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第1章 ヒーロー見参
31話 ノラを修理
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「なんで、ノラの身体から設計図が……?」
その設計図は──まるでこうなる事を見越していたのかと言うくらいに、スクエにも理解が出来る様に書かれていた。
「これなら──俺でも作れるかも……」
設計図を見ていたスクエは、この世界に来て以来、一番嬉しそうな表情をする。
それは、途方に暮れていた、この状況に一筋の光が見えたからだろう。
「設計図通り作ったらノラが生き返るのか? ──いや、考えるより行動だ!」
すると、スクエは寝ようと思っていた頭と身体を無理やり動かし、早速ノラを作ろうと手を動かし始める。
「なになに……」
スクエは光を灯す物など持っていない為、星空の明るさだけで色々と読んでいる様だ。
「まずは身体のパーツと頭のパーツで壊れていないパーツを確認するのか」
早速ノラの破損具合を見て行くスクエ。
設計図には丁寧に部品の説明と破損しているか、していないかの判断基準が載っていた。
「損傷の少なそうな身体から見て行くか」
スクエは一つずつチェックして行く。
「これは……交換するしか無さそうだな……」
一見綺麗に見えた身体部分は見た目以上に壊れている箇所が多く、使い物にならないパーツは取り外して分けていく。
「この、背中部分は凄いな──これは鉄パイプで殴られた跡だな」
背中部分にベッコリと凹んでいる箇所を確認したスクエ。
「部品の数が、メチャクチ多いけど、絶対やってやる!」
設計図は親切にわかりやすい様になっているが、ノラに使用されているパーツの数が途方も無く多かった……
だが、スクエは諦めず破損具合をチェックし続ける。
そのチェックは勿論一日で終わる筈も無く、身体部分のパーツをチェックするだけで三日程掛けた。
「やっと、チェック完了ー!!」
まだ、身体の部品チェックだけだというの三日を費やしたスクエはため息を一つ吐く。
「はぁ……これ俺に本当に治せるのか?」
設計図通り進めては居るが、これでノラを治せる保証は無い──それならば、ロメイ達が再び襲い掛かって来る可能性を考えて罠の一つでも設置した方が良いのでは無いかと考えるスクエ。
「いやいや、どうせ罠を仕掛けても倒せるのは一人か二人なんだし、俺はノラを治す!」
仮にノラを治せたからと言ってこの状況を解決出来る策が思い浮かぶかと聞かれれば答えはNOだろう。
そもそも、ロメイとグロック二人のリプレス相手にノラは破壊されてしまったのだ──そんなノラがリプレス六人相手に戦えるとは思っていないスクエだが、やはり、どこか希望みたいなものを感じている様だ。
「これでいい、これでいい──」
ここ最近、人と会話をしていないスクエは独り言の様に呟く事が多くなっている。
そして、自分に自己暗示を掛ける事によって精神を保っている。
「よし──次は頭部分だな」
見て分かる程、頭部分は破損具合が酷い事になっている。
「設計図には、頭部分にメモリ的なのが入っているポイけど……大丈夫なのか?」
どうやら、メモリ部分が壊れていたら、そもそもノラが治せたとしても、それはスクエが知っているノラでは無い。
「頼むぞ……」
恐る恐る、頭をバラしていき、慎重にパーツチェックをする。
そして、更に二日が経過して、やっとメモリと思われるパーツを見つける事が出来たスクエは念入りに確認する。
「──ッ良かった……無事ぽい……」
どうやら、反応を見る限りメモリは問題ない様で後は破損した足りないパーツをジャンク品から見つければ良いようだ。
「よし、後はこれらの破損パーツと同じ様な物を見つければ良いわけだな……」
スクエが破損パーツとして分けたパーツ量はとんでもない数になっている。
「これを、この広大なジャンク品の山から探し出すのか……」
絶望的な表情を浮かべるスクエだが、心は反対に生き生きしている。
度重なる逃亡生活に疲れは勿論だが、やはり一番疲弊しているのは心であった。
スラム街でも、特に誰かと話す事が無かったスクエではあったが、まだ周りに同じ境遇の人間が居るというだけで心が安定していたが、スクラップ場に来てからは常に1人であり、更にはいつ襲われるか分からない状況の為、常に気を張っているスクエは心が疲弊していた……
そんな事もあり、やはり仲間や話し相手が欲しいスクエは、少しずつだがノラの事を治せている実感が嬉しい様だ。
「探すぞー!!」
大きな声を出してスクエは手に設計図を持ちスクラップ場を歩き回り始めた。
一方、ロメイとウーヴェ達の方は、スクラップ場を後にして以来、一切スクエの情報が途絶えた様で、ウーヴェがイラつき始めていた。
「ロメイ──何故、お前の言う人間が見つからない?」
部下を周りに就かせて、常に行動するウーヴェは、かなりの地位に居ると踏んでいるロメイは殊更下手に出て答える。
「は、はい──恐らく上手く隠れているかと」
「なら、探せ──もし見つからなかったら……分かっているな?」
「──ッ」
スクエの存在を知っているのは少ない方が良いとウーヴェは考える。
なので、スクエを知っている者は自身と部下で十分だとロメイに言っているのだ。
