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“ひとり遊び”…からの寝落ち
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《妻視点》
今、わたしの目の前にはビスクドール…を彷彿とさせるピンクブロンドの美女が、小瓶を手にキラキラと目を輝かせている。
「これが………“愛の秘薬”…」
そんな通称ついてたの?とプチびっくりしつつ、ポラスさん配合の非売品にご満悦のようでわたしも満足。そして眼福。
「…本当に頂いていいの?」
「勿論です。ですがタニア様、あくまでも非売品とされる秘薬ですのでご内密に」
唇に人差し指をつけて“しー”っとやれば、タニア様は可愛らしく頬を染めてコクコクと頷いた。
まぁ『内密に』とは言っても妃殿下が口にされるのだから、王宮医の許可は得ているけれど。
「でも、どうして“非売品”なの?知る人によればとても評価が高くて…効果もあると聞くのに」
「稀少な材料を使い手間がかかり生産数に限りがあるからだそうです。だから親しい人や、その紹介にだけ対応しているとかで」
「そうなのね…ありがとう、マリエル」
ふわりと微笑まれて心が温かくなる。見たことないけれど、妖精や天使が存在するならこんな風に可憐で声まで可愛いんだろうな。
「それにしても“愛の秘薬”なんて呼ばれているんですね。知りませんでした」
「元はポラスさんが奥様にお作りになられたのでしょう?愛する人の為に作り出され、滅多にお見かけしないから…だそうよ」
「へぇ…なんだか凄い。あっ!!そうだ、これ」
サラの視線に促されて持参した小包をタニア様へ手渡すと、「なぁに?」と言って小首をこてんと傾げられた。可愛いっ!!連れて帰りたい!!
「果樹園で作られた新製品のマッサージ用オイルです。柑橘系の爽やかな香りのものから甘い香りが揃っていて、赤ちゃんにも使えるそうです。ご懐妊のお祝いにどうぞ」
「新製品??嬉しい…っ!!ありがとう」
最近ではタニア様もすっかりご贔屓様だけれど、立場上簡単に店を訪ねるわけにもいかないので、わたしが仲介役を買ってでている。
「お気に召されたらまた言ってください」
「いつも手間をかけさせてごめんなさいね…」
「いえいえ。そのご褒美にこうしてタニア様と美味しいお茶を頂けるんですから、むしろわたしが得をしているくらいです」
うふふ…と互いに照れ笑い。幸せ。
「そうだ、これをアイラ様へのお祝いにこ用意できないかしら。お願い出来る?」
「確認してみます。まだ一般発売は先だと言っていたので大丈夫だとは思いますよ」
ポラスさんの意向で、新製品などはまず懇意にする古参客から少しずつ販売されていく。そこに身分は介入させず、あくまでも商品を愛して大切に使用してくれる人にだけ。
その人達が紹介や口コミで周知させていくから、世間に知られる頃には大人気で品薄状態になるんだけれども。
「愛の秘薬と新製品…今日はなんだかいつも以上に幸せだわ」
タニア様の喜ぶ顔が拝見出来てわたしも幸せ♡
「秘薬を使用されるのは週に一度、もしも効果が弱いとお感じになるようでしたら五日に一度で。念の為にメモ書きを入れておきました」
「分かったわ」
真剣な面持ちで頷くタニア様の隣に席を移し、少し顔を寄せてコショコショと話をする。
「それからこれは表立って記載されたり説明はなされないんですが、なるべく旦那様に塗布してもらうのがいいそうですよ」
「どうして?」
はうっ。本日何度目かの“こてん”…今度わたしもハワードにやってみようかしら。
(超小声)「少し感度をあげて乳首が立っている時に塗布する方がより効果を発揮するそうです。それからアソコは表面だけでなく中にもしっかり。妊娠中は不安であれば、産後でも効果は充分にあるそうですからご安心を」
伝え終わって元の席に戻り、何食わぬ顔でカップを口につけてお茶を飲む。タニア様の耳は真っ赤になっている。きゃわゆ。
「ポラスさんの奥様から得た情報です」
「…っ、そうなのね…殿下にお願いしてみるわ」
タニア様ラブの殿下なら嬉々として対応してくれるはず。ポラスさん、感謝されるんじゃない?
