せめて夢の中は君と幸せになりたい

Ringo

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season2

悪夢の中の交わり

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「予てより打ち合わせていた通り、業者には事情を話した上で夫人のご実家に送りました」


悪化する奇行を鑑みて使用人にも対策を徹底させていたことが功を奏したと、安堵した。


「ですが…奥様がご心労から倒れられて…」


その言葉に血の気が引いた。

ナディアの心が壊れたかもしれない。

また出ていってしまうかもしれない。

そんな不安が襲ってくる。


「今は侍女が片時も目を離さず付き添っておりますが、旦那様をうわ言で呼んでおります。お早めにお戻り頂けないでしょうか」

「今すぐ戻る」

「そのようにお伝え致します」


トーマスは単騎で駆けつけているとの事で先に帰らせ、上官に事情を話して帰宅を願い出ると即座に許可がおり、次いで一週間の休みを取るよう指示された。


「以前より相談してきていた退団の件も、休み明けに処理できるように進めておく。最短で引き継ぎを出来るようにもしておこう」

「お気遣い、ありがとうございます」

「今はとにかく奥方の傍にいてやれ」


途中だった仕事は同僚が快く引き受けてくれ、あとでお礼はするからと頭を下げて愛馬を呼び最速で屋敷へと走り出した。

その時、トレーシアの姿がそこにないことからどこにいるのかは用意に想像が出来た。






******






「バルト様!!ほら、パパが帰ってきたわ」

「……パパ!!」


屋敷に着くと、案の定トレーシアの姿が門前にあり、門を守る衛兵が厳しい顔でトレーシア親子と対峙していた。


「バルト様、先ほど私達の荷物が運び込まれたはずなのに通してくれないんです。バルト様と暮らすのが楽しみだったのにあんまりですわ。早く通すよう命じてくださいまし。すぐに寝室へ向かうのもよろしいわ。こらからはバルト様と同じ寝台で眠るんですのね…素敵」


常軌を逸した行動に怒りが沸いてくる。

最早言葉が通じない化け物だ。


「僕はお前達と暮らす許可などしていないし、そんな話などしたこともない。僕は子供の父親ではないし、お前と共に寝るなどあり得ない!」

「何を仰っているんです?バルト様と私はずっと愛し合ってきたではありませんか。残念ながらカクラスはビノワの子供でしたけど、今度は間違いなくバルト様の子を生みますわ。早速今夜から…いえ、今から子作り致しましょう?」

「あり得ない!衛兵、拘束して詰め所に引き取りの連絡を!!」

「「はっ!!」」

「いやっ、やめてよ!私を誰だと思ってるの!?バルト様の妻よ!!モリス子爵家の後継者を生む人間なのよ!!離しなさい!!」

「口も封じて構わない。伯爵家には必要性が発生した暁にはそうする手段を取る旨を通達してあるし、騎士団を通して王家にも奏上している」


さすがに【王家】という言葉が出たことに体を震わせ、大人しくなった。


「常々忠告してきた。お前との関係などないし望んでもいない。むしろ嫌悪感しか抱いていない。僕が愛しているのは、今までもこれからも妻のナディアただひとりだけだ。今回の件は正式な抗議としてあげさせてもらうからな!」


目を見開いて何かしら騒いでいるが、口を塞がれているために何を言っているのか分からないし、分かりたくもない。

今までは家を相手に抗議してきたが、今回は貴族院に訴状をあげる。

そのせいで本人だけでなく伯爵家にも厳しい処罰が下されようと知ったことではない。

子供が小さかろうと知るもんか。


「そのまま引き渡しまで拘束しておいてくれ」

「畏まりました」


くぐもった声を背に浴びながら、門を開かせ屋敷の玄関へと再度馬を走らせた。






******






寝台に横たわるナディアは汗をかいていて、時折魘されながら僕の名前を呼んでいた。

付き添っていた侍女に代わってもらい、未だ引かない汗を冷たいタオルで拭き取ってやりながら、伸ばしてくる手を強く握っている。


「バル…やだ……行かないで…っ…」

「どこにも行かない。ずっと傍にいる。愛してるよ、君のことが大好きだ」

「……バルト…バル……ッ…」

「大丈夫…ここにいる」


手を握るだけでは不安を取り除けないのではと思い、上着を脱いでナディアの隣に横になって抱き締めると、些か落ち着きを取り戻した。

それでもまだ汗は引かないし、怯えたように強く抱きついてきては口付けをせがむ。

恐らく、悪夢を見ながら夢現の状態なのだろう。


「ナディア…大丈夫…ここにいる」


せがまれるままにではなく、僕から深く口付ければより落ち着きをみせた。

それならばと汗で濡れている夜着を脱がせ、僕も残る隊服を脱ぎ去り素肌同士で抱き合えば、まだ荒かった呼吸が落ち着いていく。

ナディアの温かい体温が僕を幸せにしてくれるように、僕の体温もナディアを幸せに出来ているのではないかと嬉しくなる。


「ナディア、愛してる」


唇だけではなく、優しくゆっくりと全身に口付けを広げていけば、ツラそうに魘されあげていた声が徐々に甘さを含んでいく。

少し冷えていた体温も少しずつ上がっていくのが分かり、やがて口付けが秘所にたどり着くとそこは既に充分な潤いを湛えていて、足を擦り合わせるようにして閉じようとするのを押し広げさせて舌を這わせれば、小さく達した。


