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オーナーママは、面接する
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私の帰宅を祝うパーティーは朝まで続き、結局お父様は泥のような眠りについてしまわれました。最後まで起きていたのは女性陣。三人のなかでは誰よりも弱く見えるお母様も、実はかなりの酒豪でございます。
シャンパンから始まり数本のワインをひとりで開けた私ですが、朝方寝て目覚めた昼にはスッキリしていて、我ながら頑丈な腎臓肝臓に感謝しかありません。
「今日は最終確認だったわよね」
恐らくお父様は夜まで…へたすれば明日の朝まで起きてこないかもしれません。ですがこれから始める事業の経営者は私なのですから、細部に至るまでしっかり確認して進めてしまいましょう。
「エルザ、身支度をお願い」
「畏まりました」
私の一回り上のエルザは生まれた時からついている専属侍女。父親は執事長、母親は侍女長というサラブレッドな娘であり、エルザの家系は代々我が家に勤めている。ちなみに、六歳になるエルザの子供(双子の女の子)も侍女見習いのさらに見習いとしてお手伝いに励んでいて、そのあまりの可愛さについついお駄賃を弾んでしまっては私がよく怒られている。
「今日の護衛はランドルフ?」
「はい、左様でございます」
私の専属騎士はふたり。その内のひとりランドルフはエルザの旦那様。ランドルフの家系は優秀な騎士を輩出することで知られていて、その多くが我が公爵家に配属されているんだけれど、その規模と実力は一国に匹敵すると言われているのよね。しかも美形揃い。眼福です。
そんなわけで、我が公爵家は就職希望者が後をたたない人気の職場らしい。
「「クリスティアさま、おはようございます」」
「おはよう、カルラとミルラ」
「お食事のご用意ができたの?」
「「はい、お母様」」
「ありがとう、すぐに向かうわね」
ぺこりとお辞儀をして走り去っていく小さな侍女の姿のなんて可愛らしいこと。やっぱり、子供サイズで作らせた甲斐があったわ。次は子供サイズで騎士服も作らせようかしら。
あ!お駄賃あげてないじゃない。だめね、うっかりしていたわ。あとで渡してあげましょう。
「クリスティア様、くれぐれも子供らしい適度な額でお願い致しますね。子供に大金は必要ございませんので」
「…分かっているわ」
エルザって読心術でも習得してるのではないかしら。いっつも私の考えを読んでしまうんだもの。
「クリスティア様は分かりやすいですから」
「そんなことないはずよ。王妃教育でも淑女の仮面は完璧だって褒めてくださったもの」
「わたくしにはお見通しでございます。さぁ、編み上がりました。食堂へ参りましょう」
それはそうね。生まれた瞬間から常に私の傍にいて、誰よりも私の事をみてきてくれたのはエルザだもの。仮面なんて通用するわけがないのよ。
「いつも綺麗にしてくれてありがとう」
「有り難きお言葉」
私の事業にはエルザとランドルフの協力が必要不可欠だから、大まかには話してあるけれどあとできちんと説明して書面を交わさないと。
まずは朝…もうお昼ごはんね。お腹ペコペコだししっかり食べて午後の訪問者に備えましょう。
******
広げられた契約書やら申請書に全て目を通し、同席してくれている執事長のマーカスにも確認をしてもらって、それぞれに署名を記していく。
「内装工事はいつ頃から始めらるかしら」
「明日からでも動けますよ」
「そうなの?じゃぁ、それでお願いするわね。念のために私も昼過ぎに現場へ参ります」
「畏まりました。では、書類も全て揃いましたので私はこれで失礼致します」
「宜しくね」
公爵家お抱えの法務担当者は、似合いすぎる銀縁眼鏡の縁をクイッとあげて去っていった。
「さてと」
