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第1章 ヒーロー見参
17話 ロメイにボコられるスクエ
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ロメイが足に力を込めて走り出したと思ったら一瞬でスクエの目の前に到着し顔、腹に1発ずつ攻撃を放っていた。
「あはは、やっぱり人間は脆いな!」
楽しむ様にスクエを殴り飛ばすロメイ。
──クソ、こんな奴にいい様にされてたまるかよ!
スクエもすかさず反撃する──そしてスクエが拳を握り突き出したのを見てロメイが驚く。
「あ? テメェ……なんで攻撃が出来る……?」
本来人間三原則でリプレスに攻撃など絶対出来る筈が無い筈なのにスクエが攻撃して来た事にロメイはかなり驚いている様だ。
しかし、たまたまだとロメイは自身の中で片付けたのか再びスクエに対して攻撃をくり広げる。
──だ、ダメだ当たらねぇ……
人を殴る事などした事ないスクエのパンチなどリプレスに取っては止まっているのも当然と言わんばかりに叩き落とされ、その後に3発程反撃を貰い悶絶するスクエ。
「あはは、お前──威勢が良かった割には呆気なく沈んだな」
ゆっくりとスクエに近付き目の前で立ち止まる。
「うぅ……ぅ……」
店員と同じ様に地面に転がり、痛みで呻き声を上げるスクエを見下ろし笑みを浮かべて更にスクエを痛み付けるように攻撃するロメイ。
「うぅ……イテェ……」
「あん? あはは、痛くしているんだから、当たり前だろ!」
死なない程度に調整された蹴りはスクエに常に最大限の痛みを与え続ける。
──ちっくしょ……
痛みで呻いていると、ロメイがスクエを見下ろし質問を掛けて来る。
「おぅ、何か言う事はあるか?」
「チビロボットが……」
ロメイはもちろんスクエが謝ると思っての質問だったが、実際はロメイを罵倒する言葉に頭の血管──いや配線が切れる程スクエに怒りを覚えた様だ。
「テメェは死なねぇーと分からねーみたいだな」
ロメイがスクエの頭を踏み潰そうと足を上げた所に店員が声を掛ける。
「ロメイ様、ダメです! ──その人間は昨日の赤目リプレスの奴隷です!」
「あん?」
奴隷の言葉に咄嗟に足を止めるロメイはスクエを見下ろす。
「ッチ、あの女の奴隷かよ……」
ロメイは後々の事を考え、面倒くなると思案したのかスクエを一度見てから奴隷の元に戻る。
「帰るぞ」
「は、はい」
ロメイの後を着いて行く店員は地面に倒れているスクエを心配そうに見るが、自分に出来る事は特に無いと思ったのか前を向いて歩き出した。
そしてスクエはボコボコにされ、あちこち痛む身体を引きずりながら家に帰宅する。
「どうした!?」
自宅に戻ると直ぐにノラがスクエの状況に気が付き近づいて来る。
「昨日のリプレスにやられた……」
「昨日と言うと、あの露店にいた者か?」
コクリと頷くスクエの顔は酷く腫れており、痛々しい。
「まずは、治療だ」
そう言うと、家にいるイナメイトに声を掛ける。
「スクエの治療をしろ」
「かしこまりました」
ノラの指示によりイナメイトがスクエの治療を始めた。
「ノラ──聞きたい事がある」
「なんだ?」
「俺達人間はどうやってもリプレスには敵わないのか?」
先程の戦闘で、リプレスと人間の圧倒的な身体能力の差を感じずにはいられなかった様だ。
「ふむ……その辺も話とこう──基本的には人間がリプレスを倒すのは無理だな」
ノラの言葉にスクエは顔を歪める。
「理由としては簡単だ、メンタルチップによる人間三原則が発動する為人間はリプレスに攻撃が出来ない」
「あぁ、それは分かったけど俺は違う」
「あぁ、それなんだ。スクエは人間三原則の効果が反映されないからな、リプレスに対して攻撃が出来る──しかしボコボコにやられたろ?」
悔しそうに頷く。
「まぁ、当たり前だ。リプレスは人間の身体能力を遥かに超える様に造られているからな──しかしこれを覆す事が出来る可能性がある」