「あっ…や……バル……ッ…」

「好きだよ、ナディア」


トロトロと溢れ出てくる蜜を舐め啜り、可愛らしく存在を主張する突起を軽く噛めばまた達し、ピクピクと痙攣している蜜口に舌を差し込みぐるりと回せば、腰を浮かせて僕の頭を押さえつける。

細い太股に頭を挟まれ、どうせならと口淫しつつ胸に手を伸ばし、硬く隆起していてるふたつの突起を摘まんで弾けば体を跳ねさせた。

しつこく愛撫を繰り返しているとやがて大きく痙攣してくたりと弛緩し、その様子に満足しながら僕も体を起こして、未だ夢現でいるナディアを見下ろしながら昂りを蜜口に宛がうと、ピクリと小さく震えてうっすらと目を開けた。


「…………バル…」

「愛してるよ、ナディア」

「…………あぁぁっ…!!」


現実に戻っておいで…とばかりに思い切り強く突き入れると、いつもより丹念に解したせいか飲み込んだ隘路は蠢きが激しい。

柔らかい媚肉が即座に纏わりついてきた。

ナディアに奉仕しながら僕自身も痛いほど硬く反り勃っていたから、気を抜くとすぐに持っていかれそうになる。

僕の愛撫を喜び、僕の精を欲しがってよがる姿がたまらなく可愛くて愛しい。


「僕の精が欲しい?」

「あっ、ほ、、ほしっ……ん…っ!!」

「いっぱい飲みたい?」

「の、、む……あ、あぁっ……っ…!」


いつもより子宮が下がっているような気がして、いつもより強く吸い付いてきて気持ちいい。

なんとなくだけれど、今吐き出したらとんでもない量が凄い勢いで飛び出す気がする。

ナディアを安心させたいと思って始めたけれど、気持ち良すぎてワケわからなくなりそうだ。

動かずとも吐き出しそうだが、そんな勿体無いことはしたくないと律動を開始する。

腰を振る速度も始めから最高速で、それでいてもっと奥に入りたくて穿てばそのたび暴力的な快感が全身を駆け巡っていく。


「あ、あ、ナディッ…ナディア……ッ…」


膝裏に手を添え、グイッと顔の横につけて折り畳むようにしてピッタリと抱き合い、深く激しく口付け合って、聞こえてくる淫靡な水音はもはや上と下のどちらから鳴っているのか分からない。

穿つたびに先端がくぷりと入り込むのも気持ち良くて、もっとおりておいでと誘えば甘えるようについてきてくれた。


「ナディッ、、出すよ、飲んで…っ…いっぱい出すから、、全部っ…っ、、あ、、出る…っ!!」


僕の形に合わせて作られた…もとい、作り上げてきた隘路がその昂りを隙間なくビッチリと咥えこみ、根元から奥にかけて絞り上げるようにして締め付け蠢いて吐精を誘い、仕上げに子宮口の猛烈な収縮と吸い上げをくらって、傘の部分を埋め込んだ状態で吐き出せば、その勢いと量に腰が震えて強く強く押し付ける。


「いっぱい、、出るっ…出て…っ、、まだ…っ、あ、ナディ…ッ…まだ、、出る…っ、、」


第一弾の吐精を追いかけるように、間をあけずに負けじと第二弾、第三弾も飛び出してきた。

いつまでも続く吐精に深い愉悦に浸りながら、一滴残らず注ぎきれるように腰をぐりぐり回して押し付け続けていると、再度少ないながらもびゅるっ…びゅるっ…と吐き出されて恍惚とした。


「ナディア…ッ…ナディア……」

「バル…好き……っ…大好き…」


腰の動きをとめたものの、口付けを続けながら出しきった爽快感を感じると共に、埋め込んだままの昂りからナディアの中が己の精で満たされていることを感じて深い達成感も感じた。

そのまま繋がりを解くことなくぐるりと反転してナディアを上に乗せ、芯が残っているのをいいことに細腰を掴んで押し付けるのも気持ちいい。

激しい行為でぐったりとするナディアの滑らかな背中を優しく撫でるが、その様子は少し苦しげ。

ぱんぱんになるまで注がれ、漏れないように隙間なく僕のもので塞いでいるせいでお腹が圧迫されているのか?と心配になるも、それだけナディアを満たしていると思うと頬が緩んでしまう。

実際、埋め込んでいる昂りには己の出した精であろうものが絡み付いているのを感じる。

恐らく、子を孕むべく場所にも充分な量が注がれているはずだと思うと、ナディアを満たしきった満足感から心地よい疲れが流れ込んできた。


「…ナディア、愛してるよ」

「わたしも……愛してるわ…」


ぎゅっと抱き締めると、女性らしく柔らかいのに改めてその細さに驚いてしまう。

ナディアはただでさえ細くて軽かったのに、ここ最近トレーシアの嫌がらせが悪化していたことで心労が重なり、さらに細く軽くなってしまったような気がする。

このまま少し仮眠でもとり、目覚めたらナディアの好きな果物を用意させよう。

なるべく栄養価が高く、それでいて頬が落ちるほど美味しいと気に入っていたものを。

落ち着いたら、トレーシアには沙汰が下されるであろうことも伝えて、もう二度と顔を見ることもないのだと言ってあげよう。

そして、早ければ二週間とかからず騎士団を辞めて常に屋敷に留まれることも。


「これからはナディアとずっと一緒にいるよ」


疲れきったナディアは既に小さな寝息をたてていて、それがとても穏やかであることに安堵の息を吐いた。

そして、ナディアの温もりを感じて僕もゆっくりと深い暗闇へと落ちていく。





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