その事を充分理解しているロメイは全力でスクエを探し回る……
その設計図は──まるでこうなる事を見越していたのかと言うくらいに、スクエにも理解が出来る様に書かれていた。
「これなら──俺でも作れるかも……」
設計図を見ていたスクエは、この世界に来て以来、一番嬉しそうな表情をする。
それは、途方に暮れていた、この状況に一筋の光が見えたからだろう。
「設計図通り作ったらノラが生き返るのか? ──いや、考えるより行動だ!」
すると、スクエは寝ようと思っていた頭と身体を無理やり動かし、早速ノラを作ろうと手を動かし始める。
「なになに……」
スクエは光を灯す物など持っていない為、星空の明るさだけで色々と読んでいる様だ。
「まずは身体のパーツと頭のパーツで壊れていないパーツを確認するのか」
早速ノラの破損具合を見て行くスクエ。
設計図には丁寧に部品の説明と破損しているか、していないかの判断基準が載っていた。
「損傷の少なそうな身体から見て行くか」
スクエは一つずつチェックして行く。
「これは……交換するしか無さそうだな……」
一見綺麗に見えた身体部分は見た目以上に壊れている箇所が多く、使い物にならないパーツは取り外して分けていく。
「この、背中部分は凄いな──これは鉄パイプで殴られた跡だな」
背中部分にベッコリと凹んでいる箇所を確認したスクエ。
「部品の数が、メチャクチ多いけど、絶対やってやる!」
設計図は親切にわかりやすい様になっているが、ノラに使用されているパーツの数が途方も無く多かった……
だが、スクエは諦めず破損具合をチェックし続ける。
そのチェックは勿論一日で終わる筈も無く、身体部分のパーツをチェックするだけで三日程掛けた。
「やっと、チェック完了ー!!」
まだ、身体の部品チェックだけだというの三日を費やしたスクエはため息を一つ吐く。
「はぁ……これ俺に本当に治せるのか?」
設計図通り進めては居るが、これでノラを治せる保証は無い──それならば、ロメイ達が再び襲い掛かって来る可能性を考えて罠の一つでも設置した方が良いのでは無いかと考えるスクエ。
「いやいや、どうせ罠を仕掛けても倒せるのは一人か二人なんだし、俺はノラを治す!」
仮にノラを治せたからと言ってこの状況を解決出来る策が思い浮かぶかと聞かれれば答えはNOだろう。
そもそも、ロメイとグロック二人のリプレス相手にノラは破壊されてしまったのだ──そんなノラがリプレス六人相手に戦えるとは思っていないスクエだが、やはり、どこか希望みたいなものを感じている様だ。
「これでいい、これでいい──」
ここ最近、人と会話をしていないスクエは独り言の様に呟く事が多くなっている。
そして、自分に自己暗示を掛ける事によって精神を保っている。
「よし──次は頭部分だな」
見て分かる程、頭部分は破損具合が酷い事になっている。
「設計図には、頭部分にメモリ的なのが入っているポイけど……大丈夫なのか?」
どうやら、メモリ部分が壊れていたら、そもそもノラが治せたとしても、それはスクエが知っているノラでは無い。
「頼むぞ……」
恐る恐る、頭をバラしていき、慎重にパーツチェックをする。
そして、更に二日が経過して、やっとメモリと思われるパーツを見つける事が出来たスクエは念入りに確認する。
「──ッ良かった……無事ぽい……」
どうやら、反応を見る限りメモリは問題ない様で後は破損した足りないパーツをジャンク品から見つければ良いようだ。
「よし、後はこれらの破損パーツと同じ様な物を見つければ良いわけだな……」
スクエが破損パーツとして分けたパーツ量はとんでもない数になっている。
「これを、この広大なジャンク品の山から探し出すのか……」
絶望的な表情を浮かべるスクエだが、心は反対に生き生きしている。
度重なる逃亡生活に疲れは勿論だが、やはり一番疲弊しているのは心であった。
スラム街でも、特に誰かと話す事が無かったスクエではあったが、まだ周りに同じ境遇の人間が居るというだけで心が安定していたが、スクラップ場に来てからは常に1人であり、更にはいつ襲われるか分からない状況の為、常に気を張っているスクエは心が疲弊していた……
そんな事もあり、やはり仲間や話し相手が欲しいスクエは、少しずつだがノラの事を治せている実感が嬉しい様だ。
「探すぞー!!」
大きな声を出してスクエは手に設計図を持ちスクラップ場を歩き回り始めた。
一方、ロメイとウーヴェ達の方は、スクラップ場を後にして以来、一切スクエの情報が途絶えた様で、ウーヴェがイラつき始めていた。
「ロメイ──何故、お前の言う人間が見つからない?」
部下を周りに就かせて、常に行動するウーヴェは、かなりの地位に居ると踏んでいるロメイは殊更下手に出て答える。
「は、はい──恐らく上手く隠れているかと」
「なら、探せ──もし見つからなかったら……分かっているな?」
「──ッ」
スクエの存在を知っているのは少ない方が良いとウーヴェは考える。
なので、スクエを知っている者は自身と部下で十分だとロメイに言っているのだ。
その事を充分理解しているロメイは全力でスクエを探し回る……
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