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【おまけ】同期・田原
しおりを挟む「……お前……どんだけだよ…」
同期から7人目が出来たとの報告を受け、流石に唖然とするしかなかった。
「桜の年齢的にもこれが最後かな…無理はさせられないし。可能なら10人くらい欲しかったけど」
「10人て……俺はやっと1人目なのに…」
忙しさにかまけて長い期間を独り身で過ごしていたが、漸く伴侶を迎えてめでたく第1子を授かることが出来た。
その報告をした直後、同期から7人目が出来たと告げられ呆気にとられてしまう。
「…可能なんじゃねぇの?なんかお前なら出来るような気がする。いや、出来る」
「最後に3つ子とか出来たりして?」
「有り得そうだから怖いよ」
苦笑しながらも祝い合い、初めて迎える出産や産後のフォローをどうすべきか相談した。
「本に書かれたことを鵜呑みにはしない方がいいと思う。人によってそれぞれ違うし」
「流石7人目を作っただけあるな」
「あくまでも参考程度にした方がいい。うちも妊娠のたびに体調とか情緒が違ったから」
「へぇ……やっぱりヒステリーとかあった?」
これが1番聞きたかったこと。
妊娠初期こそ何もなかったが、その後安定期に入るまで酷い悪阻に悩まされるようになり、最近はやたらと喧嘩腰で当たりがキツイ。
やることなすこと、言うこと全てに噛み付いては泣くことも多く、昨夜は携帯を投げつけられておでこが少し切れてしまった。
「ヒステリーはなかったな。情緒が不安定になって泣きやすくなったりはしたけど」
「そういう時どうしてた?」
「不安に思うことや心配していることを根気強く向き合って全部吐き出させた。あとは抱き締めてあげたくらいかな。桜もそれを求めてたし。それ位しかしてあげられないのが情けないよ」
「いや……充分だと思うけど…」
それが出来ていないから揉めているのだ。
同期は成績もトップで自分以上に多忙を極めていることは知っている。
それなのに根気強く向き合っていると言われてしまえば、自分の努力と歩み寄りが足りないのだと思い知らされた。
「妊娠している女性はさ、本能的に子を守ろうとして攻撃的にもなっちゃうものなんだって。ガルガル期とか言うらしいよ。なんか可愛くない?」
「………」
泣いては怒鳴って物まで投げつけてくる妻の状態を可愛いとは思えず、思わず黙り込んだ。
「だから安心させてあげるしかないんだよ。どうして不安なのか、何が心配なのかを聞いてさ。それすら鬱陶しがられることもあるけど。無力なもんだよなぁ…男なんて種付けして孕ませるしか出来ないんだから」
「……まぁ…そうだな…」
「体調だって目まぐるしく変わるのに、どんなに苦しくても病気じゃないから薬を飲んで治すことも出来ない。気持ち悪くても食べて栄養を取らなくちゃならないし、転ばないように、病気にならないようにって気も張ってる。そんな生活を何ヶ月も続けた上で最後には何があるか分からない出産なんだ…感謝しかないよ」
なぜ同期の妻が7人も子を産む覚悟を持てるのか分かった気がした。
安定しているように思える同期夫婦にもきっとそれなりに波風はあって、それを乗り越えるだけの努力をしている。
互いに確固たる信頼と愛情、そして気遣いがあるからこそ何人も子を作れるのだと思えた。
「それにさ、子を宿した姿は何度見ても感動するんだよね。神秘的って言うの?神々しい。大きくなればなるほど、そこに自分の子がいるんだって実感出来て泣きそうになる。愛しくて仕方ない」
「……それは分かる…」
妊娠が判明した時はただ嬉しかった。
まだ膨らんでもいないお腹に触れては『元気に大きくなれよ』と何度も話しかけた。
少しずつ大きくなると比例するように体調が悪い日が続いて情緒も不安定となり、いつからか泣いてばかりいるようになってしまった。
「夫婦は話し合わなきゃダメだと思うよ。結局は他人…とは言い切りたくないけどそうだし、別人格なわけでさ。ただでさえ命を宿して大変なんだから。まぁ…鬱陶しがられる事もあるけど」
やたらと『鬱陶しがられる』事を挟んでは遠い目をしているが、それには触れずにおく。
「……そうだな…話し合いだよな…」
「安心させてやれよ。でもまぁ、ガルガル期は生まれてからも続くから耐久戦だけど」
「マジか…」
ガルガル期なるものは怖いが、生涯を共にしたいと思える女性と出逢って授かれた命。
帰ったら全部聞こう。
時間がないじゃなくて作ろう。
そう思い、この日は周囲に協力を仰いで久し振りに定時の帰宅をもぎとった。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
「ただいま」
「……おかえりなさい。本当に帰ってきた…」
いつもより早い夫の帰宅を玄関で出迎えた身重の妻は、驚きながらも嬉しそうな笑顔を見せる。
そんな表情を見るのは久し振りのこと。
たったこれだけの事で…と思うがそれだけ寂しくさせているのだと感じた。
「今日はね。また遅くなる日が続くと思うけど」
「そうなんだ…無理しないでね」