今日から本格的にやることがいっぱいよ。
******
王都で一番高級なホテルの一室、ここに私は容姿端麗な女性達を次から次へと部屋に呼んでいる。
「ふぅぅ…」
「お疲れ様でございます、こちらどうぞ」
「ありがとう」
三十名を越える女性とひたすらお喋りしすぎて、さすがに喉が痛くなってしまった。こんな時、私の様子を見てお茶の種類や温度を変えてくれるエルザに深く感謝するのよね。
「なかなかいい人材が揃いそうね」
前もって話題を広めておいたおかげで、面接第一弾はかなりの収穫だったと思う。現役貴族、元貴族、平民まで幅広く来てくれたけれど、今日だけでもキャストや裏方までだいぶ揃ってしまいそうだわ。
「でもまぁ、あと四回残っているしね」
さて、今日はもう帰って明日の現場確認に備えてゆっくり休みましょう。私が休まないとエルザやランドルフも休めないしね。目指すはホワイト企業なんだら。
「クリスティアお嬢様」
「あら、ロベルトじゃないの。ここで何してるの?あなた今日はお休みでしょう?」
「この近くに用事があって来ていたんです。このホテルでお嬢様が面接されていることを思い出しまして、様子を見に行こうかと思っていたんですが…もう終わったみたいですね」
ホテルを出ようとしたところで、もうひとりの専属騎士ロベルトと出くわしました。ロベルトも遠縁ながらランドルフの家系に入る血筋のせいか、剣術は長けるし見目がいい。
「ロベルト…今日は三つ編みなのね?」
腰まである金髪をいつもみたいに高い位置で縛っている姿も麗しいけれど、こうして緩く三つ編みをして流しているのも…控えめに言って最高。
そして何より手触りが極上なの。男性なのに艶々のサラサラで、なのにこうして編み込んだりしているとなんだかふわふわしていて…暇さえあればロベルトの髪を触っているような気がする。
「今日はふわふわね」
「おきに召しましたか?」
「貴方の嫌いなところなんてないわ」
鍛え上げられて引き締まった体格も、そこについているしなやかな筋肉も、一見冷たく思える射抜くように鋭いブルーの瞳も、形のいい唇も、男性らしい低い声も、全部好き。
「……いい香りがする。いつもと違うのね」
三つ編みに口付けようとして手に取ったら、いつもと違う香りがして胸がツキンと痛んだ。
「隣国から新しく入ってきたという洗髪剤を使ってみました。お気に召したようでしたら私からお送りさせて頂きます。ちなみに試供品を下さったのはマリア様です」
「……お義姉様だったのね、道理で趣味のいい香りがするわけだわ」
ロベルトは私の新しい事業運営に唯一顔をしかめた人物。それが嫉妬からきているということは分かっているけれど、だからこそ貴方のような用心棒が必要なのよ。
「ロベルトはこのあとどうするの?」
「屋敷に戻ります」
「そう…それなら、いい機会だしランドルフとエルザは夫婦水入らずで食事でも済ませてくるといいわ。支払いは私に請求書を回しておいて」
「有り難うございます」
「畏まりました」
エルザ達は何も言わない、聞いてこない。だから私からも言わない。初めて会った時からロベルトの事が好きで、それでも立場の為に心を封じて過ごしていたのに…もうそんなことする必要がないんだと決まった時、真っ先にロベルトへ気持ちを告げた。
『ありがとうございます。私もお嬢様をお慕いしております。ですが…私は継ぐ爵位もない三男に過ぎません。騎士爵こそ持っていますがそれは一代限りのもの。お嬢様に相応しくございません』
私に相応しいってなによ。大きなお屋敷?豪華なドレスや宝石?馬鹿にしないで。こっちは前世含めてあなたの倍以上生きてるのよ。そう簡単に諦めてなんかやらないんだから。
「お嬢様、参りましょう」
差し出された腕に私が迷いなく自分のものを絡める様子を見て、嬉しそうな顔するくせに。
見てなさいよ。
爵位なんてなくても、貴族相手に立ち向かえる事を証明してみせる。大きなお屋敷もドレスも宝石も、欲しいと思えば自分で買えるだけの財産を築いてみせる。
だけど、その隣には貴方にいてほしいの。
貴方と一緒だから頑張りたいと思えるの。
シャンパンから始まり数本のワインをひとりで開けた私ですが、朝方寝て目覚めた昼にはスッキリしていて、我ながら頑丈な腎臓肝臓に感謝しかありません。
「今日は最終確認だったわよね」
恐らくお父様は夜まで…へたすれば明日の朝まで起きてこないかもしれません。ですがこれから始める事業の経営者は私なのですから、細部に至るまでしっかり確認して進めてしまいましょう。
「エルザ、身支度をお願い」
「畏まりました」
私の一回り上のエルザは生まれた時からついている専属侍女。父親は執事長、母親は侍女長というサラブレッドな娘であり、エルザの家系は代々我が家に勤めている。ちなみに、六歳になるエルザの子供(双子の女の子)も侍女見習いのさらに見習いとしてお手伝いに励んでいて、そのあまりの可愛さについついお駄賃を弾んでしまっては私がよく怒られている。
「今日の護衛はランドルフ?」
「はい、左様でございます」
私の専属騎士はふたり。その内のひとりランドルフはエルザの旦那様。ランドルフの家系は優秀な騎士を輩出することで知られていて、その多くが我が公爵家に配属されているんだけれど、その規模と実力は一国に匹敵すると言われているのよね。しかも美形揃い。眼福です。
そんなわけで、我が公爵家は就職希望者が後をたたない人気の職場らしい。
「「クリスティアさま、おはようございます」」
「おはよう、カルラとミルラ」
「お食事のご用意ができたの?」
「「はい、お母様」」
「ありがとう、すぐに向かうわね」
ぺこりとお辞儀をして走り去っていく小さな侍女の姿のなんて可愛らしいこと。やっぱり、子供サイズで作らせた甲斐があったわ。次は子供サイズで騎士服も作らせようかしら。
あ!お駄賃あげてないじゃない。だめね、うっかりしていたわ。あとで渡してあげましょう。
「クリスティア様、くれぐれも子供らしい適度な額でお願い致しますね。子供に大金は必要ございませんので」
「…分かっているわ」
エルザって読心術でも習得してるのではないかしら。いっつも私の考えを読んでしまうんだもの。
「クリスティア様は分かりやすいですから」
「そんなことないはずよ。王妃教育でも淑女の仮面は完璧だって褒めてくださったもの」
「わたくしにはお見通しでございます。さぁ、編み上がりました。食堂へ参りましょう」
それはそうね。生まれた瞬間から常に私の傍にいて、誰よりも私の事をみてきてくれたのはエルザだもの。仮面なんて通用するわけがないのよ。
「いつも綺麗にしてくれてありがとう」
「有り難きお言葉」
私の事業にはエルザとランドルフの協力が必要不可欠だから、大まかには話してあるけれどあとできちんと説明して書面を交わさないと。
まずは朝…もうお昼ごはんね。お腹ペコペコだししっかり食べて午後の訪問者に備えましょう。
******
広げられた契約書やら申請書に全て目を通し、同席してくれている執事長のマーカスにも確認をしてもらって、それぞれに署名を記していく。
「内装工事はいつ頃から始めらるかしら」
「明日からでも動けますよ」
「そうなの?じゃぁ、それでお願いするわね。念のために私も昼過ぎに現場へ参ります」
「畏まりました。では、書類も全て揃いましたので私はこれで失礼致します」
「宜しくね」
公爵家お抱えの法務担当者は、似合いすぎる銀縁眼鏡の縁をクイッとあげて去っていった。
「さてと」
今日から本格的にやることがいっぱいよ。
******
王都で一番高級なホテルの一室、ここに私は容姿端麗な女性達を次から次へと部屋に呼んでいる。
「ふぅぅ…」
「お疲れ様でございます、こちらどうぞ」
「ありがとう」
三十名を越える女性とひたすらお喋りしすぎて、さすがに喉が痛くなってしまった。こんな時、私の様子を見てお茶の種類や温度を変えてくれるエルザに深く感謝するのよね。
「なかなかいい人材が揃いそうね」
前もって話題を広めておいたおかげで、面接第一弾はかなりの収穫だったと思う。現役貴族、元貴族、平民まで幅広く来てくれたけれど、今日だけでもキャストや裏方までだいぶ揃ってしまいそうだわ。
「でもまぁ、あと四回残っているしね」
さて、今日はもう帰って明日の現場確認に備えてゆっくり休みましょう。私が休まないとエルザやランドルフも休めないしね。目指すはホワイト企業なんだら。
「クリスティアお嬢様」
「あら、ロベルトじゃないの。ここで何してるの?あなた今日はお休みでしょう?」
「この近くに用事があって来ていたんです。このホテルでお嬢様が面接されていることを思い出しまして、様子を見に行こうかと思っていたんですが…もう終わったみたいですね」
ホテルを出ようとしたところで、もうひとりの専属騎士ロベルトと出くわしました。ロベルトも遠縁ながらランドルフの家系に入る血筋のせいか、剣術は長けるし見目がいい。
「ロベルト…今日は三つ編みなのね?」
腰まである金髪をいつもみたいに高い位置で縛っている姿も麗しいけれど、こうして緩く三つ編みをして流しているのも…控えめに言って最高。
そして何より手触りが極上なの。男性なのに艶々のサラサラで、なのにこうして編み込んだりしているとなんだかふわふわしていて…暇さえあればロベルトの髪を触っているような気がする。
「今日はふわふわね」
「おきに召しましたか?」
「貴方の嫌いなところなんてないわ」
鍛え上げられて引き締まった体格も、そこについているしなやかな筋肉も、一見冷たく思える射抜くように鋭いブルーの瞳も、形のいい唇も、男性らしい低い声も、全部好き。
「……いい香りがする。いつもと違うのね」
三つ編みに口付けようとして手に取ったら、いつもと違う香りがして胸がツキンと痛んだ。
「隣国から新しく入ってきたという洗髪剤を使ってみました。お気に召したようでしたら私からお送りさせて頂きます。ちなみに試供品を下さったのはマリア様です」
「……お義姉様だったのね、道理で趣味のいい香りがするわけだわ」
ロベルトは私の新しい事業運営に唯一顔をしかめた人物。それが嫉妬からきているということは分かっているけれど、だからこそ貴方のような用心棒が必要なのよ。
「ロベルトはこのあとどうするの?」
「屋敷に戻ります」
「そう…それなら、いい機会だしランドルフとエルザは夫婦水入らずで食事でも済ませてくるといいわ。支払いは私に請求書を回しておいて」
「有り難うございます」
「畏まりました」
エルザ達は何も言わない、聞いてこない。だから私からも言わない。初めて会った時からロベルトの事が好きで、それでも立場の為に心を封じて過ごしていたのに…もうそんなことする必要がないんだと決まった時、真っ先にロベルトへ気持ちを告げた。
『ありがとうございます。私もお嬢様をお慕いしております。ですが…私は継ぐ爵位もない三男に過ぎません。騎士爵こそ持っていますがそれは一代限りのもの。お嬢様に相応しくございません』
私に相応しいってなによ。大きなお屋敷?豪華なドレスや宝石?馬鹿にしないで。こっちは前世含めてあなたの倍以上生きてるのよ。そう簡単に諦めてなんかやらないんだから。
「お嬢様、参りましょう」
差し出された腕に私が迷いなく自分のものを絡める様子を見て、嬉しそうな顔するくせに。
見てなさいよ。
爵位なんてなくても、貴族相手に立ち向かえる事を証明してみせる。大きなお屋敷もドレスも宝石も、欲しいと思えば自分で買えるだけの財産を築いてみせる。
だけど、その隣には貴方にいてほしいの。
貴方と一緒だから頑張りたいと思えるの。
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