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱⋆*
その日の入浴後、広い寝台に座りタニア様に渡したものと同じ小瓶をじっと見つめる。
中身は薔薇色の赤い液体で、とろみがある。
これを使えば、乳首やアソコがくすむことなく綺麗な状態を保てるらしい。
「…日常的なケアにもいいって言ってたし、ちょっと試してみようかな」
ガウンの前を開いて小瓶から液体を手のひらに少し垂らして、そっと乳首とアソコに塗り込む。
「……ん…っ……」
ハワードは五日前から殿下に付き添い視察に出掛けていて、帰宅まであと二日。寝ても覚めても傍に愛する人がいない現実が寂しい。
目を瞑って記憶にあるハワードの指使いを思い出しながら、なるべくそれと同じように動かす。
「匂いもなくなってきちゃった…」
出立の直前まで着ていたシャツを貰ったけど、その匂いは薄くなるばかり。
「ハワード……早く帰ってきて…」
僅かに残る匂いを深く吸い込みながら、秘薬だけではないとろみが溢れ出したアソコにゆっくりと指を差し込んだ。
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱⋆*
いつの間にか寝てしまったらしい。
「……んん…………?」
重みを感じて目を覚ますと目の前には恐ろしい程に整った顔…をした夫がドアップで、かつやたらと艶やかな色香を纏い微笑んでいた。
夢?幻?なんだか気持ちいい…と思いながら微睡んでいると、少しずつ意識がハッキリしていく。
「ただいま、マリィ。ナニをしていたの?」
はい、ナニをしていました。
と言うか旦那様…わたしが寝ている間にナニをしてらっしゃったのかしら?
足の間に埋め込まれたものが圧迫しているし。
しかも緩く…物凄くゆっくりと動くから、目覚めには強すぎる快感に襲われてしまう。
「ごめんね、寂しい思いをさせて…その分、たっぷり愛してあげる」
その後、わたしが旦那様に骨の髄まで貪られたのは言うまでもありません。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
《夫視点》
視察が順調に終わり、余裕を持って組んでいた日程をひとり前倒しして単騎で帰宅すると、愛する妻がガウンをはだけさせた状態で寝ていた。
しかも俺のシャツをくしゃくしゃに握り締めて。
何これ、視察を頑張ったご褒美?
会いたくて急いで帰宅したご褒美?
俺の努力もあって大きく実った胸はポロリと露わになっており、スラリと伸びた足は太腿の付け根から晒されている。
なんなんだ、この「さぁ召し上がれ」状態は。
「……マリィ」
ゴクリと唾を飲み込んでから起こさないよう静かに寝台にあがり近付けば、はだけた体のあちらこちらに何かを塗りこんだ形跡がある。
サイドテーブルに目をやるとそこには薔薇色の液体が入った小瓶があって、少し前にポラスさんから購入したと言っていたものだと気付いた。
「………はわぁどぉ…」
むにゃむにゃと寝言で俺の名を呼び、顔の横についた手に縋りついてきて「しゅき」とか言うものだから…愛しいと思う感情が爆発してむしゃぶりつきたくなる。
「可愛い…」
しかし久し振りだからこそゆっくり楽しみたい。
起こさないようそっと額に口付け、まずは胸に塗られている液体を舐めてみるとほんのり薔薇の香りがして僅かに甘い。普段なら苦手だけれど、マリィの体に塗られたものなら激甘チョコだろうと幾らでもイける。
それにしてもアチコチ塗られてるな…と辿り、もしやと思って足を開かせれば予想通り。
「へぇ…」
ベタベタと濡れているアソコにも塗られた形跡があり、ふとマリィの細い指先を掬えばそこからも薔薇の香りがして…舐めれば“蜜”の味。
堪らない。
「自分で試したのか?ずるいなぁ。ちゃんと塗れているか確認してあげるよ」
膝を立たせた状態で太腿を割り開くと、どんな夢を見ているのかトロトロと蜜が溢れてきた。
