2 / 32
2023年5月19日
しおりを挟む
騒音と雑音で目が覚めた朝。
掌を天井に翳しても、血潮も何も見えなかった。
僕は死んでいる。
生きていることを証明するのは不可能に近い。
では、どうして、人は、生きている、と感じるのか?
身体を起こして正面を見る。
本棚が並んでいた。
しかし、本は並んでいない。
その内の一冊を手に取り、ぼやけた目で表紙をじっと見つめる。
自然と、死、の一文字が浮かんでくる。
生は二音節なのに、死は一音節という事実にやられて、生きる気力を失う羽音。
着替える気にもなれなかった。
カーテンを開け、シャッターを持ち上げて、窓の外を見る。
すでに太陽が昇っていた。
昇りすぎなくらい。
絶望。
下を見ると、土の地面が見える。
草が生えている。
ここから飛び降りたら、僕の身体はどうなってしまうだろう?
霧散するだろうか?
世界と同義になれるだろうか?
結局のところ、世界に存在するすべてのものは、粒子の集合にほかならない。
あれも、これも、すべて粒子。
しかし、粒子はどこにも見えない。
僕の掌も粒子ではない。
掌は掌だ。
雑食。
雑学。
雑音。
そして、騒音。
電信柱に横たわっている少女がいた。
彼女は血を流している。
美しい、と感激する。
これは観劇だ。
掌を天井に翳しても、血潮も何も見えなかった。
僕は死んでいる。
生きていることを証明するのは不可能に近い。
では、どうして、人は、生きている、と感じるのか?
身体を起こして正面を見る。
本棚が並んでいた。
しかし、本は並んでいない。
その内の一冊を手に取り、ぼやけた目で表紙をじっと見つめる。
自然と、死、の一文字が浮かんでくる。
生は二音節なのに、死は一音節という事実にやられて、生きる気力を失う羽音。
着替える気にもなれなかった。
カーテンを開け、シャッターを持ち上げて、窓の外を見る。
すでに太陽が昇っていた。
昇りすぎなくらい。
絶望。
下を見ると、土の地面が見える。
草が生えている。
ここから飛び降りたら、僕の身体はどうなってしまうだろう?
霧散するだろうか?
世界と同義になれるだろうか?
結局のところ、世界に存在するすべてのものは、粒子の集合にほかならない。
あれも、これも、すべて粒子。
しかし、粒子はどこにも見えない。
僕の掌も粒子ではない。
掌は掌だ。
雑食。
雑学。
雑音。
そして、騒音。
電信柱に横たわっている少女がいた。
彼女は血を流している。
美しい、と感激する。
これは観劇だ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる