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前世編 ※倫理観崩壊、閲覧注意
忌み子が生まれ落ちるまで【前編】
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生まれた時から誰にも愛されていなかった
もっと言えば生まれる前から
私に愛される喜びを教えてくれたのはあなた。
たとえそれが誰かを傷付ける事になろうと、私はあなたに愛され必要とされる事が幸せだった。
たとえ外の世界など知らなくても、あなたが傍にいればそれだけで充分だったし、あなたがくれる愛情以外に欲しいものなんてなかったの。
私の居場所はあなたの隣で、心安らげるのはあなたの腕の中でしかなかったから。
全部全部全部、あなたが与えてくれたの。
だから私は願った。
もう一度、あなたに巡り会いたいと。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
これは、とある時代にとある国で暮らすとある筆頭公爵家一家のお話。
若くして公爵を継いだマークスと正妻アマンダには子供がおらず、本邸にて共に暮らす第二夫人ミリルとの間には三人の子供を儲けていた。
高度な教育を受けた長男とスペアの次男は容姿に優れ、頭脳明晰と評判も人気も高い。
長女は見目麗しく優秀で、王太子の婚約者。
“国内一の美しさを誇る淑女”と名高い由緒正しき侯爵家の女性を正妻に迎え、第二夫人に贅沢をさせても尚有り余るだけの財力を保有。
多くの貴族男性は羨望の眼差し向けて
「美しい妻をふたりも迎えて、かつ優秀な跡継ぎにも恵まれるなど羨ましい」
と愚痴混じりに語り、女性達は
「正妻と第二夫人が軋轢なく生活するなんて無理に決まっているわ。しかも子供は全て第二夫人との間に生まれただけでしょう?何かあるわ」
と話しその実情を知ろうと躍起になった。
マークスとアマンダは幼少期に婚約が結ばれ、成長しても仲睦まじいと評判だったが、結婚式をふた月後に控えたある日、突如としてアマンダの異母妹ミリルとの間に不貞と妊娠が発覚。
それまで、マークスとミリルが近しい間柄であるなど誰も気付いておらず、振り返れば唯一、数ヶ月前の夜会でふたりきりの会話を楽しんでいた…といった程度。
衝撃的な事実に誰しもが事の成行を見守ったが、この時、もしもマークスが次期公爵として如何なる才もなく後継者としての器ではないと判断されれば、躊躇なく廃嫡されていただろう。
けれどマークスの優れた才能と築き上げてきた実力は実証されており、不貞以外に落ち度なしと結論づけられた為、婚約者と予定通り婚姻の義を行い、その上で不貞相手である妊婦の異母妹を第二夫人として迎え入れる事を了承された。
「まぁ…たった一度の過ちくらいはあるものだ」
「たった一度の過ちで身篭るとは災難だったな」
と男性達は口々に彼を擁護し、
「異母妹の母親は平民の愛人でしょ?」
「うまいことやったわよね」
「婚約者のご令嬢はお可哀想に…」
と女性達は婚約者令嬢を慮る様子を見せつつ、茶会などへ積極的に招待し内情を知ろうとする。
「婚約者には申し訳無いことをした…けれど、男として犯した過ちの責任は取る」
沈痛な面持ちでそう語り、不貞発覚後も婚約者と真摯に向き合う姿勢に周囲は同情し、きちんと責任を取った彼を受け入れ始めた。
そもそも、この国で愛人を囲う事は珍しくない。
そんな状況に彼は人知れず口角をあげるが、それに気付く者は誰ひとりとしていなかった。
美しく聡明な女性へと成長し、優秀であり次期公爵夫人として申し分ない婚約者を手放すつもりなど毛頭なく、たった一度の過ち…周囲は何故か勝手にそう思っているが、実際のところ異母妹と肉体関係を持ったのは数年前から。
