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第五章 「勝者」と「陰謀」
84.勝ち抜くだけだ!
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残り10人か。第2試合は5組。闘技場は四箇所。今日は第3試合まで行くかな?
.........シャザは出場停止にはならなかったんだな。.........仕方ない。ならやるしか無い。何処でかち合うか判らんが負けられないんだよ。.........いや、待てよ?一応《リンミン》はどちらが勝っても手に入るのか。じゃあ、まあ、良いや。
第2試合の開始時間は今から30分後。
一度、医務室行ってみようかな。ミル様大丈夫だろうか?シャザの為にも無事でいて欲しいけど.........。
俺は闘技場を後にして医務室に向かう。場所は1階の正面入り口右手奥の所にあるらしい。こちらからはコロシアムに行く事が出来ない。通行止めだ。そこにはかなりの数の区分けされた治療室が有り、薬が常備されているそうだ。どうすれば離れた腕や足をくっつけられるかは知らないがまあ、天界で更に神の領域。不可能はある程度可能になるんだろう。
中をスタスタ歩いて行くと1番最初の部屋の扉を開く。そこは音も余り無い静かな空間だった。誰一人呻いたり泣いたり叫んだり、そんな輩は一人も居ない。唯々試合に敗れた者達が並んで寝かされベッドに沈んでいた。数は20程。かなり異様な雰囲気だ。ここは.........治療後に寝かされる大部屋かな?
俺は扉を閉めて再び移動、次の扉を開ける。
血塗れの服やブーツ。武器などが透明な袋に入れられて所狭しと置いてある。倉庫の様だ。よく見ると紙が付けられていて名前が書かれてあった。患者の着ていた衣服や持ち物なんだろうか。しかも袋だと思ったものはグニョグニョ動いていて、どうやら汚れを食べているかのように綺麗にしている。手触りはぶにょぶにょだ。何だろな?便利だ。天界の生き物かな?まあ、良いか。パタンと扉を閉めて更に奥。まだまだ治療室は空いている様だ。
ふと先の廊下を見る。そこで漸く一人の獣人に出会った。おそらく医務室に従事しているのだろう。白衣と白い帽子を被っている。多分.........コヨーテの獣人だ。
「あの、こちらにミル姫様がいらっしゃると思うのですが.....部屋分かりますか?」
「ミル姫様はまだ治療中です」
「そうですか。それと黒豹の獣人は居ませんでしたか?」
「ああ。王子代理ならあの廊下に座ってらっしゃいますよ。第5治療室の前です」
「.................ありがとうございます」
俺がお礼を言うと、ペコっ会釈してコヨーテの獣人は大部屋の扉を開けて中に入って行った。
「王子代理?獣人神は.........息子が居ないのか?そう言えば息子の話聞いた事無いな。風はランドールが居たから産まれてない訳じゃ無いだろうし。火の男神は春の女神との間に息子が3人居た筈だ。神だからと出来ない訳じゃないな。姫が58人+α居るのに.........」
呪いでも受けたか?神なのに?まさかな。
俺は考えながら奥の廊下を進む。するとごっつい黒豹が腕を組みながら椅子に座っているのが見えた。
「居た居た。シャザ」
「アウィン.........」
「ミル様の様子聞きに来たんだけどまだ治療終わって無かったんだな」
「毒がな。既に全身に回っていたらしくて.........解毒するのに時間が掛かるらしい。右腕は生えてくるそうだ」
「生えるんだ.........。まあ、切られたカバの顔、あれは消えて無くなってたから。良かった」
「そうか。あんな【加護】があるとはな.........」
「.........あ、そうだ。シャザ、お前まだ出場資格あるみたいだぞ?名前消えてなかった。どうする?」
「.........ミル姫に付いて居たいが.........少し思うところがあってな。試合は出る。アウィン、良いか?」
「ふふふ。ああ、構わんよ。俺と当たらない事を祈ってくれ。開始は30分後らしいから。じゃあな、また後で」
「ああ」
そう言って俺はその場を離れた。ミル様は大丈夫そうだし、ジャザは試合に出るらしい。更に奴が王子代理とか言うのになってるのも分かった。何をする為なんだかは判らんが.........余計な事は後回しだ。今は次の試合をこなそう。
トーナメント戦第2試合10人5組
アナコンダ獣人神族vs ワニ獣人神族
水神族 vs ヒグマ獣人神族
土神族 vs バッファロー獣人神族
風神族 vs ヤマアラシ獣人神族
闇神族 vs 黒ヒョウ獣人神族
対戦カードはこの様になっていた。
闇と.........シャザか。
自然系神族は其々特徴がある攻撃の技がある。正直獣人に負ける要素は余り無い。だが.........同じ神族だ。恐らく此処に残っている獣人は何かしら技や能力を持っていると考えるべきだな。
俺はただ、慎重に.........勝ち抜くだけだ!
