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第2章 ヒューマンバトル
60話 ヒーローの欠点
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「うぅ……ここは……俺の部屋か?」
スクエがいつもの場所で目が覚める。
「やっと目が覚めたか」
顔を動かし横を向くと、椅子に座っているノラの姿がある。
「ノラ……俺は……」
記憶を辿るように目を瞑る。
「ダメだ思い出せない……」
自身が何故、自分の部屋にいるのかが思い出さない様だ。
そんなスクエの様子を見たノラはカルモナに気絶させられた経緯を説明する。
「──そうだ……俺の力が効かなかった」
「あぁ」
「なんで、効かなかったんだ?」
スクエの質問にノラは考える。
「私も、それが分からない──本来なら鉄パイプと木刀がぶつかった瞬間に木刀が真っ二つになると思ったんだがな……」
そして、ノラはスクエの職業をもう一度スキャンしてみる。
「ヒーロー……人間を救うの者、そしてリプレスの天敵か……」
スキャンデータを口走り、ある仮説を立てる。
「ふむ、スクエ少し待っていろ」
そう言って、ノラは部屋を出て行く。そして、何個かのガラクタを持って直ぐに戻って来た。
「それは?」
「あぁ、まぁ今気にせずこのガラクタをスクエの能力で斬ってみてくれないか?」
ノラの提案に疑問を持ちつつ言われた通りに斬る為、一度ベッドから出て立て掛けられていた鉄パイプを握りしめた。
「まずは、こっちのガラクタを斬って見てくれ」
すると、恐らくリプレスの腕なのか片腕部分のパーツがあった。
言われるがままに能力を発動させる。
「グラッチ!」
鉄パイプの先端に赤い光が纏う。
そして、腕目掛けて鉄パイプを振り下ろした。
すると、以前同様に、面白い程柔らかくてスクエの手には豆腐を斬る様な感触でパーツを切断する事が出来た。
「お? そうそう、やっぱりこれだよな」
カルモナの時は能力が発動しなかった為、失ったのかと少し心配していた様だが、しっかりと発動出来る事に安心したスクエ。
「ふむ、次はこっちも頼む」
そう言って取り出したのは、又もや腕パーツであった。
「ん? もう一度やるのか?」
「あぁ」
その腕は、先程斬ったものとは多少形や見た目が変わっていた。
スクエは自身が持っている鉄パイプの先端がまだ赤い事を確認してから、再び鉄パイプを振り下ろした。
「──な?!」
だが、結果は先程と違っている。
「な、なんで斬れないんだ?!」
先程はあんなにも簡単に斬れたのに、今度の腕パーツは切れない。
「ふむ、やはりそういう事か……」
自身の仮説が当たっていたのか、ノラは一度大きく頷くと、スクエに説明を始める。
「スクエ、理由が分かったぞ」
ノラの言葉に耳を傾ける。
「恐らく、スクエのその能力は、リプレス限定だ」
「どういう事だ……?」
ノラの言葉に首を傾げる。
「スクエの職業の説明を再び読んだ」
「俺の職業ってヒーローのか?」
「あぁ、そこには人間を救う者、そしてリプレスの天敵と記載があるんだ」
ノラは職業欄の説明文を伝える。
「そこで、一つの仮説を立てて、今実施させて貰った」
ノラは視線を動かす。そこには真っ二つに斬れている腕パーツと斬れなかったパーツが転がっている。
「スクエが簡単に斬ったパーツはリプレスの腕パーツだ、そして斬れなかったのはイナメイトの腕パーツ」
ここまで、説明されると、流石にスクエも納得した様子である。
「成る程な……俺の能力はリプレス専用って事か……」
「あぁ、どうやらその様だ」
自身の能力に制限がある事を聞かされたスクエだが、落ち込んではいない様だ。
「はは、なんだ。それなら良かったぜ!」
俺スクエは落ち込む所か喜んでいる様子である。
「俺は、もともとリプレスだけをぶっ倒したいと考えてたから、丁度良いぜ!」
これで誤って人間を殺してしまう様な事も無いと知れてスクエは安心する。
「はは、スクエらしいな」
そんなスクエの様子を見て微笑むノラ。
「だが、どうする──これで、ヒューマンバトルで勝てる見込みが……」
「別にいいよ、参加をキャンセルすればいいだけだろ?」
スクエの言葉にノラが首を振る。
「スクエ、キャンセルは出来ない──参加希望を出したら、絶対参加だしキャンセルしたら処罰が待っている」
以前にも軽く説明されていた事だが、スクエは忘れていた様だ……
「ヒューマンバトルでは殺しも有りの戦いだ……今のスクエでは強い奴隷と当たれば簡単に殺されるぞ?」
ノラの言葉にスクエは背筋が凍るのを感じる……
「ど、どうすればいい?」
「……少し考える、時間をくれ」
この時点で二人はヒューマンバトルで優勝したいと、言うよりかは生き残りたいと考える様になる……
ノラは何か対策が無いかを考える為に自身の部屋に籠った。
──はぁ……一難去って、また一難って感じだな……
ウーヴェ達を倒して平和が訪れだと思ったら、次はヒューマンバトルで殺される可能性が出てきてしまいスクエは溜息しか出ない様だ。