「な、なんだ?!」
まさか、実際にどうにか出来る方法があると思わなかったスクエは食い気味にノラに対して質問する。
「職業だ」
「職業……?」
いきなり頭を捻るスクエにノラは少し微笑む様に笑い掛ける。
「メンタルチップが入っている人間には人間三原則のプログラムとは別に職業の開花も組み込まれている」
ノラの話を真剣に聞くスクエ。
「これは自身の適正な戦闘職をメンタルチップが判断して表示してくれるものでな──例えば剣士だったり狩人だったりと適正によって表示のされ方が違う」
──まるで、ゲームみたいだな……
「なので、強い職業であればリプレスを倒せる程の力を手に入れられるし、他にも職業が弱くてもスキルを買う事が出来る」
「スキルを買う?」
スクエは首を傾げる。
「あぁ、スキルを買ってメンタルチップにインストールする事で人間はスキルを使用出来る様になるんだよ」
──え?! 普通にメンタルチップ凄くね?
その言葉に希望を見出したスクエだったがノラの次の言葉で粉々に砕かれる。
「しかし、職業開花やスキルはメンタルチップを埋め込まれたものしか出来ないし、メンタルチップがあると言う事は人間三原則の効力がある為結局はリプレスを攻撃出来ない為、倒せないな」
その言葉を聞き、途端に落胆するスクエ。
「なら、俺はメンタルチップが無いから職を開花する事も出来ないし、スキルを自身にインストールする事も出来ないのか?」
ノラはしっかりと頷く。
「あぁ、そう言う事だ」
「そうか……」
──結局俺があのロメイとか言うリプレスを倒す事は無理そうだな……
スクエは無意識の内にロメイをどうにかして倒せないか考えていた様だが無理な事を悟り大きく落胆する。
「それと、我々リプレスも特殊な力を持っていてな……」
「おいおい……それだと益々人間側は勝てねぇーじゃねぇーかよ」
「全員が全員使える訳では無いが私達はそれを魔法と言っている」
「魔法……」
その言葉はスクエの住んでいた日本ではアニメ好きなら頻繁に聞く言葉であった。
「まぁ、魔法もスキルと同じでリプレス自身にインストールする事で使用できるが、これに関しては一般的なリプレスは使えないと思っても問題無い」
「なんでだ?」
「魔法がとても高価だからだ──スキルもそこそこ高いが、魔法は特に高い為、一般的なリプレスは、まず使用出来ない」
ノラの言葉にスクエが納得する。
「なら、どんな奴が使えるんだ?」
「ふむ。まずは金持ちだな、金さえ有れば魔法を買って自身にインストールすればいいだけだからな」
「他は?」
「もう一つは兵士だな──前に説明したと思うがこの国アクアスを含めて四つの国があるが、どの国も戦争をしていてな……」
ノラの表情が少し曇る。
「その戦争の際に兵士として他国と戦う者に関しては高価な魔法を無料でインストールする事が許されている」
「なるほどな……」
納得したスクエは首を縦に何度か振った。
「まぁ……話しは逸れたが、人間の場合は職業とスキル次第でリプレスを倒す事が出来るが、結局は人間三原則の効果で実質倒すのは無理だって事だな」
ノラがスクエにわかりやすい様にまとめてくれる。
「──なら、結局俺がノラに協力したとしても、俺自身、職業もスキルも使えねぇーんだし、人間救う事なんて出来なくねぇか?」
スクエの言葉にノラは表情を崩して必死に否定する。
「そ、そんな事は無い! きっと私がなんとかする──だから一緒に──」
面倒くさくなると思ったのか、ノラの言葉を遮る様にスクエは席を立ち上がる。
どうやらスクエとノラが話している内にイナメイトによる治療が完了し痛みは残りつつも命に別状は無い様だ。
「今日は疲れたから先に寝させて貰う」
「あ、あぁ、ゆっくり休むと良い……」
スクエは部屋に戻ると糸が切れた操り人形の様にベットに倒れ込んだ。
「あはは、やっぱり人間は脆いな!」
楽しむ様にスクエを殴り飛ばすロメイ。
──クソ、こんな奴にいい様にされてたまるかよ!
