【完結】初恋は淡雪に溶ける

Ringo

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💀元婚約者💀

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心を掻き乱すような熱はなかったけれど、アンジェリカとは仲良く過ごしていたと思う。

幼い頃は天使のようだった容姿も、成長するに従い女神のように変化し…それでも美しいことに変わりはなく自慢の婚約者。

侯爵夫人となるべく研鑽を積み、誰が言い出したのか“淑女の鑑”と呼ばれるほど。

俺もそんな婚約者に恥じぬように努力をしていたものの…少しずつ差が開いてしまい、いつからか焦りと嫉妬を抱くようになった。

なんとも自分勝手な被害妄想だ。


『わたくしがお支え致しますわ』


難しいカリキュラムに疲弊する俺に、そう言って励ましてくれたアンジェリカ。

今となればあくまでも妻として夫を支えるという言葉に過ぎないと分かるが、当時は馬鹿にされているような気がして癪に障ってしまう。

アンジェリカに頼らずとも出来る…と。

顔を合わせる機会を徐々に減らし、自分だって出来るのだとひとり奮闘した日々。

転機となったのは十四歳を迎えた時のこと。


『アルビス様、来週から閨教育も始まりますからこちらをお渡ししておきますね』


そう言われて渡された数冊の教本は刺激的で、寝る間を惜しんで読み耽った。


口付けに舌を絡める方法…

強弱をつけた乳房の揉み方…

頂きを愛でる理由…

赤い花を散らすことで満たされる独占欲…

隘路の解し方や蜜壷の締め付け...


時に絵図も添えて書かれている内容は知らなかったことばかりで、読めば読むほど体の芯が熱くなり…何度も自慰に及んだ。

そして何より衝撃的だったのが“子作り”。

それまでただ漠然と“結合して子種を注ぐ”だけだと思っていた行為に、未知なる“快楽”が伴うと知って興味を惹かれてしまう。


『あれはヤバいぞ。腰が溶けそうになる』


経験者の友人から聞いてもイマイチ分からず、だがとにかく“気持ちいい”のだということは理解することが出来た。

自慰だけでも充分気持ちいいと思えるのに、その比ではない“快楽”とは如何程のものか…

とは言え婚約者は“淑女の鑑”と謳われる公爵令嬢で、とてもじゃないが望めない。

悶々とする欲望を持て余し、煩悩に頭を悩ませていると父上からある提案を受けた。


『アルビス、実技指南を受けてみるか?』


そう問われて浮かんだのはアンジェリカへの罪悪感…しかし周りは既に高級娼婦を相手に初体験を済ませた者ばかり。

むしろ婚約者に無体を働かない為にも、知識や技術を身に付けておくべきと背中を押されて、実技指南に長けた娼婦を呼んでもらった。






*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜






「宜しくお願い致しますね、アルビス様」


現れたのは二十代半ばの女性で、花街で一番の人気を誇るらしい。

なるほど…抱き心地の良さそうな肉付きをしており、豊満な胸とくびれた腰は情欲を煽る。

ぷるんとした唇には真っ赤な紅が引かれ、全てを喰らい尽くされそうな気がした。


「まずは口付けを致しましょう?」


仄かに焚かれた媚香が思考を奪い、ただただ目の前の雌に欲情して下半身が反応を示す。

寝台の上に向かい合って座り、啄むような口付けを何回か繰り返すと…やがて呼吸の為に薄く開いたところから舌が入り込んで絡められた。

男性器は痛いほどに反り返っており、既に鈴口からは液体が零れ下履に染みを作っている。

無意識に女の体へ手を伸ばしてしまうが、「まだダメよ」と窘められてしまう。


「今日は悦びを知りましょうね」


どうやって…と思う間もなく押し倒され、ぼんやりとする視界で女がドレスとシュミーズを脱ぎ去る様子を眺めていた。


「次はアルビス様の番よ」


言われても億劫で動けずにいると、女が覆い被さり深い口付けを落とす。

今度は手を伸ばすことを咎められず、夢中で舌を絡めながら大きな乳房を揉みしだいた。

そうしている内に女の唇が首筋へと移り、シャツのボタンを外しながら胸元…乳首…腹…臍…と這わされていく。


「あっ……」


舌先を尖らせ乳首や臍を刺激されると情けない声が漏れたが、そんな事も気にしていられないほどに気持ち良くて体が小刻みに痙攣する。


「ふふ……可愛い反応」


シャツをはだけさせた俺を見下ろし、滲んだ紅を舐めとる姿に高揚は増した。


「ここもいい反応をしてるわ」


細い指で下履から取り出された淫茎は、自分でも驚く程に膨らんでいる。


「まぁ…見た目にそぐわず凶暴なのね」


中性的とも揶揄される容姿を貶されたのかと思いカッとするが、一瞬で霧散してしまう。


「あぁぁっ……!!」


女の咥内に飲み込まれ…………弾けた。

腰はガクガクと震え、自慰では得られない温もりと吸引に搾り取られていく感覚が襲ってくる。


「あっ、あっ……!!」


ビュクビュクと放出される精液を、躊躇わずに受け止める女を呆然と見つめながら…最後の一滴まで残さず吐き出した。


「んっ………凄い量…若いって素敵」


青臭いはずのものをゴクリと飲み干し、淫茎と唇に残る残滓までペロリと舐め取った女は「ご馳走様」と言って妖艶に微笑んでいる。


「さぁ、本番ですわ…アルビス様」


これ以上…?と荒い呼吸を整えていると、女が淫茎を握り蜜壷の入口へ宛がう。


「まずは女の体を知りなさい」






この日から、俺は欲望に従順となった。







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