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第四章 「後悔」と「過去世」
71.何が必要だ?
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俺の第1回戦は火の神族ゾーイだ。まあ、負ける気はサラサラ無い。だが、油断するつもりも無い。俺の強みはこの慎重さだ。
折角の頭だ。使わないとな。
俺達はブラブラ歩きながら宿に帰り、支度をして再度空を飛んでまた会場へ戻った。サラは会場で獣人神の娘達と護衛に預ける。何だか娘の数が増えてた。昨日3人だったのに、今日は10人だ。なんか目をキラキラさせて俺から奪う様に連れ去って行っちまった.........大丈夫かな。
第3闘技場
ここは観覧席からは一番遠い場所だ。
ゾーイとは昔からの知り合いだが、妻を略奪しようとする者に手加減してやる必要あるかな?時間は掛けない方が良いだろうな。などと考えている間に時刻は10時5分前になった。
俺はゆっくりと闘技場の中央へ進む。
因みに俺の服装は白い長袖のシャツに薄青色のベスト。白いスラックス、茶色のブーツのみだ。
獣人はやたらと脱ぎたがる奴が多い。上半身は当たり前、下半身は軽く布を巻いただけだとか短い寸のパンツなどにベルトを付けて帯剣したり斧を背負ったりしている。
ジャザは胸までの甲冑を着けている。珍しい方だ。
そんな事を思っていたら、目の前に歩いて来るゾーイの姿を見て驚いた。
頭の先から爪先まで真っ赤な甲冑を着けて来たのだ。
「.........」フル装備。
「まさか一回戦で当たるとはな」
「ああ。そうだな。何だよ。それ取りに行ってたのか?」
「ふっ。カッコいいだろ?姿だけでは無いぞ?火の神秘蔵の『熖爆アーマー』そして『紅蓮ソード』だ。アウィン。俺は.........本気だ。サラを俺の妻にする」
ゾーイは火の神の神殿まで戻ってどうやら必勝アイテムを借りて来たらしい。
「.................ふぅ.........馬鹿」
「それでは第3闘技場、第1試合を始める!火の神族ゾーイ・マグリザント対、風の神族アウィン・シータ・ウィングボルト。両者による戦いである。試合終了はどちらかが戦闘不能になるか死亡の確認が取れるまで。投降する場合は声を発するか、地面を二回手でタップする事。では、.........開始!」
審判による開始が告げられた。
ゾーイは紅蓮ソードとか言うやたら燃えているデカイ剣を俺に向ける。もう、全体的に真っ赤っかで暑苦しい。
「アウィン。済まない」
「.................」
お前は俺には勝てないよ。とっとと終わらそう。
「必ずサラは幸せにするから」
「(ピキッ).........」
「サラ.........益々美しくなってたな。流石は女神だ。肌が透ける様だし、なによりあの白い指。小さくて可愛いピンク色のあの唇。堪らんな!とっとと勝ってあの口で......... 」
「(ピキピキッ).........」
「俺のをむしゃぶらせてやる」
「.....はい、アウト」
その瞬間。俺はゾーイの周りに円型に結界を張り、一気に酸素を抜いていく。
「!!!」
「炎が燃えるには何が必要だ?」
「ーーーーーーーー!」
「可燃物、酸素などの支燃物、着火源からの熱だ。最悪この3つがなけりゃ物は燃えない。更に継続して燃やし続けるには連続した酸化反応が必要なんだよ。解るか?俺はな、元となるあらゆる可燃物の燃焼に必要な限界酸素濃度を........調整出来るんだ」
「ア、アウィン!」
バッと口を抑えるゾーイ。
「まあ、神から貸し付けられた品なら法則は無視されるかも知れないが.........お前はどうだ?」
「ふぐ.........は.........はぁ.........息.........が.........」
ゾーイはググッと胸元を手で抑え苦しそうに呼吸を早める。
「炎に身を変えても結果は同じだ。塵になって彷徨うか、身体を切り刻まれるか窒息死するか.........選べば良い」
「ア.........アウ.........ィンお.........前.........本気.........」
「俺は優しいだろ?俺の妻が淫奔の気がある様な発言をする奴に対して選択肢を与えてやってるんだ。なんならそのデカイ剣で切り掛かって来ても良いぞ?.........結界から出られるならな?」
「く.........くそ!やって.........や、る!」
「ああ。良いぜ?来いよ」
「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~!!」
ゾーイは紅蓮ソードを振り上げ俺に目掛け振り下ろした。だが、ホワンッと風に弾かれる。
「!!」
「ふふ。この結界の風はな、強固な練度で尚且つ肌を傷付けないくらいに滑らかだが絶対の弾力を持つ特別性だ(サラの為に念入りに練習したからな)お前には切れないよ」
ゾーイが着込んだ真っ赤な火属性の甲冑は徐々に色を失って行き、やがて真っ黒に近い薄暗い光沢を見せ始める。神の持つ神器も燃えなければ意味は無い。
