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第9章 激突・ギャングレオ盗賊団
第110話 ただいま準備中
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本日は快晴なり。絶好の喧嘩日和やな。このアジト、地下にあるから天気とか関係あらへんけど。
でもこういう日にこそゼロラはんが来てほしいもんなんやが……。
「アガ……つ、強い……」
「ば、化け物……だ……」
「な~んで、どこぞの誰とも分からん冒険者なんぞの相手を俺がせにゃならんのや!?」
ゼロラはんやのうて、弱っちい冒険者が来てもうた。
「そもそもこのアジトの場所は簡単にはバレへんはずやろが!?」
「……そりゃー、カシラがゼロラが来た時分かりやすいようにって『ギャングレオ盗賊団のアジトはこちらです』って書かれた看板を外に設置したからじゃないすか……」
せやったな、サイバラ。やっぱ外に看板立てるのはアカンわ。余計な輩まで来てまう。
現在アジトはゼロラはんのために"ギャングレオ流歓迎会"の準備の真っ最中や。おかげで人手が足りんくて、俺まで出張らなあかんようになってもた。
「さてと……サイバラ。気になる歓迎会の準備はどんな感じや?」
「へい。人員の方は一般の若衆を筆頭に、火縄衆、忍衆の配置が完了してます。前線指揮はおれが。補佐としてホクチ、ナンコ、トーカイがつく予定です」
うむ。人員配置は問題なさそうやな。ゼロラはんの力を試すためには特攻隊長・サイバラをぶつけるので問題ないやろ。
「てやんでい、カシラ! カシラが待ち構える部屋へ案内するための看板の設置が終わったでい!」
お? もう終わったんか、建設現場主任・ヤカタ。
俺が『このアジトややこしいから案内ないと迷うな』って言ったばっかりやったのにもう出来上がるとは。その迅速な仕事と高い技術で今やギャングレオ盗賊団の建設部門は稼ぎ頭の筆頭や。
思えばこいつには何度助けられたことか。
「そもそも敵が来るのに案内表記とかいりますかね?」
「そら、いるやろ。間違って食堂やら大浴場やらに行ってもうたらあかんやろ」
「は~、そうですか~……」
気だるげやな、サイバラ。グラサンつけてても眉毛が垂れてんのがよう分かるで。
「カシラ。あっしが思うに、アジトに入ったすぐ辺りに『ようこそ、ゼロラ様』って看板を用意するのがいいと思いやすね」
お? そらええ考えやな、企画営業部長・ネモト。
アジトを入ってすぐなら余計な冒険者も入ってこんやろうし、『ゼロラ様』って明記しておけば誰宛てのもんかもすぐに分かるな。その痒い所に手が届く発想と管理能力のおかげでギャングレオ盗賊団の運営は成り立ってると言っても過言やない。
思えばこいつには何度助けられたことか。
「いや、それはいらないでしょ? なんで本気で歓迎ムード出しちゃうんすか?」
「そら、いるやろ。これ"歓迎会"なんやし」
「いや!? 頭に"ギャングレオ流"ってつきますからね!?」
文句多いな、サイバラ。腹の肉も心なしかいつもより跳ねて見えるぞ。
「おや? 歓迎会の準備は進んでいるようですね」
お? 帰って来たんやな、参謀長・コゴーダ。
話を聞くと明日の朝にはゼロラはんが一人でここに来るらしい。流石の交渉術や。他のモンには任せられへん仕事をやってのける。情報収集もできるし、まさにギャングレオ盗賊団のナンバー2ってところやな。
思えばこいつには何度助けられたことか。
「ッシャア! ゼロラの野郎……今度こそぶちのめしてやるぜ!」
お? 気合い入っとるな、特攻隊長・サイバラ。
こいつは……その……なんや? 確かに強いんやけど……とにかくオツム弱いわ、運がないわ、問題ばっかり起こすわ……。とりあえず腕っぷし自体はええから特攻隊長の役職に就けたのはええんやけど……。
思えばこいつのおかげで助かったことってあったっけ?
「あの? カシラ? 今、おれに対してものすごく失礼なこと思ってません?」
「そら……思うとった」
「そんな! ひどい!」
まあ、そないなことはどうでもええわ。
「とりあえずこれで準備は整ったで! さあ! "ギャングレオ四天王"ども! この歓迎会を盛大に盛り上げるんやで~!」
今こそ、幹部の意地の見せ所ってやつや!
「てやんでい? "ギャングレオ四天王"ってなんでい?」
「あっしも初めて聞きやしたね」
「恐らくはまた頭領の思い付きかと」
「この計画自体、ほとんど思い付きで進んでますよね……」
別にええやろ。なんかええ感じのネーミングやし。
「ほんなら俺は予定通り"炎脈炉"がある部屋で待ち構えとくさかい……いや、待てよ」
俺が総大将として待ち構えておく"炎脈炉"がある部屋にもなんかドスの聞いたネーミングが欲しいな。ちょっとこいつらにも聞いてみるか。
「てやんでい! だったら『火傷注意・危険地帯』に決まってるでい!」
「あっしはストレートに『ゼロラ様歓迎会会場』がいいと思いやす」
「後ろに『間』は付けたいところですね」
「いいや! ここは荒っぽく、『ここがお前の墓場』だ!」
見事に意見が分かれてもうた。……最悪、全部混ぜればええか。
「ほな、最後に各々の配置だけ確認しとくか」
「おれが前線に出る以上! ゼロラは必ずぶちのめしてみせますぜ!」
そうか。まあ、頑張れ。特攻脳筋グラサン半裸隊長。
「私も頭領の部屋の前で待ち構えておきましょう。先程実力を確認したところ、それでも問題ないかと」
コゴーダが待ち構える程の相手か。そらますます楽しみやな。
「てやんでい。俺とネモト部長は当日のアジト内整備に回るでい」
「まだまだ手が行き届いてないところもありやすからね」
「……って、ヤカタ主任とネモト部長は戦わねえのかよ!?」
しゃーないやろ。過剰戦力で迎え撃ったら、試す意味なくなってまうやないか。
あ~……それにしても明日が楽しみや……!
「ちゃ~んとこの"ギャングレオ城"に来てくれや~、ゼロラはん! た~のし~、た~のし~、喧嘩の時間や~!キッシャシャシャシャ!」
でもこういう日にこそゼロラはんが来てほしいもんなんやが……。
「アガ……つ、強い……」
「ば、化け物……だ……」
「な~んで、どこぞの誰とも分からん冒険者なんぞの相手を俺がせにゃならんのや!?」
ゼロラはんやのうて、弱っちい冒険者が来てもうた。
「そもそもこのアジトの場所は簡単にはバレへんはずやろが!?」
「……そりゃー、カシラがゼロラが来た時分かりやすいようにって『ギャングレオ盗賊団のアジトはこちらです』って書かれた看板を外に設置したからじゃないすか……」
せやったな、サイバラ。やっぱ外に看板立てるのはアカンわ。余計な輩まで来てまう。
現在アジトはゼロラはんのために"ギャングレオ流歓迎会"の準備の真っ最中や。おかげで人手が足りんくて、俺まで出張らなあかんようになってもた。
「さてと……サイバラ。気になる歓迎会の準備はどんな感じや?」
「へい。人員の方は一般の若衆を筆頭に、火縄衆、忍衆の配置が完了してます。前線指揮はおれが。補佐としてホクチ、ナンコ、トーカイがつく予定です」
うむ。人員配置は問題なさそうやな。ゼロラはんの力を試すためには特攻隊長・サイバラをぶつけるので問題ないやろ。
「てやんでい、カシラ! カシラが待ち構える部屋へ案内するための看板の設置が終わったでい!」
お? もう終わったんか、建設現場主任・ヤカタ。
俺が『このアジトややこしいから案内ないと迷うな』って言ったばっかりやったのにもう出来上がるとは。その迅速な仕事と高い技術で今やギャングレオ盗賊団の建設部門は稼ぎ頭の筆頭や。
思えばこいつには何度助けられたことか。
「そもそも敵が来るのに案内表記とかいりますかね?」
「そら、いるやろ。間違って食堂やら大浴場やらに行ってもうたらあかんやろ」
「は~、そうですか~……」
気だるげやな、サイバラ。グラサンつけてても眉毛が垂れてんのがよう分かるで。
「カシラ。あっしが思うに、アジトに入ったすぐ辺りに『ようこそ、ゼロラ様』って看板を用意するのがいいと思いやすね」
お? そらええ考えやな、企画営業部長・ネモト。
アジトを入ってすぐなら余計な冒険者も入ってこんやろうし、『ゼロラ様』って明記しておけば誰宛てのもんかもすぐに分かるな。その痒い所に手が届く発想と管理能力のおかげでギャングレオ盗賊団の運営は成り立ってると言っても過言やない。
思えばこいつには何度助けられたことか。
「いや、それはいらないでしょ? なんで本気で歓迎ムード出しちゃうんすか?」
「そら、いるやろ。これ"歓迎会"なんやし」
「いや!? 頭に"ギャングレオ流"ってつきますからね!?」
文句多いな、サイバラ。腹の肉も心なしかいつもより跳ねて見えるぞ。
「おや? 歓迎会の準備は進んでいるようですね」
お? 帰って来たんやな、参謀長・コゴーダ。
話を聞くと明日の朝にはゼロラはんが一人でここに来るらしい。流石の交渉術や。他のモンには任せられへん仕事をやってのける。情報収集もできるし、まさにギャングレオ盗賊団のナンバー2ってところやな。
思えばこいつには何度助けられたことか。
「ッシャア! ゼロラの野郎……今度こそぶちのめしてやるぜ!」
お? 気合い入っとるな、特攻隊長・サイバラ。
こいつは……その……なんや? 確かに強いんやけど……とにかくオツム弱いわ、運がないわ、問題ばっかり起こすわ……。とりあえず腕っぷし自体はええから特攻隊長の役職に就けたのはええんやけど……。
思えばこいつのおかげで助かったことってあったっけ?
「あの? カシラ? 今、おれに対してものすごく失礼なこと思ってません?」
「そら……思うとった」
「そんな! ひどい!」
まあ、そないなことはどうでもええわ。
「とりあえずこれで準備は整ったで! さあ! "ギャングレオ四天王"ども! この歓迎会を盛大に盛り上げるんやで~!」
今こそ、幹部の意地の見せ所ってやつや!
「てやんでい? "ギャングレオ四天王"ってなんでい?」
「あっしも初めて聞きやしたね」
「恐らくはまた頭領の思い付きかと」
「この計画自体、ほとんど思い付きで進んでますよね……」
別にええやろ。なんかええ感じのネーミングやし。
「ほんなら俺は予定通り"炎脈炉"がある部屋で待ち構えとくさかい……いや、待てよ」
俺が総大将として待ち構えておく"炎脈炉"がある部屋にもなんかドスの聞いたネーミングが欲しいな。ちょっとこいつらにも聞いてみるか。
「てやんでい! だったら『火傷注意・危険地帯』に決まってるでい!」
「あっしはストレートに『ゼロラ様歓迎会会場』がいいと思いやす」
「後ろに『間』は付けたいところですね」
「いいや! ここは荒っぽく、『ここがお前の墓場』だ!」
見事に意見が分かれてもうた。……最悪、全部混ぜればええか。
「ほな、最後に各々の配置だけ確認しとくか」
「おれが前線に出る以上! ゼロラは必ずぶちのめしてみせますぜ!」
そうか。まあ、頑張れ。特攻脳筋グラサン半裸隊長。
「私も頭領の部屋の前で待ち構えておきましょう。先程実力を確認したところ、それでも問題ないかと」
コゴーダが待ち構える程の相手か。そらますます楽しみやな。
「てやんでい。俺とネモト部長は当日のアジト内整備に回るでい」
「まだまだ手が行き届いてないところもありやすからね」
「……って、ヤカタ主任とネモト部長は戦わねえのかよ!?」
しゃーないやろ。過剰戦力で迎え撃ったら、試す意味なくなってまうやないか。
あ~……それにしても明日が楽しみや……!
「ちゃ~んとこの"ギャングレオ城"に来てくれや~、ゼロラはん! た~のし~、た~のし~、喧嘩の時間や~!キッシャシャシャシャ!」
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