俺にとってはこの蜜こそが回復薬。どんなに疲れていようと忽ち元気になるし、どんな美酒よりも美味しいと思っている。
「こういうのは俺にやらせてくれないと」
貪りたい衝動を抑えて暫く指だけで中を抉るように弄っていると、マリィは眠ったまま何度か小さく達してはピクピクと体を震わせた。
しかもその都度「はわぁど」と甘く呼んで。
会えなかった数日間の熱も含めて溜まっており、もう我慢出来ない!!とベルトを外して自身のモノを取り出す。
「うわぁ…バッキバキ……」
いつも以上の状態に自分でも呆れてしまうが、躊躇なく埋め込んだ。
「キッつ……でも…気持ちいい……」
眠る妻を襲う事に背徳感めいたものが湧きつつ、こんな状態にある妻を襲えるのは俺だけ…という独占欲が満たされてくる。
ゆっくりと動いて心地よい刺激の締め付けと温もりを堪能しながらも、一向に起きる気配のない様子に心配が募ってきた。
マリィは酒に弱い。もしも俺が傍にいない時に誰かが強い酒を飲ませたりしたら、こうして簡単に襲われてしまうかも…と考えて不安に駆られる。
「…だめだっ……やっぱり外に出したくない」
マリィは俺だけのもので、触るのも見るのも俺だけの特権なのに…と思ったところでうっかり暴発してしまった。ちくしょぅ。
「……んん…………?」
奥にぐりぐりと押し付けていたらマリィが薄く目を開けて、ぼんやりとしながら俺を見て腰を浮かせ密着させてきた。きゅんきゅんと締め付けてくる様子が可愛い。
「ただいま、マリィ。ナニをしていたの?」
そう言いながら緩く動き出したら意識がハッキリしてきたようだけれど、小さく「あんあん」喘ぐばかりで答えは返ってこない。
俺のせいで言葉を封じられている姿に、あらぬ欲望が湧いてきた。
こうやってひとつずつ、マリィの全てを俺が奪ってしまいたい…と。
瞳に映すのは俺だけでいい。
名を呼ぶのは俺だけでいい。
抱き締めるのは俺だけでいい。
俺の傍にだけいればいい。
それらが叶わなくなるなら、いっそ全てを奪ってこの部屋に閉じ込めてしまいたい。俺がいなければ生きていけないように。
「ごめんね、寂しい思いをさせて…その分、たっぷり愛してあげる」
だからマリィ。
いつまでも俺だけを愛して。
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱⋆*
自分で驚くほどの量をマリィの中に吐き出し、くたくたになるまで睦みあって満足した。
そして今、ふたりで寝台に寝転びゴロゴロしているのだがマリィがぴたりとくっついて離れない。
可愛すぎて困るんだが。
「ハワードがいる…嬉しい…♡」
すりすりくんくんしながら、じゃれつく子猫のように手足を絡めて抱きついてくる。
「ぎゅってして」
おねだりされて抱き締めた。
「ふふ…あったかい…好き……」
「俺も好き。愛してる」
マリィの自由を奪い、束縛している自覚はある。
外出は限られた場所だけだし、夜会やお茶会は俺が同伴出来る場合のみ。
結果としてあらぬ噂が流れている事も把握しているが、叶うならマリィを外に出さず屋敷に閉じ込めておきたいのが本音。
色恋に疎く鈍感なマリィを相手になかなか口説き落とせず…その間も次々と持ち込まれる縁談にどれだけ焦ったことか。
見た目は小柄で華奢…なのに胸は豊かで男の視線を引き付けてしまう。ふわふわの髪と可愛らしい面立ちは妖精のようで、明るく優しい性格に加えて高い教養もある。
念願叶って婚約しても尚…なんなら人妻となった今でさえ、“離縁をされたら貰い受けたい”とふざけた話を義父に持ち掛ける男が多い。
「とっても幸せ。ハワードのお嫁さんになれてよかった…ありがとう」
「俺の方こそ、結婚してくれてありがとう」
俺の傍にいる為…俺と人生を共に歩む為にと様々な努力を続けてきてくれた愛しい人。
君の為なら命を差し出すことすら厭わない。
マリィ…いっそ君を鳥籠に閉じ込めたいよ
