上 下
18 / 41
怪物獣道ファング 願いを求める500チーム

18話 合縁奇縁、つまり合わない

しおりを挟む
「サシミンとただしんから離れるでちゅ!十針!でちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅ!」
「ちっ!」

ハリちゃんは前屈みになって背中から針を的確に十針、サシミとグラタンの間に出した。グラタンは急いで後ろに下がった。

「澤畑くん!サシミくんを持ってこっちに!」
「うん!」

禎はサシミを抱えて智晴達のもとへ走った。

「逃すかよって」
「でちゅちゅちゅちゅ!」
「ぐっ!またかよ!」

ハリちゃんはグラタンを針をたくさん出して足止めをした。

「うざったらしい針だな!」
「でっちゅちゅちゅ~ハリの能力(針を飛ばす能力)は、最高にうざいでちゅよ!」

ハリちゃんはそう言うと胸を張る。禎はそのうちに智晴のもとにつくとサシミを下ろした。

「ハリヤマ、・・テメーおせぇんだよ、しかも地味に、さっきの針が1本刺さったぞ!」
「うるさいでちゅ!ちはるん探してたから仕方ないでちゅ!」
「サシミやめなよ」
「ハリちゃんもだよ」
「けっ!」
「でちゅ~」

禎と智晴が、サシミとハリちゃんの喧嘩を止めていた。するとグラタンの飼い主が

「グラタン、まずくねぇか。流石に2チームは、やばくね?」
「安心しろしょうご。猫はボロボロ、ハリネズミは馬鹿、何も問題はねぇ」

そう言うとグラタンは、掌をサシミ達に向けた。すると掌からたくさんの硬貨を出して一直線にサシミ達の方向へ飛んでいった。

「でちゅう!」
「何!くっ!」
「サシミ!」
「サシミくん!」

ハリちゃんがグラタンの攻撃を避けるとその後ろにいたサシミにあたった。サシミは、瞬間的に腕を怪物化して、痛みを和らげる。

「ハリヤマ!テメェ、何攻撃避けたんだよ!」
「普通避けるでちゅ!サシミンも避けると思ったでちゅ!」
「こっちはあいつの攻撃受けまくってんだよ!あたるんだったら、お前があたれ!」
「喧嘩してる、暇なんてねぇぜ!」

サシミとハリちゃんが喧嘩しているとグラタンがまた、手に硬貨をつけてすぐ近くまで迫ってきた。すると、




「やっと近くに来たな」
「は?ドバハァ!」
「グラタン!」

サシミは腕を怪物化してグラタンの首をラリアットした。グラタンは自分の最初にいた所に吹っ飛ばされた。

「はぁ・はぁ」
「お前は全くこっちに近づかねぇ。近づくとしても敵が弱ってる時、油断している時。馬鹿だろお前。自分から近づいてくるなんてよ!」
「!だから、わざと・喧嘩しているように見せ・
たのか」
「あ?ああ、そう言う事だよ」
「で・で・でっちゅ」
(絶対、普通に喧嘩してたよね)
(絶対、普通に喧嘩してた)

サシミとハリちゃんは未だ頭にムカツキマークが出ていた。

「さぁ!ハリヤマ、お前の能力であいつをハリネズミにしちまえ!」
「でちゅ~!」
「や・やめろ!」

グラタンに向けて、ハリちゃんが前屈みになった。しかし

「・・・・・・・・・あ?」
「・・・・・・・・・でちゅ?」
「・・・・・・・・え?」
「・・・・・・・何?」
「ま・まさか」

智晴は、何かを確信しハリちゃんは冷や汗をかいていた。するとハリちゃんは大勢を戻してサシミにむかって、

「針、使い果たしちゃったでちゅ」
「・・どうゆう事だおい」
「ハリちゃんの能力は、使える針の量が決まってて、針を使い果たすと10分のインターバルがいるんだ」
「てへ!」
「てへ!じゃねぇ!ハリヤマ!」

サシミはハリちゃんを持ち上げて横に強く揺すった。

「なんだかよくわからんが助かった。しょうご、今のうちに逃げるぞ」
「あ?了解」

グラタンの飼い主がグラタンを抱えてゲームセンターを出ていこうとした。

「あ!待ちやがれ!」
「うるせぇ!金津波!」

グラタンは両手から硬貨をだしまくった。

「ぐわ!邪魔だ!この金!」
「でちゅ~」 
「プレゼントだぜ。ありがたく受け取っておけ!」

サシミ達は、お金に溺れかけている。

「ちっ!逃げやがった」
「でちゅ~」
「お前のせぇだろうがよ!」
「違うでちゅ~!」
「違わなくねぇ!」
「はぁ~」 「はぁ~あ」

お金の片付けは、お店の人に任せて、バレないように、ゲームセンターから出ていった。


──────────────────────


「じゃあね!澤畑くん!サシミくん!」
「うん、雨森さんも気をつけてね。ハリちゃんも」
「でちゅ!」
「今度似たような事になったら足引っ張んなよ」
「でちゅ~!」
「ま・少しは、役に立った・・ありがとよ」
「でちゅ!」


──────────────────────



智晴達と別れた禎達は、

「おい、ただし」
「ん?何?」
「もう一度言っておく。お前は、悪い事をしている異能力ペットを倒す。俺は気に食わねぇ異能力ペットを倒す。お前のも手伝うから、俺のも手伝え。いいな」
「・・・わかった。ただ、いい奴を倒すのはやめてよね」
「は?何だよそれ!・・わかったよ」






「なぁ、ただし」
「ん?」
「また、ゲーセン行こうぜ」
「ふふ、ああ」



──────────────────────




「ああ、クソっ!あの猫とハリネズミがぁ!」
「にははは!ボロボロだったな!うける!」
「うけんな!」

グラタンとその飼い主は、サシミ達から逃げて路地裏の自動販売機の前にいた。

「それよりグラタン、200円だせ。喉乾いた」
「あ?ああ」

グラタンは飼い主に言われた通り掌から200円を出した。すると






「おい、いい能力だな、お前」
「!」「誰だ!」

グラタン達が後ろを振り返ると、男と真っ黒な、うさ耳フード付きのパーカーを着た異能力ペットがいた。

「何だ?お前?俺らは、疲れてんだよ!何円でもやるから見逃してくれよ」

そう言うとグラタンは掌から硬貨を湧き出る噴水のように出した。すると相手の異能力ペットは、

「その金ももらう、でももっと欲しいものがある」
「な・何だよそれ」
「それはな












お前の命だ」



──────────────────────




次の日、ここで男の死体が発見された。その側にはポメラニアンの死体があった。どちらも顔が焼き焦げていたという。









残り・479チーム


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

処理中です...