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◇本編

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「テオルドぉー!お久しぶりねぇー!また男らしさが上がったじゃない!良いわー素敵!これなら絶対断られる事も無い!」
「伯母様。お久しぶりです。で?何の話ですか?」
「ふふふふっ!縁談よ!結婚しなさいテオルド!貴方にぴったりの高貴なお方がいらっしゃるの。是非縁を結んで頂戴!美しい方よ?歳は少し高いけど、まだまだ子供は産めるわ。お相手を探してられてね、是非貴方に会わせたいの。貴方を何処で見かけたんだって。私の甥っ子だって知ってあちらも乗り気でね?」
「伯母様。いい加減にして下さい。私には既に決まった未来が有るのです。勝手な事をされては困ります」
「ああ。あれね?『御神託』。あんなもの信じるなんてどうかしてるわ!いい加減にするのはそちらよ!どうなるか判らないじゃないの。いつになるかも判らないそんなボンヤリとした占い信じるなんて。今 神だ女神だなんて言っているのは王室といくつかの公爵貴族だけよ!馬鹿馬鹿しい」
「伯母様だって公爵家だったではありませんか。父上はちゃんと信仰されているのですよ?しかも私には御使い様が側にいらっしゃるのです。これ以上女神様を侮辱する発言をされるのでしたら出入り禁止にさせて頂きます」
「うぅん~っ、テオルド怒らないで頂戴。私は心配しているのですよ?貴方がこのまま独り身で生きて行く事になるかも知れないと。次世を作るのは義務よ?公爵家の存続に関わるの。貴方だって自分の子を跡継ぎにしたいでしょ?だから私の勧める方と結婚して子を設けて頂戴。お願い!」
「伯母様の息子のジャリールが居るでは有りませんか。まだ結婚していないでしょ?彼だってもう18歳だ。私と3つしか変わらないではありませんか。縁談はそちらでして下さい!」
「だってあちらの方が気に入らなかったんですもの。もっと美形が良いって。本当我儘よねぇ?でも相手の方は隣国の王族なのよ。身分も顔も年齢も貴方が一番適してるの。ねぇ、助けると思って会ってくれない?お願いヨォ~!」
「うちと縁があったって侯爵に利が有るんですか?ああ、どうせ、口利きしたからとかで関税とか免除してもらったり利権が働いているんでしょうが。良いですか?女神様の『御神託』があればこそ王家率いる我々が他国と戦争せずに回避の道を選べているのです。我が国は決して大きく無い。だが、国土も減らす事なく豊かな土壌で飢える事が無いのは女神様の『御神託』のお陰なのです。貴方方が何と言っても私は『御神託』に従います。さあ、伯母様。話は終わりです。お引き取りを」
「テオルド.........きっと後悔するわよ!」
「.........いえ。後悔はしません。これが私の道なのです。私が望む.........違わぬ唯一の道」
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