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第1章 ヒーロー見参
28話 更なる強大な敵出現……
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暗闇の中を必死に走っているロメイが居た。
「や、やべぇ──奴隷がグロックさんを倒しちまったなんて信じられねぇ」
ロメイは強い者には下手に、弱い者には強気に出る様なリプレスである。
ここで言う強者とはグロックの様なリプレスであろう。
ロメイは量産型であり──尚且つ身長等も低いのでリプレスの中でも最弱と言っても良いだろう。
そんなロメイはどんなリプレスに対しても下手に出る。
しかし、弱い者──人間──には強気の態度を取り、暴力的になる。
何故ならば、人間に対してだけ威張れるからだ。
そんな事を長く続けていたロメイは人間は絶対的に自分より格下だと思い込んでいた……スクエと出会うまでは……
「あ、あんな人間、み、見た事ねぇ!」
何度も後ろを振り返りスクエが追って来てないかを確認しながら走るロメイ。
そして、スクラップ場から大分離れた位置でやっと足を止めたロメイは最後にもう一度スクエが追って来て無いか確認した。
「あ、あはは──さ、流石に人間じゃこのスピードで追って来れないよな」
乾いた笑いをして、やっと一安心したのかため息を吐き、ゆっくりと自分の家に向かって歩き出した。
「これは、もうあの人間に関わらない方が良さそうだな──俺まで壊されたら、たまったもんじゃねぇーし」
どうやら、スクエを追う事を諦めたロメイ。
それから、ロメイはいつもの冴えない日常に自分の身を再度置く事を想像して苦笑いする。
「はは、やっぱり俺にはこんな生活がお似合いなんだな」
独り言の様にブツブツと話していると、声を掛けられる。
「おい」
「──ッ!?」
急に声を掛けられたロメイはスクエが追って来たのかと思い慌てて振り向くと、そこには何人かのリプレスが立っていた。
そのリプレス達は全員黒のスーツを着込んで居て、ロメイに話しかけて来た。
「お前、グロックと最近一緒に行動してた奴だよな?」
「え、えぇ──そうです」
ロメイは黒ずくめのリプレス達を見て、一発で普通の者達では無いと感じ取った。
「グロックの奴は今一緒じゃないのか?」
「は、はい──夜なので解散しました」
「そうか」
何やらリプレス達は話し合うと、またロメイに聴き始める。
「一つ聞きたい事がある」
「なんでしょうか?」
絶対に目を付けられてはならないと思っての行動なのかロメイは腰を折り曲げて小さい身体を更に縮こませる。
「最近、グロックと二人で何を追っている?」
「──ッ!?」
自分達の正確な目的は分からないにしても、何かを追っている事を知っている目の前のリプレス達にロメイは驚く。
「ど、どういう事でしょうか?」
「隠すな──お前達が何かを追っているのは知ってんだよ」
最初から友好的な雰囲気では無かったが、更に険悪な雰囲気になり、ロメイは内心ビビりまくる。
すると、更に一人のリプレスが黒ずくめのリプレス達の間から登場した。
「吐いたか?」
その男はとても厳格そうな雰囲気を身に纏っていた。
「ウーヴェさん──いえ、まだ目的を聞いていません」
「そうか」
そのウーヴェと呼ばれた男は周りにいるリプレスと同じ様に黒スーツであり、サングラスを掛けていた。
そして、見た目は白髪で顔にはシワがある為、結構昔に製造されたリプレスの様だ。
「おい、お前──名はなんという?」
ウーヴェがロメイに質問する。
「ロ、ロメイと言います……」
ロメイは直感で、この男に逆らってはダメだと肌で感じ取る。
「そうかい──それでロメイよ、私の部下であるグロックは何処にいる?」
直ぐに知らないと言おうと言葉を発しようとしたロメイに被せる様にして再度ウーヴェが話す。
「知らないとは言わせんぞ? ──お前がグロックと昼まで一緒だった事は知っている」
先に逃げる道を塞がれてしまうロメイはどうすれば良いか分からず、視線をあちこちに逃す。
「フンッ──お前がグロックと何を追っているか教えろ」
「な、なにも──」
否定の言葉を言い終わる前にリプレスの二人に両腕を掴まれしまう。
「ウーヴェさん、こいつ壊しますか?」
「──ッ!? や、やめてくれ!」
これから何をされるか想像したロメイは全力で懇願する。
「な、なんでも話すから、それだけはやめてくれ!」
ロメイの言葉にウーヴェが一度だけ手を振ると、今までロメイを抑えていたリプレスが腕を解放した。
「お、俺とグロックさんが追っていたのは一人の人間です」
「人間だと?」
ウーヴェの表情が少し動く。
グロックが必死になって動いていた為、もっと凄い山だと思っていたが、人間という言葉を聞き、ウーヴェは不思議に思った様だ。
「は、はい──奴隷の人間を、捕まえる為に追っていました」
「それは何故だ?」
もう、スクエとは関わりたく無かったロメイは本当は言いたく無かったが、ここでスクラップにされては堪らないと言わんばかりに、これまでの話を全てウーヴェに話す。
そして全て聴き終えたウーヴェはここに来て初めて笑う。
「あはは──そうか人間三原則が効かない人間か、面白い」
愉快そうに笑った後にウーヴェはロメイに命令する。
「明日、そこに私達を連れて行け」
