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「教訓」
山高きがゆえに貴からず
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「人格……? 何の話だ?」
「翠音は多重人格者だ。先程の暴力的な人格は、主人格に膨大なストレスが溜まった結果現れた」
「暴力……? ストレス? 現れた?」
話が飛躍しすぎて、郁は混乱に陥っていた。他の者に視線を移しても、皆、動揺で固まっているようだった。
「翠音は気まぐれな性格だ。今回の体育祭の件ではお前を手伝おうとした。しかし、お前はそれを無碍にした」
「俺のせいなのか?」
「別段、責めるつもりはないが、ストレスの一端になっていたことは否めない」
ズシッと心に負荷がかかった。確かに、郁は翠音の好意からの申し出を無碍にした。でもそれは不注意から役職を被らせてしまった郁に原因があり、その責任を取ろうとしたからだ。けれど、非情なことに翠音にその気持ちを知る術はなかった。
「なんでそんな大事なこと黙ってたんだよ」
「お前といる時の翠音は比較的落ち着いていた。むやみに真実を話すよりこのまま様子を見た方がよいと判断したまでだ」
もし、翠音が多重人格者だと認識していたら、普段通りに振舞えただろうか。郁も例に漏れず、赤嶺やその他大勢がそうするように距離を置いたのではないか。
「なんでお前じゃなくて俺なんだ」
よりによって社会不適合者の郁を選ぶもの好きなんていないはず。それこそ、実の姉の伊澄の方が適任だ。
「……そうだな。姉妹ゆえに言いづらいことも沢山あるだろうからな。友達も知り合いも極端に少ないお前が一番身近にいただけのことだ」
「なるほどな。俺は所詮、代替品ってわけか」
「誰もそんなことは言ってない」
「同じようなもんだろ」
二人の間に険悪な雰囲気が漂う。
「えっと、宍戸さんの人格は他にもあるの?」
困り顔でしかし、郁も気になっていたことが梨沙の口から問われた。
そうだ。確かに伊澄の説明では、「多重人格」と言われていた。二重ではなく、多重だ。このニュアンスから、複数の人格があることが聞いて取れる。
「そうだな。主人格の他に先程の暴力的な人格、それと――」
「――あれ? ここは……」
絶妙なタイミングで翠音がむくりと起き上がった。
「翠音! 俺が分かるか?」
「えーっと……こんな人私の知り合いにいましたっけ?」
「いや俺が質問してるんだが……」
どうやら暴れたショックから頭が混乱しているようだ。そのせいか、喋り方もおかしい。そう思いたかった。
「久しぶりだな」
「あら伊澄さん。久方ぶりですね。こちらの少し失礼な方は、お知り合いですか?」
「否定したいのはやまやまだが、知り合いだ」
「なんてナチュラル毒舌な子! じゃなくてっ!」
聞いた話では、解離性障害は異なる人格の間で記憶が共有できないらしい。これまでの話の流れから、現在対面している翠音は全くの別人ということになる。主人格、暴力的な人格、そして第三の物腰が丁寧な人格。
「もうわけわかんねぇよ……」
さすがに以前のように興奮状態で取り乱すほどの余裕はなかった。
● ● ●
「伊澄さんも薄情な人ですね。殿方の知り合いがいるなんて初耳でした」
翠音の意識が戻ったのでその場は自然な流れで解散となった。しかし、例の如く伊澄に翠音のお守りを押し付けられ、中身は完全に別人の翠音と下校道を共にしていた。
彼女はこの状況に不信感を抱いていないのだろうか。まるで己が宍戸翠音であることに何の疑いも持っていないような振る舞いだ。
「まあ、伊澄さんのふしだらな殿方を人前に出したくないという気持ちは分からなくもないですが」
笑顔で言うことじゃない。彼女の屈託なく笑うその表情《かお》は、今まで接してきた翠音の者と寸分違わない。だからこそ、胸の奥がつっかえたような感じがする。
「あの、私の話、聞いてます? 先程から何を言っても上の空。気遣いが不得手な方はモテませんよ」
「モテたら逆に困るからいい」
「強がっても無駄ですよ。顔に『モテたいよ~、ぴえん』って書いてありますから」
「具体的かつ急に現代的な罵倒! ツッコミに長けた俺じゃなきゃ見逃しちゃうね」
