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第1章 ヒーロー見参
46話 ドレド!
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「む──また光だしたか……」
ウーヴェが、ノラに向かって魔法を放とうと魔法陣を浮かび上がらせていると、スクエが光出すのを感じた様だ。
しかし、ウーヴェ自身は焦る様子も無く。
「今更光った所で何が出来ると言う」
ウーヴェの表情は変わらず余裕があり──そして、風の弾丸を撃つ為にノラに向かって手を向ける。
すると、スクエの光が眩しいくらい強い輝きを放った。
「なるほど……こんな技もあるんだな」
何やらスクエの頭の中に新しい能力の使い方が入り込んで来た様だ。
「これなら、もう負けねぇーな」
スクエはニカリと笑い、それから勝利を確信したのか、ニヤリと笑みを作りウーヴェを見る。
「なんだ……その表情は?」
この危機的な状況で浮かべる表情では無い筈なのに笑うスクエを訝しげに見るウーヴェ。
「俺は誰だと思う?」
ウーヴェに問うスクエ
「何を意味不明な事を」
突然のスクエからの問いを無視する様にウーヴェは魔法を発動させる。
「風よ──」
──はぁ……ここは普通聞き返す所だろ……
スクエはウーヴェの返答が自身の望んだ回答では無い事に、ヤレヤレと言う様に首を振ってから、ある言葉を呟く。
「ドレド!」
すると、スクエの持っている鉄パイプの先端が青色の光に包まれた。
そして、スクエは自身の足に絡み付く見えない鎖を鉄パイプで斬る様な動作を行った。
すると、パリンと何かが割れる様な音がしたかと思うとスクエを拘束していた鎖が無くなっていた。
「──ッなに!?」
ここに来て、やっとウーヴェの表情が少し崩れる。
スクエはそのままノラに絡みついている見えない鎖にも青く輝く鉄パイプを振り下ろす──するとスクエ同様にパリンと音がしてノラの拘束が解かれる。
「スクエ、お前何が起きている……?」
既に胴体と片足しか残っていないスクエにノラは言葉を掛けた。
「どうやら、また新しい能力が手に入ったぜ?」
自信に満ち溢れているスクエの表情は、どこか頼もしさを感じる。
「まぁ、ノラはそこで見ててくれ俺がコイツをぶっ壊してやるから」
スクエの言葉にウーヴェが反応する。
「ふはは、確かに貴様の攻撃力は破格だが、先程も試して分かっただろう? ──私には手も足も出なかった事を」
ウーヴェの言う通り、先程までは全くと言って良い程、ウーヴェに敵わなかった筈なのに、スクエは笑う。
「そろそろ、その笑みをやめたらどうだ──不愉快だぞ?」
スクエの事を認めているとは言え、やはり奴隷であり人間のスクエに笑みを向けられるのは、リプレスとしてプライドが許さない様だ。
「もう一度、痛い目に合わないと分からないみたいだな?」
「──ハンッ! やってみろよ?」
ノラに対して向けていた手をスクエに向けるウーヴェ。
「まぁ、一発くらい直撃しても死にはしないだろう」
どうやら、ウーヴェはスクエに向かって魔法を放つ気の様だ。
「捕まえたら、たっぷりと上下関係を分らせてやろう」
「捕まる事は無いから、そんな心配は無用だ」
スクエとウーヴェは距離にして五メートル程離れている。
スクエが全力で走ったとしてもウーヴェであれば、最低でも一発は魔法を放てるだろう。
その事を承知の筈のスクエだがウーヴェに向かって走る。
そして、走り出したスクエを見てウーヴェも魔法を唱える。
「風よ──ウィンドショット」
見えない弾丸がスクエに飛んで行く。
「ドレド!」
スクエが再び何かを唱えると、鉄パイプが青く光る。
そして、スクエは自身の目の前に鉄パイプを構える。
すると、ウーヴェが撃った見えない風の弾丸がスクエの持つ鉄のパイプに当たると同時に先程同様にパリンと破裂した。
「──ッなんだと……?」
ウーヴェが驚いているがスクエの足は止まらない。
「グラッチ!」
鉄パイプが赤く光出す。
そして、スクエは思いっきりウーヴェの顔に向かって鉄パイプを叩きつける様に振り下ろす。
「──ッオラ!」
「クッ!」
ウーヴェはスクエの攻撃を避ける為に地面に転がりながら距離を取った。
「まだまだ!」
一方、スクエは避けられても構わず、追撃する様に左足を前に出して赤く光る鉄パイプを──次はウーヴェの腰辺り目掛けて横に振り切る様に腕を振る。
「──ック、風よ──ウィンドウォール!」
ウーヴェの足元に魔法陣が浮かび上がったと思ったら、すぐに不可視の壁がウーヴェを守るかの様に出現する。
見えては無いが、スクエは何やら感じ取った様であり──
「──ドレド!」
鉄パイプが赤から青に切り替わる。
そして、そのまま不可視の壁に向かって鉄パイプを横切りの要領で振り切った。
「──ッ何故だ!?」
ウーヴェがウィンドウォールで作り上げた不可視の壁は面白い様に簡単に割れる。