.........シャザは出場停止にはならなかったんだな。.........仕方ない。ならやるしか無い。何処でかち合うか判らんが負けられないんだよ。.........いや、待てよ?一応《リンミン》はどちらが勝っても手に入るのか。じゃあ、まあ、良いや。
第2試合の開始時間は今から30分後。
一度、医務室行ってみようかな。ミル様大丈夫だろうか?シャザの為にも無事でいて欲しいけど.........。
俺は闘技場を後にして医務室に向かう。場所は1階の正面入り口右手奥の所にあるらしい。こちらからはコロシアムに行く事が出来ない。通行止めだ。そこにはかなりの数の区分けされた治療室が有り、薬が常備されているそうだ。どうすれば離れた腕や足をくっつけられるかは知らないがまあ、天界で更に神の領域。不可能はある程度可能になるんだろう。
中をスタスタ歩いて行くと1番最初の部屋の扉を開く。そこは音も余り無い静かな空間だった。誰一人呻いたり泣いたり叫んだり、そんな輩は一人も居ない。唯々試合に敗れた者達が並んで寝かされベッドに沈んでいた。数は20程。かなり異様な雰囲気だ。ここは.........治療後に寝かされる大部屋かな?
俺は扉を閉めて再び移動、次の扉を開ける。
血塗れの服やブーツ。武器などが透明な袋に入れられて所狭しと置いてある。倉庫の様だ。よく見ると紙が付けられていて名前が書かれてあった。患者の着ていた衣服や持ち物なんだろうか。しかも袋だと思ったものはグニョグニョ動いていて、どうやら汚れを食べているかのように綺麗にしている。手触りはぶにょぶにょだ。何だろな?便利だ。天界の生き物かな?まあ、良いか。パタンと扉を閉めて更に奥。まだまだ治療室は空いている様だ。
ふと先の廊下を見る。そこで漸く一人の獣人に出会った。おそらく医務室に従事しているのだろう。白衣と白い帽子を被っている。多分.........コヨーテの獣人だ。
「あの、こちらにミル姫様がいらっしゃると思うのですが.....部屋分かりますか?」
「ミル姫様はまだ治療中です」
「そうですか。それと黒豹の獣人は居ませんでしたか?」
「ああ。王子代理ならあの廊下に座ってらっしゃいますよ。第5治療室の前です」
「.................ありがとうございます」
俺がお礼を言うと、ペコっ会釈してコヨーテの獣人は大部屋の扉を開けて中に入って行った。
「王子代理?獣人神は.........息子が居ないのか?そう言えば息子の話聞いた事無いな。風はランドールが居たから産まれてない訳じゃ無いだろうし。火の男神は春の女神との間に息子が3人居た筈だ。神だからと出来ない訳じゃないな。姫が58人+α居るのに.........」
呪いでも受けたか?神なのに?まさかな。
俺は考えながら奥の廊下を進む。するとごっつい黒豹が腕を組みながら椅子に座っているのが見えた。
「居た居た。シャザ」
「アウィン.........」
「ミル様の様子聞きに来たんだけどまだ治療終わって無かったんだな」
「毒がな。既に全身に回っていたらしくて.........解毒するのに時間が掛かるらしい。右腕は生えてくるそうだ」
「生えるんだ.........。まあ、切られたカバの顔、あれは消えて無くなってたから。良かった」
「そうか。あんな【加護】があるとはな.........」
「.........あ、そうだ。シャザ、お前まだ出場資格あるみたいだぞ?名前消えてなかった。どうする?」
「.........ミル姫に付いて居たいが.........少し思うところがあってな。試合は出る。アウィン、良いか?」
「ふふふ。ああ、構わんよ。俺と当たらない事を祈ってくれ。開始は30分後らしいから。じゃあな、また後で」
「ああ」
そう言って俺はその場を離れた。ミル様は大丈夫そうだし、ジャザは試合に出るらしい。更に奴が王子代理とか言うのになってるのも分かった。何をする為なんだかは判らんが.........余計な事は後回しだ。今は次の試合をこなそう。
トーナメント戦第2試合10人5組
アナコンダ獣人神族vs ワニ獣人神族
水神族 vs ヒグマ獣人神族
土神族 vs バッファロー獣人神族
風神族 vs ヤマアラシ獣人神族
闇神族 vs 黒ヒョウ獣人神族
対戦カードはこの様になっていた。
闇と.........シャザか。
自然系神族は其々特徴がある攻撃の技がある。正直獣人に負ける要素は余り無い。だが.........同じ神族だ。恐らく此処に残っている獣人は何かしら技や能力を持っていると考えるべきだな。
俺はただ、慎重に.........勝ち抜くだけだ!
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