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第2章 動く運命の前兆
第19話 対決・ギャングレオ盗賊団特攻隊長①
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気合いを入れなおしたサイバラは前屈姿勢になる。俺が使ったことのないスタイルだが、この構えには見覚えがある。ジャンから貰った本に書かれていた、"東洋のレスリング"とも呼ばれているスタイル……。
「ハッケ・ヨーイ・ノッコター!!」
「うおぉ!?」
前屈姿勢からの突進! そこから放たれる張り手! やはりこいつが使うスタイルは……!
「<相撲>か……!」
「よく知ってるじゃねーか! このパワー! 突進! 突破力! てめーでも防ぎきれまい!」
サイバラは連続で張り手を放ち、こちらに反撃の機会を与えてこない。サイバラは身長こそ俺より少し低いが、重量とそれに伴うパワーは俺以上だ。これは厄介だ。これまで戦ってきた相手の中でも恐らく最強だろう。
「どうした、どうしたー!? 逃げるばかりじゃ……ドブフ!?」
だが、対策がないわけではない。本で読んだ知識だと、相撲には蹴り技がない。ならば蹴りを主体に下段を攻めれば対抗できる!
「いってぇじゃねーかー! だが、甘っちょろいんだよ!!」
「なに!?」
サイバラは蹴りにひるまず、俺に組みかかってきた。なんてパワーだ! 組み解けない!?
「シャウラァア!」
ブオンッ!
サイバラの気合いの一声と共に俺は投げ飛ばされた。受け身をとって立て直すことはできたが、この俺がここまで押されるのは初めての経験だ。
「チィ! 立て直しやがったか!」
「大した腕前だな。流石はギャングレオ盗賊団の幹部ってところか……!」
サイバラの実力は本物だ。下手に手加減など考えて勝てる相手ではない。
「おもしれえ……! やっぱりてめえとなら、久しぶりに"本物の喧嘩"ができそうだぜ……!」
「あん? 何を言って……」
俺は構えを変えて再びサイバラと向かい合った。
◇◇◇
ゼロラさんがこの店を襲っている? この店をギャングレオ盗賊団が守っている?
そんな疑問もありましたが、今ゼロラさんが戦っている様子を見て驚きました。あのゼロラさんが投げ飛ばされてしまったのです。
ダメージは大きくないようですが、それでもゼロラさんのほうが押され気味に見えます。あのサイ……サイ……グラサン半裸さんは相当強いです。
ですが、自分はゼロラさんが勝つと思います。グラサン半裸さんは完全なパワータイプの戦い方です。もし自分が同じ状況なら、パワーで勝負せず……。
「フンッ! シュッ! ラァ!」
「この!? てめえ!? ちょこまかと!?」
スピードで勝負します! ゼロラさんも同じように素早いパンチとキックに回避動作を加えたスタイルで対抗し始めました。
「くそがー!? なんだその動きは!? てめーなんだってそんなに複数のスタイルを使いやがる!?」
「<キックボクシング>と<ムエタイ>ってスタイルだ。俺は複数のスタイルを使い分ける主義でな」
ゼロラさんがスタイルを変えてからは一方的な展開となり、グラサン半裸さんの攻撃は当たらず、ゼロラさんの攻撃によるダメージが少しずつ蓄積していきます。こうなった以上、ゼロラさんの勝利は固いです!
◇◇◇
「ゼェ、ゼェ。やるじゃねえか、おっさん。おれがここまでてこずったのはカシラと戦った時以来だぜ……」
「カシラ? ギャングレオ盗賊団の頭領か」
「ああ、そうだ。おっさんの実力は確かだが、おれもカシラにしごかれてきたんでね」
スタイルを変えてからは俺の一方的な展開に持ち込むことができていた。だが、何かおかしい。俺が当ててきた攻撃のダメージは確実に重なっているはずだが、サイバラには思った以上にダメージが通っていない。
それにこのサイバラという男……。会話に余裕が見えるところを見ると、まだ"奥の手"を隠し持っているような気さえする。
「余計なおしゃべりはいらねえな。喋る暇があるならてめぇももうちょっと本気を出したらどうだ?」
「言ってくれるぜ……! お望み通り、おれのとっておきを見せてやるよぉ!!」
そう言ってサイバラは全身に力を籠め始める。するとサイバラの全身に電流のようなものが走っているのが見えてきた。
「サ、サイバラの兄貴!? その技は店の中で使うには危ないでヤンショ!?」
「うっせー! ここで負けたらギャングレオの沽券に関わるだろーが!」
「い、いや! それ使ったら店の方がまずいでゴンス!」
「せめて外で使ってくださいでアリンス!」
子分三人が何やら動揺している。一体何がどうなるっていうんだ?
そう考えながら構えていたらサイバラの張り手が再び襲い掛かってきた。
ドゴォ!!
