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第1章 ヒーロー見参
47話 ヒーロー見参!!
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スクエが、ウィンドウォールを破壊したのを見てウーヴェは動揺しつつも、後ろに下がりスクエから距離を取る。
「ど、どうなっている……」
何故、自分の魔法がスクエに効かないのかが理解出来ないウーヴェ。
「まるで、魔法そのものを破壊している……」
ウーヴェの動揺もしょうがないだろう。
似たような事を出来るリプレスなど沢山居るが、それはあくまで絶対的までの腕力を利用し、魔法を無理矢理斬ったり、殴ったりなどするものである。
もちろん、その時に魔法の効果は発動して炎魔法であれば爆風の影響を受けるし風魔法であれば身体に擦り傷くらいは付くだろう。
だが、スクエの場合は魔法そのものを破壊している様子であり、破壊した後の魔法の影響を受ける事も無さそうであった。
「クッ……魔法が効かない人間だと……?」
ここに来て、ウーヴェの余裕は既に消えていた。
「なぁ──そろそろ、いいか?」
「なんだと……?」
スクエは左手を腰に当てて、鉄パイプを自身の右肩に一定のリズムで叩きウーヴェに質問する。
「どう言う意味だ?」
「ん? ──それゃお前アレだよ」
スクエは鉄パイプでトントンと右肩を叩くのを辞めない。
「さっき、お前に俺とノラの作戦会議を待って貰ったからよ──そのお礼に俺も待っているわけよ」
ウーヴェの表情とは逆に、スクエは小馬鹿にする様な笑みを浮かべている。
そんなスクエの表情にも態度にも、そして言葉にもイラつくウーヴェ。
「人間風情がッ!」
普段見下している人間に、ここまでバカにされた事が無いウーヴェは声を荒らげる。
すると、足元に魔法陣が浮かび上がった。
「風よ──ウィンドショット」
見えない弾丸をスクエに向かって撃つヴーヴェ。
「──ハンッ、もう効かねぇーよ!」
肩を叩いていた鉄パイプを前に構えるスクエ。
「ドレド!」
青い光に包み込まれる鉄パイプを軽く振る。
パリンと何かが割れる音が響いたと感じた瞬間、ウーヴェの魔法が破壊された。
「──ッく」
「さーて、そろそろお開きだな」
スクエは腰を落としウーヴェに向かって走り出す。
人間の為、決して早くは無いがウーヴェからしたら悪魔が迫り来る様な感覚に陥る。
「か、風よ──ウィンドショット」
「だから、効かねぇーよ!」
スクエは一振りで魔法を破壊する。
そして、ウーヴェの懐に潜り込む。
「か、風よ──ウィンドウォール!」
「無駄!」
またしても、簡単に割れる魔法。
そして、スクエはウーヴェが魔法を撃つ為に掲げていた腕に向かって鉄パイプを振り下げる。
「グラッチ!」
青い光から赤い光に切り替わる。
「腕、頂き!」
スクエが振り抜いた鉄パイプはウーヴェの腕を面白い程簡単に切断した。
「──ッグ、奴隷の癖にッ!!」
片腕を無くしたウーヴェであったが、場数を踏んでいるだけ有り、後ろに倒れ込みつつも、直ぐにもう片手をスクエに向けて魔法を唱える。
「風よ──ウィンドショット!」
「ドレド!」
ウーヴェの詠唱と同時にスクエも赤から青に切り替え、自身の身体の前に鉄パイプを構える。
パリンッ
「グラッチ!」
そして、再び青から赤へ……
「へへ、もう一本頂くぜ?」
スクエはご丁寧にもウーヴェに一言断りを入れてから、残っているもう片腕を叩き斬った。
ドスッとウーヴェの腕が地面に落下し、ウーヴェはバランスを崩し、そのまま仰向けのまま地面に倒れ込んだ。
「そんじゃ、まぁ、足も頂きますっと!」
地面に倒れ込んでいたウーヴェの足二本を同時に一振りで切断したスクエ。
切断した事によりウーヴェの姿は胴体のみとなり、ただただスクエを地面から見上げる事しか出来なくなってしまった。
「よし、これでノラの仕返しは完了だな」
どうやら、自身のご主人様であるノラの仕返しをウーヴェにした様だ。
正に手も足も出ない状況にウーヴェは目を見開きスクエに向けて言葉を呟くのであった……
