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第10章 黒幕達
第125話 激戦を終えて
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「いや~! ええ喧嘩した後はやっぱ酒がうまいな~!」
「飲むのは構わねえが、酔っぱらって話せなくなるとかはなしだぞ」
俺はシシバに案内されてギャングレオ盗賊団の頭領室で二人酒を酌み交わしていた。
「いや、ゼロラはんの方が飲んどるからな?」
「こんなもん飲んだうちにも入らねえ」
俺は結構酒豪である。自慢ではないが、ここ二年間で酔った記憶は一度もない。……酔ってるから記憶がないわけでもない。
「飲むのもいいが、そろそろ本題に入らねえか?」
「ああ、せやな。まずは順を追って話させてもらうで」
シシバはグラスを置いて話し始めた。
「まずはゼロラはんが言うとった"ギャングレオ盗賊団の元締め"についてや。これについてはまず最初にハッキリ言うとく。元締めはおる」
やはり元締めはいたのか。裏でシシバやギャングレオ盗賊団を動かして悪徳貴族を襲っている人間ね……。
「そいつは誰なんだ?」
「……ルクガイア王国貴族。通称"三公爵"の一人。バクト公爵や」
"三公爵"のバクト公爵? "三公爵"と言えば国王に代わって権力の頂点を狙ってる連中じゃねえか?
「つまりギャングレオ盗賊団はバクト公爵が他の"三公爵"を蹴り落すための手駒だと?」
「それが違うんやな~。そもそもあの人は国盗りとか考えてへん。ぶっちゃけ俺からすると、ガルペラ侯爵と考えとることは同じやねんけどな~……」
ガルペラと考えが同じ? それってつまり……。
「あの人……バクトはんの目的は"この国の制度を一から作り直す"ことや」
"制度を一から作り直す"か……。確かにガルペラが考える"貴族制度の撤廃"とほとんど同じだな。
「戦い終わってから言うのもなんだが……別に戦わなくても協力できたんじゃねえか?」
「ところがどっこい、そうもいかんのや。バクトはんはガルペラ侯爵と違うて、"武力行使も辞さない"って考えや」
あー。それじゃ素直にガルペラには協力してくれないか。あいつは武力行使はしないって考えだし。
「ギャングレオ盗賊団かて、バクトはんと同じ考え方の人間をおびき寄せるための撒き餌でもあるが、武力行使のために準備させとった面もある。協定を結ぶにも相手の戦力が相応にないとあかんわけや」
「そうなってくると、ガルペラと協定を結んでくれるかはそのバクト公爵次第ってことか」
「せやな。俺の一存じゃ決められへん」
だが"三公爵"の一人がこちらについてくれるとなると心強いな。そうすれば王国の現在の権力図すら塗り替えられるかもしれねえ。
「あともう一つ。俺とゼロラはんが戦う理由はあった」
「……想像はつくが、なんだ?」
「俺が戦いたかったからや!」
シシバは目をギラギラ輝かせながらガッツポーズを決めて述べた。うん、知ってた。戦う前からこういう奴なんだってことは分かってた。
「とりあえずバクトはんには会談する機会を用意してもらうよお、コゴーダに伝えてもらうわ」
「コゴーダに?」
「あいつはそもそもバクトはんの従者やからな」
なるほど。それならあの紳士的な身なりも納得だ。
「ほな、早速コゴーダを呼ぶとするか。えーっと、呼び鈴、呼び鈴……」
そう言ってシシバは壁のスイッチを探し始めた。スイッチにはそれぞれ幹部の名前が書かれているようだ。
『コゴーダ・ヤカタ・ネモト・半裸』
……"半裸"ってサイバラのことだよな? なんであいつだけ名前じゃねえんだよ。
ビーッ
シシバが"コゴーダ"と書かれたスイッチを押すとブザーが鳴った。シシバ曰く、これで時期にコゴーダが来るそうだ――
ガチャ
「お呼びでしょうか? 頭領」
「早すぎないか? さっきスイッチ押したばかりだぞ?」
「丁度紅茶をお持ちしましたところなので」
そう言ってコゴーダは俺とシシバの前に紅茶が入ったティーカップを差し出した。
「お酒の酔い覚ましにもなるでしょう」
「俺はコーヒーの方が好きだったんだがな」
「!? ゼ、ゼロラはん!? それ言ったらアカンやつや!」
「え?」
俺がコーヒーの方が好きだと聞いて、慌てるシシバ。そして俺を見るコゴーダ。
「……コーヒー? あなたあんなものを好んで飲むのですか?」
コゴーダの顔が険しくなってる。口調もどこか怒気を含んでいる。メッチャ俺を睨んでる。
「てめぇ! あんな泥水すすってんのか!? アァ!? 紅茶の方がずっといいに決まってるだろが! オォ!?」
落ち着け、コゴーダ! ものすごいキャラ崩壊してるぞ!? 掴みかかってくるな!