「誰に向かって話してるんですか? 私はこっちですよ」
郁の眼前にいるのは、話慣れた翠音ではない。それは、親密度の低い異性と会話をするということと同義だ。よそよそしくなるのも無理ない。
「お前は知っているのか」
それ故に直球で切り込むしかなかった。
「何のことですか? はっきり申し上げてください」
「多重人格のことだ。伊澄から何か聞いていないか」
「さあ、何のことでしょう? と言っても無駄なようですね」
翠音は凛とした面構えになって答えた。
「確かに、多重人格の件については存じています」
「やっぱりか……」
「でも私は他の人格のことを直接知っているわけではありません。別の人格が発現している時の記憶もありませんし、共有もしていません。知っているのはあくまでも伊澄さんから伝聞したに形に過ぎません」
暴力的な人格とは、落ち着いて話せる状況ではなかった。彼女からは色々聞きだせるかもしれない。そういう意味で、伊澄は二人で下校させたのだろう。伊澄は多くを語らないので、こうして郁が察しなければならない。
「お前は、どう思う?」
「毎度、抽象的な発言はやめてください。それに、『お前』という呼称も大変不愉快です」
「俺にとっての翠音はおま……君じゃない。正直、なんて呼べばいいか分からない」
「それもそうですね。しかし、私には名前という高尚なものは持ち合わせておりません」
「じゃあなんて呼んだらいい?」
「お好きにどうぞ。『第三人格』でも『人格C』でもなんでも」
人の名前を決めるなんて責任の伴うことをそう簡単に引き受けられるはずがない。しかし、呼称がないと困るのも事実。
「これはあくまでも(仮)のものだが、『凜音』ってのはどうだ?」
「その名前の由来は?」
「ええ……なんでもいいって言ったじゃん」
「気になるものは気になります」
「振る舞いが凜としてたから頭文字は『凜』。『音』は翠音から借りた」
「安直ですね」
「これでも割と悩んだんだがな」
「ほんの三十秒ほどでしたが」
「攻め手がやけに激しいなおい」
容赦もないし可愛げもない。おまけに郁に対して当たりが強い。
「ぶっちゃけたら、俺の印象はあんまりか?」
「好感度は半分以下です。具体的な数値も聞いておきますか?」
「いや、やめとく。傷口に塩を塗られるのは嬉しくないな」
「そうですか。残念です」
「これなら翠音の方がまだ可愛げがあったな」
本音を漏らしてからそれが失言だったと気づいた。直接会ったことも見たこともない誰かと比べられるほど理不尽なことはない。しかし、一度吐かれた言葉は後から取り消せない。
「ごもっともです。だから、私は主人格を好ましく思っていません」
「でもその身体も声も、本来は翠音一人のものだぞ」
「理解はしています。でも、私は代替物ではありません。感情だって湧きます。納得していないんですよ。本当は私が伊澄さんの妹なりたいくらいです」
「それを伊澄には伝えたのか?」
「そんなに怖い顔しないでください。別にこの身体を乗っ取ろうなんて思っていません。ただ、主人格は実の姉を快く思っていないけれど、私はむしろ好意を抱いています。この事実から一つの回答が導き出せます」
途端に饒舌になったと思えば、結論を焦らされた。郁はそわそわする気持ちを抑えながら、視線で続きを促す。
「暴力的な人格は主人格にストレスが溜まり、やがて限界に達すると現れ、解消するとともに消えます。私の場合も同じです。姉と良好な姉妹関係を築けない主人格が投影した理想の妹像。それがおそらく私という存在です」
「つまり、翠音と伊澄が本当の姉妹になれたら凛音は消えるのか?」
「暴力的な人格ほど単純な問題ではありません。私の発現は不定期のようです。不要になったら消えるかもしれないし、生涯同じ体に入って生き続けるかもしれません」
想像したより問題は複雑なようだ。これから未知の人格が現れるかもしれないし、凛音が二度と現れないかもしれないのだから。
「ただ、私の推測ではやはり姉妹関係の良好化が鍵だと思っています」
「まあ、妥当な推測だろうな」
「そこであなたに一つお願いがあります」
「分かった。やろう」
「まだ何も言っていませんが……」
「あの姉妹については俺も何とかしようとしてたところだ。伊澄なんて不可解なことが多すぎる」
二人の利害は一致している。互いに力を貸すメリットの方が大きいだろう。
