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◇本編
32.
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シューマさんはサラサラ赤毛の細身のシュッとした人だ。10年前は同じ歳のテオルドとあまり背は変わらなかったが今はテオルドより頭半分高い。テオルドも低い訳では無いのだが、ちょっと対抗心があるようだ。
一重の切れ長の色白な顔。知的でスマートな大人の色気がある。ニヒル?
因みに爵位は無いが伯爵家の三男坊だ。能力の高さから10歳の頃よりリングライド家に引き取られテオルドの側使いになった。学校も一緒に通い、いつでもどこでも一緒だ。きっと生涯連れ添う仲間なのだ。
ふふ。2人共男前になったね。
ワタシは.........大きくなっただけだ。変わらない。
羨ましいな。
人間の女の子は少女から女性に変わり、キラキラリボンや髪飾り。クルクル艶の有る長い髪を巻いて艶艶な口紅を付ける。侍女さんや厨房の下働きさんもしっかり娘さんになって結婚して行く。子供を作ってお母さんになる。そうやって歳を取れる。
ワタシは繁殖の為に卵を産んで.........温めて孵したら終わり。子育てはしない。餌も要らないし下の世話も無い。お世話しなくてもお母さんに.........なれる?
いや、ワタシは番わない。家族すら作らない。
急に寂しさが込み上げる。
なんてワタシはつまらない存在なのだろう。
悔しくて悲しい。
誰かを恨む気持ちなんて無いけど、出逢いに後悔なんてしないけど、唯々胸が痛んだ。
声を上げて泣きたい。どうにもならない運命に.........唯々唯々悲しい。
手放さなければならない帰る場所を失う悲しみ。
でも、きっと時間が経てば.........大丈夫よね?
もういっその事早くテオルドとテオルドの好きになった人がくっ付いてくれれば良いのに。それとも結婚出来ない理由が有るのかな?聞いたら相談してくれるかな?ワタシお手伝い出来るかも知れないし、お屋敷に帰ったら聞いてみようか。伝書鳩役くらいは出来るし、それ以上の事も頑張ってみよう。良し!決めた!
ワタシ、キューピットになろう!
テオルドに幸せになって欲しいもの。
まずは情報収集ね。こっそり騎士さん達に聞いてみよう。何か知ってるかも知れないし。ダメならシューマさんね。彼から詳しく知ってるはずだ。後で捕まえる。
クヨクヨしてたって何か変わる訳じゃ無い。なら、動いた方が気が紛れるし。勢い大事よね?
なんて考えているとワーーーと言う歓声と野次が聞こえて来た。始まったみたい。どれどれと木から顔だけ出して観る。
あ!いきなりシューマさんじゃない!
相手の人は.........大きい身体の傭兵風の黒髪の男の人だ。
ちょっと怖いけど遠いからそこまでじゃ無い。
ワタシは少しだけワクワクしていた。
一重の切れ長の色白な顔。知的でスマートな大人の色気がある。ニヒル?
因みに爵位は無いが伯爵家の三男坊だ。能力の高さから10歳の頃よりリングライド家に引き取られテオルドの側使いになった。学校も一緒に通い、いつでもどこでも一緒だ。きっと生涯連れ添う仲間なのだ。
ふふ。2人共男前になったね。
ワタシは.........大きくなっただけだ。変わらない。
羨ましいな。
人間の女の子は少女から女性に変わり、キラキラリボンや髪飾り。クルクル艶の有る長い髪を巻いて艶艶な口紅を付ける。侍女さんや厨房の下働きさんもしっかり娘さんになって結婚して行く。子供を作ってお母さんになる。そうやって歳を取れる。
ワタシは繁殖の為に卵を産んで.........温めて孵したら終わり。子育てはしない。餌も要らないし下の世話も無い。お世話しなくてもお母さんに.........なれる?
いや、ワタシは番わない。家族すら作らない。
急に寂しさが込み上げる。
なんてワタシはつまらない存在なのだろう。
悔しくて悲しい。
誰かを恨む気持ちなんて無いけど、出逢いに後悔なんてしないけど、唯々胸が痛んだ。
声を上げて泣きたい。どうにもならない運命に.........唯々唯々悲しい。
手放さなければならない帰る場所を失う悲しみ。
でも、きっと時間が経てば.........大丈夫よね?
もういっその事早くテオルドとテオルドの好きになった人がくっ付いてくれれば良いのに。それとも結婚出来ない理由が有るのかな?聞いたら相談してくれるかな?ワタシお手伝い出来るかも知れないし、お屋敷に帰ったら聞いてみようか。伝書鳩役くらいは出来るし、それ以上の事も頑張ってみよう。良し!決めた!
ワタシ、キューピットになろう!
テオルドに幸せになって欲しいもの。
まずは情報収集ね。こっそり騎士さん達に聞いてみよう。何か知ってるかも知れないし。ダメならシューマさんね。彼から詳しく知ってるはずだ。後で捕まえる。
クヨクヨしてたって何か変わる訳じゃ無い。なら、動いた方が気が紛れるし。勢い大事よね?
なんて考えているとワーーーと言う歓声と野次が聞こえて来た。始まったみたい。どれどれと木から顔だけ出して観る。
あ!いきなりシューマさんじゃない!
相手の人は.........大きい身体の傭兵風の黒髪の男の人だ。
ちょっと怖いけど遠いからそこまでじゃ無い。
ワタシは少しだけワクワクしていた。
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