寸前のところで躱したが、その威力は先程までより上がっていた。
「これがおれのとっておき! <電撃肉体強化魔法>だ!!」
「ハッケ・ヨーイ・ノッコター!!」
「うおぉ!?」
前屈姿勢からの突進! そこから放たれる張り手! やはりこいつが使うスタイルは……!
「<相撲>か……!」
「よく知ってるじゃねーか! このパワー! 突進! 突破力! てめーでも防ぎきれまい!」
サイバラは連続で張り手を放ち、こちらに反撃の機会を与えてこない。サイバラは身長こそ俺より少し低いが、重量とそれに伴うパワーは俺以上だ。これは厄介だ。これまで戦ってきた相手の中でも恐らく最強だろう。
「どうした、どうしたー!? 逃げるばかりじゃ……ドブフ!?」
だが、対策がないわけではない。本で読んだ知識だと、相撲には蹴り技がない。ならば蹴りを主体に下段を攻めれば対抗できる!
「いってぇじゃねーかー! だが、甘っちょろいんだよ!!」
「なに!?」
サイバラは蹴りにひるまず、俺に組みかかってきた。なんてパワーだ! 組み解けない!?
「シャウラァア!」
ブオンッ!
サイバラの気合いの一声と共に俺は投げ飛ばされた。受け身をとって立て直すことはできたが、この俺がここまで押されるのは初めての経験だ。
「チィ! 立て直しやがったか!」
「大した腕前だな。流石はギャングレオ盗賊団の幹部ってところか……!」
サイバラの実力は本物だ。下手に手加減など考えて勝てる相手ではない。
「おもしれえ……! やっぱりてめえとなら、久しぶりに"本物の喧嘩"ができそうだぜ……!」
「あん? 何を言って……」
俺は構えを変えて再びサイバラと向かい合った。
◇◇◇
ゼロラさんがこの店を襲っている? この店をギャングレオ盗賊団が守っている?
そんな疑問もありましたが、今ゼロラさんが戦っている様子を見て驚きました。あのゼロラさんが投げ飛ばされてしまったのです。
ダメージは大きくないようですが、それでもゼロラさんのほうが押され気味に見えます。あのサイ……サイ……グラサン半裸さんは相当強いです。
ですが、自分はゼロラさんが勝つと思います。グラサン半裸さんは完全なパワータイプの戦い方です。もし自分が同じ状況なら、パワーで勝負せず……。
「フンッ! シュッ! ラァ!」
「この!? てめえ!? ちょこまかと!?」
スピードで勝負します! ゼロラさんも同じように素早いパンチとキックに回避動作を加えたスタイルで対抗し始めました。
「くそがー!? なんだその動きは!? てめーなんだってそんなに複数のスタイルを使いやがる!?」
「<キックボクシング>と<ムエタイ>ってスタイルだ。俺は複数のスタイルを使い分ける主義でな」
ゼロラさんがスタイルを変えてからは一方的な展開となり、グラサン半裸さんの攻撃は当たらず、ゼロラさんの攻撃によるダメージが少しずつ蓄積していきます。こうなった以上、ゼロラさんの勝利は固いです!
◇◇◇
「ゼェ、ゼェ。やるじゃねえか、おっさん。おれがここまでてこずったのはカシラと戦った時以来だぜ……」
「カシラ? ギャングレオ盗賊団の頭領か」
「ああ、そうだ。おっさんの実力は確かだが、おれもカシラにしごかれてきたんでね」
スタイルを変えてからは俺の一方的な展開に持ち込むことができていた。だが、何かおかしい。俺が当ててきた攻撃のダメージは確実に重なっているはずだが、サイバラには思った以上にダメージが通っていない。
それにこのサイバラという男……。会話に余裕が見えるところを見ると、まだ"奥の手"を隠し持っているような気さえする。
「余計なおしゃべりはいらねえな。喋る暇があるならてめぇももうちょっと本気を出したらどうだ?」
「言ってくれるぜ……! お望み通り、おれのとっておきを見せてやるよぉ!!」
そう言ってサイバラは全身に力を籠め始める。するとサイバラの全身に電流のようなものが走っているのが見えてきた。
「サ、サイバラの兄貴!? その技は店の中で使うには危ないでヤンショ!?」
「うっせー! ここで負けたらギャングレオの沽券に関わるだろーが!」
「い、いや! それ使ったら店の方がまずいでゴンス!」
「せめて外で使ってくださいでアリンス!」
子分三人が何やら動揺している。一体何がどうなるっていうんだ?
そう考えながら構えていたらサイバラの張り手が再び襲い掛かってきた。
ドゴォ!!
寸前のところで躱したが、その威力は先程までより上がっていた。
「これがおれのとっておき! <電撃肉体強化魔法>だ!!」
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