だけどそれは叶わないから、せめて腕の中に閉じ込めることは許して欲しい……
今、わたしの目の前にはビスクドール…を彷彿とさせるピンクブロンドの美女が、小瓶を手にキラキラと目を輝かせている。
「これが………“愛の秘薬”…」
そんな通称ついてたの?とプチびっくりしつつ、ポラスさん配合の非売品にご満悦のようでわたしも満足。そして眼福。
「…本当に頂いていいの?」
「勿論です。ですがタニア様、あくまでも非売品とされる秘薬ですのでご内密に」
唇に人差し指をつけて“しー”っとやれば、タニア様は可愛らしく頬を染めてコクコクと頷いた。
まぁ『内密に』とは言っても妃殿下が口にされるのだから、王宮医の許可は得ているけれど。
「でも、どうして“非売品”なの?知る人によればとても評価が高くて…効果もあると聞くのに」
「稀少な材料を使い手間がかかり生産数に限りがあるからだそうです。だから親しい人や、その紹介にだけ対応しているとかで」
「そうなのね…ありがとう、マリエル」
ふわりと微笑まれて心が温かくなる。見たことないけれど、妖精や天使が存在するならこんな風に可憐で声まで可愛いんだろうな。
「それにしても“愛の秘薬”なんて呼ばれているんですね。知りませんでした」
「元はポラスさんが奥様にお作りになられたのでしょう?愛する人の為に作り出され、滅多にお見かけしないから…だそうよ」
「へぇ…なんだか凄い。あっ!!そうだ、これ」
サラの視線に促されて持参した小包をタニア様へ手渡すと、「なぁに?」と言って小首をこてんと傾げられた。可愛いっ!!連れて帰りたい!!
「果樹園で作られた新製品のマッサージ用オイルです。柑橘系の爽やかな香りのものから甘い香りが揃っていて、赤ちゃんにも使えるそうです。ご懐妊のお祝いにどうぞ」
「新製品??嬉しい…っ!!ありがとう」
最近ではタニア様もすっかりご贔屓様だけれど、立場上簡単に店を訪ねるわけにもいかないので、わたしが仲介役を買ってでている。
「お気に召されたらまた言ってください」
「いつも手間をかけさせてごめんなさいね…」
「いえいえ。そのご褒美にこうしてタニア様と美味しいお茶を頂けるんですから、むしろわたしが得をしているくらいです」
うふふ…と互いに照れ笑い。幸せ。
「そうだ、これをアイラ様へのお祝いにこ用意できないかしら。お願い出来る?」
「確認してみます。まだ一般発売は先だと言っていたので大丈夫だとは思いますよ」
ポラスさんの意向で、新製品などはまず懇意にする古参客から少しずつ販売されていく。そこに身分は介入させず、あくまでも商品を愛して大切に使用してくれる人にだけ。
その人達が紹介や口コミで周知させていくから、世間に知られる頃には大人気で品薄状態になるんだけれども。
「愛の秘薬と新製品…今日はなんだかいつも以上に幸せだわ」
タニア様の喜ぶ顔が拝見出来てわたしも幸せ♡
「秘薬を使用されるのは週に一度、もしも効果が弱いとお感じになるようでしたら五日に一度で。念の為にメモ書きを入れておきました」
「分かったわ」
真剣な面持ちで頷くタニア様の隣に席を移し、少し顔を寄せてコショコショと話をする。
「それからこれは表立って記載されたり説明はなされないんですが、なるべく旦那様に塗布してもらうのがいいそうですよ」
「どうして?」
はうっ。本日何度目かの“こてん”…今度わたしもハワードにやってみようかしら。
(超小声)「少し感度をあげて乳首が立っている時に塗布する方がより効果を発揮するそうです。それからアソコは表面だけでなく中にもしっかり。妊娠中は不安であれば、産後でも効果は充分にあるそうですからご安心を」
伝え終わって元の席に戻り、何食わぬ顔でカップを口につけてお茶を飲む。タニア様の耳は真っ赤になっている。きゃわゆ。
「ポラスさんの奥様から得た情報です」
「…っ、そうなのね…殿下にお願いしてみるわ」
タニア様ラブの殿下なら嬉々として対応してくれるはず。ポラスさん、感謝されるんじゃない?
