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妻は愛する夫の寝込みを襲う
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《妻視点》
ふわりと意識があがり、ぼんやり目を開けると視界いっぱいにハワードの顔が飛び込んできた。
体は気だるくて…だけど心は満たされている。
喉がカラカラな事に気付いて起き上がろうとしたけれど、逞しい腕にガッチリと抱き込まれていて動くことすらままならない。
「……珍しいな…ぐっすり寝てる…」
仕事柄ハワードは眠りが浅くて、少しの物音や気配で目を覚ます。寝顔を見るなんて僅かな時間にする膝枕でのお昼寝くらい。
『マリィが傍にいないとよく眠れないんだ』
そう言っていた事を証明するように、目の下にはうっすらと隈が確認できた。ひと月もの間、殿下の傍で気を張りつめていたのだろう。
大好きなエメラルドの瞳は隠されているけれど、髪の毛と同じ銀色の睫毛が美しい。
「……ハワード…わたしの旦那様…」
彫像のような美しい造形に見惚れ、思わず指先で輪郭をなぞってしまった。
「本当に綺麗……」
幼い頃からそうだったけれど、成長と共に男らしく精悍さが加わってわたしの心を虜にする。
騎士として立つ律した表情も、わたしに向けられる優しい笑顔も、ハワードの全部が大好き。
そっと口付けたけれど起きる様子はなく、この滅多にない状況にワクワク感が込み上げてきた。
そしてふと、疑問に思う。
……寝てる時ってどうなってるんだろう?
営む時は勿論のこと、ふたりでお風呂に入る時さえ常にご立派な状態だから通常時を知らない。
「……気になる…」
起こさないよう静かに動いてシーツをめくると、そこにあったのはいつもと違ってくたりと力のない様子のアレ。
初めて見る状態に好奇心が湧いて、そっと優しく握ってみるとふにゃりと柔らかい。
なにこれ…可愛い……っ!!
ご立派な状態も男らしくて好きだけれど、この状態も可愛らしく思える。
そして…ふにゃっていても大きいのね。
他に例えようのない感触を楽しみつつ、このまま触り続けたらどうなるのかと思いながら暫く握り続けて…腕の力が緩んだ隙にシーツの中へと潜り込んでパクリと咥えてみた。
「…………」
特に反応なもなく初めての食感?が面白くて咥えたり舐めたり遊んでいたら、徐々にむくむくと立ち上がり硬くなっていく。
すごい…っ!!なにこれ、面白い!!
やがていつもの様に“ご立派”な状態になって、わたしも下半身に疼きを覚えるけれど続ける。
「…ん……っ…」
ハワードの甘い声が漏れ聞こえてきたから嬉しくなり、起きてもいいやと仰向けにさせて本格的に攻めることにした……が、起きない。
ふふ…わたしの独壇場ね。
寝息をたてる唇に優しく触れるだけの口付けをして、いつもしてくれるように耳朶や首筋…鍛え上げられた胸や腹筋と順を追って唇を這わせた。
赤い花を散らすことにも成功して、これまた同じように裸体を見下ろしてみる。
っ……!!破壊力が凄い!!