その行為に愛情などはなかったが、ある計画を実行するにあたり異母妹を繋ぎ止めておく為に必要で、手っ取り早くその手段に肉体関係を用いただけであるが、異母妹本人にもそうと知られないよう、周囲の目を盗んで甘い言葉も囁いていた。
都合のいい事にミリルは異母姉の婚約者に本気で横恋慕しており、手懐けるのは至極容易。
軽い口付けから肉体関係に進むまで時間はかからず、あっという間にマークスの手駒として手中に収めることを成功させた。
「わたしの事、捨てないでね」
「捨てるわけがない。君は俺にとって必要な存在なんだから…いつまでも傍にいて欲しい」
当初は正妻になりたいと駄々をこねたが、第二夫人であれば面倒な仕事などせず贅沢をするだけの生活を送る事が出来ると言われ、次第にミリルの目的はその方向へと軌道修正されていく。
「仕方ないから、正妻の座は賢いだけが取り柄の異母姉に譲ってあげるわ」
その為にもアマンダは勿論のこと周囲に露見しないよう徹底し、陰でマークスとの快楽に溺れる状況に背徳感と優越感を感じ始める。
全てはマークスが思い描く“計画”の為。
マークスの計画ではアマンダとの婚姻後にミリルを第二夫人として迎え入れ、子もミリルとの間だけに儲けるつもりでいたのだが、ある日の夜会で気持ちが昂り“一度くらいなら”と避妊を怠り孕ませてしまった。
これはマークスの落ち度であり想定外。
アマンダには時間をかけて第二夫人を迎える事を説得するつもりでいたが、結婚する事自体に難色を示し始めた。
当然と言えば当然の結果であろう。
だが結婚式はふた月後であり、筆頭公爵家嫡男の婚儀とあって他国からも招待客が来る。
何より、歴史ある侯爵家とはいえ財源は苦しく公爵家からの支度金をあてにしている両親に、不貞如きで破棄など認めないと叱責されていた。
「貴族なら愛人のひとりやふたりいるものだ」
そう言う父親も愛人がおり、その娘がミリル。
もしも破棄するならミリルを嫁がせ、アマンダの事は勘当するか支度金の多い別の家に嫁がせると言われてしまい、行き場のなくなったアマンダは裏切りを働いた婚約者に縋りついた。
「俺はアマンダを生涯かけて愛し抜くよ」
本来なら裏切った奴が何を言う…と思うところだが、深く傷ついたにも関わらず両親までが責めたてたところに優しく抱き締められ、自分にはマークスしかいないと思い込んだ。
それはきっと、ボロボロになった心を守る為の自衛本能と自己洗脳だったのだろう。
「愛してるよ、アマンダ。君だけを」
婚姻前に関係を持つなど否定的だったアマンダであったが、そのせいで異母妹の毒牙にかかったのだと考え体を許した。
何度も何度も奥を貫かれ、いかに愛しているか、いかに大切だと思っているかを謝罪の言葉と共に囁きながら、全身に愛する人の温もりを感じてアマンダは更にマークスへ陶酔していく。
そして異母妹のように自分もマークスの子を孕みたいと願いを込め、体内に吐き出され広がる温もりを必死で受け止めた。
その後、予定通りに執り行われた結婚式。
ミリルは大きくなり始めたお腹をこれみよがしに撫でながら、堂々と家族席に座り参列。
その姿にアマンダは嫉妬するが、ミリルとの婚儀は行わないとマークス本人から聞いていた為、仕返しとばかりに長い時間をかけ誓いのキスを見せつけた。
マークスの愛をより多く得ようとするアマンダとミリルは、それがマークスの“狙い通り”である事に気付く事はない。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
公爵家にて始まった結婚生活。
誰もが、第二夫人は通例通り別館に住まうものと考えていた…と言うより、それ以外にない。
