137 / 146
◇式前30日の記録
36.似た者同士
しおりを挟む
その時、ドオォォォーーーーーーンッッと響き渡る地響きと共にゴォーーーーと風が吹き上げ、女神の居る椅子の後ろの木々が薙ぎ倒され光の塵に変わった。
リリアはあまりの現象に羽を地面にペタンと広げて身体を丸くして声も出せずにブルブル震えて怯える。
「ちょっとー!もう少し静かに来れないの?私の白い娘が怯えてるじゃ無い!本当空気読め無いんだから!大体.........」
そう文句を言う女神の後ろにいつの間にか金の光の粒子が集まり出し人の形を成していた。
それは次第に男の姿になり、筋肉隆々の白い輝く羽根の髪を腰までたなびかせる美丈夫の姿へと変わる。肌の色は左が白で右が赤だ。鼻の真ん中でクッキリと色が分かれていた。瞳の色も左が金で右が紅。まるで2つのモノが1つになった様な容姿をしている。
「.........あれ?半分白いじゃないの。戻ったの?」
「ああ.........ハニーが赤が嫌だと言うから半分締めて来た。半分は逃げ回ってるが、まあその内な」
「全部白になるととんでもない力が貴方に宿るのね?ヤダわー離婚しましょう!離婚!」
「何故だ!ハニーが赤色が嫌だと申すからやっているのに、自らの放った言葉に責任持たぬか!全く適当であるな........で?ハニーの適当さ加減のお陰で我の白い娘が困っておるのだろ?何だ、また鳥になってるではないか」
「私の白い娘よ!」
「我の白い娘だ!」
「私の血と肉から産んだのよ!」
「我の魂から造ったのだから我のであろう!」
「私のお腹で造ったのよ!私が産んだんだから私のよ!」
「我の造る魂が無ければ唯の入れ物だ!でなけれは真面に育つものか!」
『っ........................』
この不毛な会話を聞いていたリリアはシクシクと泣き出した。2人の神の愛が有って生み出された命では無い事にショックを受けたのだ。辛くてポタポタ涙が止まらない。
「うお!どうした我の白い娘!何処か痛むのか?」
「馬鹿ね!貴方が煩くしたから怖がってるのよ!静かにしなさいよ!」
『うっ.....ぅ....うわーーーーーーーん!わーーん!ああぁ~~~っ』バサバサバサッ
「「どうしたの?」だ?」
『ワタシは愛されて生まれたのでは無いのですか?唯、モノとして生み出されたのですか?何の為に?どうして?こんなの酷いわ!うわーーーーんっ』
「愛してるわよ」
「愛しているぞ」
『................本当に?』
「貴女には私の愛が詰まってるわ」
「お主には我の愛が詰まってる」
『2人の愛は別々なの?』
「.........一緒、よ」
「一緒だ」
2人の神が声を合わせる。
『本当?.........良かった.........嬉しい!』
白い翼をパタパタしながら喜ぶシラサギ、いや、リリア。しかし.........
「勿論私の方が愛してるけどね!」
「我の方が愛しているに決まってるであろう!」
『.................』パタ.....
言い争う2人の神を見ながらリリアは、
『(ああ、この夫婦は.........もの凄く似てるんだわ.........でも愛されてた.........嬉しいわ)』
じんわり胸が熱くなる。
その時、後ろからパタパタと羽が鳴る音がする。長い首をフイッと向けるとそこには先程別れた大きなシラサギが羽をはためかせてリリアに近づいて来ていた。
『シトラン?.........どうして?』
パサパサと数回羽を鳴らしリリアの隣に降り立つシトラン。
『君の泣き声が聞こえた気がして.........何かあったのかと.........!これは父神様!お久しぶりでございます。先程の揺れは貴方様でしたか』
「久しいな、アルギリアーノ。いや、今はシトランか。ふふ」
『アルギリアーノ?誰?』
『.........父神様、それはまだ。それより何かありましたか?リリアが泣いていたようですが?』
『あ、えっと.........もう平気。少しだけ疑ってしまったの。愛されていないんだって.........でもちゃんと言葉にしてもらったわ。だから大丈夫』
『.........リリア。僕も君を愛しているよ』
『う"ぇ!!シ、シトラン!またっ!』
ビビッと固まるリリア。先程断ったばかりである。ここで振り返されるとはっ
「.........ほう?それは誠か?」
ニヤリと半分の赤い顔が笑う。
ハッ!