寝ているのに色っぽい雰囲気がするし、何より自分がつけた印だらけの状態に独占欲がぎゅぎゅっと満たされた。なるほど、これはいい。
「…………マリィ………」
名前を呼ばれて起きたかと様子を窺うけれど、どうやらまだ夢の中。寝言で名前を呼ばれるのはなんだか擽ったいけど嬉しい。
またすぐ忙しくなるんだろうな…と思うと寂しくなるけれど、今はここにいる。
ここで沢山愛し合って、わたししか知り得ないハワードの姿を見せてくれている。
涙が込み上げてくるほど愛おしくて、いつものお返しに精一杯奉仕しようと思った。
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱⋆*
いっそ吐精までもっていけないかしら…と思いながら奉仕していたら、ついつい夢中になり過ぎてハワードの意識を引き上げてしまったみたい。
「……マリィ…っ……なにして……っ…」
「じっとしてて」
キッと睨んでまた口に頬張る。
いつもわたしを翻弄するこの子がなんだか愛しくて堪らないの。
「っ気持ちいい……何これ…マジかよ…寝起きにマリィの口淫とか…っ…最高…幸せ…もっと…もっとして…ねぇマリィ…俺のものは美味しい?」
「ほいひい」
「ふふ……咥えたまま喋ると擽ったい…ねぇ、そのままこっち見て…俺だけの光景が見たい」
言われるままに口を離さず見上げると、ギラギラと滾らせるハワードと視線がぶつかった。
「あぁ…たまらない…もっとして…喉の奥まで咥えて欲しい…そう、凄くいい…気持ちいいよ…」
大き過ぎて全部は飲み込めないけれど、喉奥にぶつかる限界まで咥えるとハワードは蕩けるような笑みを見せてくれた。
顔周りの髪をまとめられて、じっと見つめられるのは恥ずかしい。
「少し動くよ…」
くいっと腰を突き上げられると、限界を突破しそうになって嘔吐きそうになる。だけどその苦しみすら、ハワードが与えるものだと思うと何故か高揚してくるし疼きは増してしまう。
「いいよ…っ…気持ちいい……マリィ…こっち見て…目を離さないで……そうっ…もっと…舌絡めて…そこ…っ…気持ちいい…っ…」
息苦しさと喉奥を突かれる刺激で涙が溢れてしまうけれど、そんなわたしをハワードは愛おしそうに見つめてくるから…俄然がんばれる。
咥えきらない部分は手を添えて扱き、腰の動きに合わせて吸引したり舌を動かしたり…全部ハワードに教えてもらった。
「はっ…いい…ん…っ…マリィ…このまま達してもいい…?出したら飲んでくれる…っ…?」
こくこく頷くと、破顔し頭を撫でてくれた。
どうしよう……愛しくて仕方ないんですけど!!
飲みます!!飲ませてくださいませっ!!
「愛してるよマリィ…っ…気持ちいい……もっと扱いて…ん、そこ……いいっ…あっ、あっ…マリィ…吸って…あぁ…っ…出そうっ…イクよ…っ…出すよ…もう…出る……っ!!」
グイッと腰が突き上げられると同時に頭を押さえつけられ、限界を迎えて膨らんだ先端から勢いよく精が放たれ喉奥へ容赦なく叩き込まれる。
正直言えば苦しい。
だけどこの苦しさが快感と幸福に変わったのはいつだっただろう。ドクドクと吐き出されるものが喉を流れ落ちていく過程にじわりと蜜が溢れた。
「マリィ…っ………」
腰を震わせて全て出し切り、ポロポロと涙を流すわたしを恍惚とした表情で愛おしげに見つめてくるハワードが好き。
普段は甘くて優し過ぎるくらいなのに、閨では容赦なく攻めてくる男らしいハワードが好き。
全力で愛をぶつけられるのが好き。
「っ……マリィ…大丈夫?」
最後の一滴を吐き出すまで押さえ付けていたくせに、終わると途端に気遣うところも…好き。
搾り取るように吸い上げながらチュポンッと口を離して、口内に残るものを全て飲み干せば…幸せそうに微笑むところも好き。
結局ハワードなら何しても何をされても好き。
「おいで」
抱き寄せられて果実水を口移しで貰ったあと、そのまま深く口付けてくれるのも好き。
よく出来ました…って褒めて貰えているみたい。
「んっ……気持ちよかった?上手に出来た?」
「物凄く気持ちよかった。ありがとう、大好き」
ぎゅうぎゅう抱き合いながら…さりげなく誘導されてまだ硬いままのモノを宛てがわれ、ゆっくりと腰を下ろして飲み込んでいく。
「……これ…っ…深い……っ…」
体力がある方で良かったと本気で思う。
いわゆる“絶倫”のハワードと、とことんまで愛し合うことが出来るから。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
