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婚約破棄、ありがとうございます
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「───と言うわけで、頂戴致します」
【婚約破棄申請】と大きく表題がされた書類にサクサクッとサインしトントン揃えて纏め、目の前にいるふたりにずいっと差し出し、用意されていた慰謝料を鞄に入れた。
「陛下、王妃様、長い間お世話になりました」
特に並べる言葉も浮かばなかったので、最上級のカーテシーと共にそれだけを告げた。
ゆっくりと姿勢を戻して背筋を伸ばせば、両陛下が私を憐れむように…いえ、違いますね。この期に及んで許しを乞う目を向けてきている。
無論、受け入れるつもりはない。
「クリスティア…本当に行ってしまうの?」
「えぇ、王妃様」
「クリスティアよ…やはりダメなのか?」
「はい、陛下」
齢六歳で居を移してから十二年、まるで実家のように過ごしてきた王宮ともサヨナラなわけだけれど、これっぽっちも寂しさはない。
強いて言うなら、極上の美容ケアを受けられなくなることくらいかしら?あとは絶品の料理?あらでもそれって、お金さえあればどうとでも出来ることよね?
ほら、ここ残る未練なんてないわ。
それにここに居る理由はあくまでも私が王太子の婚約者であったからで、その肩書きが無くなった今は留まる理由もない。
「そう言えば、やっぱりいらっしゃいませんでしたね。今ごろ盛り上がってらっしゃるのかしら」
私の何気ない言葉に、両陛下はぐっと唸って申し訳なさそうな顔をして縋る眼差しを送ってくる。そんな顔されてもやり直しませんよ?誰が好き好んで堂々と浮気するような男と結婚しなくてはならないんです?
「ですがまぁ、婚約破棄が成立した私が言うことでもありませんわね。申し訳ございません」
「クリスティア…その……やっぱりもう一度話し合えない?あの子もきっと今は浮かれているだけなんだと思うの…それに…貴女がいなくなったらあのこはもう……」
「なりませんわ、王妃様」
ニッコリ笑ってそう一言返せば、王妃様はもう二の句が継げなくなった。そりゃそうよね。これ以上変に拗らせたら、お父様を本気で怒らせることになるんだもの。
「そう…ね……そうだったわ、ごめんなさい」
「構いませんわ。それでは今度こそ、失礼させていただきます」
ちゃちゃっとカーテシーをしてからくるりと踵を返し、専属護衛ふたりと専属侍女を連れて応接の間をあとにした。
回廊を歩く際、長い期間をかけて叩き込まれた教養とマナーを総動員し、すれ違う人々には講師のお墨付きをもらった微笑みを向けながら出口を目指して優雅に歩を進める。
あらあら、皆さん泣いてくださるのね。
いやだわ、今生の別れみたいじゃないの。今後いくらでも会えますのよ?それにほら、次の王太子はこんな馬鹿な事をしでかさない聡明な方よ?でもまぁ…惜しんでくださる気持ちは素直に嬉しいですわ。まるで引退の花道みたい。
さようなら、皆様。
またすぐお会いいたしましょう!!
******
「クリスティア!!」
「うぐっ…」
王宮を出て『はぁぁ~、シャバの空気は美味しいわぁ』なんて青空を見上げながら両手を広げて深呼吸していたら、どこからともなくやってきたお父様に絞め殺される勢いで抱き締められた。
いえ、別に閉じ込められてはいませんでしたよ?自由に散策していましたし、お忍びで市井におりたりなんかもわりとしておりましたの。でもなんて言うんですかね、気持ち的な?そんな感じで空気の違いを堪能しようとしてたんですけども。
「クリスティア!会いたかった!!」
「ぐ、ぐるじ……」
「なんと!体調が悪いのか!?それはいかん!すぐに屋敷に戻ろう!!」
「ちょっ、まっ、」
かつて一世を風靡した名台詞が出そうになりましたが、サッと私を横抱きにしてえっさほいさと走るお父様に文句など言えないな…と思い直し、お口を閉じて大人しく馬車に運ばれました。
「ほら、横になってていいぞ。寒くはないか?何か羽織るものを出してやるからな」
お父様、今は真夏の日中ですわ。
「ありがとうございます、お父様。けれど大丈夫ですわ。それよりも、お父様とふたりきりで馬車に乗るなんて子供の頃以来でワクワクしてしまいますの。折角なのですからお喋りをしながら屋敷へ向かってはなりませんか?」
「クリスティア…なんて嬉しいことを…っ…構わんぞ!どんな話にするんだ!?お父様の好きな食べ物や好きな人の話とかはどうだ!?」
「ふふっ…いやですわ、お父様。大好きなお父様に関することなら存じておりますのに。ちなみに好きな食べ物は鴨のラグーで好きな人はお母様でございましょう?まさかお父様…心変わりなどしておりませんでしょうね?」
お父様は驚いたように一度大きく目を見開いて、次いでへにゃりと眉も目尻も下げて嬉しそうに大声をあげて笑いだした。
「あっはっはっ!さすが儂の娘だ!勿論変わることなどありえないぞ。鴨のラグーは今夜の晩餐でも用意されているはずだし、儂の唯一はソフィア以外にあり得ない!」
「安心いたしました。それでこそ私の愛するお父様ですわ。ところでお父様、例の件はどうなっております?問題なく進められそうですか?」
私の問いにお父様はキリッと表情を変え、纏う空気を甘さのある父親のものから威厳ある筆頭公爵のものへと変換させると、馬車の中にピリッと緊張感が漂いました。
これです。出来る男のオーラ、大好物です。
ご馳走さまですわ、お父様。
「うむ、万事滞りなく進んでおるぞ。明日、最終的な確認と署名の為に法務担当者が屋敷に来る」
「さすがです。愛してます、お父様」
「儂も愛しておるぞ」
うふふ、あはは、と和やかな時間を過ごしていたら、あっと言う間に自宅の公爵邸に到着です。
え?早い?そりゃそうですわ。筆頭公爵家である我が家は、王都の中でも王宮に最も近い特級地区の一等地に居を構えておりますもの。
そんなわけで、お忍びで外出する際になんだかんだと実家にも立ち寄っていたので久し振りというわけでもないですし、懐かしい…とか感じるわけもないのですが…やっぱり【帰宅】となると込み上げるものがございますわね。
「クリスティア!」
「お母様…ただいま戻りました」
馬車からおりた途端にお母様に優しく抱き締められ、今度は苦しくなることもないのでじっくりと抱擁を交わします。それにしても、お母様はいつもいい匂いがするのよね。きっとお父様の好みなんだろうけど、今度聞いてみましょう。
「ティア」
「お兄様、お久し振りでございます」
「うん、よく帰ってきたね。待ってたよ」
お父様によく似た容姿と体格のお兄様ですが、そこはきちんと優しい抱擁をしてくださいます。あらやだ、お兄様香水変えました?まさか新しい女の出現ですの?お義姉様に言いつけますわよ?
「……あ~、なんか誤解してそうだから先に言っておくけど違うからな。新しい香水を見つけてきて気に入ったからつけてって言ってきたの、マリアだから。浮気とかじゃないから」
「あら、そうですの?帰宅早々に新婚夫婦の諍いを見られるなんて!…って興奮しましたのに。残念ですわ、本当にいらっしゃらないの?」
「いるわけがない!!マリア、違うぞ?いないからな?俺はマリア一筋だからな!?」
「分かっておりますわ、ジルベルト様。むしろ慌てすぎると余計に怪しいですわよ?」
きた!お母様もお美しいけれど、どこか可憐な少女の面影を残している可愛いと言ったほうがしっくりくる感じなんだけれど……
「おかえりなさい、クリスティア」
「ただいま戻りました、マリアお義姉様」
同じ背丈のお義姉様と抱き合うと、お兄様と同じ香水の香りがした。いやだわ、なんだかとってもいやらしくてドキドキしちゃう。
「…クリスティア、あなたまた良からぬ事を想像してるでしょ?言っておくけど毎晩よ。野獣よ」
「まぁ!それは是非とも今後の参考にさせていただきたいです。私の理想とする殿方も、そのくらい積極的であって欲しいですわ」
「流石兄妹ね」
口端をクイッとあげたお義姉様の悪いお顔、眼福でございます。美しい人のニヒルな笑顔ってどうしてこうも胸をときめかせるのでしょうか。
「さぁさぁ!着替えて落ち着いたら早速晩餐を始めようではないか!!」
「お父様?まだ昼間ですわよ?」
「何を言う。今夜は公爵家の総力をあげた晩餐となっているんだ。何時間あっても終わらないぞ」
そうでしたわね。家族の慶事には少しずつのお料理をたっぷりの時間をかけて、全員でお祝いするのが我が家の伝統でございました。あら?そういえば前世の世界でそんなお料理があったような。
「今夜は朝まで飲むぞ~!!!」
「あなた、飲みすぎないでくださいましね」
「つれないことを言わんでくれ、ソフィア」
飲んだくれる気マンマンのお父様は今からお母様のご機嫌とりに尽力しております。いつまでたっても仲の良い両親でうれしいですわね。
ところで。
公爵家秘蔵のワインも出てくるかしら。
【婚約破棄申請】と大きく表題がされた書類にサクサクッとサインしトントン揃えて纏め、目の前にいるふたりにずいっと差し出し、用意されていた慰謝料を鞄に入れた。
「陛下、王妃様、長い間お世話になりました」
特に並べる言葉も浮かばなかったので、最上級のカーテシーと共にそれだけを告げた。
ゆっくりと姿勢を戻して背筋を伸ばせば、両陛下が私を憐れむように…いえ、違いますね。この期に及んで許しを乞う目を向けてきている。
無論、受け入れるつもりはない。
「クリスティア…本当に行ってしまうの?」
「えぇ、王妃様」
「クリスティアよ…やはりダメなのか?」
「はい、陛下」
齢六歳で居を移してから十二年、まるで実家のように過ごしてきた王宮ともサヨナラなわけだけれど、これっぽっちも寂しさはない。
強いて言うなら、極上の美容ケアを受けられなくなることくらいかしら?あとは絶品の料理?あらでもそれって、お金さえあればどうとでも出来ることよね?