「え!?ふたりとも本邸なの!?」
正妻と第二夫人を本館に住まわせていると知るや否や、その生活ぶりを知った周囲は驚愕した。
「妊娠している第二夫人が身近にいるなんて…」
そう慮る女性達が多かったが、それはアマンダの現状をずばり的確に捉えたものである。
婚姻後に同居が始まると同時にアマンダの心労は徐々に大きくなり、元より華奢で儚げな雰囲気であったがより一層の庇護欲を煽るような様相となっていった。
これまで以上にマークスへの執着を見せ依存し…かと思えば、マークスを試すようにわざと距離を置こうとしたり冷たい態度を取ったりする。
何をしてもマークスが離れず応えて甘やかしてくれる事で、アマンダは心の安寧を図った。
「もっと一緒にいたいの…傍にいて…お願い…」
依存し独占欲を隠すことなく甘えてくるアマンダの様子は、マークスの心を満たした。
幼少期から純粋に育ってきたアマンダの想いは歪められてしまったが、裏切られても尚マークスへの愛情は断ち切れず、ミリルとの不貞を知ってからも、ミリルの妊娠を知ってからも、ミリルを第二夫人として迎えると言われてからもそれは変わらない。
それは、宣言通りに責任を取る形でミリルを第二夫人として迎え入れたものの、常に傍に寄り添い自分を優先してくれたからでもある。
「わたくしも早く子が欲しいわ……」
ミリルの産み月が近付くにつれ膨らみを増す腹に嫉妬し、自身も身篭る事を強く望むようになるが一向にその気配や兆候は現れない。
夜毎溺れる程に愛され、幾度となく奥深くで子種を受け止めているのに膨らまない腹。
落ち込む妻を、マークスは優しく宝物を抱き締めるように包み込んだ。
「いつか出来るさ」
そんな夫の言葉を信じ子種を受け止める。
その種が実を結ぶ事をアマンダは夢見るが、その願いが叶う事は未来永劫ありえない。
「君は理想的な妻であり女性だよ」
そう言って妻を貫き子種を注ぐ夫が、アマンダの食事にだけ避妊薬を仕込んでいるのだから。
もっと言えば生まれる前から
私に愛される喜びを教えてくれたのはあなた。
たとえそれが誰かを傷付ける事になろうと、私はあなたに愛され必要とされる事が幸せだった。
たとえ外の世界など知らなくても、あなたが傍にいればそれだけで充分だったし、あなたがくれる愛情以外に欲しいものなんてなかったの。
私の居場所はあなたの隣で、心安らげるのはあなたの腕の中でしかなかったから。
全部全部全部、あなたが与えてくれたの。
だから私は願った。
もう一度、あなたに巡り会いたいと。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
これは、とある時代にとある国で暮らすとある筆頭公爵家一家のお話。
若くして公爵を継いだマークスと正妻アマンダには子供がおらず、本邸にて共に暮らす第二夫人ミリルとの間には三人の子供を儲けていた。
高度な教育を受けた長男とスペアの次男は容姿に優れ、頭脳明晰と評判も人気も高い。
長女は見目麗しく優秀で、王太子の婚約者。
“国内一の美しさを誇る淑女”と名高い由緒正しき侯爵家の女性を正妻に迎え、第二夫人に贅沢をさせても尚有り余るだけの財力を保有。
多くの貴族男性は羨望の眼差し向けて
「美しい妻をふたりも迎えて、かつ優秀な跡継ぎにも恵まれるなど羨ましい」
と愚痴混じりに語り、女性達は
「正妻と第二夫人が軋轢なく生活するなんて無理に決まっているわ。しかも子供は全て第二夫人との間に生まれただけでしょう?何かあるわ」
と話しその実情を知ろうと躍起になった。
マークスとアマンダは幼少期に婚約が結ばれ、成長しても仲睦まじいと評判だったが、結婚式をふた月後に控えたある日、突如としてアマンダの異母妹ミリルとの間に不貞と妊娠が発覚。