《夫視点》
ひと月ぶりの情事を満喫して眠りにつき、目が覚めるとそこは天国だった。
マリィが居ない夜はうまく寝付けず、ひと月もの間ずっと寝不足だったからか驚くほど深い睡眠に落ちていたらしい。
恐ろしいほどの気持ちよさに引っ張られて目を覚ませば、視界に飛び込んできたのは絶景。
口いっぱいに俺のものを咥え、一生懸命可愛がってくれている姿にうっかり暴発するところをぐっと耐えた。本当に危なかった。
そして今、俺の精を上の口からたらふく飲んだ愛しい妻は俺の上で快楽を拾い集めている。
「ハワード…っ………あぁっ…いい…っ!!」
寝そべる俺の上に跨り必死に腰を振りながら、倒れまいと腹に手を付き耐える姿がたまらない。
時折コツンと突いてやれば、その都度隘路をきゅんきゅんと締め付けてくるのも可愛い。
「もぅ…だめ…っ……」
「まだ頑張って…ほらっ」
「やぁっ……っ…だめ…あっ、いや…っ…あんっハワー…ド…っ、も…だめ……っ」
ついに崩れ落ちたマリィの息は荒い。大きく実った胸は押し潰されているが、ピンと立っている乳首はその存在を俺に示している。
「じゃぁ今度は俺の番ね。いっぱい頑張ってくれたから俺も頑張る」
「……ぇ…」
休む暇など与えない。
伸ばしていた膝を立てればより深く挿入され、根元までしっかりと包まれる感覚に酔う。
「あんっ、待って…待って…っ」
「いやだ。待たない」
言うや否や華奢な体を抱き締め、渾身の力を込めて勢いよく突きあげ始めた。
マリィは言葉にならない喘ぎを漏らすだけで、だけど隘路は常に蠢き締め付けてくる。ただただ気持ちよくて愛しくて、しっとりと汗ばむ肌が密着している事も高揚させてくる。
このまま溶け合ってしまいたい。
「マリィ…っ…好き……愛してる…っ…」
俺の言葉、行動のひとつひとつに応えてくれる素直で可愛い体を強く抱き締めて、何度目になるか分からない絶頂に向けて突き上げの速度を増す。
「出るよっ………」
宣言するときゅうっと強い締め付けられ、最後にガツンと突き上げ最も深い場所へ放出した。
「くっ……っ…」
ぐったりしているマリィとは違って隘路は搾り取るようにうねり蠢いて…それに導かれるように俺の子種は飲み込まれていく。
「すご…っ…きもちい……っ…」
隘路の奥にちゅうちゅうと吸い付かれるのが気持ちよくて、腰が溶けそうだと思いながらついぐりぐりと押し込んでしまう。
すると、俺の上でくたりと力ないマリィがふわりと優しい笑みを浮かべた。
「ハワード…愛してる…」
唐突にこのまま全てを…マリィの命を奪いたい衝動に駆られ、ぐるりと反転して組み敷いた。
「きゃっ……ハワード…?」
そうすれば誰のものにもならない。
永遠に、俺だけのマリィでいてくれる。
そんな想いが溢れて細い首に両手をかけた。
「マリィ……俺と一緒に死んでくれる?」
突拍子もない俺の言葉と行動に驚く様子も怯えも見せず、マリィは慈愛に満ちた表情を見せる。
「いいよ…わたしはハワードになら殺されたって構わない。だから泣かないで」
そっと頬に手を添えそう言われて自分が泣いている事に気付いた。
『泣かないで、わたしが一緒にいるから』
母が亡くなり落ち込んでいた時、そう言って寄り添ってくれたマリィ。
もしもマリィを失ったら、俺は生きていけない。
「……俺だけのものでいて。誰とも会わず、何処にも行かず…屋敷から出ないで欲しい」
「分かった」
「………誰とも喋らないで」
「ハワード以外と話さないわ」
躊躇なく即答する様子に複雑な感情が込み上げてきて、いたたまれなさを誤魔化すように抱き締め肩口に顔を埋めた。
「……嘘だよ…そんな事しない…でもドレスのデザインは俺が決める」
「ふふっ、それだけでいいの?」
全てを受け止めてくれる愛情が嬉しい。
優しく頭を撫でられて、抑えられなかった激情が鎮まっていくが我儘は溢れてしまう。
「ほかの男と喋らないで。笑いかけるのもダメ。ダンスなんてもってのほか」
「ハワードもダメよ?どんなに美しい女性に誘われてもいかないで。わたしだけのものでいて」
「マリィ以外の女なんて枯れた雑草だ」
「寝込みを襲われるなんてヘマもダメよ?」
その言葉に顔をあげると、綺麗な空色の瞳には嫉妬の炎が揺らめいていた。
かつて騙され寝込みに押しかけられた事を言っているのだろう…あれは迂闊だった。もしも逆の立場でマリィが襲われたら…と思うと怒りが湧いてくる。相手は即座に殺す!!