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱⋆*
その日の入浴後、広い寝台に座りタニア様に渡したものと同じ小瓶をじっと見つめる。
中身は薔薇色の赤い液体で、とろみがある。
これを使えば、乳首やアソコがくすむことなく綺麗な状態を保てるらしい。
「…日常的なケアにもいいって言ってたし、ちょっと試してみようかな」
ガウンの前を開いて小瓶から液体を手のひらに少し垂らして、そっと乳首とアソコに塗り込む。
「……ん…っ……」
ハワードは五日前から殿下に付き添い視察に出掛けていて、帰宅まであと二日。寝ても覚めても傍に愛する人がいない現実が寂しい。
目を瞑って記憶にあるハワードの指使いを思い出しながら、なるべくそれと同じように動かす。
「匂いもなくなってきちゃった…」
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「ハワード……早く帰ってきて…」
僅かに残る匂いを深く吸い込みながら、秘薬だけではないとろみが溢れ出したアソコにゆっくりと指を差し込んだ。
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いつの間にか寝てしまったらしい。
「……んん…………?」
重みを感じて目を覚ますと目の前には恐ろしい程に整った顔…をした夫がドアップで、かつやたらと艶やかな色香を纏い微笑んでいた。
夢?幻?なんだか気持ちいい…と思いながら微睡んでいると、少しずつ意識がハッキリしていく。
「ただいま、マリィ。ナニをしていたの?」
はい、ナニをしていました。
と言うか旦那様…わたしが寝ている間にナニをしてらっしゃったのかしら?
足の間に埋め込まれたものが圧迫しているし。
しかも緩く…物凄くゆっくりと動くから、目覚めには強すぎる快感に襲われてしまう。
「ごめんね、寂しい思いをさせて…その分、たっぷり愛してあげる」
その後、わたしが旦那様に骨の髄まで貪られたのは言うまでもありません。
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視察が順調に終わり、余裕を持って組んでいた日程をひとり前倒しして単騎で帰宅すると、愛する妻がガウンをはだけさせた状態で寝ていた。
しかも俺のシャツをくしゃくしゃに握り締めて。
何これ、視察を頑張ったご褒美?
会いたくて急いで帰宅したご褒美?
俺の努力もあって大きく実った胸はポロリと露わになっており、スラリと伸びた足は太腿の付け根から晒されている。
なんなんだ、この「さぁ召し上がれ」状態は。
「……マリィ」
ゴクリと唾を飲み込んでから起こさないよう静かに寝台にあがり近付けば、はだけた体のあちらこちらに何かを塗りこんだ形跡がある。
サイドテーブルに目をやるとそこには薔薇色の液体が入った小瓶があって、少し前にポラスさんから購入したと言っていたものだと気付いた。
「………はわぁどぉ…」
むにゃむにゃと寝言で俺の名を呼び、顔の横についた手に縋りついてきて「しゅき」とか言うものだから…愛しいと思う感情が爆発してむしゃぶりつきたくなる。
「可愛い…」
しかし久し振りだからこそゆっくり楽しみたい。
起こさないようそっと額に口付け、まずは胸に塗られている液体を舐めてみるとほんのり薔薇の香りがして僅かに甘い。普段なら苦手だけれど、マリィの体に塗られたものなら激甘チョコだろうと幾らでもイける。
それにしてもアチコチ塗られてるな…と辿り、もしやと思って足を開かせれば予想通り。
「へぇ…」
ベタベタと濡れているアソコにも塗られた形跡があり、ふとマリィの細い指先を掬えばそこからも薔薇の香りがして…舐めれば“蜜”の味。
堪らない。
「自分で試したのか?ずるいなぁ。ちゃんと塗れているか確認してあげるよ」
膝を立たせた状態で太腿を割り開くと、どんな夢を見ているのかトロトロと蜜が溢れてきた。