それまで、マークスとミリルが近しい間柄であるなど誰も気付いておらず、振り返れば唯一、数ヶ月前の夜会でふたりきりの会話を楽しんでいた…といった程度。
衝撃的な事実に誰しもが事の成行を見守ったが、この時、もしもマークスが次期公爵として如何なる才もなく後継者としての器ではないと判断されれば、躊躇なく廃嫡されていただろう。
けれどマークスの優れた才能と築き上げてきた実力は実証されており、不貞以外に落ち度なしと結論づけられた為、婚約者と予定通り婚姻の義を行い、その上で不貞相手である妊婦の異母妹を第二夫人として迎え入れる事を了承された。
「まぁ…たった一度の過ちくらいはあるものだ」
「たった一度の過ちで身篭るとは災難だったな」
と男性達は口々に彼を擁護し、
「異母妹の母親は平民の愛人でしょ?」
「うまいことやったわよね」
「婚約者のご令嬢はお可哀想に…」
と女性達は婚約者令嬢を慮る様子を見せつつ、茶会などへ積極的に招待し内情を知ろうとする。
「婚約者には申し訳無いことをした…けれど、男として犯した過ちの責任は取る」
沈痛な面持ちでそう語り、不貞発覚後も婚約者と真摯に向き合う姿勢に周囲は同情し、きちんと責任を取った彼を受け入れ始めた。
そもそも、この国で愛人を囲う事は珍しくない。
そんな状況に彼は人知れず口角をあげるが、それに気付く者は誰ひとりとしていなかった。
美しく聡明な女性へと成長し、優秀であり次期公爵夫人として申し分ない婚約者を手放すつもりなど毛頭なく、たった一度の過ち…周囲は何故か勝手にそう思っているが、実際のところ異母妹と肉体関係を持ったのは数年前から。
その行為に愛情などはなかったが、ある計画を実行するにあたり異母妹を繋ぎ止めておく為に必要で、手っ取り早くその手段に肉体関係を用いただけであるが、異母妹本人にもそうと知られないよう、周囲の目を盗んで甘い言葉も囁いていた。
都合のいい事にミリルは異母姉の婚約者に本気で横恋慕しており、手懐けるのは至極容易。
軽い口付けから肉体関係に進むまで時間はかからず、あっという間にマークスの手駒として手中に収めることを成功させた。
「わたしの事、捨てないでね」
「捨てるわけがない。君は俺にとって必要な存在なんだから…いつまでも傍にいて欲しい」
当初は正妻になりたいと駄々をこねたが、第二夫人であれば面倒な仕事などせず贅沢をするだけの生活を送る事が出来ると言われ、次第にミリルの目的はその方向へと軌道修正されていく。
「仕方ないから、正妻の座は賢いだけが取り柄の異母姉に譲ってあげるわ」
その為にもアマンダは勿論のこと周囲に露見しないよう徹底し、陰でマークスとの快楽に溺れる状況に背徳感と優越感を感じ始める。
全てはマークスが思い描く“計画”の為。
マークスの計画ではアマンダとの婚姻後にミリルを第二夫人として迎え入れ、子もミリルとの間だけに儲けるつもりでいたのだが、ある日の夜会で気持ちが昂り“一度くらいなら”と避妊を怠り孕ませてしまった。
これはマークスの落ち度であり想定外。
アマンダには時間をかけて第二夫人を迎える事を説得するつもりでいたが、結婚する事自体に難色を示し始めた。
当然と言えば当然の結果であろう。
だが結婚式はふた月後であり、筆頭公爵家嫡男の婚儀とあって他国からも招待客が来る。
何より、歴史ある侯爵家とはいえ財源は苦しく公爵家からの支度金をあてにしている両親に、不貞如きで破棄など認めないと叱責されていた。
「貴族なら愛人のひとりやふたりいるものだ」
そう言う父親も愛人がおり、その娘がミリル。
もしも破棄するならミリルを嫁がせ、アマンダの事は勘当するか支度金の多い別の家に嫁がせると言われてしまい、行き場のなくなったアマンダは裏切りを働いた婚約者に縋りついた。