ほら、ここ残る未練なんてないわ。
それにここに居る理由はあくまでも私が王太子の婚約者であったからで、その肩書きが無くなった今は留まる理由もない。
「そう言えば、やっぱりいらっしゃいませんでしたね。今ごろ盛り上がってらっしゃるのかしら」
私の何気ない言葉に、両陛下はぐっと唸って申し訳なさそうな顔をして縋る眼差しを送ってくる。そんな顔されてもやり直しませんよ?誰が好き好んで堂々と浮気するような男と結婚しなくてはならないんです?
「ですがまぁ、婚約破棄が成立した私が言うことでもありませんわね。申し訳ございません」
「クリスティア…その……やっぱりもう一度話し合えない?あの子もきっと今は浮かれているだけなんだと思うの…それに…貴女がいなくなったらあのこはもう……」
「なりませんわ、王妃様」
ニッコリ笑ってそう一言返せば、王妃様はもう二の句が継げなくなった。そりゃそうよね。これ以上変に拗らせたら、お父様を本気で怒らせることになるんだもの。
「そう…ね……そうだったわ、ごめんなさい」
「構いませんわ。それでは今度こそ、失礼させていただきます」
ちゃちゃっとカーテシーをしてからくるりと踵を返し、専属護衛ふたりと専属侍女を連れて応接の間をあとにした。
回廊を歩く際、長い期間をかけて叩き込まれた教養とマナーを総動員し、すれ違う人々には講師のお墨付きをもらった微笑みを向けながら出口を目指して優雅に歩を進める。
あらあら、皆さん泣いてくださるのね。
いやだわ、今生の別れみたいじゃないの。今後いくらでも会えますのよ?それにほら、次の王太子はこんな馬鹿な事をしでかさない聡明な方よ?でもまぁ…惜しんでくださる気持ちは素直に嬉しいですわ。まるで引退の花道みたい。
さようなら、皆様。
またすぐお会いいたしましょう!!
******
「クリスティア!!」
「うぐっ…」
王宮を出て『はぁぁ~、シャバの空気は美味しいわぁ』なんて青空を見上げながら両手を広げて深呼吸していたら、どこからともなくやってきたお父様に絞め殺される勢いで抱き締められた。
いえ、別に閉じ込められてはいませんでしたよ?自由に散策していましたし、お忍びで市井におりたりなんかもわりとしておりましたの。でもなんて言うんですかね、気持ち的な?そんな感じで空気の違いを堪能しようとしてたんですけども。
「クリスティア!会いたかった!!」
「ぐ、ぐるじ……」
「なんと!体調が悪いのか!?それはいかん!すぐに屋敷に戻ろう!!」
「ちょっ、まっ、」
かつて一世を風靡した名台詞が出そうになりましたが、サッと私を横抱きにしてえっさほいさと走るお父様に文句など言えないな…と思い直し、お口を閉じて大人しく馬車に運ばれました。
「ほら、横になってていいぞ。寒くはないか?何か羽織るものを出してやるからな」
お父様、今は真夏の日中ですわ。
「ありがとうございます、お父様。けれど大丈夫ですわ。それよりも、お父様とふたりきりで馬車に乗るなんて子供の頃以来でワクワクしてしまいますの。折角なのですからお喋りをしながら屋敷へ向かってはなりませんか?」
「クリスティア…なんて嬉しいことを…っ…構わんぞ!どんな話にするんだ!?お父様の好きな食べ物や好きな人の話とかはどうだ!?」
「ふふっ…いやですわ、お父様。大好きなお父様に関することなら存じておりますのに。ちなみに好きな食べ物は鴨のラグーで好きな人はお母様でございましょう?まさかお父様…心変わりなどしておりませんでしょうね?」
お父様は驚いたように一度大きく目を見開いて、次いでへにゃりと眉も目尻も下げて嬉しそうに大声をあげて笑いだした。
「あっはっはっ!さすが儂の娘だ!勿論変わることなどありえないぞ。鴨のラグーは今夜の晩餐でも用意されているはずだし、儂の唯一はソフィア以外にあり得ない!」
「安心いたしました。それでこそ私の愛するお父様ですわ。ところでお父様、例の件はどうなっております?問題なく進められそうですか?」
