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第7章 家族
第80話 悪魔
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「お母さん……なんで……なんで死んじゃったんですかぁ……!」
「母さん……! ラルフル……!」
まだ私もラルフルも幼かったころ、私たち家族の生活は魔王軍の突然の襲来により、一瞬で崩壊してしまった。
母さんは領民と、自らの子である私とラルフルを守るために死んだ。
母さんの棺の前で泣き崩れるラルフルを抱えながら私も涙を流す。
「使えない女だ。病弱でまともに内政もできないどころか、俺の領地も満足に守れないのか?」
母さんの死に対して放った父の言葉はあまりに冷たすぎるものであった。
こんな人が私とラルフルの父親なの?
なんで母さんが死んだのに涙も流さないの?
この人は遊ぶばかりで何をしていたというの?
許せない、許せない、許せない!
本当は母さんじゃなくて、この男が死ぬべきだったんだ!
この男は父親じゃない! このまま生きるなんて許さない!
「君は復讐を望むかね? だが、それは我ら魔王軍を矛先とするわけではないようだ」
私に一人の男が近づいてきた。目の下に炎のような模様がついた、光のない瞳を持つ、魔族と思われる男が。
「あなたは……誰?」
「魔王軍四天王の一人……とだけ、言っておこうか」
魔王軍四天王……。【伝説の魔王】と直接"血の契約"を交わした、魔王軍の最高幹部。
そんな人がなぜここに?
「君の質問に答えるつもりはない。だが、一つ君から聞かせてほしい。……望むならばもう一度襲撃してやろうか? なぁに、今度は君の父のみを標的としよう。"魔王軍四天王"の肩書の元、我らが主、【伝説の魔王】ジョウイン公に頼めば、三日後にはジョウイン公自ら、君の父を殺してくれるだろう。他の被害を抑え、自然な形で……な!」
それは悪魔の言葉だった。あの男を殺してくれる……。そのために【伝説の魔王】まで動かすことができる。
「だが、こういった契約には対価が必要だ。君の身で払うことになるが……構わないかな?」
契約の対価は私が魔王軍の奴隷となること。そうすれば【伝説の魔王】が動いてくれる。あの男を殺してくれる。
奴隷になればラルフルとは離れ離れになる。
この悪魔の契約を交わせば、私は人類の裏切り者になる。
でも、そんなことはどうでもいい。
あの男を殺せるのならば。そして、ラルフルをあの男から守れるのならば……!
「お願いします……。あの男を……私の父を殺してください!!」
「ハッハッハッ。交渉成立……だな」
私の答えを聞いた魔王軍四天王は煙と共に姿を消した。
そして、三日後に魔王軍が再来した。
その先頭には、圧倒的な力で目を向けることさえ難しい【伝説の魔王】が立っていた。
それでも私は【伝説の魔王】に目を向け続けた。
領土内の戦士たちを一蹴しつつ、あの男がいた屋敷へと向かう。他の物には目もくれない。本当にあの男だけを狙って動いていた。
そしてあの男は……父は殺された。【伝説の魔王】の手によって。
他の被害も大きかったが、あの男以外に死人は出なかった。
【伝説の魔王】は、契約を守ってくれた。
「ブヒヒヒヒ。このお嬢ちゃんがダンジェロ様のおっしゃっていた、契約者ですな?」
戦いの最中、一人になった私の元に二人の魔族が現れた。
一人はオーク。そしてもう一人は……。
「この娘の扱いはオクバ、お前に任せよう……」
「ブヒヒヒ。わかりやした、魔王ジョウイン公」
仮面で顔を隠すも、その膨大な魔力が誰にでも感じることができる魔王軍の総大将……。
【伝説の魔王】……ジョウイン!
そうして私はオクバという名のオークに連れ去られ、魔王軍の奴隷となった。
「母さん……! ラルフル……!」
まだ私もラルフルも幼かったころ、私たち家族の生活は魔王軍の突然の襲来により、一瞬で崩壊してしまった。
母さんは領民と、自らの子である私とラルフルを守るために死んだ。
母さんの棺の前で泣き崩れるラルフルを抱えながら私も涙を流す。
「使えない女だ。病弱でまともに内政もできないどころか、俺の領地も満足に守れないのか?」
母さんの死に対して放った父の言葉はあまりに冷たすぎるものであった。
こんな人が私とラルフルの父親なの?
なんで母さんが死んだのに涙も流さないの?
この人は遊ぶばかりで何をしていたというの?
許せない、許せない、許せない!
本当は母さんじゃなくて、この男が死ぬべきだったんだ!
この男は父親じゃない! このまま生きるなんて許さない!
「君は復讐を望むかね? だが、それは我ら魔王軍を矛先とするわけではないようだ」
私に一人の男が近づいてきた。目の下に炎のような模様がついた、光のない瞳を持つ、魔族と思われる男が。
「あなたは……誰?」
「魔王軍四天王の一人……とだけ、言っておこうか」
魔王軍四天王……。【伝説の魔王】と直接"血の契約"を交わした、魔王軍の最高幹部。
そんな人がなぜここに?
「君の質問に答えるつもりはない。だが、一つ君から聞かせてほしい。……望むならばもう一度襲撃してやろうか? なぁに、今度は君の父のみを標的としよう。"魔王軍四天王"の肩書の元、我らが主、【伝説の魔王】ジョウイン公に頼めば、三日後にはジョウイン公自ら、君の父を殺してくれるだろう。他の被害を抑え、自然な形で……な!」
それは悪魔の言葉だった。あの男を殺してくれる……。そのために【伝説の魔王】まで動かすことができる。
「だが、こういった契約には対価が必要だ。君の身で払うことになるが……構わないかな?」
契約の対価は私が魔王軍の奴隷となること。そうすれば【伝説の魔王】が動いてくれる。あの男を殺してくれる。
奴隷になればラルフルとは離れ離れになる。
この悪魔の契約を交わせば、私は人類の裏切り者になる。
でも、そんなことはどうでもいい。
あの男を殺せるのならば。そして、ラルフルをあの男から守れるのならば……!
「お願いします……。あの男を……私の父を殺してください!!」
「ハッハッハッ。交渉成立……だな」
私の答えを聞いた魔王軍四天王は煙と共に姿を消した。
そして、三日後に魔王軍が再来した。
その先頭には、圧倒的な力で目を向けることさえ難しい【伝説の魔王】が立っていた。
それでも私は【伝説の魔王】に目を向け続けた。
領土内の戦士たちを一蹴しつつ、あの男がいた屋敷へと向かう。他の物には目もくれない。本当にあの男だけを狙って動いていた。
そしてあの男は……父は殺された。【伝説の魔王】の手によって。
他の被害も大きかったが、あの男以外に死人は出なかった。
【伝説の魔王】は、契約を守ってくれた。
「ブヒヒヒヒ。このお嬢ちゃんがダンジェロ様のおっしゃっていた、契約者ですな?」
戦いの最中、一人になった私の元に二人の魔族が現れた。
一人はオーク。そしてもう一人は……。
「この娘の扱いはオクバ、お前に任せよう……」
「ブヒヒヒ。わかりやした、魔王ジョウイン公」
仮面で顔を隠すも、その膨大な魔力が誰にでも感じることができる魔王軍の総大将……。
【伝説の魔王】……ジョウイン!
そうして私はオクバという名のオークに連れ去られ、魔王軍の奴隷となった。
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