「そんじゃま、よろしくな凛音」
「気安く呼ばないでください」
「前途多難だなこりゃ」
「翠音は多重人格者だ。先程の暴力的な人格は、主人格に膨大なストレスが溜まった結果現れた」
「暴力……? ストレス? 現れた?」
話が飛躍しすぎて、郁は混乱に陥っていた。他の者に視線を移しても、皆、動揺で固まっているようだった。
「翠音は気まぐれな性格だ。今回の体育祭の件ではお前を手伝おうとした。しかし、お前はそれを無碍にした」
「俺のせいなのか?」
「別段、責めるつもりはないが、ストレスの一端になっていたことは否めない」
ズシッと心に負荷がかかった。確かに、郁は翠音の好意からの申し出を無碍にした。でもそれは不注意から役職を被らせてしまった郁に原因があり、その責任を取ろうとしたからだ。けれど、非情なことに翠音にその気持ちを知る術はなかった。
「なんでそんな大事なこと黙ってたんだよ」
「お前といる時の翠音は比較的落ち着いていた。むやみに真実を話すよりこのまま様子を見た方がよいと判断したまでだ」
もし、翠音が多重人格者だと認識していたら、普段通りに振舞えただろうか。郁も例に漏れず、赤嶺やその他大勢がそうするように距離を置いたのではないか。
「なんでお前じゃなくて俺なんだ」
よりによって社会不適合者の郁を選ぶもの好きなんていないはず。それこそ、実の姉の伊澄の方が適任だ。
「……そうだな。姉妹ゆえに言いづらいことも沢山あるだろうからな。友達も知り合いも極端に少ないお前が一番身近にいただけのことだ」
「なるほどな。俺は所詮、代替品ってわけか」
「誰もそんなことは言ってない」
「同じようなもんだろ」
二人の間に険悪な雰囲気が漂う。
「えっと、宍戸さんの人格は他にもあるの?」
困り顔でしかし、郁も気になっていたことが梨沙の口から問われた。
そうだ。確かに伊澄の説明では、「多重人格」と言われていた。二重ではなく、多重だ。このニュアンスから、複数の人格があることが聞いて取れる。
「そうだな。主人格の他に先程の暴力的な人格、それと――」
「――あれ? ここは……」
絶妙なタイミングで翠音がむくりと起き上がった。
「翠音! 俺が分かるか?」
「えーっと……こんな人私の知り合いにいましたっけ?」
「いや俺が質問してるんだが……」
どうやら暴れたショックから頭が混乱しているようだ。そのせいか、喋り方もおかしい。そう思いたかった。
「久しぶりだな」
「あら伊澄さん。久方ぶりですね。こちらの少し失礼な方は、お知り合いですか?」
「否定したいのはやまやまだが、知り合いだ」
「なんてナチュラル毒舌な子! じゃなくてっ!」
聞いた話では、解離性障害は異なる人格の間で記憶が共有できないらしい。これまでの話の流れから、現在対面している翠音は全くの別人ということになる。主人格、暴力的な人格、そして第三の物腰が丁寧な人格。
「もうわけわかんねぇよ……」
さすがに以前のように興奮状態で取り乱すほどの余裕はなかった。
● ● ●
「伊澄さんも薄情な人ですね。殿方の知り合いがいるなんて初耳でした」
翠音の意識が戻ったのでその場は自然な流れで解散となった。しかし、例の如く伊澄に翠音のお守りを押し付けられ、中身は完全に別人の翠音と下校道を共にしていた。
彼女はこの状況に不信感を抱いていないのだろうか。まるで己が宍戸翠音であることに何の疑いも持っていないような振る舞いだ。
「まあ、伊澄さんのふしだらな殿方を人前に出したくないという気持ちは分からなくもないですが」
笑顔で言うことじゃない。彼女の屈託なく笑うその表情《かお》は、今まで接してきた翠音の者と寸分違わない。だからこそ、胸の奥がつっかえたような感じがする。
「あの、私の話、聞いてます? 先程から何を言っても上の空。気遣いが不得手な方はモテませんよ」
「モテたら逆に困るからいい」
「強がっても無駄ですよ。顔に『モテたいよ~、ぴえん』って書いてありますから」
「具体的かつ急に現代的な罵倒! ツッコミに長けた俺じゃなきゃ見逃しちゃうね」
「誰に向かって話してるんですか? 私はこっちですよ」
郁の眼前にいるのは、話慣れた翠音ではない。それは、親密度の低い異性と会話をするということと同義だ。よそよそしくなるのも無理ない。
「お前は知っているのか」
それ故に直球で切り込むしかなかった。
「何のことですか? はっきり申し上げてください」
「多重人格のことだ。伊澄から何か聞いていないか」
「さあ、何のことでしょう? と言っても無駄なようですね」
翠音は凛とした面構えになって答えた。
「確かに、多重人格の件については存じています」
「やっぱりか……」
「でも私は他の人格のことを直接知っているわけではありません。別の人格が発現している時の記憶もありませんし、共有もしていません。知っているのはあくまでも伊澄さんから伝聞したに形に過ぎません」
暴力的な人格とは、落ち着いて話せる状況ではなかった。彼女からは色々聞きだせるかもしれない。そういう意味で、伊澄は二人で下校させたのだろう。伊澄は多くを語らないので、こうして郁が察しなければならない。
「お前は、どう思う?」
「毎度、抽象的な発言はやめてください。それに、『お前』という呼称も大変不愉快です」
「俺にとっての翠音はおま……君じゃない。正直、なんて呼べばいいか分からない」
「それもそうですね。しかし、私には名前という高尚なものは持ち合わせておりません」
「じゃあなんて呼んだらいい?」
「お好きにどうぞ。『第三人格』でも『人格C』でもなんでも」
人の名前を決めるなんて責任の伴うことをそう簡単に引き受けられるはずがない。しかし、呼称がないと困るのも事実。
「これはあくまでも(仮)のものだが、『凜音』ってのはどうだ?」
「その名前の由来は?」
「ええ……なんでもいいって言ったじゃん」
「気になるものは気になります」
「振る舞いが凜としてたから頭文字は『凜』。『音』は翠音から借りた」
「安直ですね」
「これでも割と悩んだんだがな」
「ほんの三十秒ほどでしたが」
「攻め手がやけに激しいなおい」
容赦もないし可愛げもない。おまけに郁に対して当たりが強い。
「ぶっちゃけたら、俺の印象はあんまりか?」
「好感度は半分以下です。具体的な数値も聞いておきますか?」
「いや、やめとく。傷口に塩を塗られるのは嬉しくないな」
「そうですか。残念です」
「これなら翠音の方がまだ可愛げがあったな」
本音を漏らしてからそれが失言だったと気づいた。直接会ったことも見たこともない誰かと比べられるほど理不尽なことはない。しかし、一度吐かれた言葉は後から取り消せない。
「ごもっともです。だから、私は主人格を好ましく思っていません」
「でもその身体も声も、本来は翠音一人のものだぞ」
「理解はしています。でも、私は代替物ではありません。感情だって湧きます。納得していないんですよ。本当は私が伊澄さんの妹なりたいくらいです」
「それを伊澄には伝えたのか?」
「そんなに怖い顔しないでください。別にこの身体を乗っ取ろうなんて思っていません。ただ、主人格は実の姉を快く思っていないけれど、私はむしろ好意を抱いています。この事実から一つの回答が導き出せます」
途端に饒舌になったと思えば、結論を焦らされた。郁はそわそわする気持ちを抑えながら、視線で続きを促す。
「暴力的な人格は主人格にストレスが溜まり、やがて限界に達すると現れ、解消するとともに消えます。私の場合も同じです。姉と良好な姉妹関係を築けない主人格が投影した理想の妹像。それがおそらく私という存在です」
「つまり、翠音と伊澄が本当の姉妹になれたら凛音は消えるのか?」
「暴力的な人格ほど単純な問題ではありません。私の発現は不定期のようです。不要になったら消えるかもしれないし、生涯同じ体に入って生き続けるかもしれません」
想像したより問題は複雑なようだ。これから未知の人格が現れるかもしれないし、凛音が二度と現れないかもしれないのだから。
「ただ、私の推測ではやはり姉妹関係の良好化が鍵だと思っています」
「まあ、妥当な推測だろうな」
「そこであなたに一つお願いがあります」
「分かった。やろう」
「まだ何も言っていませんが……」
「あの姉妹については俺も何とかしようとしてたところだ。伊澄なんて不可解なことが多すぎる」
二人の利害は一致している。互いに力を貸すメリットの方が大きいだろう。
「そんじゃま、よろしくな凛音」
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