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番外編 366日後以降の花言葉
【大人風味】結婚式…の翌日
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※直接的な表現はありません(注※作者基準)が、イチャイチャするのが通常運転でもある本人達の熱い語りが勢いを増す傾向にあります。苦手な方は速やかに御退出を!!
******
うっすらと意識が浮上し始めたところで、いつもと違う違和感に気が付き…その理由を思い出して逃げ出したくなった。羞恥心から。
「!!……っ」
もぞ…と頭を動かしてみると、予想通りそこにはフリードリヒの寝顔があって…声をあげ、飛び起きそうになってしまった。
ガッチリと抱き締められて、足まで絡められていては身動きも出来ず…折角の機会だからと気の向くまま、思うがままに彼の寝顔を堪能することにした。
(…長い睫毛)
唯一自由に動かせる手で彼の顔にかかる髪をそっと避けて、その静かな刺激に睫毛を震わせた彼の様子をじっくりと窺う……が、起きる気配もないので堪能を続けてみる。
今はまだ閉じられている瞼の奥には綺麗なエメラルド色の瞳があって、それが隠されていることが惜しくて思わずそっと指を這わせる。
男性なのに手入れの行き届いた綺麗な肌。
髪の毛と同じ色をした眉毛と睫毛…そう言えば、初めて見た…その…か、彼の下半身にある毛髪も同じ色をしていたのよね。
彼の生まれたままの姿を見たのは勿論初めてで、均整のとれた体にしなやかな筋肉を纏う男性らしい雰囲気に見惚れてしまった。
彼の手にかかれば私なんか簡単になき者とされてしまうものなのに、這わされる手や指先はどこまでも優しくて……思い出したら余計に恥ずかしくなってきた。
閉じられた目元から指先を動かし、綺麗な鼻筋を滑らせてから恋しく思う唇に触れてみる。
この唇から私を傷付ける言葉が発せられることはなく、出てくるのはどこまでも甘く優しい言葉だけ……いえ、閨事の最中はそうでもなかったわね。
自分がどうなってしまうのか分からない感覚に襲われて『やめて』と何度も頼んだのに、その都度返ってくるのは満足そうな微笑みだけ。
しまいには唇を塞がれて言葉の抵抗は封じられ…あらゆる所に手を這わされて…その……初めての感覚を経験したわ。
生理的に溢れる涙を口付けて啜りながら、『もっと啼いて…もっといじめたくなる』と彼らしくない言葉に……きゅんとしてしまった。
金糸の幕に囲われて、大好きな彼に組み敷かれるのは…癖になりそうで困る。
いつもは優しいのに寝台の中では違う一面を見せてくれる彼の唇は、瞼と同じように閉じられたまま。
「……愛してると言って…」
唇に指先をあてたままポツリと呟くと、その唇がゆるりと弧を描いて…
「愛してるよ…俺だけのジュリエンヌ」
いつから起きていたのだろう…してやられた感にムッとするも開かれた瞼から見える美しいエメラルドに吸い込まれるように見惚れてしまう。
「ジュリエンヌは言ってくれないの?」
それはそれは甘い声音で強請られれば…そもそも強請られなくともいつだって彼には伝えたいと思っている。
「愛してるわ…私だけのフリードリヒ」
おはよう…と付け加えて、そう言えば寝起きで挨拶をするなんて初めてのことよ!と上がるテンションのまま、その喜びを共有しようと彼の唇に口付けた。
「……出発は遅らせるっ」
「え?……あっ、、」
ぐぅ…っと低く唸ってそう言う彼に組み敷かれ、あっという間にひとつになる……
(そうだ…別荘……)
昼過ぎには出発するのだと言われていたけれど、どうやらそれは遅らせるらしい。
ミーシャや御者、多くの人に迷惑をかけてしまうけれど…今は愛しい人の腕の中に囚われていたい。
「フリード…愛してる」
