件なんて許せるはずがない。
「なぜあなたはそこまでレーコ公爵に恨みを持っているのだ?」
「……それを教えれば条件を飲んでくれるのか?」
「いいや。それはできない」
ロギウスの質問にもフロストは耳を貸さない。
あくまでレーコ公爵を自らの手で殺すことが協力するための条件のようだ。
「……それだったら、交渉決裂だな~!」
怒りの表情から一転して顔をニヤつかせながらも、フロストはこちらに敵意を向けてきた。
「てめーらだって、俺がどういう人間か知ってここまで来たんだろ? ……殺される覚悟はできてるな? だったら見せてやるよ! 【王国最強】の力を!!」
そう言ってフロストは手元の机にあるスイッチを押した。
ガコンッ ゴゴゴゴゴ……!
一番奥にあった大きな扉が上へと持ち上がり始める。
同時にフロストがいるスペースにはガラスによる防御壁が設置される。
「こいつが動くとなるとこの俺も危ねーからな。俺の声はマイク越しにスピーカーから発せられるようになってる。ゼロラもロギウスから聞いてるだろ? 俺の弟の存在をよ~……!」
詳しいことは分からないが、フロストの声はガラスで密閉されたスペースからでもこの空間に聞こえるようだ。
そして開かれた扉の先から現れる巨大な人影。
本当に同じ人間なのかと思いたくなるその人影は、あたりに蒸気を噴出しながら現れた……!
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「フオオオオオ!!」
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