『ワ、ワタシには愛している人が居るんです!(ちゃんと言っておかないと!誤解されちゃうわ!)』
「勿論よ~。私が選んだ人間よ?私の白い娘にしっかり愛を与え育てて来た子だから。何の心配も無いわ、ね?」
「ハニーが選んだ?いつの間に!我の白い娘の伴侶は父の我が決める!勝手な事をするで無い!」
「はあ~~~~~?ふざけないでよ!此処は私の創った世界よ!そこに存在する中で1番相性が良い子を選んだわ!何より私の白い娘はあの子の愛で育った。紛れもなく最高の相手よ!」
『(そうなんだ!!ワタシとテオルドは最高の相性なんだ!ああ~テオルド嬉しいわ!)』
リリアはあまりの現象に羽を地面にペタンと広げて身体を丸くして声も出せずにブルブル震えて怯える。
「ちょっとー!もう少し静かに来れないの?私の白い娘が怯えてるじゃ無い!本当空気読め無いんだから!大体.........」
そう文句を言う女神の後ろにいつの間にか金の光の粒子が集まり出し人の形を成していた。
それは次第に男の姿になり、筋肉隆々の白い輝く羽根の髪を腰までたなびかせる美丈夫の姿へと変わる。肌の色は左が白で右が赤だ。鼻の真ん中でクッキリと色が分かれていた。瞳の色も左が金で右が紅。まるで2つのモノが1つになった様な容姿をしている。
「.........あれ?半分白いじゃないの。戻ったの?」
「ああ.........ハニーが赤が嫌だと言うから半分締めて来た。半分は逃げ回ってるが、まあその内な」
「全部白になるととんでもない力が貴方に宿るのね?ヤダわー離婚しましょう!離婚!」
「何故だ!ハニーが赤色が嫌だと申すからやっているのに、自らの放った言葉に責任持たぬか!全く適当であるな........で?ハニーの適当さ加減のお陰で我の白い娘が困っておるのだろ?何だ、また鳥になってるではないか」
「私の白い娘よ!」
「我の白い娘だ!」
「私の血と肉から産んだのよ!」
「我の魂から造ったのだから我のであろう!」
「私のお腹で造ったのよ!私が産んだんだから私のよ!」
「我の造る魂が無ければ唯の入れ物だ!でなけれは真面に育つものか!」
『っ........................』
この不毛な会話を聞いていたリリアはシクシクと泣き出した。2人の神の愛が有って生み出された命では無い事にショックを受けたのだ。辛くてポタポタ涙が止まらない。
「うお!どうした我の白い娘!何処か痛むのか?」
「馬鹿ね!貴方が煩くしたから怖がってるのよ!静かにしなさいよ!」
『うっ.....ぅ....うわーーーーーーーん!わーーん!ああぁ~~~っ』バサバサバサッ
「「どうしたの?」だ?」
『ワタシは愛されて生まれたのでは無いのですか?唯、モノとして生み出されたのですか?何の為に?どうして?こんなの酷いわ!うわーーーーんっ』
「愛してるわよ」
「愛しているぞ」
『................本当に?』
「貴女には私の愛が詰まってるわ」
「お主には我の愛が詰まってる」
『2人の愛は別々なの?』
「.........一緒、よ」
「一緒だ」
2人の神が声を合わせる。
『本当?.........良かった.........嬉しい!』
白い翼をパタパタしながら喜ぶシラサギ、いや、リリア。しかし.........
「勿論私の方が愛してるけどね!」
「我の方が愛しているに決まってるであろう!」
『.................』パタ.....
言い争う2人の神を見ながらリリアは、
『(ああ、この夫婦は.........もの凄く似てるんだわ.........でも愛されてた.........嬉しいわ)』
じんわり胸が熱くなる。
その時、後ろからパタパタと羽が鳴る音がする。長い首をフイッと向けるとそこには先程別れた大きなシラサギが羽をはためかせてリリアに近づいて来ていた。
『シトラン?.........どうして?』
パサパサと数回羽を鳴らしリリアの隣に降り立つシトラン。
『君の泣き声が聞こえた気がして.........何かあったのかと.........!これは父神様!お久しぶりでございます。先程の揺れは貴方様でしたか』
「久しいな、アルギリアーノ。いや、今はシトランか。ふふ」
『アルギリアーノ?誰?』
『.........父神様、それはまだ。それより何かありましたか?リリアが泣いていたようですが?』
『あ、えっと.........もう平気。少しだけ疑ってしまったの。愛されていないんだって.........でもちゃんと言葉にしてもらったわ。だから大丈夫』
『.........リリア。僕も君を愛しているよ』
『う"ぇ!!シ、シトラン!またっ!』
ビビッと固まるリリア。先程断ったばかりである。ここで振り返されるとはっ
「.........ほう?それは誠か?」
ニヤリと半分の赤い顔が笑う。
ハッ!
『ワ、ワタシには愛している人が居るんです!(ちゃんと言っておかないと!誤解されちゃうわ!)』
「勿論よ~。私が選んだ人間よ?私の白い娘にしっかり愛を与え育てて来た子だから。何の心配も無いわ、ね?」
「ハニーが選んだ?いつの間に!我の白い娘の伴侶は父の我が決める!勝手な事をするで無い!」
「はあ~~~~~?ふざけないでよ!此処は私の創った世界よ!そこに存在する中で1番相性が良い子を選んだわ!何より私の白い娘はあの子の愛で育った。紛れもなく最高の相手よ!」
『(そうなんだ!!ワタシとテオルドは最高の相性なんだ!ああ~テオルド嬉しいわ!)』
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる