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第8章 気付き始めた思い
第95話 振り回されてます
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「キャー! かわいいー!」
「やっぱり似合うわ~!」
お姉ちゃんの話を聞いて自分はスタアラ魔法聖堂に来ました。
ミリアさんは他のシスターさん達とお話の最中だったようで、最初はツンツンしながらも自分のことを出迎えてくれました。
その後、シスターさん達とも一緒にお話をしていたのですが……。
「なーんで自分がシスター服を着てるんですかー!?」
いつの間にかシスターさん達にシスター用の修道服を着せられてました。
「やっぱりラルフル君は女の子の服が似合うわよね~」
「今度はこっちの衣装も着てみない?」
うわ!? すっごいフリフリの衣装が出てきましたよ!? あんなの着たくないです! もっとカッコいい衣装を着たいです! ミリアさんも見てるだけじゃなくて止めてください!
「くそ……! 似合う……! かわいい……!」
ミリアさん!? なんで顔を押さえて震えてるんですか!? 『似合う』ってなんですか!?
もう収拾がつかなくなる前に助けてくださーい!
■
ジト~
「ご、ごめんってラルフル。機嫌治してって」
なんとか自分の着せ替えショーから脱出した後、自分はミリアさんをジト目で見続けてます。
「なんですぐに止めてくれなかったんですか?」
「そ、それは……アンタすごく似合ってたから……」
不服です。自分は"かわいい"じゃ"かっこいい"男を目指してます。最近は身体も鍛えているので結構かっこよくなってきたと思うのですが?
ジト~
「だからその目をやめてって!」
「こうなったら、ミリアさんがもっと自分を見る目を変えるように、ゼロラさんぐらいに鍛えます!」
ゼロラさんのように筋肉モリモリになれば、ミリアさんだって自分を"かわいい"じゃなくて"かっこいい"と思ってくれるはずです!
「……ごめん。それだけはやめて」
止められました。
「アンタがゼロラさんみたいになるってのは……もう色々違う。アンタには似合わない」
ミリアさんは筋肉モリモリが苦手なんでしょうか? すごく悲しそうな表情で止められたので、いったんモリモリはやめることにしました。
「それよりもね、アタシなりに考えてみたんだけど、ガルペラ侯爵に協力してくれそうな人がいるのよ」
「そうなんですか? 誰ですか?」
「ギャングレオ盗賊団頭領、【隻眼の凶鬼】、シシバ」
ギャングレオ盗賊団の頭領!? でもそれって確か……!
「以前ミリアさんを襲った人たちでしょう!?」
「正確にはアタシと一緒の馬車に乗ってたドーマン男爵をね。アタシのことは襲わないどころか、頭領のシシバ自ら『我々はドーマン男爵のみが狙いです』ってハッキリと……いや、どちらかというと体面的に言ってきたのよ」
意味はよく分かりませんが、ギャングレオ盗賊団は貴族のみを狙って動いてるということですよね。それならば確かに味方になってくれるかもしれませんが……。
「でもギャングレオ盗賊団ってかなり荒っぽい人達って聞いてます。特に頭領のシシバはかなり狂った人間だとも……」
「だからガルペラ侯爵達と話し合ってみる必要がある。今度ゼロラさんも交えて話すつもりよ」
ガルペラ侯爵は今忙しいそうですが、時間ができたら話してみるのもありでしょう。
「そろそろ自分は帰りますね。もうすぐロギウス殿下が王宮に戻ってこられるので、その準備もありますし」
「そういえばそうみたいね。あの人が王宮に戻ってくるなんて珍しい……」
国王・ルクベール三世陛下の一人息子であるこの国の王子・ロギウス殿下。
長い間後学のために諸国を回っていたそうですが、その人が帰ってくるということで王宮は大忙しです。
勇者レイキース様、賢者リフィー様、王国騎士団長の魔法戦士バルカウス様といった魔王討伐メンバーも揃うそうです。
「当分は自分も仕事でこちらに来ることはできませんが、ご了承ください」
「分かってるわよ。仕事、頑張ってね」
チュッ
ミリアさんから励ましのキスをもらいました。慣れてきたとはいえ、やっぱりまだ恥ずかしいです。
「やっぱり似合うわ~!」
お姉ちゃんの話を聞いて自分はスタアラ魔法聖堂に来ました。
ミリアさんは他のシスターさん達とお話の最中だったようで、最初はツンツンしながらも自分のことを出迎えてくれました。
その後、シスターさん達とも一緒にお話をしていたのですが……。
「なーんで自分がシスター服を着てるんですかー!?」
いつの間にかシスターさん達にシスター用の修道服を着せられてました。
「やっぱりラルフル君は女の子の服が似合うわよね~」
「今度はこっちの衣装も着てみない?」
うわ!? すっごいフリフリの衣装が出てきましたよ!? あんなの着たくないです! もっとカッコいい衣装を着たいです! ミリアさんも見てるだけじゃなくて止めてください!
「くそ……! 似合う……! かわいい……!」
ミリアさん!? なんで顔を押さえて震えてるんですか!? 『似合う』ってなんですか!?
もう収拾がつかなくなる前に助けてくださーい!
■
ジト~
「ご、ごめんってラルフル。機嫌治してって」
なんとか自分の着せ替えショーから脱出した後、自分はミリアさんをジト目で見続けてます。
「なんですぐに止めてくれなかったんですか?」
「そ、それは……アンタすごく似合ってたから……」
不服です。自分は"かわいい"じゃ"かっこいい"男を目指してます。最近は身体も鍛えているので結構かっこよくなってきたと思うのですが?
ジト~
「だからその目をやめてって!」
「こうなったら、ミリアさんがもっと自分を見る目を変えるように、ゼロラさんぐらいに鍛えます!」
ゼロラさんのように筋肉モリモリになれば、ミリアさんだって自分を"かわいい"じゃなくて"かっこいい"と思ってくれるはずです!
「……ごめん。それだけはやめて」
止められました。
「アンタがゼロラさんみたいになるってのは……もう色々違う。アンタには似合わない」
ミリアさんは筋肉モリモリが苦手なんでしょうか? すごく悲しそうな表情で止められたので、いったんモリモリはやめることにしました。
「それよりもね、アタシなりに考えてみたんだけど、ガルペラ侯爵に協力してくれそうな人がいるのよ」
「そうなんですか? 誰ですか?」
「ギャングレオ盗賊団頭領、【隻眼の凶鬼】、シシバ」
ギャングレオ盗賊団の頭領!? でもそれって確か……!
「以前ミリアさんを襲った人たちでしょう!?」
「正確にはアタシと一緒の馬車に乗ってたドーマン男爵をね。アタシのことは襲わないどころか、頭領のシシバ自ら『我々はドーマン男爵のみが狙いです』ってハッキリと……いや、どちらかというと体面的に言ってきたのよ」
意味はよく分かりませんが、ギャングレオ盗賊団は貴族のみを狙って動いてるということですよね。それならば確かに味方になってくれるかもしれませんが……。
「でもギャングレオ盗賊団ってかなり荒っぽい人達って聞いてます。特に頭領のシシバはかなり狂った人間だとも……」
「だからガルペラ侯爵達と話し合ってみる必要がある。今度ゼロラさんも交えて話すつもりよ」
ガルペラ侯爵は今忙しいそうですが、時間ができたら話してみるのもありでしょう。
「そろそろ自分は帰りますね。もうすぐロギウス殿下が王宮に戻ってこられるので、その準備もありますし」
「そういえばそうみたいね。あの人が王宮に戻ってくるなんて珍しい……」
国王・ルクベール三世陛下の一人息子であるこの国の王子・ロギウス殿下。
長い間後学のために諸国を回っていたそうですが、その人が帰ってくるということで王宮は大忙しです。
勇者レイキース様、賢者リフィー様、王国騎士団長の魔法戦士バルカウス様といった魔王討伐メンバーも揃うそうです。
「当分は自分も仕事でこちらに来ることはできませんが、ご了承ください」
「分かってるわよ。仕事、頑張ってね」
チュッ
ミリアさんから励ましのキスをもらいました。慣れてきたとはいえ、やっぱりまだ恥ずかしいです。
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