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第1章 ヒーロー見参
33話 ノラ復活!
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そこにはスクエが横たわっていた。
どうやら、ノラの起動を待てずに眠ってしまった様だ。
すると、誰かから肩を揺すられる感触を感じ取るスクエだったが、まだ眠いのか起き上がろうとはしない。
──ん……なんだよ……寝かせろよ……
夢と現実の狭間に居るかの様に意識がハッキリしないスクエは、肩を揺さぶられているのは、現実なのか──それとも夢なのかの判断が出来ていない様だ。
すると、声が聞こえる。
「ふふ前と同じく寝顔姿は本当に子供みたいだな」
誰の声かは分からないがスクエの耳にスーッと入っていくのを感じる。
──あぁ……なんだか懐かしい声だな……
「ほら、いい加減起きろ少年!」
すると、今までとは段違いの衝撃を肩に感じたスクエは跳ね起きる。
「──ッいてぇ!?」
「あはは、やっと起きたなスクエ」
スクエに強烈な一撃を与えた人物が目の前で笑っていた。
「……ノラか……?」
「あぁ──良く私を修理してくれたな」
ノラの顔はベゴベコに陥没してたりと、とてもじゃ無いが元の原型が残って居ないが──何故か笑っているだろうとスクエは感じ取る。
「お前──なんで勝手に壊れてんだよ! 俺、めちゃくちゃ大変だったんだぞ!?」
再び、ノラと会えて嬉しい筈のスクエだが、少し照れ臭かったのか、八つ当たり気味にノラに言い放った。
「あはは──それは失礼した。ちょっと油断してしまってな、スクエは大丈夫だったか?」
「あぁ……何度かリプレス達に捕まりそうになったけど逃げ切った」
「そうか……よく頑張ったな」
ノラはスクエに近付き頭を撫でる。
「子供じゃねぇーんだからやめろ」
「ふふ、前にも言ったが私から見たら子供だ」
それから二人はお互いに起きた事を話し合った。
「──じゃ、ノラは俺のせいで狙われたのか……?」
「まぁ……そうだな。奴らの狙いはスクエだった」
「そうか……それは悪かったな……」
やはり、自身のせいでノラが壊れたと知り落ち込むスクエ。
「はは、気にするな──油断した私も悪かったしな──それにこうして再び起動出来たから問題無しだ」
破損の酷い顔から表情は読み取れないがノラは本当に気にしていない様子であった。
「それにしても、私が壊れてから一ヶ月以上も経過しているのか──不思議なもんだな」
「不思議?」
「あぁ──私からしたら壊された所で記憶が無くなっているから、壊されたのだって今さっきの様に思えるよ」
「そういうものなのか?」
「あぁ、どうやら、そういうものらしい」
ノラはスクエと話しながらも自身の状態を確認している。
「スクエは良くこんな場所で生き残れたな──それにアイツを倒したんだって?」
アイツとはグロックの事だろう。
「あぁ、倒すのめちゃくちゃ大変だったぜ?」
スクエは少し自慢げにノラに話す。
「ほぅ……」
すると、そんな様子のスクエを見てノラは何か気が付いた様子であった。
「な、なんだよ?」
「いや、なんか雰囲気が変わったと思ってな」
ノラの言葉に、次はスクエが関心する。
スクエは昨日の夜にヒーローになると心に決めてからは──今まで感じていた心のモヤモヤが綺麗さっぱり取れた様子であり、それが表情にも現れている。
しかし、その事をノラは知らない筈なのだがノラにはスクエの変化が分かった様だ。
「ま、まぁーな。俺も常に成長する人間って事だ──カッコいいだろ?」
ニカリと笑うスクエにノラも嬉しそうに頷く。
「あぁ──今のスクエの方が生き生きしていて私は良いと思うぞ」
この世界に置いて、人間は常に下を向いて歩く。
それは、リプレス達に因縁を付けられない為だったり生きる希望無かったりとマイナスの面が大きく影響している。
そんな中スクエの様な生き生きした表情をした人間を見る事がノラは好きな様だ。
「私はスクエの様な人間が好きだ」
「な、なんだよ──いきなり……」
女性──いや実際にリプレスなのだが異性にストレートに好きと言われた事が無いスクエは照れる様にそっぽを向く。
「あはは──まだまだ若いな少年」
ノラにはお見通しなのか、スクエは更に顔を赤くする。
「う、うるせーんだよ!」
それから、スクエはノラにウーヴェ達の事も話した。
「なるほど……グロックの次はウーヴェとか言うリプレス達がスクエを追っているのか……」
ノラは手に顎を乗せて考える。
「最後に見たのはいつだ?」
「約一ヶ月前だな」
「そうなると、そろそろスクエが隠れてそうなめぼしい所はあらかた調べ終わっている頃だな……」
「で、でも流石にまたここには来ないよな?」
「いや、それは分からん……けどなんとかしないとだな……」
ノラの言葉にスクエは自然と笑顔になる。
「ん? どうした?」
「いや、こうやって一緒に考えてくれる相手が居るのっていいなと思ってな」
「はは、私はスクエの主人だからな当たり前だろ?」
ノラが壊されてからは一人で逃げて、一人で解決して来たスクエに取って、頼れる存在がいる事はとても嬉しい事であった。
「よっしゃ──これからどうするか二人で考えようぜ!」
「あぁ──このまま戻っても、また同じ事の繰り返しになるだけだろうからな、何か考えてロメイとウーヴェ達をどうにかしようではないか」