ポタリと落ちてくる汗の滴一滴すらも私のもの。
金糸の檻の中で愛されるのは私だけ。
快楽と苦悶が織り交ぜ合う表情を見られるのも私だけ。
あなたとなら、どこまでも堕ちていきたい……
***
(フリードリヒ視点)
組み敷くジュリエンヌを見下ろして、早急に繋がったことに苦痛はないか様子を窺うが……そんな様子は微塵も感じられず、むしろ大歓迎だとばかりに顔を綻ばせて…体の中でまで喜んでくれているのが伝わってくる。
「愛してるよ、ジュリエンヌ」
閨事の最中に愛を囁けばどんなに苦しそうでもふんわりと微笑み、そのたびにきゅっと締め付けられる…心も体も。
暫くはふたりきりでのんびりと過ごしたいけれど、蜜月の間に子供が出来るのは間違いないんじゃないかと思うに至る。ジュリエンヌの全てを知ってしまった今では、婚約者時代の時のような触れ合いだけでは物足りるはずもなく…もっと深く繋がり蕩けたいと望んでしまう。
「フリード…愛してる」
ジュリエンヌの中から与えられる快感に蕩けそうになり浸っていると、不意に愛を囁かれ…暴発しそうになった。
少しでも長く繋がっていたくて…まだまだ若いから一度終わったくらいじゃ落ち着かないけれど……それでもジュリエンヌから与えられる幸せを何一つ取り零したくなくて必死に耐える。
「ふふ……可愛い」
俺が煩悩と戦う姿を可愛いと言うジュリエンヌはなんだか余裕そうに見えてムッとして……ポタリと落ちた俺の汗を指で掬い…ペロリと舐める姿に理性の糸がプツリと切れた。
甘くて高いジュリエンヌの嬌声があがるたび、戻ろうとする理性を捩じ伏せて放り投げる。
昨夜と同じように意識を失うまで求めてしまうかもしれないが、それなら抱き上げて別荘に向かえばいいだけだ。
新婚なんだし……そうひとり納得して、金糸の檻に囚われた俺だけのお姫様を心行くまで愛させてもらった。
「愛してるよ、俺の唯一」
身を清めたジュリエンヌに簡素なワンピースを着せる前に、昨夜から今朝にかけて散らした赤い花を眺め…尋常ではない数に思わず苦笑するも、その半分くらいはジュリエンヌからの望みだったのだから善しとする。
「…もっと練習してもらわなくちゃな」
自分もつけたいと言ったジュリエンヌだったけれど、吸い込む力は弱々しくて…なんとかつけられた花は今にも消えそうになっている。
“独占欲”
この花をそう呼ぶのだと聞いてから、早くジュリエンヌに散らしたくて仕方なかった。苦節6年…長かった、その分が爆発したとも言える結果だ。
8歳で出会い、19歳となって漸く名実ともに手に入れることが出来た俺の最愛。
コンコンーーーー
「準備が整いました」
「すぐに行く」
ゆったりとしたデザインのワンピースを着せたジュリエンヌを優しく抱き上げ、静かに寝息をたてて眠っていることに…少しだけ罪悪感を感じる。
でもごめん……
今日からの3ヶ月間はもちろん、それ以降もジュリエンヌを寝台から離れさせることは難しいかもしれない。
体のラインを出すドレスやワンピースも、なるべく寝室の中だけにしてほしい…なるべくね。ジュリエンヌ自身も大人っぽいデザインが割りと好きみたいだから、無理は言わない。
「行ってらっしゃいませ」
使用人達の生暖かい視線に見送られ、馬車は別荘に向けてゆっくりと走り出す。
ふたりの未来はまだ始まったばかり。
19歳の俺と17歳のジュリエンヌだから、これから先も多くの苦難が待ち受けているのかもしれない。
それでも、ひとつひとつをふたりで乗り越えていければいい…決してひとりきりで悩むことも悩ませることなく。
「幸せにするよ…」
馬車の揺れにも気持ち良さそうな寝息をたてるジュリエンヌにそっと口付けを落とす。
旅程は2日。
途中の街で泊まる宿には、朝を迎えた時に用意して欲しい花を伝えてある。