「.........ふ、が.........い、無い.........」
「相性が悪かったな。」
「く.........」
ゾーイは跪き、地面を震えながら2回タップした。
折角の頭だ。使わないとな。
俺達はブラブラ歩きながら宿に帰り、支度をして再度空を飛んでまた会場へ戻った。サラは会場で獣人神の娘達と護衛に預ける。何だか娘の数が増えてた。昨日3人だったのに、今日は10人だ。なんか目をキラキラさせて俺から奪う様に連れ去って行っちまった.........大丈夫かな。
第3闘技場
ここは観覧席からは一番遠い場所だ。
ゾーイとは昔からの知り合いだが、妻を略奪しようとする者に手加減してやる必要あるかな?時間は掛けない方が良いだろうな。などと考えている間に時刻は10時5分前になった。
俺はゆっくりと闘技場の中央へ進む。
因みに俺の服装は白い長袖のシャツに薄青色のベスト。白いスラックス、茶色のブーツのみだ。
獣人はやたらと脱ぎたがる奴が多い。上半身は当たり前、下半身は軽く布を巻いただけだとか短い寸のパンツなどにベルトを付けて帯剣したり斧を背負ったりしている。
ジャザは胸までの甲冑を着けている。珍しい方だ。
そんな事を思っていたら、目の前に歩いて来るゾーイの姿を見て驚いた。
頭の先から爪先まで真っ赤な甲冑を着けて来たのだ。
「.........」フル装備。
「まさか一回戦で当たるとはな」
「ああ。そうだな。何だよ。それ取りに行ってたのか?」
「ふっ。カッコいいだろ?姿だけでは無いぞ?火の神秘蔵の『熖爆アーマー』そして『紅蓮ソード』だ。アウィン。俺は.........本気だ。サラを俺の妻にする」
ゾーイは火の神の神殿まで戻ってどうやら必勝アイテムを借りて来たらしい。
「.................ふぅ.........馬鹿」
「それでは第3闘技場、第1試合を始める!火の神族ゾーイ・マグリザント対、風の神族アウィン・シータ・ウィングボルト。両者による戦いである。試合終了はどちらかが戦闘不能になるか死亡の確認が取れるまで。投降する場合は声を発するか、地面を二回手でタップする事。では、.........開始!」
審判による開始が告げられた。
ゾーイは紅蓮ソードとか言うやたら燃えているデカイ剣を俺に向ける。もう、全体的に真っ赤っかで暑苦しい。
「アウィン。済まない」
「.................」
お前は俺には勝てないよ。とっとと終わらそう。
「必ずサラは幸せにするから」
「(ピキッ).........」
「サラ.........益々美しくなってたな。流石は女神だ。肌が透ける様だし、なによりあの白い指。小さくて可愛いピンク色のあの唇。堪らんな!とっとと勝ってあの口で......... 」
「(ピキピキッ).........」
「俺のをむしゃぶらせてやる」
「.....はい、アウト」
その瞬間。俺はゾーイの周りに円型に結界を張り、一気に酸素を抜いていく。
「!!!」
「炎が燃えるには何が必要だ?」
「ーーーーーーーー!」
「可燃物、酸素などの支燃物、着火源からの熱だ。最悪この3つがなけりゃ物は燃えない。更に継続して燃やし続けるには連続した酸化反応が必要なんだよ。解るか?俺はな、元となるあらゆる可燃物の燃焼に必要な限界酸素濃度を........調整出来るんだ」
「ア、アウィン!」
バッと口を抑えるゾーイ。
「まあ、神から貸し付けられた品なら法則は無視されるかも知れないが.........お前はどうだ?」
「ふぐ.........は.........はぁ.........息.........が.........」
ゾーイはググッと胸元を手で抑え苦しそうに呼吸を早める。
「炎に身を変えても結果は同じだ。塵になって彷徨うか、身体を切り刻まれるか窒息死するか.........選べば良い」
「ア.........アウ.........ィンお.........前.........本気.........」
「俺は優しいだろ?俺の妻が淫奔の気がある様な発言をする奴に対して選択肢を与えてやってるんだ。なんならそのデカイ剣で切り掛かって来ても良いぞ?.........結界から出られるならな?」
「く.........くそ!やって.........や、る!」
「ああ。良いぜ?来いよ」
「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~!!」
ゾーイは紅蓮ソードを振り上げ俺に目掛け振り下ろした。だが、ホワンッと風に弾かれる。
「!!」
「ふふ。この結界の風はな、強固な練度で尚且つ肌を傷付けないくらいに滑らかだが絶対の弾力を持つ特別性だ(サラの為に念入りに練習したからな)お前には切れないよ」
ゾーイが着込んだ真っ赤な火属性の甲冑は徐々に色を失って行き、やがて真っ黒に近い薄暗い光沢を見せ始める。神の持つ神器も燃えなければ意味は無い。
「.........ふ、が.........い、無い.........」
「相性が悪かったな。」
「く.........」
ゾーイは跪き、地面を震えながら2回タップした。
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