「二度とあんなヘマはしない」
「本当に?」
「本当にしない。そもそも俺は俺はマリィにしか反応しないんだよ…証明なんて出来ないけど。それより心配なのはマリィだ。こんなに華奢で…男からしたら簡単に暴ける」
誰にも触らせたくないし渡すなんてもってのほかと、ぎゅうぎゅう抱き締める。
「そうならない為にハワードがいるんでしょ?」
「そう。だから俺のいない夜会やお茶会には行っちゃダメ。今まで通り全て断って」
「分かってるわ」
俺の嫉妬が楽しいのか、クスクスと笑う様子に些かムッとしてしまう。このやろぅ。
「媚薬なんて飲まされたら終わりになる。俺は耐性があるけどマリィはないでしょ?こんな風に濡らして…ほかの男を相手にしたい?」
まだ繋がったままでいるから分からせるように抽挿すれば、涙目で「いやよっ」と叫んだ。
俺だって嫌だ。こうして繋がり、マリィの中を蹂躙するのは俺だけの特権なのだから。
「ハワード以外になんて抱かれたくない。舌を噛んで死んでやるわ」
ぶすっと頬を膨らませ、眉間に皺まで寄せた。
こんな表情すら可愛くて仕方ない。
「うん……マリィは俺だけのもので、俺はマリィだけのものだよ」
勝手な憶測で噂したいならすればいい。
マリィを腕の中から解き放つつもりは無いから。
ふわりと意識があがり、ぼんやり目を開けると視界いっぱいにハワードの顔が飛び込んできた。
体は気だるくて…だけど心は満たされている。
喉がカラカラな事に気付いて起き上がろうとしたけれど、逞しい腕にガッチリと抱き込まれていて動くことすらままならない。
「……珍しいな…ぐっすり寝てる…」
仕事柄ハワードは眠りが浅くて、少しの物音や気配で目を覚ます。寝顔を見るなんて僅かな時間にする膝枕でのお昼寝くらい。
『マリィが傍にいないとよく眠れないんだ』
そう言っていた事を証明するように、目の下にはうっすらと隈が確認できた。ひと月もの間、殿下の傍で気を張りつめていたのだろう。
大好きなエメラルドの瞳は隠されているけれど、髪の毛と同じ銀色の睫毛が美しい。
「……ハワード…わたしの旦那様…」
彫像のような美しい造形に見惚れ、思わず指先で輪郭をなぞってしまった。
「本当に綺麗……」
幼い頃からそうだったけれど、成長と共に男らしく精悍さが加わってわたしの心を虜にする。
騎士として立つ律した表情も、わたしに向けられる優しい笑顔も、ハワードの全部が大好き。
そっと口付けたけれど起きる様子はなく、この滅多にない状況にワクワク感が込み上げてきた。
そしてふと、疑問に思う。
……寝てる時ってどうなってるんだろう?
営む時は勿論のこと、ふたりでお風呂に入る時さえ常にご立派な状態だから通常時を知らない。
「……気になる…」
起こさないよう静かに動いてシーツをめくると、そこにあったのはいつもと違ってくたりと力のない様子のアレ。
初めて見る状態に好奇心が湧いて、そっと優しく握ってみるとふにゃりと柔らかい。
なにこれ…可愛い……っ!!