眉を下げてそう言う様子に、落ち着いて窺えば心から心配してくれているのだと伝わってくる。
どうして穿った捉え方をしていたのだろう。
「いい匂いがする」
「スペアリブ作ったの。なんか無性にお肉が食べたくなっちゃって…また太っちゃう」
そういえば、妻は妊娠してから鏡の前でよく溜め息を吐くようになっていたと思い出す。
そんな妻の様子に妊娠したのだから体型が変わるのは必然で、体重も増えるのが当然なのにとただ呆れていただけ。
『子を宿した姿って神秘的だよな』
『増えた体重の分だけ子供が成長していると思うと安心するし嬉しくなる』
同期の言葉が正しいと今なら分かる。
「お腹の子が食べたがってるのかもね。美織の料理はなんでも美味しいから、もっと食べたいって言ってるのかも」
「……食いしん坊過ぎる」
「俺に似ちゃったんだろ。ごめんな」
「よく食べるもんね。なんでも美味しいって言って食べてくれるから助かるけど」
呆れたように言ってキッチンに向かおうとした妻を後ろから抱き締め、手を伸ばしてお腹を撫でると元気な胎動を感じた。
俺の子がいる……と思えて嬉しい。
「ママのご飯は美味しいもんな。いっぱい食べて大きくなれよ」
「…………」
妻は無言のまま、腕の中で大人しくしている。
妊娠すると夫を受け入れられなくなる人もいると聞き、嫌がられたらどうしようと怖かった。
逃げるのではなく向き合うべきだったのに。
「美織」
「…………」
「ごめんな、ひとりで頑張らせて」
何も反応がないので後ろから頬を寄せると、妻は静かに涙を流していた。
どれだけ不安にさせていたのかと、今更ながら後悔しかない。
もう心が離れているのではと怖くなる。
「忙しいとか言い訳ばかりしてごめん」
「……だって…忙しいのは本当でしょう…?」
「本当だけど、だからって美織に甘えてばかりいていい言い訳にはならない。家の事も任せっきりで、体調を気遣うこともしなかった…ごめん」
妊娠が分かった時、妻は喜んでいた。
毎日楽しそうでよく笑い、早く生まれておいでとお腹を撫でていた姿が脳裏に浮かぶ。
「俺の子なのにな…ダメ親父でごめん」
「…………謝ってばっかり…何かあった?」
「何もないよ。強いて言えば、美織に見限られたんじゃないかって不安かな…勝手だけど」
「そんな事ない…」
「そっか…ありがとう。好きだよ、美織」
頬にキスをすると赤く染まり、「私も」と小さく聞こえて嬉しくなった。
「体調はどう?」
「……たまに吐いちゃう…」
「そうなの?気付けなくて…本当にごめん。今度の検診には俺も行くからそこで相談してみよう。何か対策案があるかもしれない」
悪阻は収まったと思っていた。
吐いていると言われて急激に心配が増し、つい抱き締める腕に力がこもってしまう。
「他には?」
「…………太った…」
「体重が増えるのは子供が順調に成長してるって証拠だろ?しかも俺に似て食いしん坊だからな」
「……妊娠線が出てきた…」
「成長が早いところも俺似か」
「…産んでも太ったままだったらどうしよう…」
「俺は気にならないけど、美織が気になるなら一緒にダイエットでもしようか。それにしても本当に大きくなったなぁ」
感慨深くなってお腹を撫でていると、その手を妻がキュッと握ってきた。
「…母親になっても…女に見える…?」
「子供にとっては母親だけど、俺にとっては妻であり女だよ。それは変わらない」
「……抱きたいって…思う…?」
妊娠が分かってから抱いていない。
遅い帰宅が続いて入浴も互いにひとりで済ませるようになり、最後に裸を見たのは随分前のこと。
「思うよ。でも妊娠しているから何かあったらと心配で怖かった。ごめんな」
ふるふると首を振る妻の首筋に口付けると、熱いくらいの体温に下半身が疼く。
「妊娠したらそういうの苦手になる人もいるって聞いたから…美織もそうだったら負担にしかならないとも思ってた」
またふるふると首を振る仕草が可愛い。
「抱いてもいい?先生は何か言ってた?検診もひとりで行かせてばかりだったな…ごめん」
「…先生は…激しくしなければ…って…」
「そっか…今日は一緒にお風呂入る?」
耳まで赤くしコクンと頷く姿は、今すぐ襲いかかりたいくらいに愛らしいものだった。
「……今すぐ食べちゃいたいんだけど」
「スペアリブ?」
「美織をだよ」
漸く笑った妻を振り向かせてキスをし、まずは腹ごしらえだと言って一緒にキッチンへと向かう。
僅かな距離だが久し振りに手を繋いだ。
「……手、大きいよね」
「美織が小さいんだよ」
そんなやり取りさえも愛おしい。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
明るく笑う妻と会話を楽しみながらとる食事はとても美味しかった。
脱衣所で「お腹が大きくて恥ずかしい」と脱ぐのを躊躇する妻に「俺の子を孕んでいるからな」と返して脱がせれば顔を真っ赤にさせ、久し振りに見た妻の裸に下半身は反り立ち臨戦態勢。
「……興奮してる…?」と上目遣いで聞かれたので「当たり前だろ」と答えて口付け舌を絡めていると、先走りがタラタラと垂れ落ちた。