「はぁ……気分転換に散歩でもするか……」
ノラに散歩する事を伝えてスクエは外に出る……
スクエがいつもの場所で目が覚める。
「やっと目が覚めたか」
顔を動かし横を向くと、椅子に座っているノラの姿がある。
「ノラ……俺は……」
記憶を辿るように目を瞑る。
「ダメだ思い出せない……」
自身が何故、自分の部屋にいるのかが思い出さない様だ。
そんなスクエの様子を見たノラはカルモナに気絶させられた経緯を説明する。
「──そうだ……俺の力が効かなかった」
「あぁ」
「なんで、効かなかったんだ?」
スクエの質問にノラは考える。
「私も、それが分からない──本来なら鉄パイプと木刀がぶつかった瞬間に木刀が真っ二つになると思ったんだがな……」
そして、ノラはスクエの職業をもう一度スキャンしてみる。
「ヒーロー……人間を救うの者、そしてリプレスの天敵か……」
スキャンデータを口走り、ある仮説を立てる。
「ふむ、スクエ少し待っていろ」
そう言って、ノラは部屋を出て行く。そして、何個かのガラクタを持って直ぐに戻って来た。
「それは?」
「あぁ、まぁ今気にせずこのガラクタをスクエの能力で斬ってみてくれないか?」
ノラの提案に疑問を持ちつつ言われた通りに斬る為、一度ベッドから出て立て掛けられていた鉄パイプを握りしめた。
「まずは、こっちのガラクタを斬って見てくれ」
すると、恐らくリプレスの腕なのか片腕部分のパーツがあった。
言われるがままに能力を発動させる。
「グラッチ!」
鉄パイプの先端に赤い光が纏う。
そして、腕目掛けて鉄パイプを振り下ろした。
すると、以前同様に、面白い程柔らかくてスクエの手には豆腐を斬る様な感触でパーツを切断する事が出来た。
「お? そうそう、やっぱりこれだよな」
カルモナの時は能力が発動しなかった為、失ったのかと少し心配していた様だが、しっかりと発動出来る事に安心したスクエ。
「ふむ、次はこっちも頼む」
そう言って取り出したのは、又もや腕パーツであった。
「ん? もう一度やるのか?」
「あぁ」
その腕は、先程斬ったものとは多少形や見た目が変わっていた。
スクエは自身が持っている鉄パイプの先端がまだ赤い事を確認してから、再び鉄パイプを振り下ろした。
「──な?!」
だが、結果は先程と違っている。
「な、なんで斬れないんだ?!」
先程はあんなにも簡単に斬れたのに、今度の腕パーツは切れない。
「ふむ、やはりそういう事か……」
自身の仮説が当たっていたのか、ノラは一度大きく頷くと、スクエに説明を始める。
「スクエ、理由が分かったぞ」
ノラの言葉に耳を傾ける。
「恐らく、スクエのその能力は、リプレス限定だ」
「どういう事だ……?」
ノラの言葉に首を傾げる。
「スクエの職業の説明を再び読んだ」
「俺の職業ってヒーローのか?」
「あぁ、そこには人間を救う者、そしてリプレスの天敵と記載があるんだ」
ノラは職業欄の説明文を伝える。
「そこで、一つの仮説を立てて、今実施させて貰った」
ノラは視線を動かす。そこには真っ二つに斬れている腕パーツと斬れなかったパーツが転がっている。
「スクエが簡単に斬ったパーツはリプレスの腕パーツだ、そして斬れなかったのはイナメイトの腕パーツ」
ここまで、説明されると、流石にスクエも納得した様子である。
「成る程な……俺の能力はリプレス専用って事か……」
「あぁ、どうやらその様だ」
自身の能力に制限がある事を聞かされたスクエだが、落ち込んではいない様だ。
「はは、なんだ。それなら良かったぜ!」
俺スクエは落ち込む所か喜んでいる様子である。
「俺は、もともとリプレスだけをぶっ倒したいと考えてたから、丁度良いぜ!」
これで誤って人間を殺してしまう様な事も無いと知れてスクエは安心する。
「はは、スクエらしいな」
そんなスクエの様子を見て微笑むノラ。
「だが、どうする──これで、ヒューマンバトルで勝てる見込みが……」
「別にいいよ、参加をキャンセルすればいいだけだろ?」
スクエの言葉にノラが首を振る。
「スクエ、キャンセルは出来ない──参加希望を出したら、絶対参加だしキャンセルしたら処罰が待っている」
以前にも軽く説明されていた事だが、スクエは忘れていた様だ……
「ヒューマンバトルでは殺しも有りの戦いだ……今のスクエでは強い奴隷と当たれば簡単に殺されるぞ?」
ノラの言葉にスクエは背筋が凍るのを感じる……
「ど、どうすればいい?」
「……少し考える、時間をくれ」
この時点で二人はヒューマンバトルで優勝したいと、言うよりかは生き残りたいと考える様になる……
ノラは何か対策が無いかを考える為に自身の部屋に籠った。
──はぁ……一難去って、また一難って感じだな……
ウーヴェ達を倒して平和が訪れだと思ったら、次はヒューマンバトルで殺される可能性が出てきてしまいスクエは溜息しか出ない様だ。
「はぁ……気分転換に散歩でもするか……」
ノラに散歩する事を伝えてスクエは外に出る……
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