ご立派な状態も男らしくて好きだけれど、この状態も可愛らしく思える。
そして…ふにゃっていても大きいのね。
他に例えようのない感触を楽しみつつ、このまま触り続けたらどうなるのかと思いながら暫く握り続けて…腕の力が緩んだ隙にシーツの中へと潜り込んでパクリと咥えてみた。
「…………」
特に反応なもなく初めての食感?が面白くて咥えたり舐めたり遊んでいたら、徐々にむくむくと立ち上がり硬くなっていく。
すごい…っ!!なにこれ、面白い!!
やがていつもの様に“ご立派”な状態になって、わたしも下半身に疼きを覚えるけれど続ける。
「…ん……っ…」
ハワードの甘い声が漏れ聞こえてきたから嬉しくなり、起きてもいいやと仰向けにさせて本格的に攻めることにした……が、起きない。
ふふ…わたしの独壇場ね。
寝息をたてる唇に優しく触れるだけの口付けをして、いつもしてくれるように耳朶や首筋…鍛え上げられた胸や腹筋と順を追って唇を這わせた。
赤い花を散らすことにも成功して、これまた同じように裸体を見下ろしてみる。
っ……!!破壊力が凄い!!
寝ているのに色っぽい雰囲気がするし、何より自分がつけた印だらけの状態に独占欲がぎゅぎゅっと満たされた。なるほど、これはいい。
「…………マリィ………」
名前を呼ばれて起きたかと様子を窺うけれど、どうやらまだ夢の中。寝言で名前を呼ばれるのはなんだか擽ったいけど嬉しい。
またすぐ忙しくなるんだろうな…と思うと寂しくなるけれど、今はここにいる。
ここで沢山愛し合って、わたししか知り得ないハワードの姿を見せてくれている。
涙が込み上げてくるほど愛おしくて、いつものお返しに精一杯奉仕しようと思った。
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱⋆*
いっそ吐精までもっていけないかしら…と思いながら奉仕していたら、ついつい夢中になり過ぎてハワードの意識を引き上げてしまったみたい。
「……マリィ…っ……なにして……っ…」
「じっとしてて」
キッと睨んでまた口に頬張る。
いつもわたしを翻弄するこの子がなんだか愛しくて堪らないの。
「っ気持ちいい……何これ…マジかよ…寝起きにマリィの口淫とか…っ…最高…幸せ…もっと…もっとして…ねぇマリィ…俺のものは美味しい?」
「ほいひい」
「ふふ……咥えたまま喋ると擽ったい…ねぇ、そのままこっち見て…俺だけの光景が見たい」
言われるままに口を離さず見上げると、ギラギラと滾らせるハワードと視線がぶつかった。
「あぁ…たまらない…もっとして…喉の奥まで咥えて欲しい…そう、凄くいい…気持ちいいよ…」
大き過ぎて全部は飲み込めないけれど、喉奥にぶつかる限界まで咥えるとハワードは蕩けるような笑みを見せてくれた。
顔周りの髪をまとめられて、じっと見つめられるのは恥ずかしい。
「少し動くよ…」
くいっと腰を突き上げられると、限界を突破しそうになって嘔吐きそうになる。だけどその苦しみすら、ハワードが与えるものだと思うと何故か高揚してくるし疼きは増してしまう。
「いいよ…っ…気持ちいい……マリィ…こっち見て…目を離さないで……そうっ…もっと…舌絡めて…そこ…っ…気持ちいい…っ…」
息苦しさと喉奥を突かれる刺激で涙が溢れてしまうけれど、そんなわたしをハワードは愛おしそうに見つめてくるから…俄然がんばれる。
咥えきらない部分は手を添えて扱き、腰の動きに合わせて吸引したり舌を動かしたり…全部ハワードに教えてもらった。
「はっ…いい…ん…っ…マリィ…このまま達してもいい…?出したら飲んでくれる…っ…?」
こくこく頷くと、破顔し頭を撫でてくれた。
どうしよう……愛しくて仕方ないんですけど!!
飲みます!!飲ませてくださいませっ!!