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「あ? テメェ……なんで攻撃が出来る……?」
本来人間三原則でリプレスに攻撃など絶対出来る筈が無い筈なのにスクエが攻撃して来た事にロメイはかなり驚いている様だ。
しかし、たまたまだとロメイは自身の中で片付けたのか再びスクエに対して攻撃をくり広げる。
──だ、ダメだ当たらねぇ……
人を殴る事などした事ないスクエのパンチなどリプレスに取っては止まっているのも当然と言わんばかりに叩き落とされ、その後に3発程反撃を貰い悶絶するスクエ。
「あはは、お前──威勢が良かった割には呆気なく沈んだな」
ゆっくりとスクエに近付き目の前で立ち止まる。
「うぅ……ぅ……」
店員と同じ様に地面に転がり、痛みで呻き声を上げるスクエを見下ろし笑みを浮かべて更にスクエを痛み付けるように攻撃するロメイ。
「うぅ……イテェ……」
「あん? あはは、痛くしているんだから、当たり前だろ!」
死なない程度に調整された蹴りはスクエに常に最大限の痛みを与え続ける。
──ちっくしょ……
痛みで呻いていると、ロメイがスクエを見下ろし質問を掛けて来る。
「おぅ、何か言う事はあるか?」
「チビロボットが……」
ロメイはもちろんスクエが謝ると思っての質問だったが、実際はロメイを罵倒する言葉に頭の血管──いや配線が切れる程スクエに怒りを覚えた様だ。
「テメェは死なねぇーと分からねーみたいだな」
ロメイがスクエの頭を踏み潰そうと足を上げた所に店員が声を掛ける。
「ロメイ様、ダメです! ──その人間は昨日の赤目リプレスの奴隷です!」
「あん?」
奴隷の言葉に咄嗟に足を止めるロメイはスクエを見下ろす。
「ッチ、あの女の奴隷かよ……」
ロメイは後々の事を考え、面倒くなると思案したのかスクエを一度見てから奴隷の元に戻る。
「帰るぞ」
「は、はい」
ロメイの後を着いて行く店員は地面に倒れているスクエを心配そうに見るが、自分に出来る事は特に無いと思ったのか前を向いて歩き出した。
そしてスクエはボコボコにされ、あちこち痛む身体を引きずりながら家に帰宅する。
「どうした!?」
自宅に戻ると直ぐにノラがスクエの状況に気が付き近づいて来る。
「昨日のリプレスにやられた……」
「昨日と言うと、あの露店にいた者か?」
コクリと頷くスクエの顔は酷く腫れており、痛々しい。
「まずは、治療だ」
そう言うと、家にいるイナメイトに声を掛ける。
「スクエの治療をしろ」
「かしこまりました」
ノラの指示によりイナメイトがスクエの治療を始めた。
「ノラ──聞きたい事がある」
「なんだ?」
「俺達人間はどうやってもリプレスには敵わないのか?」
先程の戦闘で、リプレスと人間の圧倒的な身体能力の差を感じずにはいられなかった様だ。
「ふむ……その辺も話とこう──基本的には人間がリプレスを倒すのは無理だな」
ノラの言葉にスクエは顔を歪める。
「理由としては簡単だ、メンタルチップによる人間三原則が発動する為人間はリプレスに攻撃が出来ない」
「あぁ、それは分かったけど俺は違う」
「あぁ、それなんだ。スクエは人間三原則の効果が反映されないからな、リプレスに対して攻撃が出来る──しかしボコボコにやられたろ?」
悔しそうに頷く。
「まぁ、当たり前だ。リプレスは人間の身体能力を遥かに超える様に造られているからな──しかしこれを覆す事が出来る可能性がある」
「な、なんだ?!」
まさか、実際にどうにか出来る方法があると思わなかったスクエは食い気味にノラに対して質問する。
「職業だ」
「職業……?」
いきなり頭を捻るスクエにノラは少し微笑む様に笑い掛ける。
「メンタルチップが入っている人間には人間三原則のプログラムとは別に職業の開花も組み込まれている」
ノラの話を真剣に聞くスクエ。
「これは自身の適正な戦闘職をメンタルチップが判断して表示してくれるものでな──例えば剣士だったり狩人だったりと適正によって表示のされ方が違う」
──まるで、ゲームみたいだな……
「なので、強い職業であればリプレスを倒せる程の力を手に入れられるし、他にも職業が弱くてもスキルを買う事が出来る」
「スキルを買う?」
スクエは首を傾げる。
「あぁ、スキルを買ってメンタルチップにインストールする事で人間はスキルを使用出来る様になるんだよ」
──え?! 普通にメンタルチップ凄くね?