「やめんか、コゴーダ! なんでお前はコーヒーの話が出てくるとそないに荒れるんや!?」
「はっ!? も、申し訳ございません! つい熱くなってしまいまして……」
……とりあえず、こいつの前でコーヒーの話をするのはもうやめよう。
「本題に戻るで。コゴーダ、バクトはんにガルペラ侯爵との協定のための会談の日取りを決めるよう伝えてくれ。どんくらいで回答は出そうや?」
「回答だけでしたら本日中には可能かと」
「そっか。ほな早速向かってくれ」
「かしこまりました」
そう言ってコゴーダは部屋を出てバクト公爵への連絡に向かって行った。
コゴーダが完全に部屋から離れたのを確認した後、シシバはつぶやいた。
「ゼロラはん、実はな……俺もホンマはコーヒー派やねん……」
「……お前も大変だな」
俺達は二人でコゴーダが持ってきた紅茶をチビチビと飲んだ。
「飲むのは構わねえが、酔っぱらって話せなくなるとかはなしだぞ」
俺はシシバに案内されてギャングレオ盗賊団の頭領室で二人酒を酌み交わしていた。
「いや、ゼロラはんの方が飲んどるからな?」
「こんなもん飲んだうちにも入らねえ」
俺は結構酒豪である。自慢ではないが、ここ二年間で酔った記憶は一度もない。……酔ってるから記憶がないわけでもない。
「飲むのもいいが、そろそろ本題に入らねえか?」
「ああ、せやな。まずは順を追って話させてもらうで」
シシバはグラスを置いて話し始めた。
「まずはゼロラはんが言うとった"ギャングレオ盗賊団の元締め"についてや。これについてはまず最初にハッキリ言うとく。元締めはおる」
やはり元締めはいたのか。裏でシシバやギャングレオ盗賊団を動かして悪徳貴族を襲っている人間ね……。
「そいつは誰なんだ?」
「……ルクガイア王国貴族。通称"三公爵"の一人。バクト公爵や」
"三公爵"のバクト公爵? "三公爵"と言えば国王に代わって権力の頂点を狙ってる連中じゃねえか?
「つまりギャングレオ盗賊団はバクト公爵が他の"三公爵"を蹴り落すための手駒だと?」
「それが違うんやな~。そもそもあの人は国盗りとか考えてへん。ぶっちゃけ俺からすると、ガルペラ侯爵と考えとることは同じやねんけどな~……」
ガルペラと考えが同じ? それってつまり……。
「あの人……バクトはんの目的は"この国の制度を一から作り直す"ことや」
"制度を一から作り直す"か……。確かにガルペラが考える"貴族制度の撤廃"とほとんど同じだな。
「戦い終わってから言うのもなんだが……別に戦わなくても協力できたんじゃねえか?」
「ところがどっこい、そうもいかんのや。バクトはんはガルペラ侯爵と違うて、"武力行使も辞さない"って考えや」
あー。それじゃ素直にガルペラには協力してくれないか。あいつは武力行使はしないって考えだし。
「ギャングレオ盗賊団かて、バクトはんと同じ考え方の人間をおびき寄せるための撒き餌でもあるが、武力行使のために準備させとった面もある。協定を結ぶにも相手の戦力が相応にないとあかんわけや」
「そうなってくると、ガルペラと協定を結んでくれるかはそのバクト公爵次第ってことか」
「せやな。俺の一存じゃ決められへん」
だが"三公爵"の一人がこちらについてくれるとなると心強いな。そうすれば王国の現在の権力図すら塗り替えられるかもしれねえ。
「あともう一つ。俺とゼロラはんが戦う理由はあった」
「……想像はつくが、なんだ?」
「俺が戦いたかったからや!」
シシバは目をギラギラ輝かせながらガッツポーズを決めて述べた。うん、知ってた。戦う前からこういう奴なんだってことは分かってた。
「とりあえずバクトはんには会談する機会を用意してもらうよお、コゴーダに伝えてもらうわ」
「コゴーダに?」
「あいつはそもそもバクトはんの従者やからな」
なるほど。それならあの紳士的な身なりも納得だ。
「ほな、早速コゴーダを呼ぶとするか。えーっと、呼び鈴、呼び鈴……」
そう言ってシシバは壁のスイッチを探し始めた。スイッチにはそれぞれ幹部の名前が書かれているようだ。
『コゴーダ・ヤカタ・ネモト・半裸』
……"半裸"ってサイバラのことだよな? なんであいつだけ名前じゃねえんだよ。
ビーッ
シシバが"コゴーダ"と書かれたスイッチを押すとブザーが鳴った。シシバ曰く、これで時期にコゴーダが来るそうだ――
ガチャ
「お呼びでしょうか? 頭領」
「早すぎないか? さっきスイッチ押したばかりだぞ?」
「丁度紅茶をお持ちしましたところなので」
そう言ってコゴーダは俺とシシバの前に紅茶が入ったティーカップを差し出した。
「お酒の酔い覚ましにもなるでしょう」
「俺はコーヒーの方が好きだったんだがな」
「!? ゼ、ゼロラはん!? それ言ったらアカンやつや!」
「え?」
俺がコーヒーの方が好きだと聞いて、慌てるシシバ。そして俺を見るコゴーダ。
「……コーヒー? あなたあんなものを好んで飲むのですか?」
コゴーダの顔が険しくなってる。口調もどこか怒気を含んでいる。メッチャ俺を睨んでる。
「てめぇ! あんな泥水すすってんのか!? アァ!? 紅茶の方がずっといいに決まってるだろが! オォ!?」
落ち着け、コゴーダ! ものすごいキャラ崩壊してるぞ!? 掴みかかってくるな!
「やめんか、コゴーダ! なんでお前はコーヒーの話が出てくるとそないに荒れるんや!?」
「はっ!? も、申し訳ございません! つい熱くなってしまいまして……」
……とりあえず、こいつの前でコーヒーの話をするのはもうやめよう。
「本題に戻るで。コゴーダ、バクトはんにガルペラ侯爵との協定のための会談の日取りを決めるよう伝えてくれ。どんくらいで回答は出そうや?」
「回答だけでしたら本日中には可能かと」
「そっか。ほな早速向かってくれ」
「かしこまりました」
そう言ってコゴーダは部屋を出てバクト公爵への連絡に向かって行った。
コゴーダが完全に部屋から離れたのを確認した後、シシバはつぶやいた。
「ゼロラはん、実はな……俺もホンマはコーヒー派やねん……」
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俺達は二人でコゴーダが持ってきた紅茶をチビチビと飲んだ。
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