「愛してるよマリィ…っ…気持ちいい……もっと扱いて…ん、そこ……いいっ…あっ、あっ…マリィ…吸って…あぁ…っ…出そうっ…イクよ…っ…出すよ…もう…出る……っ!!」
グイッと腰が突き上げられると同時に頭を押さえつけられ、限界を迎えて膨らんだ先端から勢いよく精が放たれ喉奥へ容赦なく叩き込まれる。
正直言えば苦しい。
だけどこの苦しさが快感と幸福に変わったのはいつだっただろう。ドクドクと吐き出されるものが喉を流れ落ちていく過程にじわりと蜜が溢れた。
「マリィ…っ………」
腰を震わせて全て出し切り、ポロポロと涙を流すわたしを恍惚とした表情で愛おしげに見つめてくるハワードが好き。
普段は甘くて優し過ぎるくらいなのに、閨では容赦なく攻めてくる男らしいハワードが好き。
全力で愛をぶつけられるのが好き。
「っ……マリィ…大丈夫?」
最後の一滴を吐き出すまで押さえ付けていたくせに、終わると途端に気遣うところも…好き。
搾り取るように吸い上げながらチュポンッと口を離して、口内に残るものを全て飲み干せば…幸せそうに微笑むところも好き。
結局ハワードなら何しても何をされても好き。
「おいで」
抱き寄せられて果実水を口移しで貰ったあと、そのまま深く口付けてくれるのも好き。
よく出来ました…って褒めて貰えているみたい。
「んっ……気持ちよかった?上手に出来た?」
「物凄く気持ちよかった。ありがとう、大好き」
ぎゅうぎゅう抱き合いながら…さりげなく誘導されてまだ硬いままのモノを宛てがわれ、ゆっくりと腰を下ろして飲み込んでいく。
「……これ…っ…深い……っ…」
体力がある方で良かったと本気で思う。
いわゆる“絶倫”のハワードと、とことんまで愛し合うことが出来るから。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
《夫視点》
ひと月ぶりの情事を満喫して眠りにつき、目が覚めるとそこは天国だった。
マリィが居ない夜はうまく寝付けず、ひと月もの間ずっと寝不足だったからか驚くほど深い睡眠に落ちていたらしい。
恐ろしいほどの気持ちよさに引っ張られて目を覚ませば、視界に飛び込んできたのは絶景。
口いっぱいに俺のものを咥え、一生懸命可愛がってくれている姿にうっかり暴発するところをぐっと耐えた。本当に危なかった。
そして今、俺の精を上の口からたらふく飲んだ愛しい妻は俺の上で快楽を拾い集めている。
「ハワード…っ………あぁっ…いい…っ!!」
寝そべる俺の上に跨り必死に腰を振りながら、倒れまいと腹に手を付き耐える姿がたまらない。
時折コツンと突いてやれば、その都度隘路をきゅんきゅんと締め付けてくるのも可愛い。
「もぅ…だめ…っ……」
「まだ頑張って…ほらっ」
「やぁっ……っ…だめ…あっ、いや…っ…あんっハワー…ド…っ、も…だめ……っ」
ついに崩れ落ちたマリィの息は荒い。大きく実った胸は押し潰されているが、ピンと立っている乳首はその存在を俺に示している。
「じゃぁ今度は俺の番ね。いっぱい頑張ってくれたから俺も頑張る」
「……ぇ…」
休む暇など与えない。
伸ばしていた膝を立てればより深く挿入され、根元までしっかりと包まれる感覚に酔う。
「あんっ、待って…待って…っ」
「いやだ。待たない」
言うや否や華奢な体を抱き締め、渾身の力を込めて勢いよく突きあげ始めた。
マリィは言葉にならない喘ぎを漏らすだけで、だけど隘路は常に蠢き締め付けてくる。ただただ気持ちよくて愛しくて、しっとりと汗ばむ肌が密着している事も高揚させてくる。
このまま溶け合ってしまいたい。
「マリィ…っ…好き……愛してる…っ…」
俺の言葉、行動のひとつひとつに応えてくれる素直で可愛い体を強く抱き締めて、何度目になるか分からない絶頂に向けて突き上げの速度を増す。
「出るよっ………」
宣言するときゅうっと強い締め付けられ、最後にガツンと突き上げ最も深い場所へ放出した。
「くっ……っ…」