「で、でも──」
「では、明日な──逃げたらどうなるか分かっているな?」
最大限の脅しをしてウーヴェ達は立ち去る……
「や、やべぇ──奴隷がグロックさんを倒しちまったなんて信じられねぇ」
ロメイは強い者には下手に、弱い者には強気に出る様なリプレスである。
ここで言う強者とはグロックの様なリプレスであろう。
ロメイは量産型であり──尚且つ身長等も低いのでリプレスの中でも最弱と言っても良いだろう。
そんなロメイはどんなリプレスに対しても下手に出る。
しかし、弱い者──人間──には強気の態度を取り、暴力的になる。
何故ならば、人間に対してだけ威張れるからだ。
そんな事を長く続けていたロメイは人間は絶対的に自分より格下だと思い込んでいた……スクエと出会うまでは……
「あ、あんな人間、み、見た事ねぇ!」
何度も後ろを振り返りスクエが追って来てないかを確認しながら走るロメイ。
そして、スクラップ場から大分離れた位置でやっと足を止めたロメイは最後にもう一度スクエが追って来て無いか確認した。
「あ、あはは──さ、流石に人間じゃこのスピードで追って来れないよな」
乾いた笑いをして、やっと一安心したのかため息を吐き、ゆっくりと自分の家に向かって歩き出した。
「これは、もうあの人間に関わらない方が良さそうだな──俺まで壊されたら、たまったもんじゃねぇーし」
どうやら、スクエを追う事を諦めたロメイ。
それから、ロメイはいつもの冴えない日常に自分の身を再度置く事を想像して苦笑いする。
「はは、やっぱり俺にはこんな生活がお似合いなんだな」
独り言の様にブツブツと話していると、声を掛けられる。
「おい」
「──ッ!?」
急に声を掛けられたロメイはスクエが追って来たのかと思い慌てて振り向くと、そこには何人かのリプレスが立っていた。
そのリプレス達は全員黒のスーツを着込んで居て、ロメイに話しかけて来た。
「お前、グロックと最近一緒に行動してた奴だよな?」
「え、えぇ──そうです」
ロメイは黒ずくめのリプレス達を見て、一発で普通の者達では無いと感じ取った。
「グロックの奴は今一緒じゃないのか?」
「は、はい──夜なので解散しました」
「そうか」
何やらリプレス達は話し合うと、またロメイに聴き始める。
「一つ聞きたい事がある」
「なんでしょうか?」
絶対に目を付けられてはならないと思っての行動なのかロメイは腰を折り曲げて小さい身体を更に縮こませる。
「最近、グロックと二人で何を追っている?」
「──ッ!?」
自分達の正確な目的は分からないにしても、何かを追っている事を知っている目の前のリプレス達にロメイは驚く。
「ど、どういう事でしょうか?」
「隠すな──お前達が何かを追っているのは知ってんだよ」
最初から友好的な雰囲気では無かったが、更に険悪な雰囲気になり、ロメイは内心ビビりまくる。
すると、更に一人のリプレスが黒ずくめのリプレス達の間から登場した。
「吐いたか?」
その男はとても厳格そうな雰囲気を身に纏っていた。
「ウーヴェさん──いえ、まだ目的を聞いていません」
「そうか」
そのウーヴェと呼ばれた男は周りにいるリプレスと同じ様に黒スーツであり、サングラスを掛けていた。
そして、見た目は白髪で顔にはシワがある為、結構昔に製造されたリプレスの様だ。
「おい、お前──名はなんという?」
ウーヴェがロメイに質問する。
「ロ、ロメイと言います……」
ロメイは直感で、この男に逆らってはダメだと肌で感じ取る。
「そうかい──それでロメイよ、私の部下であるグロックは何処にいる?」
直ぐに知らないと言おうと言葉を発しようとしたロメイに被せる様にして再度ウーヴェが話す。
「知らないとは言わせんぞ? ──お前がグロックと昼まで一緒だった事は知っている」
先に逃げる道を塞がれてしまうロメイはどうすれば良いか分からず、視線をあちこちに逃す。
「フンッ──お前がグロックと何を追っているか教えろ」
「な、なにも──」
否定の言葉を言い終わる前にリプレスの二人に両腕を掴まれしまう。
「ウーヴェさん、こいつ壊しますか?」
「──ッ!? や、やめてくれ!」
これから何をされるか想像したロメイは全力で懇願する。
「な、なんでも話すから、それだけはやめてくれ!」
ロメイの言葉にウーヴェが一度だけ手を振ると、今までロメイを抑えていたリプレスが腕を解放した。
「お、俺とグロックさんが追っていたのは一人の人間です」
「人間だと?」
ウーヴェの表情が少し動く。
グロックが必死になって動いていた為、もっと凄い山だと思っていたが、人間という言葉を聞き、ウーヴェは不思議に思った様だ。
「は、はい──奴隷の人間を、捕まえる為に追っていました」
「それは何故だ?」
もう、スクエとは関わりたく無かったロメイは本当は言いたく無かったが、ここでスクラップにされては堪らないと言わんばかりに、これまでの話を全てウーヴェに話す。
そして全て聴き終えたウーヴェはここに来て初めて笑う。
「あはは──そうか人間三原則が効かない人間か、面白い」
愉快そうに笑った後にウーヴェはロメイに命令する。
「明日、そこに私達を連れて行け」
「で、でも──」
「では、明日な──逃げたらどうなるか分かっているな?」
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