あの日から始めた贈り物だけど、最期を迎える日まで続けたいと思う…仮に俺が先に逝くことになったとしても、その意思は子供達に受け継いで。
願わくば……
君の最期を看取ってから後を追いたい
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うっすらと意識が浮上し始めたところで、いつもと違う違和感に気が付き…その理由を思い出して逃げ出したくなった。羞恥心から。
「!!……っ」
もぞ…と頭を動かしてみると、予想通りそこにはフリードリヒの寝顔があって…声をあげ、飛び起きそうになってしまった。
ガッチリと抱き締められて、足まで絡められていては身動きも出来ず…折角の機会だからと気の向くまま、思うがままに彼の寝顔を堪能することにした。
(…長い睫毛)
唯一自由に動かせる手で彼の顔にかかる髪をそっと避けて、その静かな刺激に睫毛を震わせた彼の様子をじっくりと窺う……が、起きる気配もないので堪能を続けてみる。
今はまだ閉じられている瞼の奥には綺麗なエメラルド色の瞳があって、それが隠されていることが惜しくて思わずそっと指を這わせる。
男性なのに手入れの行き届いた綺麗な肌。
髪の毛と同じ色をした眉毛と睫毛…そう言えば、初めて見た…その…か、彼の下半身にある毛髪も同じ色をしていたのよね。
彼の生まれたままの姿を見たのは勿論初めてで、均整のとれた体にしなやかな筋肉を纏う男性らしい雰囲気に見惚れてしまった。
彼の手にかかれば私なんか簡単になき者とされてしまうものなのに、這わされる手や指先はどこまでも優しくて……思い出したら余計に恥ずかしくなってきた。
閉じられた目元から指先を動かし、綺麗な鼻筋を滑らせてから恋しく思う唇に触れてみる。
この唇から私を傷付ける言葉が発せられることはなく、出てくるのはどこまでも甘く優しい言葉だけ……いえ、閨事の最中はそうでもなかったわね。
自分がどうなってしまうのか分からない感覚に襲われて『やめて』と何度も頼んだのに、その都度返ってくるのは満足そうな微笑みだけ。
しまいには唇を塞がれて言葉の抵抗は封じられ…あらゆる所に手を這わされて…その……初めての感覚を経験したわ。
生理的に溢れる涙を口付けて啜りながら、『もっと啼いて…もっといじめたくなる』と彼らしくない言葉に……きゅんとしてしまった。
金糸の幕に囲われて、大好きな彼に組み敷かれるのは…癖になりそうで困る。
いつもは優しいのに寝台の中では違う一面を見せてくれる彼の唇は、瞼と同じように閉じられたまま。
「……愛してると言って…」
唇に指先をあてたままポツリと呟くと、その唇がゆるりと弧を描いて…
「愛してるよ…俺だけのジュリエンヌ」
いつから起きていたのだろう…してやられた感にムッとするも開かれた瞼から見える美しいエメラルドに吸い込まれるように見惚れてしまう。
「ジュリエンヌは言ってくれないの?」
それはそれは甘い声音で強請られれば…そもそも強請られなくともいつだって彼には伝えたいと思っている。
「愛してるわ…私だけのフリードリヒ」
おはよう…と付け加えて、そう言えば寝起きで挨拶をするなんて初めてのことよ!と上がるテンションのまま、その喜びを共有しようと彼の唇に口付けた。
「……出発は遅らせるっ」
「え?……あっ、、」
ぐぅ…っと低く唸ってそう言う彼に組み敷かれ、あっという間にひとつになる……
(そうだ…別荘……)
昼過ぎには出発するのだと言われていたけれど、どうやらそれは遅らせるらしい。
ミーシャや御者、多くの人に迷惑をかけてしまうけれど…今は愛しい人の腕の中に囚われていたい。
「フリード…愛してる」
ポタリと落ちてくる汗の滴一滴すらも私のもの。
金糸の檻の中で愛されるのは私だけ。
快楽と苦悶が織り交ぜ合う表情を見られるのも私だけ。
あなたとなら、どこまでも堕ちていきたい……