ぐったりしているマリィとは違って隘路は搾り取るようにうねり蠢いて…それに導かれるように俺の子種は飲み込まれていく。
「すご…っ…きもちい……っ…」
隘路の奥にちゅうちゅうと吸い付かれるのが気持ちよくて、腰が溶けそうだと思いながらついぐりぐりと押し込んでしまう。
すると、俺の上でくたりと力ないマリィがふわりと優しい笑みを浮かべた。
「ハワード…愛してる…」
唐突にこのまま全てを…マリィの命を奪いたい衝動に駆られ、ぐるりと反転して組み敷いた。
「きゃっ……ハワード…?」
そうすれば誰のものにもならない。
永遠に、俺だけのマリィでいてくれる。
そんな想いが溢れて細い首に両手をかけた。
「マリィ……俺と一緒に死んでくれる?」
突拍子もない俺の言葉と行動に驚く様子も怯えも見せず、マリィは慈愛に満ちた表情を見せる。
「いいよ…わたしはハワードになら殺されたって構わない。だから泣かないで」
そっと頬に手を添えそう言われて自分が泣いている事に気付いた。
『泣かないで、わたしが一緒にいるから』
母が亡くなり落ち込んでいた時、そう言って寄り添ってくれたマリィ。
もしもマリィを失ったら、俺は生きていけない。
「……俺だけのものでいて。誰とも会わず、何処にも行かず…屋敷から出ないで欲しい」
「分かった」
「………誰とも喋らないで」
「ハワード以外と話さないわ」
躊躇なく即答する様子に複雑な感情が込み上げてきて、いたたまれなさを誤魔化すように抱き締め肩口に顔を埋めた。
「……嘘だよ…そんな事しない…でもドレスのデザインは俺が決める」
「ふふっ、それだけでいいの?」
全てを受け止めてくれる愛情が嬉しい。
優しく頭を撫でられて、抑えられなかった激情が鎮まっていくが我儘は溢れてしまう。
「ほかの男と喋らないで。笑いかけるのもダメ。ダンスなんてもってのほか」
「ハワードもダメよ?どんなに美しい女性に誘われてもいかないで。わたしだけのものでいて」
「マリィ以外の女なんて枯れた雑草だ」
「寝込みを襲われるなんてヘマもダメよ?」
その言葉に顔をあげると、綺麗な空色の瞳には嫉妬の炎が揺らめいていた。
かつて騙され寝込みに押しかけられた事を言っているのだろう…あれは迂闊だった。もしも逆の立場でマリィが襲われたら…と思うと怒りが湧いてくる。相手は即座に殺す!!
「二度とあんなヘマはしない」
「本当に?」
「本当にしない。そもそも俺は俺はマリィにしか反応しないんだよ…証明なんて出来ないけど。それより心配なのはマリィだ。こんなに華奢で…男からしたら簡単に暴ける」
誰にも触らせたくないし渡すなんてもってのほかと、ぎゅうぎゅう抱き締める。
「そうならない為にハワードがいるんでしょ?」
「そう。だから俺のいない夜会やお茶会には行っちゃダメ。今まで通り全て断って」
「分かってるわ」
俺の嫉妬が楽しいのか、クスクスと笑う様子に些かムッとしてしまう。このやろぅ。
「媚薬なんて飲まされたら終わりになる。俺は耐性があるけどマリィはないでしょ?こんな風に濡らして…ほかの男を相手にしたい?」
まだ繋がったままでいるから分からせるように抽挿すれば、涙目で「いやよっ」と叫んだ。
俺だって嫌だ。こうして繋がり、マリィの中を蹂躙するのは俺だけの特権なのだから。
「ハワード以外になんて抱かれたくない。舌を噛んで死んでやるわ」
ぶすっと頬を膨らませ、眉間に皺まで寄せた。
こんな表情すら可愛くて仕方ない。
「うん……マリィは俺だけのもので、俺はマリィだけのものだよ」
勝手な憶測で噂したいならすればいい。
マリィを腕の中から解き放つつもりは無いから。
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好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
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