「貴様は……一体……何者なんだ?」
その言葉に待ってました! と言わんばかりにスクエは不敵な笑みを浮かべて応えた。
「俺はヒーローだ!」
そして、スクエは名乗りを上げると同時にウーヴェを真っ二つに斬り付けたのであった……
スクエの攻撃によりウーヴェは破壊され目に宿る光が消えた──それはまるでパソコンを強制終了した様にぷつりと動かなくなる。
周りに一瞬の静寂さが生まれ、そして少し遠くで誰かが声を上げる。
「──ッヒィいいいい、こんな奴が人間に居るなんてッ!!」
少し遠くで腰を抜かしていたロメイが立ち上がり、物凄いスピードで逃げていくのが見えた。
スクエはロメイの後ろ姿を見る。
「流石にあのスピードには追いつけねぇーな……」
ウーヴェを倒した事により、今まで溜まっていた疲れが一気に押し寄せた様だ。
「ふぅ……流石に疲れた……」
今直ぐにでも座り込みたい欲を抑え込みノラの元へ向かうスクエ。
「ノラ、大丈夫かー?」
「あぁ大丈夫だ──それにしても本当に一人で倒すとはな……」
「はは、ヒーローだからな!」
スクエは気が付いて無い様だが、この戦いで以前では考えられ無い程、自然にヒーローと名乗る事が出来ている。
そんなスクエを微笑ましく見るノラ。
「また、修理が必要の様だな」
スクエがノラの横に座り込みながら呟く。
「はは、安心するが良い──私達の家に帰れば部品は全て揃っているから、直ぐに治るだろう」
「それを聞いて安心したぜ」
「「ははは」」
二人はお互いの顔を見て笑い合う。
「良く頑張ったなスクエ……」
「はは……だろ……?」
「あぁ、本当に良く頑張った」
ノラに褒められ、スクエは流石に照れ臭くなったのか視線を逸らす。
そして異世界に転移し今日までの事を思い出す。
──はは、本当にここに来てから色々な事があったな……
スクエからしたら、辛い出来事しか無かった日々であろう……
──死ぬ程辛かったけど……でも、ヒーローとしての自分を取り戻せたから、良かったぜ……
スクエは無意識に腕輪に手を添える。
──パルム……俺……もう一度ヒーロー目指して見るよ……だから見守っててくれよ?
スクエは、まるでそこにパルムが居るかの様に空に向かって心の中で自身の思いを呟いたのであった……
「ど、どうなっている……」
何故、自分の魔法がスクエに効かないのかが理解出来ないウーヴェ。
「まるで、魔法そのものを破壊している……」
ウーヴェの動揺もしょうがないだろう。
似たような事を出来るリプレスなど沢山居るが、それはあくまで絶対的までの腕力を利用し、魔法を無理矢理斬ったり、殴ったりなどするものである。
もちろん、その時に魔法の効果は発動して炎魔法であれば爆風の影響を受けるし風魔法であれば身体に擦り傷くらいは付くだろう。
だが、スクエの場合は魔法そのものを破壊している様子であり、破壊した後の魔法の影響を受ける事も無さそうであった。
「クッ……魔法が効かない人間だと……?」
ここに来て、ウーヴェの余裕は既に消えていた。
「なぁ──そろそろ、いいか?」
「なんだと……?」
スクエは左手を腰に当てて、鉄パイプを自身の右肩に一定のリズムで叩きウーヴェに質問する。
「どう言う意味だ?」
「ん? ──それゃお前アレだよ」
スクエは鉄パイプでトントンと右肩を叩くのを辞めない。
「さっき、お前に俺とノラの作戦会議を待って貰ったからよ──そのお礼に俺も待っているわけよ」
ウーヴェの表情とは逆に、スクエは小馬鹿にする様な笑みを浮かべている。
そんなスクエの表情にも態度にも、そして言葉にもイラつくウーヴェ。
「人間風情がッ!」
普段見下している人間に、ここまでバカにされた事が無いウーヴェは声を荒らげる。
すると、足元に魔法陣が浮かび上がった。
「風よ──ウィンドショット」
見えない弾丸をスクエに向かって撃つヴーヴェ。
「──ハンッ、もう効かねぇーよ!」
肩を叩いていた鉄パイプを前に構えるスクエ。
「ドレド!」
青い光に包み込まれる鉄パイプを軽く振る。
パリンと何かが割れる音が響いたと感じた瞬間、ウーヴェの魔法が破壊された。
「──ッく」
「さーて、そろそろお開きだな」
スクエは腰を落としウーヴェに向かって走り出す。
人間の為、決して早くは無いがウーヴェからしたら悪魔が迫り来る様な感覚に陥る。
「か、風よ──ウィンドショット」
「だから、効かねぇーよ!」
スクエは一振りで魔法を破壊する。
そして、ウーヴェの懐に潜り込む。
「か、風よ──ウィンドウォール!」
「無駄!」
またしても、簡単に割れる魔法。
そして、スクエはウーヴェが魔法を撃つ為に掲げていた腕に向かって鉄パイプを振り下げる。
「グラッチ!」
青い光から赤い光に切り替わる。
「腕、頂き!」
スクエが振り抜いた鉄パイプはウーヴェの腕を面白い程簡単に切断した。
「──ッグ、奴隷の癖にッ!!」
片腕を無くしたウーヴェであったが、場数を踏んでいるだけ有り、後ろに倒れ込みつつも、直ぐにもう片手をスクエに向けて魔法を唱える。
「風よ──ウィンドショット!」
「ドレド!」
ウーヴェの詠唱と同時にスクエも赤から青に切り替え、自身の身体の前に鉄パイプを構える。
パリンッ
「グラッチ!」
そして、再び青から赤へ……
「へへ、もう一本頂くぜ?」
スクエはご丁寧にもウーヴェに一言断りを入れてから、残っているもう片腕を叩き斬った。
ドスッとウーヴェの腕が地面に落下し、ウーヴェはバランスを崩し、そのまま仰向けのまま地面に倒れ込んだ。
「そんじゃ、まぁ、足も頂きますっと!」
地面に倒れ込んでいたウーヴェの足二本を同時に一振りで切断したスクエ。
切断した事によりウーヴェの姿は胴体のみとなり、ただただスクエを地面から見上げる事しか出来なくなってしまった。
「よし、これでノラの仕返しは完了だな」
どうやら、自身のご主人様であるノラの仕返しをウーヴェにした様だ。
正に手も足も出ない状況にウーヴェは目を見開きスクエに向けて言葉を呟くのであった……
「貴様は……一体……何者なんだ?」
その言葉に待ってました! と言わんばかりにスクエは不敵な笑みを浮かべて応えた。
「俺はヒーローだ!」
そして、スクエは名乗りを上げると同時にウーヴェを真っ二つに斬り付けたのであった……
スクエの攻撃によりウーヴェは破壊され目に宿る光が消えた──それはまるでパソコンを強制終了した様にぷつりと動かなくなる。
周りに一瞬の静寂さが生まれ、そして少し遠くで誰かが声を上げる。
「──ッヒィいいいい、こんな奴が人間に居るなんてッ!!」
少し遠くで腰を抜かしていたロメイが立ち上がり、物凄いスピードで逃げていくのが見えた。
スクエはロメイの後ろ姿を見る。
「流石にあのスピードには追いつけねぇーな……」
ウーヴェを倒した事により、今まで溜まっていた疲れが一気に押し寄せた様だ。
「ふぅ……流石に疲れた……」
今直ぐにでも座り込みたい欲を抑え込みノラの元へ向かうスクエ。
「ノラ、大丈夫かー?」
「あぁ大丈夫だ──それにしても本当に一人で倒すとはな……」
「はは、ヒーローだからな!」
スクエは気が付いて無い様だが、この戦いで以前では考えられ無い程、自然にヒーローと名乗る事が出来ている。
そんなスクエを微笑ましく見るノラ。
「また、修理が必要の様だな」
スクエがノラの横に座り込みながら呟く。
「はは、安心するが良い──私達の家に帰れば部品は全て揃っているから、直ぐに治るだろう」
「それを聞いて安心したぜ」
「「ははは」」
二人はお互いの顔を見て笑い合う。
「良く頑張ったなスクエ……」
「はは……だろ……?」
「あぁ、本当に良く頑張った」
ノラに褒められ、スクエは流石に照れ臭くなったのか視線を逸らす。
そして異世界に転移し今日までの事を思い出す。
──はは、本当にここに来てから色々な事があったな……
スクエからしたら、辛い出来事しか無かった日々であろう……
──死ぬ程辛かったけど……でも、ヒーローとしての自分を取り戻せたから、良かったぜ……
スクエは無意識に腕輪に手を添える。
──パルム……俺……もう一度ヒーロー目指して見るよ……だから見守っててくれよ?
スクエは、まるでそこにパルムが居るかの様に空に向かって心の中で自身の思いを呟いたのであった……
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