ここ最近は忙し過ぎてひとりでもしていない。
のぼせない程度に風呂場でも触り合って、互いに準備万端となった状態でいざ寝室へ。
あまり強い刺激を与えないように気遣いながら丁寧に愛撫を施し、トロトロに解れたところで避妊具をつけてゆっくりと挿入した。
「っ……ヤバい…すぐイきそう…っ…」
久し振りに感じた温もりと締め付けはゴム越しでも充分に気持ち良く、少しでも動けば出してしまいそうになる。
「……気持ちいい?」
「気持ち良すぎる…っ、ちょっと待って…暫くこのまま…っ…」
腹と尻に力を込めて吐精を堪えた。
童貞並の速さでは男の沽券に関わってくる。
ちなみに避妊具は妻が用意していたもので、医師から許可がおりた時に購入したと聞いた。
どれだけ蔑ろにしていたのか思い知り、出来るだけ時間をかけて満足させてやりたいと堪える。
「……動いていいよ?」
「いや……俺がダメ。すぐ出る。マジ出る」
覆い被さりたいがお腹を潰してしまうのでそれも出来ずにいると、妻の足がお尻のあたりに巻き付いて引き寄せられた。
「ちょっ、」
「出して…」
艶のある声でそう言われ、同時に隘路がキュッと締まって限界を迎えてしまう。
「っ…ぁ゙ぁ゙…もう無理っ…!!」
「あっ、んっ……っ…!!」
腰を掴んで深くなり過ぎないように気を付けながら穿ち、あっという間に果てそうになるのを耐えつつ極上の快楽を味わう。
……が、大きなお腹の妻を貫き揺する状況に劣情は極限まであがり、そう長くかからずに果ててしまった。
「イクっ……!!」
ゴムの中ではあるが挿入しての射精は腰が溶けるかと思うほどに気持ち良くて、一向に萎える気配もなく隘路をみっちりと埋めている。
「……もう1回しても平気?」
荒い呼吸を整えることなく、まだ出続けている状態で緩く前後させながらそう聞けば、頬を紅潮させている妻は嬉しそうに頷いた。
「次はもっと時間かけるから」
「……うん…」
手早く避妊具を替えて再び挿入すれば、先程より落ち着いて腰を振れる。
「はぁぁ…気持ちいい……幸せ……」
「んっ、私も……っ…」
「……キスしたい…」
お腹を潰さないように覆い被さり、腰の動きと同様にゆっくりと舌を絡めれば心が満たされた。
セックスが全てではないが、やはり肌を触れ合わせて繋がる事で得られるものは大きい。
勿論、相手の同意があってこそだが。
「……出産してもしてくれる…?」
「美織が望んでくれるなら幾らでも」
口付けを交わしながら優しく隘路を擦れば、可愛い喘ぎが漏れて堪らなくなる。
そしてふと考えた。
子供がいる夫婦はどうやってセックスをしているのだろか…と。
同期の顔が浮かぶが萎えそうになって即座に打ち消し、きっと参考にはならないと思い直す。
それよりも大切なのは、今こうして愛する妻と繋がっていること。
「美織…気持ちいい?」
「っ、ん…気持ち、ぃ……っ…」
少し涙目なのは快感が引き出したもので、そうさせたのは自分なのだと滾りは増す。
「おっき…っ…」
「そんなこと言ったらダメだよ」
言って欲しいけど、激しくしたくなるから今は控えて欲しいと思ってしまう。
「でも…産んで落ち着いたらいっぱい言って」
「おっきぃ…とか…っん、すごっ、ぃ、とか…」
「っ、ダメだってば…覚えとけよ…産んだら気絶するくらい激しくするから……って言ってるそばから締めないで…っ、マジでイッちゃう…」
「わざとじゃないもんっ…」
もうしたくないと言われるかもしれない。
キスすら拒絶されることもあると聞く。
それでもいい。
愛する妻が傍にいて、幸せそうに笑ってくれていることが何よりも大切なのだと今は思える。
「美織…愛してる…」
「わたっ、しも…っ、愛してる…っ…」
言葉ひとつに喜んで破顔するその姿を、瞼の裏に焼き付けておけばいい。
重ねた唇の柔らかさも忘れない。
その後…無事に出産を終えた妻が夫を拒絶することは終ぞなく、ふたりは3人の子を授かった。
3人目を産んだのちに卵巣を摘出する病に冒されたが、予後は順調に回復。
夫婦仲も変わらずで営みも定期的に持ち、子供達が呆れるほどの仲睦まじさを見せる。
そして退社した同期から誘いを受け、彼が継いだ会社へ役員待遇で招かれた。
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※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
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2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
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○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
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