その言葉に希望を見出したスクエだったがノラの次の言葉で粉々に砕かれる。
「しかし、職業開花やスキルはメンタルチップを埋め込まれたものしか出来ないし、メンタルチップがあると言う事は人間三原則の効力がある為結局はリプレスを攻撃出来ない為、倒せないな」
その言葉を聞き、途端に落胆するスクエ。
「なら、俺はメンタルチップが無いから職を開花する事も出来ないし、スキルを自身にインストールする事も出来ないのか?」
ノラはしっかりと頷く。
「あぁ、そう言う事だ」
「そうか……」
──結局俺があのロメイとか言うリプレスを倒す事は無理そうだな……
スクエは無意識の内にロメイをどうにかして倒せないか考えていた様だが無理な事を悟り大きく落胆する。
「それと、我々リプレスも特殊な力を持っていてな……」
「おいおい……それだと益々人間側は勝てねぇーじゃねぇーかよ」
「全員が全員使える訳では無いが私達はそれを魔法と言っている」
「魔法……」
その言葉はスクエの住んでいた日本ではアニメ好きなら頻繁に聞く言葉であった。
「まぁ、魔法もスキルと同じでリプレス自身にインストールする事で使用できるが、これに関しては一般的なリプレスは使えないと思っても問題無い」
「なんでだ?」
「魔法がとても高価だからだ──スキルもそこそこ高いが、魔法は特に高い為、一般的なリプレスは、まず使用出来ない」
ノラの言葉にスクエが納得する。
「なら、どんな奴が使えるんだ?」
「ふむ。まずは金持ちだな、金さえ有れば魔法を買って自身にインストールすればいいだけだからな」
「他は?」
「もう一つは兵士だな──前に説明したと思うがこの国アクアスを含めて四つの国があるが、どの国も戦争をしていてな……」
ノラの表情が少し曇る。
「その戦争の際に兵士として他国と戦う者に関しては高価な魔法を無料でインストールする事が許されている」
「なるほどな……」
納得したスクエは首を縦に何度か振った。
「まぁ……話しは逸れたが、人間の場合は職業とスキル次第でリプレスを倒す事が出来るが、結局は人間三原則の効果で実質倒すのは無理だって事だな」
ノラがスクエにわかりやすい様にまとめてくれる。
「──なら、結局俺がノラに協力したとしても、俺自身、職業もスキルも使えねぇーんだし、人間救う事なんて出来なくねぇか?」
スクエの言葉にノラは表情を崩して必死に否定する。
「そ、そんな事は無い! きっと私がなんとかする──だから一緒に──」
面倒くさくなると思ったのか、ノラの言葉を遮る様にスクエは席を立ち上がる。
どうやらスクエとノラが話している内にイナメイトによる治療が完了し痛みは残りつつも命に別状は無い様だ。
「今日は疲れたから先に寝させて貰う」
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