俺にとってはこの蜜こそが回復薬。どんなに疲れていようと忽ち元気になるし、どんな美酒よりも美味しいと思っている。
「こういうのは俺にやらせてくれないと」
貪りたい衝動を抑えて暫く指だけで中を抉るように弄っていると、マリィは眠ったまま何度か小さく達してはピクピクと体を震わせた。
しかもその都度「はわぁど」と甘く呼んで。
会えなかった数日間の熱も含めて溜まっており、もう我慢出来ない!!とベルトを外して自身のモノを取り出す。
「うわぁ…バッキバキ……」
いつも以上の状態に自分でも呆れてしまうが、躊躇なく埋め込んだ。
「キッつ……でも…気持ちいい……」
眠る妻を襲う事に背徳感めいたものが湧きつつ、こんな状態にある妻を襲えるのは俺だけ…という独占欲が満たされてくる。
ゆっくりと動いて心地よい刺激の締め付けと温もりを堪能しながらも、一向に起きる気配のない様子に心配が募ってきた。
マリィは酒に弱い。もしも俺が傍にいない時に誰かが強い酒を飲ませたりしたら、こうして簡単に襲われてしまうかも…と考えて不安に駆られる。
「…だめだっ……やっぱり外に出したくない」
マリィは俺だけのもので、触るのも見るのも俺だけの特権なのに…と思ったところでうっかり暴発してしまった。ちくしょぅ。
「……んん…………?」
奥にぐりぐりと押し付けていたらマリィが薄く目を開けて、ぼんやりとしながら俺を見て腰を浮かせ密着させてきた。きゅんきゅんと締め付けてくる様子が可愛い。
「ただいま、マリィ。ナニをしていたの?」
そう言いながら緩く動き出したら意識がハッキリしてきたようだけれど、小さく「あんあん」喘ぐばかりで答えは返ってこない。
俺のせいで言葉を封じられている姿に、あらぬ欲望が湧いてきた。
こうやってひとつずつ、マリィの全てを俺が奪ってしまいたい…と。
瞳に映すのは俺だけでいい。
名を呼ぶのは俺だけでいい。
抱き締めるのは俺だけでいい。
俺の傍にだけいればいい。
それらが叶わなくなるなら、いっそ全てを奪ってこの部屋に閉じ込めてしまいたい。俺がいなければ生きていけないように。
「ごめんね、寂しい思いをさせて…その分、たっぷり愛してあげる」
だからマリィ。
いつまでも俺だけを愛して。
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱⋆*
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そして今、ふたりで寝台に寝転びゴロゴロしているのだがマリィがぴたりとくっついて離れない。
可愛すぎて困るんだが。
「ハワードがいる…嬉しい…♡」
すりすりくんくんしながら、じゃれつく子猫のように手足を絡めて抱きついてくる。
「ぎゅってして」
おねだりされて抱き締めた。
「ふふ…あったかい…好き……」
「俺も好き。愛してる」
マリィの自由を奪い、束縛している自覚はある。
外出は限られた場所だけだし、夜会やお茶会は俺が同伴出来る場合のみ。
結果としてあらぬ噂が流れている事も把握しているが、叶うならマリィを外に出さず屋敷に閉じ込めておきたいのが本音。
色恋に疎く鈍感なマリィを相手になかなか口説き落とせず…その間も次々と持ち込まれる縁談にどれだけ焦ったことか。
見た目は小柄で華奢…なのに胸は豊かで男の視線を引き付けてしまう。ふわふわの髪と可愛らしい面立ちは妖精のようで、明るく優しい性格に加えて高い教養もある。
念願叶って婚約しても尚…なんなら人妻となった今でさえ、“離縁をされたら貰い受けたい”とふざけた話を義父に持ち掛ける男が多い。
「とっても幸せ。ハワードのお嫁さんになれてよかった…ありがとう」
「俺の方こそ、結婚してくれてありがとう」
俺の傍にいる為…俺と人生を共に歩む為にと様々な努力を続けてきてくれた愛しい人。
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