こうして、起き上がったノラと一緒にスクエはこれからどうするかを相談し合うのであった……
どうやら、ノラの起動を待てずに眠ってしまった様だ。
すると、誰かから肩を揺すられる感触を感じ取るスクエだったが、まだ眠いのか起き上がろうとはしない。
──ん……なんだよ……寝かせろよ……
夢と現実の狭間に居るかの様に意識がハッキリしないスクエは、肩を揺さぶられているのは、現実なのか──それとも夢なのかの判断が出来ていない様だ。
すると、声が聞こえる。
「ふふ前と同じく寝顔姿は本当に子供みたいだな」
誰の声かは分からないがスクエの耳にスーッと入っていくのを感じる。
──あぁ……なんだか懐かしい声だな……
「ほら、いい加減起きろ少年!」
すると、今までとは段違いの衝撃を肩に感じたスクエは跳ね起きる。
「──ッいてぇ!?」
「あはは、やっと起きたなスクエ」
スクエに強烈な一撃を与えた人物が目の前で笑っていた。
「……ノラか……?」
「あぁ──良く私を修理してくれたな」
ノラの顔はベゴベコに陥没してたりと、とてもじゃ無いが元の原型が残って居ないが──何故か笑っているだろうとスクエは感じ取る。
「お前──なんで勝手に壊れてんだよ! 俺、めちゃくちゃ大変だったんだぞ!?」
再び、ノラと会えて嬉しい筈のスクエだが、少し照れ臭かったのか、八つ当たり気味にノラに言い放った。
「あはは──それは失礼した。ちょっと油断してしまってな、スクエは大丈夫だったか?」
「あぁ……何度かリプレス達に捕まりそうになったけど逃げ切った」
「そうか……よく頑張ったな」
ノラはスクエに近付き頭を撫でる。
「子供じゃねぇーんだからやめろ」
「ふふ、前にも言ったが私から見たら子供だ」
それから二人はお互いに起きた事を話し合った。
「──じゃ、ノラは俺のせいで狙われたのか……?」
「まぁ……そうだな。奴らの狙いはスクエだった」
「そうか……それは悪かったな……」
やはり、自身のせいでノラが壊れたと知り落ち込むスクエ。
「はは、気にするな──油断した私も悪かったしな──それにこうして再び起動出来たから問題無しだ」
破損の酷い顔から表情は読み取れないがノラは本当に気にしていない様子であった。
「それにしても、私が壊れてから一ヶ月以上も経過しているのか──不思議なもんだな」
「不思議?」
「あぁ──私からしたら壊された所で記憶が無くなっているから、壊されたのだって今さっきの様に思えるよ」
「そういうものなのか?」
「あぁ、どうやら、そういうものらしい」
ノラはスクエと話しながらも自身の状態を確認している。
「スクエは良くこんな場所で生き残れたな──それにアイツを倒したんだって?」
アイツとはグロックの事だろう。
「あぁ、倒すのめちゃくちゃ大変だったぜ?」
スクエは少し自慢げにノラに話す。
「ほぅ……」
すると、そんな様子のスクエを見てノラは何か気が付いた様子であった。
「な、なんだよ?」
「いや、なんか雰囲気が変わったと思ってな」
ノラの言葉に、次はスクエが関心する。
スクエは昨日の夜にヒーローになると心に決めてからは──今まで感じていた心のモヤモヤが綺麗さっぱり取れた様子であり、それが表情にも現れている。
しかし、その事をノラは知らない筈なのだがノラにはスクエの変化が分かった様だ。
「ま、まぁーな。俺も常に成長する人間って事だ──カッコいいだろ?」
ニカリと笑うスクエにノラも嬉しそうに頷く。
「あぁ──今のスクエの方が生き生きしていて私は良いと思うぞ」
この世界に置いて、人間は常に下を向いて歩く。
それは、リプレス達に因縁を付けられない為だったり生きる希望無かったりとマイナスの面が大きく影響している。
そんな中スクエの様な生き生きした表情をした人間を見る事がノラは好きな様だ。
「私はスクエの様な人間が好きだ」
「な、なんだよ──いきなり……」
女性──いや実際にリプレスなのだが異性にストレートに好きと言われた事が無いスクエは照れる様にそっぽを向く。
「あはは──まだまだ若いな少年」
ノラにはお見通しなのか、スクエは更に顔を赤くする。
「う、うるせーんだよ!」
それから、スクエはノラにウーヴェ達の事も話した。
「なるほど……グロックの次はウーヴェとか言うリプレス達がスクエを追っているのか……」
ノラは手に顎を乗せて考える。
「最後に見たのはいつだ?」
「約一ヶ月前だな」
「そうなると、そろそろスクエが隠れてそうなめぼしい所はあらかた調べ終わっている頃だな……」
「で、でも流石にまたここには来ないよな?」
「いや、それは分からん……けどなんとかしないとだな……」
ノラの言葉にスクエは自然と笑顔になる。
「ん? どうした?」
「いや、こうやって一緒に考えてくれる相手が居るのっていいなと思ってな」
「はは、私はスクエの主人だからな当たり前だろ?」
ノラが壊されてからは一人で逃げて、一人で解決して来たスクエに取って、頼れる存在がいる事はとても嬉しい事であった。
「よっしゃ──これからどうするか二人で考えようぜ!」
「あぁ──このまま戻っても、また同じ事の繰り返しになるだけだろうからな、何か考えてロメイとウーヴェ達をどうにかしようではないか」
こうして、起き上がったノラと一緒にスクエはこれからどうするかを相談し合うのであった……
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