「さて、クライマックスだな?」
ニヤリと笑うスクエは、更にウーヴェに向かって距離を詰める……
ウーヴェが、ノラに向かって魔法を放とうと魔法陣を浮かび上がらせていると、スクエが光出すのを感じた様だ。
しかし、ウーヴェ自身は焦る様子も無く。
「今更光った所で何が出来ると言う」
ウーヴェの表情は変わらず余裕があり──そして、風の弾丸を撃つ為にノラに向かって手を向ける。
すると、スクエの光が眩しいくらい強い輝きを放った。
「なるほど……こんな技もあるんだな」
何やらスクエの頭の中に新しい能力の使い方が入り込んで来た様だ。
「これなら、もう負けねぇーな」
スクエはニカリと笑い、それから勝利を確信したのか、ニヤリと笑みを作りウーヴェを見る。
「なんだ……その表情は?」
この危機的な状況で浮かべる表情では無い筈なのに笑うスクエを訝しげに見るウーヴェ。
「俺は誰だと思う?」
ウーヴェに問うスクエ
「何を意味不明な事を」
突然のスクエからの問いを無視する様にウーヴェは魔法を発動させる。
「風よ──」
──はぁ……ここは普通聞き返す所だろ……
スクエはウーヴェの返答が自身の望んだ回答では無い事に、ヤレヤレと言う様に首を振ってから、ある言葉を呟く。
「ドレド!」
すると、スクエの持っている鉄パイプの先端が青色の光に包まれた。
そして、スクエは自身の足に絡み付く見えない鎖を鉄パイプで斬る様な動作を行った。
すると、パリンと何かが割れる様な音がしたかと思うとスクエを拘束していた鎖が無くなっていた。
「──ッなに!?」
ここに来て、やっとウーヴェの表情が少し崩れる。
スクエはそのままノラに絡みついている見えない鎖にも青く輝く鉄パイプを振り下ろす──するとスクエ同様にパリンと音がしてノラの拘束が解かれる。
「スクエ、お前何が起きている……?」
既に胴体と片足しか残っていないスクエにノラは言葉を掛けた。
「どうやら、また新しい能力が手に入ったぜ?」
自信に満ち溢れているスクエの表情は、どこか頼もしさを感じる。
「まぁ、ノラはそこで見ててくれ俺がコイツをぶっ壊してやるから」
スクエの言葉にウーヴェが反応する。
「ふはは、確かに貴様の攻撃力は破格だが、先程も試して分かっただろう? ──私には手も足も出なかった事を」
ウーヴェの言う通り、先程までは全くと言って良い程、ウーヴェに敵わなかった筈なのに、スクエは笑う。
「そろそろ、その笑みをやめたらどうだ──不愉快だぞ?」
スクエの事を認めているとは言え、やはり奴隷であり人間のスクエに笑みを向けられるのは、リプレスとしてプライドが許さない様だ。
「もう一度、痛い目に合わないと分からないみたいだな?」
「──ハンッ! やってみろよ?」
ノラに対して向けていた手をスクエに向けるウーヴェ。
「まぁ、一発くらい直撃しても死にはしないだろう」
どうやら、ウーヴェはスクエに向かって魔法を放つ気の様だ。
「捕まえたら、たっぷりと上下関係を分らせてやろう」
「捕まる事は無いから、そんな心配は無用だ」
スクエとウーヴェは距離にして五メートル程離れている。
スクエが全力で走ったとしてもウーヴェであれば、最低でも一発は魔法を放てるだろう。
その事を承知の筈のスクエだがウーヴェに向かって走る。
そして、走り出したスクエを見てウーヴェも魔法を唱える。
「風よ──ウィンドショット」
見えない弾丸がスクエに飛んで行く。
「ドレド!」
スクエが再び何かを唱えると、鉄パイプが青く光る。
そして、スクエは自身の目の前に鉄パイプを構える。
すると、ウーヴェが撃った見えない風の弾丸がスクエの持つ鉄のパイプに当たると同時に先程同様にパリンと破裂した。
「──ッなんだと……?」
ウーヴェが驚いているがスクエの足は止まらない。
「グラッチ!」
鉄パイプが赤く光出す。
そして、スクエは思いっきりウーヴェの顔に向かって鉄パイプを叩きつける様に振り下ろす。
「──ッオラ!」
「クッ!」
ウーヴェはスクエの攻撃を避ける為に地面に転がりながら距離を取った。
「まだまだ!」
一方、スクエは避けられても構わず、追撃する様に左足を前に出して赤く光る鉄パイプを──次はウーヴェの腰辺り目掛けて横に振り切る様に腕を振る。
「──ック、風よ──ウィンドウォール!」
ウーヴェの足元に魔法陣が浮かび上がったと思ったら、すぐに不可視の壁がウーヴェを守るかの様に出現する。
見えては無いが、スクエは何やら感じ取った様であり──
「──ドレド!」
鉄パイプが赤から青に切り替わる。
そして、そのまま不可視の壁に向かって鉄パイプを横切りの要領で振り切った。
「──ッ何故だ!?」
ウーヴェがウィンドウォールで作り上げた不可視の壁は面白い様に簡単に割れる。
「さて、クライマックスだな?」
ニヤリと笑うスクエは、更にウーヴェに向かって距離を詰める……
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