***
(フリードリヒ視点)
組み敷くジュリエンヌを見下ろして、早急に繋がったことに苦痛はないか様子を窺うが……そんな様子は微塵も感じられず、むしろ大歓迎だとばかりに顔を綻ばせて…体の中でまで喜んでくれているのが伝わってくる。
「愛してるよ、ジュリエンヌ」
閨事の最中に愛を囁けばどんなに苦しそうでもふんわりと微笑み、そのたびにきゅっと締め付けられる…心も体も。
暫くはふたりきりでのんびりと過ごしたいけれど、蜜月の間に子供が出来るのは間違いないんじゃないかと思うに至る。ジュリエンヌの全てを知ってしまった今では、婚約者時代の時のような触れ合いだけでは物足りるはずもなく…もっと深く繋がり蕩けたいと望んでしまう。
「フリード…愛してる」
ジュリエンヌの中から与えられる快感に蕩けそうになり浸っていると、不意に愛を囁かれ…暴発しそうになった。
少しでも長く繋がっていたくて…まだまだ若いから一度終わったくらいじゃ落ち着かないけれど……それでもジュリエンヌから与えられる幸せを何一つ取り零したくなくて必死に耐える。
「ふふ……可愛い」
俺が煩悩と戦う姿を可愛いと言うジュリエンヌはなんだか余裕そうに見えてムッとして……ポタリと落ちた俺の汗を指で掬い…ペロリと舐める姿に理性の糸がプツリと切れた。
甘くて高いジュリエンヌの嬌声があがるたび、戻ろうとする理性を捩じ伏せて放り投げる。
昨夜と同じように意識を失うまで求めてしまうかもしれないが、それなら抱き上げて別荘に向かえばいいだけだ。
新婚なんだし……そうひとり納得して、金糸の檻に囚われた俺だけのお姫様を心行くまで愛させてもらった。
「愛してるよ、俺の唯一」
身を清めたジュリエンヌに簡素なワンピースを着せる前に、昨夜から今朝にかけて散らした赤い花を眺め…尋常ではない数に思わず苦笑するも、その半分くらいはジュリエンヌからの望みだったのだから善しとする。
「…もっと練習してもらわなくちゃな」
自分もつけたいと言ったジュリエンヌだったけれど、吸い込む力は弱々しくて…なんとかつけられた花は今にも消えそうになっている。
“独占欲”
この花をそう呼ぶのだと聞いてから、早くジュリエンヌに散らしたくて仕方なかった。苦節6年…長かった、その分が爆発したとも言える結果だ。
8歳で出会い、19歳となって漸く名実ともに手に入れることが出来た俺の最愛。
コンコンーーーー
「準備が整いました」
「すぐに行く」
ゆったりとしたデザインのワンピースを着せたジュリエンヌを優しく抱き上げ、静かに寝息をたてて眠っていることに…少しだけ罪悪感を感じる。
でもごめん……
今日からの3ヶ月間はもちろん、それ以降もジュリエンヌを寝台から離れさせることは難しいかもしれない。
体のラインを出すドレスやワンピースも、なるべく寝室の中だけにしてほしい…なるべくね。ジュリエンヌ自身も大人っぽいデザインが割りと好きみたいだから、無理は言わない。
「行ってらっしゃいませ」
使用人達の生暖かい視線に見送られ、馬車は別荘に向けてゆっくりと走り出す。
ふたりの未来はまだ始まったばかり。
19歳の俺と17歳のジュリエンヌだから、これから先も多くの苦難が待ち受けているのかもしれない。
それでも、ひとつひとつをふたりで乗り越えていければいい…決してひとりきりで悩むことも悩ませることなく。
「幸せにするよ…」
馬車の揺れにも気持ち良さそうな寝息をたてるジュリエンヌにそっと口付けを落とす。
旅程は2日。
途中の街で泊まる宿には、朝を迎えた時に用意して欲しい花を伝えてある。
あの日から始めた贈り物だけど、最期を迎える日まで続けたいと思う…仮に俺が先に逝くことになったとしても、その意思は子供達に受け継いで。
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