(完結)漆黒の国と半地下の姫

Ringo

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初夜のあと ※マクシミリアン視点

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※「隣国の王女ルリアンナとの初夜のあと」です



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半地下に戻ると、赤い目をした愛しい人が胸に飛び込んできた。


「……お帰りなさい」

「ただいま」


明らかに泣いた跡の残る瞼に口付けを落とし、柔らかい唇に自分のものを重ねれば、珍しくリュリツィアから舌を差し込んできた。


「っ…ん……リリー…」


夢中で舌を絡めてくるリュリツィアの細い腰を抱き寄せると、自然と反り勃つものが当たってしまい思わず暴発しそうになる。


───抱きたい


どこまでも貪欲に求めるのはリュリツィアだけだが、先ほど別の女に挿入れた事を思うととても言い出せない。


「…………ごめん、収まらなくて」


少しだけグリグリと押し付け、ビクッとする様子が可愛くて仕方ない。

一夫多妻制の王族や貴族は凄いと素直に思う。心から愛する人以外を抱くなんて拷問でしかない。


「……………………」

「リリー?…ごめん、お風呂で済ませてくる」

「………………わたくしも行っていい?」


ぎゅっと抱き着いたまま、その言葉の意味を思案して指通りのいい髪をスルリと梳く。


「勿論だよ」


甘えてしがみつくリュリツィアをそのまま抱き上げれば、頬を両手で挟まれまた深い口付けが始められた。


「ん……リリ…っ…まって……」

「…っ…いや……っ…」


いやって…可愛いなぁ、もう。前がよく見えないけれど、毎日行き来しているから勘で進んでも問題はない。問題は愚息の暴発。


「っ……リリー…っ、…」


リュリツィアはどこもかしこも甘くて、リュリツィアに触られると痺れるような快感が全身を走り抜ける。

小さな舌が動き回っているだけでも気持ちいい。

浴室に着いておろしても頬から手は離れず、口付けをやめようとはしなくて…焼きもちだと思うと嬉しくなってしまう。

舌を絡めた合ったまま互いの服を脱がし、全裸になったところでリュリツィアの小さな手がガチガチの愚息を軽く握ってきた。


「……っ!」


危なかった……出るところだった。


「………………拭いたの?」


リュリツィアを相手にしている時はぐちょぐちょに濡れっぱなしだから不思議に思ったのだろう。


「終わらせてすぐに」

「………………れて」

「え?」

「……………………いれて」


まさかのお強請りに愚息が喜んで跳ねた。

見下ろせば、耳まで真っ赤にさせ目はうるうると潤ませ……やわやわと愚息を握って扱いている。


「…………だ…だめ?」


羞恥から俯きそうになった瞬間、顎を持って上を向かせ……確認したかったことを問う。


「……医師長はなんて?」

「………………軽くなら……いいって……」


真っ赤な顔して今にも泣きそうなほどに涙を溜めてるのに、愚息を扱く手は休めない。


「……軽くね……善処する」

「きゃぁっ!」


ヒョイと抱き上げて腰に足を巻き付けさせ、まずは優しく解そうと秘所に触れるとそこは既にぐっしょりと濡れていて、思わず「あはは、すごい」と笑ってしまった。


「ひ、ひどい!笑わないで!!」

「ごめん、ごめん。嬉しくて」


蜜の量だけならすぐにでも挿入りそうなほど潤っているそこに、つぷっ…と指を一本入れた。


「……本当に凄い…ぐちょぐちょだよ」

「……っ、やっ……」


あっという間に二本の指が飲み込まれたことに、この状態となった原因を察した。そしてまた笑いが込み上げてきた……が、飲み込む。


「ねぇ、リュリツィア。僕が帰ってくるまでして過ごしてたの?」

「っ……!」


あえて耳元でそう囁けば、ビクッとしちゃうところが可愛い。でも追求をやめてなんかあげない。相変わらずキツくてザラつく膣を指で楽しみながら、じっくりと解していく。


「ねぇ、教えて?をしたらこんなにぐちょぐちょになっちゃったの?」


はぁぁぁ……挿入れたい。でも我慢。


「リリー?教えてくれないの?」

「……っ……ん……」


あまりの濡れ具合と締まりにちょっと辛抱堪らなくなって抱え直し、挿入らないよう細心の注意を払いながらリュリツィアを上下に動かし先端で入り口をノックすれば、ぴちゅ…ぴちゅ…となんとも可愛らしい音が浴室に響く。


「リリー……ひとりで気持ちよくなっちゃうなんてひどい。早く教えて、してたの?」


数回に一度、ほんのちょっとだけ先端を埋めればリュリツィアはそれだけで小さく達した。


「リリー…リュリツィア…早く挿入りたい……」

「……………………………ひとりでしてました」


小さな小さな声だったけれど、耳元で発せられたその言葉ははっきりと伝わった……が、いじめっ子心が疼いてしまう。

先ほどまでよりも間隔を短くして先端だけを埋めては抜くを繰り返し、


「どうして?」


この質問が失敗だったと気付いたのはすぐ。

緩く首に回されていた手がぎゅっとしがみつくように変わったと同時に、か細い涙声が耳に届いて激しく後悔した。


「……寂しかったの」


軽くと言われている医師の忠告など遠くの彼方に放り投げ、一気にリュリツィアの中を突き上げ押し入って強く抱き締めた。


「……ごめん」


どうして寂しかったのかなど分かりきっていたことで、僕の謝罪に首元からあげられた顔はくしゃりと悲しみに歪んでいて、大きな瞳からはポロポロと涙が溢れている。


「……寂しかった…」

「うん」

「…寂しかったの」

「うん……ごめんね。でも愛してるんだ…それだけは忘れないで…」

「……忘れてない…愛してる……」


どちらからともなく唇を重ねて、泣きながらも優しく包んでくれている温もりと奥のザラつきを求めてリュリツィアを揺さぶり始めた。


「リュリツィア…愛してる……」


寂しい思いをさせてごめん。

君ではない、ほかの女を抱かなければならない弱い立場の僕でごめん。


「愛してる…っ……気持ちいいよ、リリー…ッ」


心と体は別物だと言う人もいるけれど、僕が心から求めて繋がりたいと思うのは君だけだ。

君を思わなければ特効薬すら効かなかった。


「優…っ、しく……して…」


あぁ、そうだった。


「赤ちゃんが…っ、びっくりしちゃうね」


まだ安定期には入っていない。だけどそこには確かに僕達の子供がいるのだと思うと、抱き上げている重さに感慨深いものがある。


「……ベッドに行こう」


ゆっくり愛し合いたい。ただ欲をぶつけるものではなく、心からひとつに繋がるような。





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