「俺はアマンダを生涯かけて愛し抜くよ」
本来なら裏切った奴が何を言う…と思うところだが、深く傷ついたにも関わらず両親までが責めたてたところに優しく抱き締められ、自分にはマークスしかいないと思い込んだ。
それはきっと、ボロボロになった心を守る為の自衛本能と自己洗脳だったのだろう。
「愛してるよ、アマンダ。君だけを」
婚姻前に関係を持つなど否定的だったアマンダであったが、そのせいで異母妹の毒牙にかかったのだと考え体を許した。
何度も何度も奥を貫かれ、いかに愛しているか、いかに大切だと思っているかを謝罪の言葉と共に囁きながら、全身に愛する人の温もりを感じてアマンダは更にマークスへ陶酔していく。
そして異母妹のように自分もマークスの子を孕みたいと願いを込め、体内に吐き出され広がる温もりを必死で受け止めた。
その後、予定通りに執り行われた結婚式。
ミリルは大きくなり始めたお腹をこれみよがしに撫でながら、堂々と家族席に座り参列。
その姿にアマンダは嫉妬するが、ミリルとの婚儀は行わないとマークス本人から聞いていた為、仕返しとばかりに長い時間をかけ誓いのキスを見せつけた。
マークスの愛をより多く得ようとするアマンダとミリルは、それがマークスの“狙い通り”である事に気付く事はない。
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公爵家にて始まった結婚生活。
誰もが、第二夫人は通例通り別館に住まうものと考えていた…と言うより、それ以外にない。
「え!?ふたりとも本邸なの!?」
正妻と第二夫人を本館に住まわせていると知るや否や、その生活ぶりを知った周囲は驚愕した。
「妊娠している第二夫人が身近にいるなんて…」
そう慮る女性達が多かったが、それはアマンダの現状をずばり的確に捉えたものである。
婚姻後に同居が始まると同時にアマンダの心労は徐々に大きくなり、元より華奢で儚げな雰囲気であったがより一層の庇護欲を煽るような様相となっていった。
これまで以上にマークスへの執着を見せ依存し…かと思えば、マークスを試すようにわざと距離を置こうとしたり冷たい態度を取ったりする。
何をしてもマークスが離れず応えて甘やかしてくれる事で、アマンダは心の安寧を図った。
「もっと一緒にいたいの…傍にいて…お願い…」
依存し独占欲を隠すことなく甘えてくるアマンダの様子は、マークスの心を満たした。
幼少期から純粋に育ってきたアマンダの想いは歪められてしまったが、裏切られても尚マークスへの愛情は断ち切れず、ミリルとの不貞を知ってからも、ミリルの妊娠を知ってからも、ミリルを第二夫人として迎えると言われてからもそれは変わらない。
それは、宣言通りに責任を取る形でミリルを第二夫人として迎え入れたものの、常に傍に寄り添い自分を優先してくれたからでもある。
「わたくしも早く子が欲しいわ……」
ミリルの産み月が近付くにつれ膨らみを増す腹に嫉妬し、自身も身篭る事を強く望むようになるが一向にその気配や兆候は現れない。
夜毎溺れる程に愛され、幾度となく奥深くで子種を受け止めているのに膨らまない腹。
落ち込む妻を、マークスは優しく宝物を抱き締めるように包み込んだ。
「いつか出来るさ」
そんな夫の言葉を信じ子種を受け止める。
その種が実を結ぶ事をアマンダは夢見るが、その願いが叶う事は未来永劫ありえない。
「君は理想的な妻であり女性だよ」
そう言って妻を貫き子種を注ぐ夫が、アマンダの食事にだけ避妊薬を仕込んでいるのだから。
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