私の問いにお父様はキリッと表情を変え、纏う空気を甘さのある父親のものから威厳ある筆頭公爵のものへと変換させると、馬車の中にピリッと緊張感が漂いました。
これです。出来る男のオーラ、大好物です。
ご馳走さまですわ、お父様。
「うむ、万事滞りなく進んでおるぞ。明日、最終的な確認と署名の為に法務担当者が屋敷に来る」
「さすがです。愛してます、お父様」
「儂も愛しておるぞ」
うふふ、あはは、と和やかな時間を過ごしていたら、あっと言う間に自宅の公爵邸に到着です。
え?早い?そりゃそうですわ。筆頭公爵家である我が家は、王都の中でも王宮に最も近い特級地区の一等地に居を構えておりますもの。
そんなわけで、お忍びで外出する際になんだかんだと実家にも立ち寄っていたので久し振りというわけでもないですし、懐かしい…とか感じるわけもないのですが…やっぱり【帰宅】となると込み上げるものがございますわね。
「クリスティア!」
「お母様…ただいま戻りました」
馬車からおりた途端にお母様に優しく抱き締められ、今度は苦しくなることもないのでじっくりと抱擁を交わします。それにしても、お母様はいつもいい匂いがするのよね。きっとお父様の好みなんだろうけど、今度聞いてみましょう。
「ティア」
「お兄様、お久し振りでございます」
「うん、よく帰ってきたね。待ってたよ」
お父様によく似た容姿と体格のお兄様ですが、そこはきちんと優しい抱擁をしてくださいます。あらやだ、お兄様香水変えました?まさか新しい女の出現ですの?お義姉様に言いつけますわよ?
「……あ~、なんか誤解してそうだから先に言っておくけど違うからな。新しい香水を見つけてきて気に入ったからつけてって言ってきたの、マリアだから。浮気とかじゃないから」
「あら、そうですの?帰宅早々に新婚夫婦の諍いを見られるなんて!…って興奮しましたのに。残念ですわ、本当にいらっしゃらないの?」
「いるわけがない!!マリア、違うぞ?いないからな?俺はマリア一筋だからな!?」
「分かっておりますわ、ジルベルト様。むしろ慌てすぎると余計に怪しいですわよ?」
きた!お母様もお美しいけれど、どこか可憐な少女の面影を残している可愛いと言ったほうがしっくりくる感じなんだけれど……
「おかえりなさい、クリスティア」
「ただいま戻りました、マリアお義姉様」
同じ背丈のお義姉様と抱き合うと、お兄様と同じ香水の香りがした。いやだわ、なんだかとってもいやらしくてドキドキしちゃう。
「…クリスティア、あなたまた良からぬ事を想像してるでしょ?言っておくけど毎晩よ。野獣よ」
「まぁ!それは是非とも今後の参考にさせていただきたいです。私の理想とする殿方も、そのくらい積極的であって欲しいですわ」
「流石兄妹ね」
口端をクイッとあげたお義姉様の悪いお顔、眼福でございます。美しい人のニヒルな笑顔ってどうしてこうも胸をときめかせるのでしょうか。
「さぁさぁ!着替えて落ち着いたら早速晩餐を始めようではないか!!」
「お父様?まだ昼間ですわよ?」
「何を言う。今夜は公爵家の総力をあげた晩餐となっているんだ。何時間あっても終わらないぞ」
そうでしたわね。家族の慶事には少しずつのお料理をたっぷりの時間をかけて、全員でお祝いするのが我が家の伝統でございました。あら?そういえば前世の世界でそんなお料理があったような。
「今夜は朝まで飲むぞ~!!!」
「あなた、飲みすぎないでくださいましね」
「つれないことを言わんでくれ、ソフィア」
飲んだくれる気マンマンのお父様は今からお母様のご機嫌とりに尽力しております。いつまでたっても仲の良い両親でうれしいですわね。
ところで。
公爵家秘蔵のワインも出てくるかしら。
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